税金・経理・補助金ツールズ

税金・給与・社会保険・補助金のコラム

税金・給与・社会保険・年金・給付・補助金など、暮らしと仕事で迷いやすいことを、公的機関の一次資料にあたって整理しています。

社会保険・年金(35)

加入の条件、保険料の決まり方(標準報酬月額・定時決定・随時改定)、賞与支払届などの手続、扶養と年収の壁。

2026.08.24
雇用保険被保険者証とは — 誰が誰に交付し、入社時に何をし、なくしたらどう再交付するか
被保険者証の名宛人は会社ではなく本人。入社時にするのは「提出」ではなく「提示」で、退職時に返す条文は無い。
2026.08.17
遺族年金は誰が受け取れるか — 保険料納付・遺族の範囲・生計維持の3つの門を条文で確かめる
遺族年金は「いくら」の前に「そもそも出るか」で決まる。門は3つで、1つでも欠けると1円も出ない。門①亡くなった人の保険料納付要件=国民年金法37条ただし書・厚生年金保険法58条1項ただし書。死亡日の属する月の前々月までの被保険者期間のうち、納付済期間と免除期間の合計が3分の2以上。判定時点は「死亡日の前日」なので、亡くなった後に納めても遡れない。特例の期限が延びている=昭和60年改正法附則20条2項・64条2項の「直近1年に未納がなければよい」という特例は、改正前は「令和八年四月一日前に死亡した者」だったが、令和7年法律第74号で「令和十八年四月一日前」に。今日は令和8年8月=旧期限を過ぎているので「もう使えない」と書いた記事が残っているが、10年延長されている。ただし死亡日に65歳以上の人には使えない。門②遺族の範囲は基礎と厚生でまるで違う=遺族基礎年金は配偶者と子だけで、しかも配偶者は「子と生計を同じくすること」が要件(37条の2第1項1号)=子のいない配偶者には1円も出ない。遺族厚生年金は配偶者・子・父母・孫・祖父母だが、妻以外には要件があり夫・父母・祖父母は55歳以上。しかも59条2項の順位で、先順位がいれば後順位には出ない。夫は55歳で受給権を得るが支給は60歳から(65条の2)。ただし遺族基礎年金の受給権がある夫は停止されない。門③生計維持は「前年収入850万円未満または所得655万5千円未満」だが、政令の書き方は「将来にわたって有すると認められる者以外」=厚労省の認定基準は4番目に「定年退職等の事情により近い将来(おおむね5年以内)に下回ると認められること」を置いている=いま850万円超でも通りうる。失権は死亡・婚姻・養子縁組・離縁で、婚姻は事実婚を含む。令和10年4月からの改正は「5年で打ち切り」ではない=59条ただし書が「妻以外」から「配偶者以外」に変わり夫の55歳要件が消える一方、65条は基準日(5年経過)以後に前年所得が基準額を超えるとき「支給停止額に相当する部分」を止める仕組みで、所得が低ければ支給は続く。全部停止が2年続いて初めて失権(63条2項)。
2026.08.18
国民健康保険料はどう決まるか — 令和8年度から4区分になり、上限は合計113万円
国民健康保険料は令和8年度から基礎・後期高齢者支援金等・介護納付金・子ども・子育て支援納付金の4区分になり、賦課限度額は区分ごとに67万円・26万円・17万円・3万円で合計113万円です。国民健康保険法76条・81条・110条、同法施行令29条の7、地方税法703条の4・314条の2で確かめます。7割5割2割の軽減判定は所得税の所得と計算が違うこと、世帯主が国保に入っていなくても判定に入ること、保険料か保険税かで遡られる年数が2年と5年に変わることを条文で示します。
2026.08.15
産前産後休業(産休)はいつからいつまで — 産前は請求しないと始まらない。産後6週間は本人が希望しても働かせられない
産前6週・産後8週(多胎は産前14週)。産前は請求制・産後は強制で、産後6週経過後は本人の請求+医師の認定で就業可。保険料免除は「終了日の翌日が属する月の前月」まで=月末退休かどうかで1か月動く。免除は事業主の申出が要件。
2026.07.14
雇用保険の加入条件【令和8年】週20時間・31日と学生・掛け持ちの例外
加入条件は「週20時間以上」+「31日以上の雇用見込み」の2つ。条文に「加入条件」の条は無く、6条は適用除外のリスト。だから20時間ちょうどは加入する。除外されるのは昼間学生だけで、夜間学部・定時制はそもそも除外されない。昼間学生でも卒業見込み・休学中・社会人大学院生・通信制は加入。掛け持ちは合算しない(65歳以上だけ例外)。2028年10月に週10時間へ。
2026.07.13
社会保険の加入条件|パートの4分の3基準と週20時間を図解
社会保険(健康保険・厚生年金)の加入条件を判定フロー図で解説。適用事業所で働く正社員は原則加入、パートは「4分の3基準」か「週20時間・月8.8万円・従業員51人以上」。2026年10月に賃金要件(106万円の壁)が撤廃される最新情報と、雇用保険との違いまで。無料の保険料計算ツールつき。
2026.08.17
一人親方労災保険の保険料と経理 — 料率は事業の種類で17倍違い、保険料は必要経費ではなく社会保険料控除です
