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手取り計算機

額面の月給を入れるだけで、社会保険料(健康保険・厚生年金・雇用保険・子ども子育て支援金)・給与の源泉所得税住民税を差し引いた手取りを自動計算します。2026年度の都道府県別料率と国税庁の月額表に対応。

住民税の扱い

額面(税引き前の総支給額)から社会保険料・所得税・住民税を引いた残りが手取りです。上の計算機で自分の額面・年齢・都道府県から手取りが出せます。以下では、その内わけと、額面が1円増えただけで手取りが月2,837円減る「等級の崖」まで、条文と実数で解説します(一般的な計算方法の説明であり、個別の税務相談ではありません)。

使い方と注意点

住民税は「去年の給料」にかかります 住民税は今の月給ではなく前年の所得で決まり(地方税法32条1項)、6月から翌年5月まで毎月天引きされます(321条の5第1項)。だから今の額面からは住民税は出せません。新卒1年目は前年に所得がないため引かれず、2年目の6月から引かれ始めて手取りが急に減ります。この計算機の「概算」は、この年収が前年も続いたと仮定した2年目以降の目安です。正確な額は給与明細の住民税額を入力してください。

額面の月給に含めるもの

基本給のほか、残業手当・通勤手当・住宅手当・役職手当など、労働の対償として支給されるものはすべて含みます(通勤手当も含む点に注意)。社会保険料の等級(標準報酬月額)は、この総支給額をもとに決まります。

この計算機の前提

健康保険は協会けんぽ(全国健康保険協会)の都道府県別料率、厚生年金18.3%(全国一律)、雇用保険は選んだ業種の料率で計算します。健康保険組合に加入している場合は料率が異なります。所得税は国税庁の給与所得の源泉徴収税額表(月額表・甲欄)で計算した源泉徴収額です(年末調整で精算されます)。賞与は含みません(月給のみ・賞与の手取りはボーナス手取り計算機で計算できます)。住民税の概算は、扶養親族をすべて一般扶養(16歳以上)として計算しています。

本ツールの計算結果は目安です。標準報酬月額は本来、定時決定・随時改定で決まるため、入社直後や大きな給与変動の直後は実際とずれることがあります。正確な控除額は給与明細・源泉徴収票・住民税決定通知書でご確認ください。

手取りの計算式 — 額面から引かれる6つ

手取り(差引支給額)は、次の式で決まります。

手取り = 額面 −(健康保険料 + 厚生年金保険料 + 子ども子育て支援金 + 雇用保険料)− 所得税 − 住民税

このうち最初の4つ(社会保険料)が、引かれる額のいちばん大きな部分です。額面30万円の人で見ると、社会保険料が44,070円なのに対し、所得税は6,320円しかありません。「税金で持っていかれる」と感じている額の正体は、その大半が社会保険料です。

引かれるもの何にかかるか本人負担(東京都・30歳・額面30万円)
健康保険料標準報酬月額(等級表)14,775円(料率9.85%の半分)
厚生年金保険料標準報酬月額(等級表)27,450円(料率18.3%の半分)
子ども・子育て支援金標準報酬月額(等級表)345円(料率0.23%の半分)
雇用保険料賃金総額(実際の支給額)1,500円(1,000分の5)
所得税社会保険料を引いたの額6,320円
住民税前年の所得人により異なる(後述)

健康保険・厚生年金・支援金と、雇用保険は「かかる土台」が違う

前の3つは標準報酬月額(等級表で丸めた額)にかかりますが、雇用保険だけは「賃金総額」=実際に支払われた額にかかります(労働保険徴収法11条1項)。だから残業代が増えれば雇用保険料はその月からすぐ増えますが、健康保険料と厚生年金保険料はその月には1円も動きません。この違いが、次に述べる「崖」を生みます。

額面 300,000円(東京都・30歳・扶養なし/住民税を除く)の内わけ ※幅は金額比 手取り 249,610円(83.2%) 社会保険料 44,070円 所得税 6,320円 社会保険料 44,070円 の内わけ(本人負担分): 厚生年金 27,450円 健康保険 14,775円 ← 雇用1,500円/支援金345円 ※ 厚生年金と健康保険だけで社会保険料の96%を占める。所得税より社会保険料のほうがはるかに重い。
額面30万円の内わけ。引かれる50,390円のうち、社会保険料が44,070円(87%)を占める。

額面別の手取り早見表(東京都・30歳・扶養なし)