一人親方の特別加入保険料は「給付基礎日額に応ずる保険料算定基礎額 × 第二種特別加入保険料率」で決まる(労働保険徴収法14条1項)。給付基礎日額は3,500円〜25,000円の16段階(労災保険法施行規則46条の20第1項・46条の24で一人親方に準用)で、保険料算定基礎額は徴収法施行規則の別表第四。全16段とも日額×365にちょうど一致することを実測で確認した。料率は徴収法施行規則の別表第五(第二種特別加入保険料率表)。1000分の3から1000分の52まであり、開きは17.3倍。林業が1000分の52で最も高く、柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師・歯科技工士・特定受託事業者(フリーランス)が1000分の3で最も低い。建設事業は1000分の17。令和5年法律25号のフリーランス法にいう特定受託事業者が労災保険法施行規則46条の17第12号として一人親方の事業に入っている。経理での置き場所を間違えやすい。この保険料は事業の必要経費ではなく社会保険料控除(所得控除)。根拠は所得税法74条2項が列挙する12項目ではなく、同項柱書きの「その他これらに準ずるもので政令で定めるもの」を受けた所得税法施行令208条1号。74条2項4号が拾っているのは「雇用保険の被保険者として負担する」分だけで、労災保険料はそこに無い。置き場所を間違えると事業所得の金額が変わるので、国民健康保険料や個人事業税の計算基礎まで動く。組合費・入会金・事務手数料は「保険料」ではないので施行令208条1号の外。組合は1枚の請求書でまとめて請求してくるため内訳を分ける必要がある。消費税でも保険料は非課税(消費税法別表第二3号)だが事務手数料は課税。特別加入では団体が「適用事業及びその事業主とみなす」(労災保険法35条1項1号)、加入者本人は「労働者とみなす」(同3号)。だから保険給付の請求に事業主の証明が要らない(労災保険法施行規則46条の27第1項)。同一の種類の事業・作業について複数の団体に重ねて加入することはできない(労災保険法35条2項)。自動車等による運送の事業(46条の17第1号)と漁船による水産動植物の採捕の事業(同3号)の一人親方は通勤災害が対象外(同46条の22の2)。保険料を滞納している期間中の事故は保険給付の全部または一部を行わないことができる(労災保険法35条1項7号)。年度の途中に加入した場合は月割で、算定基礎額を12で除して1円未満を切り上げてから月数を掛ける(徴収法施行規則22条ただし書)。日額10,000円で6か月なら1,825,002円となり、単純に半分にした1,825,000円とは2円ずれる。
2026.07.14
雇用保険料率【令和8年度】5/1,000へ引き下げ|労使折半でない理由
令和8年度の雇用保険料率は一般の事業で13.5/1,000(労働者5/1,000・事業主8.5/1,000)。前年度14.5/1,000から引き下げ。折半でないのは差の3.5/1,000が事業主だけ負担の「雇用保険二事業」だから。法律に5/1,000という数字は無く、二事業を引いてから半分にすると出る。健康保険・厚生年金と違い標準報酬月額でなく賃金総額(総支給額)にかかるため、等級表も上限もない。
2026.08.15
労災保険料率とは — 業種で35倍違う。令和8年度は据え置きで、全額が会社負担
労災保険料率は業種で35倍違う(2.5〜88/1000)。令和8年度は令和6年4月改定から据え置き。53業種の全率一覧と、労働者負担がゼロである条文上の理由、建設業だけ土台が請負金額×労務費率になる理由、メリット制の±40%まで。
2026.08.15
資格確認書と資格情報のお知らせは何が違うか|事業主に課されている交付・回収の義務と、届くまでのつなぎ
「資格情報のお知らせ」の法令上の名前は資格情報通知書。保険者の通知は義務で、事業主経由も義務(規則51条の3第3項・4項)。資格確認書は申請して交付を受けるもので有効期限は5年以内。退職時に回収して返納する義務は資格確認書について残っている(規則51条)。
2026.08.22
マイナ保険証とは何か — 健康保険法に「マイナ保険証」という言葉は一度も出てこない
マイナ保険証という言葉は、健康保険法にも健康保険法施行規則にも一度も出てきません。e-Gov法令API v2で両方の全文を取得して数えると0回です。法律が定めているのは健康保険法3条13項の「電子資格確認」で、送信するのはカードそのものではなくカードに記録された利用者証明用電子証明書です。63条3項の改正で原則と例外は入れ替わり、いまや電子資格確認が原則、資格確認書は「その他厚生労働省令で定める方法」の側にあります。従来の健康保険証は2024年12月2日以降発行されず、有効期限は2025年12月1日で終了、期限切れの証を持参した場合の暫定対応も2026年7月31日で終わりました。さらに施行規則47条は資格確認書を申請制と書いているのに、運用は当分の間の職権交付です。条文と厚生労働省の資料を引用して、会社の実務で何が変わり何が変わっていないかまで整理します。
2026.08.22
確定拠出年金とは — 2026年12月1日に限度額が一本化され、企業型DCは月6.2万円になる
確定拠出年金の拠出限度額は、2026年12月1日に全面的に書き換わります。企業型DCは月5.5万円から6.2万円へ、iDeCoの第2号加入者は勤務先の企業年金の有無で23,000円・20,000円に分かれていたものが月6.2万円へ一本化され、20,000円と35,000円という2つの敷居が条文から消えます。第1号加入者は68,000円から75,000円へ。動かないのは第3号加入者の23,000円だけです。さらにマッチング拠出の「加入者掛金は事業主掛金を超えられない」という制限は、法4条1項三の二という枝番号の号ごと、2026年4月1日に削除済みです。事業主掛金が給与所得に含まれない根拠、損金算入の条文、選択制DCで標準報酬月額が下がる問題まで、e-Gov法令API v2で取得した条文と厚生労働省の資料で確かめて整理します。
2026.08.27
企業型DCは退職したらどうなるか — 6か月の起点は退職日ではなく、移換先は条文が5つ名指ししている
企業型DCを持ったまま退職したとき、よく言われる「6か月以内」の起点は退職日ではありません。確定拠出年金法83条1項1号は「資格を喪失した日が属する月の翌月から起算して六月以内」と書いています。移換先は同じ号が5つ名指ししており、放置したときの行き先も転職先にDCがあるかどうかで条文が変わります。脱退一時金は2本あり、時計の起点も金額の敷居も違います。条文と政令を e-Gov法令API v2 で取得して整理しました。
2026.08.22
加給年金とは — 2028年4月に配偶者と子で要件が分かれ、子は120月で付くようになる
加給年金は、厚生年金の被保険者期間が240月以上ある人が老齢厚生年金を受け取るとき、生計を維持している65歳未満の配偶者や高校生までの子がいると上乗せされる加算です。この仕組みは2028年4月1日に組み替わります。配偶者は240月のまま据え置かれる一方、子については必要な被保険者期間が120月へ半分になり、子の単価は一人につき74,900円から269,600円へ、「2人までは224,700円」という区別も消えて一律になります。逆に配偶者の単価は224,700円から202,200円へ下がります。さらに国内に住所のない子は対象外となり、配偶者側で同じ子の加算を受けている場合の停止規定が新設されます。厚生年金保険法44条・46条を、e-Gov法令API v2で現行版と2028年4月1日施行版の両方を取得して突き合わせ、10個ある失権事由まで条文で確かめて整理します。
2026.08.23
健康保険 被扶養者(異動)届 — 5日以内は追加のときだけ。届け出る義務は会社ではない
家族を健康保険の扶養に入れる、または外すときに出す1枚です。よく言われる5日以内という期限は、条文上は追加のときにしかかかっていません。健康保険法施行規則38条1項が5日以内と書いているのは被扶養者を有するに至ったときで、削除と変更を定める2項はその都度としています。日本年金機構の案内も認定は事実発生から5日以内、削除はその都度と書き分けています。届け出る義務があるのも会社ではなく被保険者本人です。さらにこの用紙は健康保険被扶養者異動届と国民年金第3号被保険者関係届が一体化したもので、同じ1枚なのに健康保険は5日、国民年金は14日と期限が違い、事業主が受け取った日に届出があったとみなす規定は国民年金側にしかありません。条文と令和8年7月更新の様式で確認します。
2026.08.23
産後パパ育休(出生時育児休業) — 「2週間前まで」は申出の期限ではない。会社にできるのは開始日をずらすことだけ
産後パパ育休は通称で、法律上の名前は出生時育児休業です。よく言われる2週間前までという期限は、条文では申出の期限として書かれていません。育児・介護休業法9条の3第3項は、開始予定日が申出の翌日から2週間を経過する日より前であるとき、事業主はその範囲内のいずれかの日を開始予定日として指定することができると定めています。つまり遅れた申出も有効で、会社にできるのは開始日を後ろへずらすことだけです。取れる枠も出生後8週間ではなく、出生日と出産予定日の早い方から、遅い方の8週間後までです。休業中の就業には3つの上限があり、社会保険料は産後パパ育休だけだと賞与分が免除されません。条文で確認します。
2026.08.17
賞与支払届は支払った日から5日以内 — 期限の根拠は法律ではなく省令、船員だけ10日以内
賞与支払届の提出期限は賞与を支払った日から5日以内。ただし期限を定めているのは法律ではなく省令。健康保険法48条・厚生年金保険法27条は賞与額に関する事項を届け出なければならないと定めるだけで日数が無く、5日以内は健康保険法施行規則27条1項と厚生年金保険法施行規則19条の5第1項にある。船員被保険者だけは10日以内(厚生年金保険法施行規則19条の5第5項)。船員たる70歳以上の使用される者はさらに届書を正副二通提出する(同6項)。様式は健康保険が様式第六号、厚生年金保険が様式第九号の二と別々に定められているが、実務では「健康保険・厚生年金保険 被保険者賞与支払届/厚生年金保険 70歳以上被用者賞与支払届」という1枚の共通様式を使う。70歳以上被用者も被保険者と同一の届書。賞与不支給報告書には法令の根拠が無い。厚生年金保険法施行規則・健康保険法施行規則の本則を全文検索しても、賞与の文脈で「不支給」「支払予定月」は0ヒット。日本年金機構のページも「提出をお願いします」という書き方で、法令上の届出義務ではなく運用上の様式。被保険者賞与支払届総括表は令和3年3月で廃止され、令和3年4月1日以降は提出不要。標準賞与額は千円未満切捨て。上限は厚生年金保険が1か月あたり150万円(厚生年金保険法24条の4)、健康保険が年度累計573万円(健康保険法45条)で数え方が非対称。健康保険は年度累計が573万円に達するとその年度の翌月以降に受ける賞与の標準賞与額は零になる。厚生年金保険は月ごとの判定なので翌月にリセットされる。年度は4月1日から翌年3月31日まで。転職しても573万円は自動では通算されない。同一年内に複数の被保険者期間があり累計が573万円を超える旨の申し出が被保険者からあったとき、事業主が「健康保険 標準賞与額累計申出書」を提出する=起点は本人の申し出。資本金または出資金が1億円を超える法人・相互会社・投資法人・特定目的会社は「特定法人」として電子申請が義務(健康保険法施行規則27条3項・厚生年金保険法施行規則19条の5第3項)。ただし電気通信回線の故障や災害等で困難な場合は例外。年4回以上支給される賞与は賞与支払届の対象ではなく標準報酬月額に算入される。
2026.07.13
随時改定(月額変更届)とは|昇給の4か月目に保険料が変わる
昇給の4か月目に標準報酬月額が改定される(随時改定)。要件は固定的賃金の変動・2等級以上の差・3か月とも17日以上。ただし条文(健保法43条)には「2等級」も「固定的賃金」も書かれていない。
2026.07.14