令和8年度の料率(東京都の健康保険9.85%・厚生年金18.3%・支援金0.23%・雇用保険5/1000)と、国税庁「令和8年分 源泉徴収税額表」の月額表・甲欄で計算した実数です。住民税は前年の所得で決まるため、この表には含めていません(後述)。

額面(月)手取り手取り率社会保険料所得税標準報酬月額
200,000円167,350円83.7%29,380円3,270円200,000円
250,000円207,086円82.8%38,144円4,770円260,000円
300,000円249,610円83.2%44,070円6,320円300,000円
350,000円289,346円82.7%52,834円7,820円360,000円
400,000円329,072円82.3%60,178円10,750円410,000円
500,000円408,690円81.7%73,450円17,860円500,000円

手取り率は、額面が上がるほど下がる…とは限らない

上の表をよく見てください。額面25万円の手取り率は82.8%なのに、額面30万円は83.2%と、かえって高くなっています。額面が増えたのに手取り率が上がる、という逆転です。

理由は標準報酬月額の欄にあります。額面25万円の人の標準報酬月額は260,000円で、実際の給料より1万円も高い額で保険料を計算されています。一方、額面30万円の人の標準報酬月額はちょうど300,000円で、給料と一致しています。等級表のどこに乗っているかで、同じ給料でも損得が出るのです。次の2つの節で、その仕組みを見ます。

額面が1円増えて、手取りが2,837円減る

社会保険料は、額面そのものではなく標準報酬月額にかかります。標準報酬月額は健康保険法40条・厚生年金保険法20条が定める等級表で、報酬月額をあらかじめ決められた段に丸めたものです。たとえば健康保険の第22級・第23級は次のようになっています。

等級標準報酬月額報酬月額の範囲
第22級300,000円290,000円以上 310,000円未満
第23級320,000円310,000円以上 330,000円未満

境目は310,000円です。ここをまたぐと、標準報酬月額が20,000円ジャンプします。実際に計算すると、こうなります(東京都・30歳・扶養なし・一般の事業)。

 額面 309,999円額面 310,000円
等級・標準報酬月額第22級・300,000円第23級・320,000円+20,000円
健康保険料14,775円15,760円+985円
厚生年金保険料27,450円29,280円+1,830円
子ども・子育て支援金345円368円+23円
雇用保険料1,550円1,550円0円
社会保険料 合計44,120円46,958円+2,838円
所得税6,650円6,650円0円
手取り259,229円256,392円−2,837円

額面が1円多い人のほうが、手取りが2,837円少ない

年額にすると34,044円の差です。給料の差は1円しかありません。

ここで注目してほしいのは所得税の行が「0円」であることです。ふつう社会保険料が増えれば、その分だけ課税対象(社会保険料等控除後の給与等の金額)が減るので、所得税も下がって損を一部打ち消してくれるはずです。ところが今回は、社会保険料を引いた後の金額が265,879円と263,042円で、どちらも源泉徴収税額表の同じ行(263,000円以上266,000円未満=6,650円)に収まってしまいます。税額表も3,000円刻みの階段なので、2,838円の差をまるごと飲み込んでしまうのです。結果、社会保険料の増加が1円も相殺されずに手取りの減少になります。

報酬月額と標準報酬月額(等級表は階段) 290,000 310,000 330,000(報酬月額) 第22級 標準報酬月額 300,000円 第23級 標準報酬月額 320,000円 309,999円 310,000円 この1円で標準報酬月額が20,000円上がる → 社会保険料 +2,838円/所得税は同じ行で変わらず ⇒ 手取り −2,837円(年 −34,044円)
等級表は階段なので、境目の1円が標準報酬月額を20,000円動かす。手取りは逆に2,837円下がる。

ではこの「1円」はいつ測られるのか。毎月の給料ではありません。健康保険法41条1項は、標準報酬月額を「毎年7月1日…同日前3月間」4月・5月・6月に受けた報酬の平均で決めると定めています(定時決定)。そして41条2項が、そこで決まった標準報酬月額を「その年の9月から翌年の8月まで」使うと定めています。

つまり4〜6月の平均が1円違うだけで、9月から翌年8月までの1年間、毎月の保険料が変わり続けるということです。「4〜6月に残業をすると社会保険料が上がる」と言われるのは、この条文が理由です。

ただし「支払基礎日数17日未満の月」は平均から外れる

41条1項には続きがあり、「報酬支払の基礎となった日数が17日…未満である月があるときは、その月を除く」とあります。たとえば4月が欠勤続きで支払基礎日数が17日に満たなければ、その月は平均の計算から丸ごと除かれ、5月と6月の2か月平均になります。「4月の給料が少なかったから今年は等級が下がるはず」と考えると、外れることがあります。