健康保険の任意継続は得か?上限32万円と国保との分かれ目
任意継続の保険料は全額自己負担だが、標準報酬月額の上限32万円(令和8年度・協会けんぽ)で頭打ちになる。東京都なら月32,256円が上限。ちょうど2倍になるのは標準報酬月額32万円以下の人だけで、64万円を超えると在職中より安くなる。会社都合退職なら国保の保険料が軽減されるので、先に国保を試算すべき。
2026.08.17
役員は雇用保険に入れるか — 適用除外の列挙に役員は無い。兼務役員雇用実態証明書と、労災保険の特別加入
法人の取締役・監査役・理事等は原則として雇用保険の被保険者にならない(ハローワークの案内)。ただし理由は「適用除外」ではない。雇用保険法6条の適用除外は6号あるが、1号=週の所定労働時間20時間未満、2号=同一事業主に継続31日以上雇用される見込みがない者、3号=季節的雇用で38条1項各号に該当する者、4号=学校教育法1条・124条・134条1項の学校の学生生徒で厚生労働省令で定める者、5号=漁船に乗り組む船員、6号=国・都道府県・市町村等の事業に雇用される者で諸給与が求職者給付等を超える者、であって「役員」は1つも書かれていない。外れる根拠は4条1項の「被保険者とは、適用事業に雇用される労働者であつて、第六条各号に掲げる者以外のもの」という入口。役員は委任であって雇用ではないため、6条を見るまでもなく4条1項に入らない。兼務役員は被保険者になれる。ハローワークは「取締役・監査役・理事等であっても、同時に部長・支店長等の従業員としての身分を有している場合に、その者の就業実態・就業規則の適用状況等から総合的に判断して、労働者的性格が強く雇用関係があると認められる場合に限り、被保険者となることがある」としている。手続は雇用保険被保険者資格取得届と兼務役員雇用実態証明書を併せて提出。確認資料は登記簿謄本・役員報酬規程・定款・就業規則・雇用契約書・賃金台帳・出勤簿・労働者名簿・人事組織図・議事録。様式が最初に聞くのは代表権の有無と業務執行権の有無。様式は役員報酬と従業員賃金を別欄で書かせ、さらに決算の際に役員報酬として計上するか・賃金として計上するかまで聞く=経理処理そのものが判定資料になる。雇用保険料の算定や失業給付の算定の基礎となる賃金に、役員報酬分は含まれない(北海道労働局)。離職しても引き続き取締役等の地位を有している場合は失業給付を受けられない。労災保険は労働基準法9条の「事業に使用される者で、賃金を支払われる者」に当たらないため役員は原則対象外。中小事業主等の特別加入は労災保険法33条1号・2号。法人のときは代表者が1号、その他の役員が2号(労働者である者を除く)。要件は2つで、規模(労災保険法施行規則46条の16=常時300人以下、金融業・保険業・不動産業・小売業は50人以下、卸売業・サービス業は100人以下)と、労働保険事務組合への労働保険事務の処理の委託。34条1項は1号と2号を包括して申請すると定めており、役員を選んで一部だけ加入することはできない。給付基礎日額は実際の報酬ではなく3,500円から25,000円までの16段階から選ぶ(労災保険法施行規則46条の20第1項)。休業補償給付は第4日目から給付基礎日額の100分の60(労災保険法14条1項)。第一種特別加入保険料の滞納期間中の事故や、事業主の故意・重大な過失による業務災害は、保険給付の全部または一部が行われないことがある(34条1項4号)。
2026.08.17
役員の社会保険(健康保険・厚生年金)— 雇用保険と結論が逆になる理由と、令和8年3月18日通達が明文化した「適用がない」場合
法人の役員は健康保険・厚生年金保険の被保険者になる。雇用保険は原則ならないので、結論が逆になる。理由は条文の言葉。健康保険法3条1項は『適用事業所に使用される者』、厚生年金保険法9条は『適用事業所に使用される70歳未満の者』で、雇用保険法4条1項の『適用事業に雇用される労働者』と違い雇用契約を要件にしていない。日本年金機構も『雇用契約書の有無などとは関係なく、適用事業所で働き、労務の対償として給与や賃金を受ける使用関係をいう』と定義している。根拠通達は昭和24年7月28日保発第74号『法人の代表者又は業務執行者の被保険者資格について』。理事・監事・取締役・代表社員・無限責任社員等であっても、法人から労務の対償として報酬を受けている者は法人に使用される者として資格を取得させる。判定の2基準は①その業務が実態において法人の経営に対する参画を内容とする経常的な労務の提供であるか②その報酬が当該業務の対価として当該法人より経常的に支払いを受けるものであるか。令和8年3月18日 保保発0318第1号・年管管発0318第1号が『適用がないと判断される場合』を初めて表で明文化した。①側=役員会等に出席しているが役員への連絡調整や職員に対する指揮監督に従事していない場合、求めに応じて意見を述べる立場にとどまっている場合。②側=役員会等への出席について支払われる報酬等、旅費など実費弁償的な支払い、退職手当(毎月の給与や賞与に上乗せして前払いされる場合は報酬等に該当)。この通達は社会保険料の削減を謳い個人事業主等を役員にして会費等を支払わせる事業所への対応として出された。使用実態がなければ資格喪失届を出させ資格を喪失させると明記。総合判断の材料は指揮命令権を有する職員の有無、決裁権を有する所管業務の有無、役員間の取りまとめや代表者への報告業務の有無、定期的な会議への出席頻度とそれ以外の業務の有無・出勤頻度。誤解1『出勤していないから入らない』は誤り。疑義照会回答は定期的な出勤がないことだけをもって被保険者資格がないという判断にはならないとしている。誤解2『報酬が少ないから入らない』も誤り。最低金額を設定しその金額を下回る場合は資格がないとするのは妥当でない。法人は事業主のみの場合を含めて強制適用事業所(健康保険法3条3項2号・厚生年金保険法6条1項2号)。一人社長でも加入義務がある。2社の役員を兼ねると被保険者所属選択・二以上事業所勤務届が要り、標準報酬月額は両社の報酬月額を合算して決定し保険料を按分するので分けても安くならない。標準報酬月額は定時決定(健保41条・厚年21条)と随時改定(健保43条・厚年23条)で決まる。役員報酬の改定は固定的賃金の変動なので随時改定の対象になる。標準賞与額の上限は健康保険が年度累計573万円(健保45条1項)、厚生年金が1か月あたり150万円(厚年24条の4第1項)。年4回以上支給される賞与は『3月を超える期間ごとに受けるもの』に当たらないので賞与ではなく報酬になる(健保3条5項・6項)。令和8年度の協会けんぽ東京支部は健康保険9.85%・介護保険込み11.47%・厚生年金18.300%・子ども・子育て支援金率0.23%(令和8年4月分から)。
2026.07.13
介護保険料はいつから引かれる?40歳・65歳と「1日生まれ」の注意点
介護保険料は「40歳の誕生日の前日」が属する月分から徴収されます。だから1日生まれの人は前月分から。65歳での終わり方、賞与、健康保険料と合算した端数処理まで、令和8年度の介護保険料率1.62%で、40歳・65歳になる本人にも、給与計算をする方にもわかるように解説します。無料の社会保険料計算機つき。
2026.07.13
年収の壁 早見表|106万・130万の壁と手取り逆転【2026年最新】
2026年(令和8年)の年収の壁を1枚の表で整理。所得税は178万円、住民税は119万円、配偶者特別控除が減り始めるのは169万円。手取りが逆転するのは社会保険の壁(106万円・130万円)だけです。130万円を超えると手取りは16.7万円減り、元に戻るには年収150万5,000円が必要。
2026.07.13
社会保険の扶養の条件|130万円と税法上の扶養の決定的な違い
社会保険の扶養(被扶養者)の条件を、税法上の扶養と完全に分けて解説。年収130万円未満・被保険者の収入の半分未満、判定は「今後1年の見込み(月108,333円)」。通勤手当・失業給付・傷病手当金も収入に含みます。外れたときの負担増を実数(年20万〜30万円)で試算。
2026.08.23
ねんきん定期便の見方 — 50歳未満と50歳以上では、書いてある「年金額」の意味が違う
同じ「年金額」の欄が、50歳の前と後で別のものを指している。35・45・59歳が封書なのは省令に書いてあり、その年だけ直近1年の欄が消える。
2026.08.24
年金手帳は令和4年4月に廃止された — 基礎年金番号通知書の見方・再発行と、入社時に出してもらう書類
年金手帳は廃止されたのに、手元の手帳は今も有効。通知書は一生に1枚しか出ず、入社時の提出義務はマイナンバーで消える。
2026.07.13
標準報酬月額表(等級表)【令和8年度・協会けんぽ東京都】保険料の実額つき
全50等級について、実際に引かれる金額を計算して掲載。厚生年金だけ上限(65万円)がある理由も。
2026.07.13
賞与(ボーナス)の社会保険料|上限・計算方法・免除されるケース
健保は年度累計573万円、厚年は1回150万円が上限。育休免除は2022年10月に「1か月超」が必要に。
2026.07.13
社会保険料は4月〜6月の給与で決まる|定時決定(算定基礎届)の仕組み
4〜6月に残業を減らせば得なのか、通勤手当は含むのか、いつから反映されるのか。
2026.07.13
子ども・子育て支援金とは|給与明細に出てきた0.23%の正体と、いくら引かれるか
令和8年4月から始まった新しい徴収。月給30万円なら本人負担は月345円。なぜ「独身税」と呼ばれるのか、給与計算での注意点まで。
2026.08.26
子ども・子育て拠出金とは — 法律に「負担」の条文が無い。あるのは事業主の納付義務だけ
子ども・子育て拠出金の令和8年度の率は0.36%、法律上の上限は0.40%(令和7年4月に0.45%から引下げ)。厚年法82条は1項で折半(負担)・2項で納付義務を書き分けているのに、拠出金の69条には納付義務しか無い。支援金は事業主でも本人でもなく「健康保険者等」から徴収する別制度。
2026.08.27
障害年金はいくら受け取れるか【令和8年度】— 本体は生年月日で2つに分かれるのに、子の加算が1つな理由
★令和8年度の障害基礎年金は1級1,059,125円・2級847,300円。昭和31年4月1日以前生まれは1,056,125円・844,900円で、本体だけが生年月日で2つに分かれる。★子の加算は2人まで各243,800円・3人目以降各81,300円で、こちらは生年月日で分かれない。理由は国民年金法33条の2第1項のかっこ書が改定率を新規裁定のものに固定しているから。★1級の額に100円未満の端数が付くのは、33条2項に丸めの規定が無く2級の額をそのまま1.25倍するため。★障害厚生年金は被保険者期間が300月に満たないときは300月とみなす(厚生年金保険法50条1項)。平均標準報酬額30万円・80月でも報酬比例は493,290円になる。★3級の最低保障635,500円は障害基礎年金2級の4分の3、障害手当金の最低保障1,271,000円はさらにその2倍。★働いて給料をもらっても止まらない。厚生年金保険法54条が挙げる支給停止事由に賃金は無い。ただし20歳前の傷病による障害基礎年金だけは前年所得で止まる。★非課税の根拠は所得税法ではなく国民年金法25条・厚生年金保険法41条2項の公課の禁止で、老齢年金だけがただし書で外されている。★同じ傷病では傷病手当金と障害厚生年金を両取りできない(健康保険法108条3項)。
2026.08.27