社会保険料計算機で、自分の標準報酬月額と保険料を確かめる

同じ等級の中なら、給料が2万円違っても保険料は同じ

崖の裏返しとして、等級の内側では給料がいくら違っても保険料は1円も変わりません。健康保険の第20級は「250,000円以上270,000円未満」で、標準報酬月額は260,000円です。この幅の中にいる限り、全員が260,000円で計算されます。

 額面 250,000円(等級の下端)額面 269,999円(等級の上端)
標準報酬月額260,000円260,000円
健康保険料12,805円12,805円(同額)
厚生年金保険料23,790円23,790円(同額)
手取り207,086円226,295円

給料は19,999円違うのに、健康保険料も厚生年金保険料もまったく同じです。ここに、標準報酬月額という仕組みの本質があります。

等級の下端の人は「実際の給料より高い額」で保険料を払っている

額面250,000円の人の標準報酬月額は260,000円。もらっていない1万円の分まで保険料を取られていることになります。逆に額面269,999円の人は、標準報酬月額260,000円=実際の給料より約1万円低い額で計算されており、得をしています。「額面別の手取り早見表」で額面25万円の手取り率が30万円より低かったのは、これが理由です。

ただし厚生年金は将来の年金額も標準報酬月額で決まるので、高い等級で払うことが一方的な損とは限りません。保険料が高い=将来の老齢厚生年金も増える、という関係にあります。

住民税は「去年の給料」にかかる — 1年目は引かれない

ここまでの早見表には住民税を含めていません。含められないからです。住民税は、今年の給料ではなく前年の所得にかかります。地方税法32条1項が「所得割の課税標準は、前年の所得について算定した総所得金額…とする」と明記しています。

その結果、次のことが起きます。

天引きの期間も条文で決まっています。地方税法321条の5第1項は、特別徴収税額の「12分の1の額を6月から翌年5月まで」毎月徴収すると定めています。住民税の1年は4月始まりでも1月始まりでもなく、6月始まりです。

税率は次のとおりです(標準税率)。

区分税率・金額根拠
所得割(道府県民税)4%地方税法35条1項
所得割(市町村民税)6%地方税法314条の3第1項
均等割(道府県民税)1,000円/年地方税法38条
均等割(市町村民税)3,000円/年地方税法310条
森林環境税1,000円/年森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律5条

所得割は合わせて10%、定額部分は合わせて年5,000円です。

政令指定都市に住んでいる人は、内わけだけが違う(合計は同じ10%)

地方税法35条1項はかっこ書きで、納税義務者が指定都市の区域内に住所を有する場合には「百分の二」と定めています。314条の3第1項も同様に、指定都市なら市民税を「百分の八」としています。つまり大阪市・横浜市・名古屋市などに住む人は道府県民税2%+市民税8%です。合計10%は変わらないので手取りに差は出ませんが、住民税決定通知書の内わけを見て「自分だけ税率が違う」と驚く必要はありません。

厚生年金は65万円で頭打ち — 法律の表は62万円までしかない

標準報酬月額には上限があります。健康保険は第50級・1,390,000円(健康保険法40条1項)、厚生年金は第32級・650,000円です。厚生年金の上限に達すると、それ以上いくら稼いでも厚生年金保険料は1円も増えません

額面(月)健康保険の標準報酬月額厚生年金の標準報酬月額厚生年金保険料(本人)
630,000円620,000円620,000円56,730円
640,000円650,000円650,000円59,475円
700,000円710,000円650,000円(頭打ち)59,475円
1,000,000円980,000円650,000円(頭打ち)59,475円

額面70万円の人も、額面100万円の人も、厚生年金保険料は同じ59,475円です。健康保険料のほうは139万円まで上がり続けるので、高収入層では健康保険だけが増えていくという形になります。

踏み込んだ一段:厚生年金保険法を読んでも、上限の65万円は出てこない

厚生年金保険法20条1項の等級表は、第31級・620,000円(605,000円以上)で終わっています。条文にある最高等級は62万円であって、65万円ではありません。

ではなぜ実務の上限が65万円なのか。20条2項が、全被保険者の標準報酬月額の平均の200%が最高等級を超える状態が続くときは「政令で、当該最高等級の上に更に等級を加える」ことができると定めているからです。この委任を受けた令和2年政令第246号が、20条1項の表を読み替えて第32級・650,000円(635,000円以上)を追加しました(令和2年9月1日施行)。法律だけを読んでも今の上限は分かりません。