特別支給の老齢厚生年金とは【令和8年度】— 男性はもう終わり、令和8年度に新しく始まるのは1年ぶんだけ
★特別支給の老齢厚生年金は男性は昭和36年4月1日以前、女性は昭和41年4月1日以前生まれの制度。★男性の最終世代(昭和36年4月1日生まれ)は令和8年3月31日に65歳に達したので、令和8年度に新しく受給権が発生する男性はいない。★令和8年度に新しく始まるのは昭和38年4月2日〜昭和39年4月1日生まれの1年ぶんだけ(民間の女性・坑内員船員15年以上・特定警察職員等)。★「女性は5年遅い」は民間だけ。公務員や私学共済だった女性は厚生年金保険法附則8条の2第1項で男性と同じ表に置かれている。★加給年金が付かないのは附則9条が44条を適用除外にしているから。定額部分が出る特例のときだけ準用で復活する。★在職定時改定も同じ附則9条で43条2項が外れているので無い。ただし退職改定(43条3項)は外れていないのである。★繰下げできないのは附則12条の明文。★令和8年4月から在職老齢年金の基準額が51万円→65万円。
2026.08.27
年金生活者支援給付金とは【令和8年度】— 5,620円は基準額で、免除期間は11,768円で数える
★令和8年度の給付基準額は月額5,620円(施行令4条の2が法4条1項の「五千円」をこの額に読み替えている)。★5,620円は基準額であって受取額ではない。実額は納付済期間と免除期間から計算する。★免除期間に掛ける単価は11,768円=老齢基礎年金満額(月額70,608円)の6分の1で、納付済期間の単価より高い。★老齢の所得の線は2本ある。809,000円以下なら本体、809,000円超909,000円以下なら補足的。★令和8年度の老齢基礎年金の満額847,296円は、所得基準額809,000円を上回る。満額だけで暮らす人は本体ではなく補足的の側に落ちる。★障害・遺族は物差しが違い、4,794,000円+扶養親族等の数に応じた加算。世帯の非課税要件も無い。★年金は「収入」で数え、他の所得は「所得」で数える(法2条1項・施行令4条)。★はがきは毎年9月の第1営業日から順次。★12月31日までに請求すれば9月30日に請求したものとみなされ、10月分から出る(施行令12条の2)。★新規裁定は受給権発生日から3か月以内なら遡る(施行令12条1項)。★時効は2年(法30条)。★公課の禁止(法33条)で非課税。
2026.08.27
脱退一時金とは — 返ってくるのは本人負担分の60月ぶんだけ。20.42%の源泉徴収は取り返せる
★脱退一時金の額=平均標準報酬額×支給率(厚年法附則29条3項)。支給率は保険料率18.3%×1/2×施行令12条の2の月数を四捨五入した数で、表を暗記するものではない。★60月以上はすべて「60」で頭打ち=5年を超えて働いた分は1円も増えない。10年働いても60月ぶん。★★「1/2」は本人負担分。会社が納めた同額は1円も返らない。実際60月・平均30万で本人負担概算1,647,000円に対し支給額1,650,000円=差3,000円は四捨五入(5.49→5.5)の分だけ。★2年の期限の起算日は「出国日」ではなく最後に国民年金の被保険者資格を喪失した日(その日に国内に住所があれば、その後はじめて国内に住所を有しなくなった日)。★★20.42%が源泉徴収される条文上の理由=附則29条9項の準用リストが「第四十一条第一項」しか挙げず、公課の禁止(41条2項)を準用していない。受給権の保護(1項)だけ準用しているので書き分けは意図的。★★所得税法171条の選択課税+173条の還付申告で取り返せる。60月・平均30万なら支給1,650,000円・源泉336,930円に対し退職所得控除200万円で課税所得ゼロ=全額還付。173条は「翌年1月1日、総額が確定した場合はその確定した日」以後に提出できる。★出国前に納税管理人の届出(通則法117条2項)。★令和11年6月19日から附則29条1項の除外事由が3つ→4つになり、再入国許可(みなし再入国許可を含む)を受けている間は請求できなくなる。「住所を有する」も「滞在する」へ。★上限月数は法律ではなく政令(施行令12条の2)にある=法改正なしで動きうる。2026年8月27日時点でe-Gov法令APIに将来施行の改正は無い。

年末調整・源泉徴収・控除(54)

年末調整の書類の書き方と期限、源泉徴収票・税額表の読み方、医療費控除・ふるさと納税など各種控除と確定申告。税務署へ出す法定調書合計表と、市区町村へ1月31日までに出す給与支払報告書(30万円以下で省略できるのは退職者だけ)の違いもここ。開業届と青色申告承認申請の期限もここ。出した申告を後から直す修正申告(国税通則法19条・期限の定めなし)と更正の請求(同23条・法定申告期限から5年)、それに伴う加算税と延滞税(令和8年は年2.8%/年9.1%)もここ。税務調査の手続(事前通知10項目・さかのぼれるのは原則5年/不正なら7年/法人税の欠損金は10年・終了時に交付される書面)もここ。

2026.08.20
確定申告はいつまで? — 条文が決めているのは「3月15日まで」ではなく「2月16日から3月15日までの期間」
確定申告の期限は、所得税法120条1項が「第三期」と呼ぶ期間の終わりです。第三期は括弧書きで翌年2月16日から3月15日までと定義されており、条文は終わりだけでなく始まりも決めています。還付申告にはこの期間の縛りがなく翌年1月1日から5年間、個人事業者の消費税だけは措置法86条の4で3月31日、亡くなった方の申告は125条1項で4月を経過した日の前日までです。
2026.08.19
定額減税は令和8年(2026年)もあるのか — 令和6年分で終わり、基礎控除+42万円に置き換わった
所得税の定額減税は令和6年分限りの制度で、令和7年分以後はありません。根拠条文の名前がそもそも「令和六年分における所得税額の特別控除」(租税特別措置法41条の3の3)で、年分が条文名に入っています。「定額減税」という語は措置法にも地方税法にも一度も出てきません。令和8年分は代わりに基礎控除への42万円の加算(措置法41条の16の2)と給与所得控除の最低保障74万円(同29条の4)が入りますが、この2つは令和8年12月1日施行で、8月時点のe-Govの現行条文を引くと別の金額が返ります。月次減税と年調減税で配偶者の定義が違った点、住民税だけ加算されない人がいる理由も条文で確かめます。
2026.08.17
住宅ローン控除が受けられないケース — その年だけ落ちるもの、まるごと消えるものを条文で分ける
住宅ローン控除が受けられない理由は、条文の書き方で3種類に分かれる。ここを混ぜると「一度落ちたらもう終わり」と誤解する。①その年だけ落ちるもの=合計所得金額2,000万円超(措法41条1項が「二千万円以下である年については…控除する」と年単位で書いている)。翌年に所得が下がれば復活し、控除期間は延びも縮みもしない。40〜50㎡未満の特例住宅で1,000万円を超えた年も同じ(41条16項ただし書き)。②その年以後ずっと落ちるもの=繰上返済で償還期間が10年未満になった場合(措通41-19)。最初の償還月から数えるので、何年も返した後の繰上返済では切れにくい。③13年ぶんまるごと消えるもの=居住用財産の3,000万円特別控除など5つの譲渡特例との併用(措法41条21項・22項)。居住年とその前2年、その後3年の計6年間。しかも21項・22項は「十年間の各年分の所得税については、適用しない」と書いており、1年分ではなく全部が消える。入居した後に旧宅を売る場合が危険。22項は「その家以外の資産の譲渡」を対象にしている。床面積は登記事項証明書の内法。販売パンフレットの壁芯面積は登記簿より大きく出るので、パンフで51㎡でも登記簿で49.9㎡なら対象外。共有でも持分を乗じない。建物全体の床面積で判定するので、夫婦で50㎡を1/2ずつ持っても各自50㎡で判定される。「親から買うと使えない」は不正確。措令26条2項が外しているのは取得時とその後も引き続き生計を一にする者からの取得で、生計が別なら対象になりうる。ただし借入先は別ルールで、親族・知人からの借入金は生計にかかわらずすべて対象外(国税庁No.1225)。売買の相手方と、お金の借入先で判定が違う。
2026.08.20
所得税率は何%? — 条文に「速算表」は無い。控除額は暗記する数字ではなく、1本の式から出てくる
所得税の税率は所得税法89条1項の表で5%から45%の7段階です。ただし条文に「速算表」も「控除額」も出てきません。89条は課税所得を各段に区分してそれぞれに税率を乗じ、合計せよと書いています。速算表の控除額はその計算を1行に畳んだ差額の累積で、境界額×税率差を足していくと国税庁の6つの数字がそのまま出ます。実際に納めるのは復興特別所得税2.1%を上乗せした額で、45%は上限でもありません。
2026.08.18
小規模企業共済は出口が4通りある — 元本割れするのは任意解約だけで、所得区分も分かれる
小規模企業共済は出口が「共済金」と「解約手当金」の2つの条文に分かれ、元本割れするのは任意解約だけです。小規模企業共済法9条・12条、同法施行令別表第二、所得税法75条、所得税法施行令72条3項3号・82条の2第2項3号で確かめます。掛金納付月数84月未満は一律80%、240月ちょうどで100%に戻り、480月以上では最大120%になること、65歳以上の任意解約とみなし解除だけは退職所得になることを条文と別表の実額で示します。
2026.08.18
配偶者控除・配偶者特別控除はいくらか — 38万円が3万円まで下がる仕組みを条文で
配偶者控除は38万円・26万円・13万円(老人控除対象配偶者は48万円・32万円・16万円)で、本人の合計所得金額900万円・950万円・1,000万円で切り替わります。配偶者特別控除の早見表は所得税法83条の2にある「93万1円」という定数から機械的に導かれるもので、条文には表そのものが書かれていません。27セルすべてを条文の式から再現して確かめました。判定は12月31日、源泉控除対象配偶者だけ基準が95万円と違うこと、夫婦が互いに配偶者特別控除を取れないことも条文で示します。
2026.07.13
年末調整の書き方|令和8年分・4種類の書類はどの欄に何を書くか
令和8年分の年末調整で会社に出す書類は4種類。扶養控除等申告書・基礎控除申告書・保険料控除申告書・住宅ローン控除申告書について、誰が出すか、どの欄に何を書くか、書かなくていい欄はどこかを国税庁の様式で解説。基礎控除104万円など令和8年度改正の数字も反映。
2026.08.16
税務調査とは — 国税通則法に「税務調査」という語は1度も出てこない
国税通則法の全文157,211字に「税務調査」は0回。「任意調査」も「反面調査」も0回。条文の言葉は「実地の調査」と「質問検査等」。事前通知される事項は10項目(法74条の9第1項1〜6号+施行令30条の4第1項1〜4号)。変更を求められるのは日時と場所だけで、しかも税務署長等の義務は「協議するよう努める」(74条の9第2項)。さかのぼれるのは原則5年、偽りその他不正の行為があれば7年、法人税の欠損金の増減は10年(70条)。法律に「3年」という一般的な区切りは無い。取引先への質問検査等は74条の2の「ロ」「ハ」で、事前通知の対象である「納税義務者」の定義(74条の9第3項1号)は「イ」しか引いていない。74条の9〜74条の11の三か条で「しなければならない」はただ1回=修正申告を勧奨するときの書面交付(74条の11第3項)。加算税がゼロになる分岐点は「事前通知」ではなく「調査通知」=税目・期間・実地の調査で質問検査等を行う旨の3つ(65条6項+施行令27条4項)。罰則は令和7年6月1日施行版で「懲役」から「拘禁刑」に変わった(128条)。