ついでに言うと、同じ政令の2条が賞与の上限(1回あたり150万円)も定めています。厚生年金の上限まわりの数字は、この1本の政令に集まっています。

同じ額面でも手取りが変わる4つの軸

「額面30万円の手取りは?」に唯一の答えがないのは、次の4つで変わるからです。

何が変わるか影響の大きさ
年齢40歳から介護保険料(1.62%の半分)が加わる額面30万円なら手取りが2,330円減る
都道府県健康保険料率が違う(令和8年度:東京都9.85%、新潟県9.21%)額面30万円で月960円ほど
業種雇用保険料率が違う(一般5/1000、建設・農林水産6/1000)額面30万円で月300円
扶養親族の数所得税の源泉徴収税額が下がる1人につき月数千円

年齢の影響がいちばん大きい点は覚えておく価値があります。40歳の誕生日を迎えた月から介護保険料の徴収が始まるので、昇給していないのに手取りだけが減ります。額面30万円・東京都なら、社会保険料が44,070円から46,500円に増え、手取りは249,610円から247,280円に下がります。

源泉徴収税額計算ツールで、扶養人数を変えて所得税を確かめる

よくある質問

Q. 手取りは額面の何割ですか?

A. おおむね8割です。東京都・30歳・扶養なしで計算すると、額面20万円で83.7%(手取り167,350円)、額面30万円で83.2%(249,610円)、額面50万円で81.7%(408,690円)となります(住民税を除く)。額面が上がるほど手取り率は下がる傾向にありますが、標準報酬月額の等級表のどこに乗るかで前後するため、単純に下がり続けるわけではありません。実際、額面25万円の手取り率82.8%より、額面30万円の83.2%のほうが高くなります。住民税まで引かれると、これより月1〜2万円ほど手取りが少なくなります。

Q. 額面が増えたのに手取りが減ることはありますか?

A. あります。社会保険料は標準報酬月額という等級表の階段で決まるため、境目をまたぐと保険料が一段上がります。東京都・30歳・扶養なしの場合、報酬月額309,999円なら健康保険の第22級(標準報酬月額300,000円)ですが、310,000円だと第23級(320,000円)に上がり、社会保険料が2,838円増えます。所得税は源泉徴収税額表の同じ行に収まって変わらないため、手取りは2,837円減ります。年額では34,044円の差です。給料の差はわずか1円です。

Q. 4月から6月に残業すると損しますか?

A. 社会保険料は上がります。健康保険法41条1項が、標準報酬月額を「毎年7月1日」の「同日前3月間」=4月・5月・6月に受けた報酬の平均で決めると定めており、41条2項でその額を「その年の9月から翌年の8月まで」使うと定めているためです。したがって4〜6月の残業代は、9月から1年間の保険料を押し上げます。ただし厚生年金保険料が上がれば将来受け取る老齢厚生年金も増えるので、一方的な損とは限りません。なお支払基礎日数が17日未満の月は平均から除かれます。

Q. 新入社員の手取りが2年目に減るのはなぜですか?

A. 住民税が引かれ始めるからです。地方税法32条1項は住民税の所得割の課税標準を「前年の所得」と定めているため、前年に所得がない新卒1年目には住民税がかかりません。2年目は前年(=入社1年目)の所得があるので課税され、地方税法321条の5第1項により6月から翌年5月まで毎月天引きされます。所得割は道府県民税4%と市町村民税6%の合計10%、これに均等割4,000円と森林環境税1,000円が加わります。

Q. 給料が高い人ほど厚生年金保険料も高いのですか?

A. 途中までは高くなりますが、標準報酬月額650,000円(第32級)で頭打ちになります。額面70万円の人も額面100万円の人も、厚生年金保険料の本人負担は同じ59,475円です。なお厚生年金保険法20条1項の等級表は第31級・620,000円までしか書かれておらず、第32級は同条2項の委任を受けた令和2年政令第246号が追加したものです。健康保険のほうは第50級・1,390,000円まで上がり続けます。

出典

本ページの解説・計算例は令和8年(2026年)時点の法令にもとづく一般的な情報であり、個別の事案に対する助言ではありません。実際の手取りは、加入している健康保険(協会けんぽ・健康保険組合)、住んでいる市区町村、扶養親族の数、各種控除、賞与や通勤手当の有無などによって異なります。記事中の計算例は住民税を含んでいません。正確な金額は給与明細および住民税決定通知書でご確認ください。

制度と税金の、別の計算

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