2026.08.14
開業届はいつまでに出す?2026年1月から「1か月以内」ではなくなった
開業届の期限は2026年1月から「1か月以内」ではなく確定申告期限まで。ただし青色申告承認申請の2か月以内は据え置きなので、開業届に合わせると青色申告を1年分落とす。
2026.08.17
生命保険料控除 — 令和8年の「6万円」は所得税法の改正ではない。12万円の上限は読み替えられていない
令和8年分・令和9年分だけ、23歳未満の扶養親族がいる人は一般の生命保険料控除が最高6万円になる。これは所得税法76条の改正ではない。76条の条文は令和9年1月1日施行版まで一字も変わっておらず、租税特別措置法41条の15の5が「令和八年分又は令和九年分」について字句を読み替えているだけ。だから令和10年分は自動的に4万円へ戻る。読み替えの対象は76条1項1号と1項3号のみ。3区分あわせて12万円という上限を定めた76条4項は読み替えられていない。結果として、一般・介護医療・個人年金の3区分ですでに12万円に達している人は、特例があっても1円も増えない。新生命保険料が年2万円以下の人も増えない(計算式Ⅰ・Ⅱのどちらでも全額控除で差が出ない)。旧契約だけの人も対象外。読み替えは新生命保険料(1号)と新旧併用(3号)だけで、旧生命保険料(2号)は最高5万円のまま。増える額は min(計算式の差, 12万円−特例前の合計) で決まる。最大でも2万円。所得税率10%なら年2,042円。新旧併用の上限が4万円→6万円になるため、従来の「旧が6万円超なら旧契約だけで計算した方が有利」という分かれ目が令和8年分は成り立たない。旧6万円という数字は計算式Ⅲがちょうど4万円に届く点だった。要件の扶養親族は所得税法2条1項34号の扶養親族であって控除対象扶養親族ではないので、扶養控除の付かない16歳未満の子でも要件を満たす。令和8年分の扶養親族は合計所得62万円以下(給与収入なら136万円以下。給与所得控除の74万円は租税特別措置法29条の4)。住民税には同じ特例が無い。地方税法314条の2第1項5号の上限は新契約2万8千円・合計7万円のまま。国税庁タックスアンサーNo.1140は令和7年4月1日現在法令等で、この特例を反映していない。
2026.08.17
青色申告特別控除 — 65万円・55万円・10万円の分かれ目と、令和9年分から「55万円」が条文から消える改正
青色申告特別控除の金額を分けるのは「帳簿の付け方」と「申告の出し方」の2つだけ。令和8年分は10万円・55万円・65万円の3段階。条文上「65万円控除」という独立の規定は無い。租税特別措置法25条の2第4項が、55万円を定めた3項の「五十五万円」を「六十五万円」と読み替えているだけ。令和9年1月1日施行版では条文そのものが作り替えられ、55万円が消える。新4項が65万円、新5項が75万円への読み替え、新7項が「e-Taxで送信した場合に限り適用する」。つまり複式簿記でも紙で出すと65万円は取れず10万円に落ちる。附則で「令和九年分以後の所得税について適用し、令和八年分以前は従前の例による」と明記されている。新2項が新設され、前々年分の総収入金額が1,000万円を超える人が複式簿記をしていない場合は10万円控除も適用しない=控除ゼロになる。否認の鍵はe-Taxの有無ではなく複式簿記かどうか。控除額は所得を超えない(1項2号・3項2号のmin構造)。しかも損益通算前の黒字だけを合計するので、赤字の所得は無かったものとして計算する。控除する順序は条文で決まっていて選べない(不動産所得→事業所得→山林所得)。山林所得が対象になるのは10万円のときだけ。55万円・65万円は不動産所得と事業所得だけ。期限後申告で65万円が10万円に落ちるのは、期限内提出を求める6項が1項(10万円)にはかからないから。電子帳簿ルートで電子化が要るのは仕訳帳と総勘定元帳の2つだけ(措置法施行規則9条の6第2項)。ほかに適用届出書の提出が要る。現金主義(所得税法67条1項)を選ぶと55万円・65万円は取れない。要件は前々年の不動産所得と事業所得の合計300万円以下で、専従者控除を適用しないで計算する。地方税法の全文に「青色申告特別控除」は1件も出てこない。所得控除ではなく所得金額の計算なので、313条2項により所得税と同額がそのまま住民税に効く。生命保険料控除が地方税法に自前の規定を持ち金額も違うのと対照的。
2026.08.24
青色申告承認申請書 — 承認の通知は届かない。返事が来ないことが承認だと条文が定めている
青色申告承認申請書に承認通知は来ない。所法147条・法法125条のみなし承認。期限は個人が3月15日まで、法人は事業年度開始の日の前日まで。取消事由は個人3つ・法人4つで、増えている1つは期限内申告をしなかったこと。
2026.08.24
納税証明書とは — その1〜その4は何が違い、手数料はいくらで、なぜ3年より前が出ないのか
手数料は1枚400円・オンラインなら370円。3年より前は出ないが未納だけは別。収入印紙に自分で消印すると無効。
2026.08.16
暗号資産(仮想通貨)の税金 — 原則は雑所得・総合課税。FXと違って分離課税は使えない
暗号資産の利益は原則「雑所得・総合課税」。税率は5〜45%の累進(所法89)+住民税。ただし収入金額が300万円を超えると分岐する — 帳簿あり=事業所得/帳簿なし=業務に係る雑所得。この300万円は「利益」ではなく「売った総額」。円に換えなくても課税される(商品購入・暗号資産同士の交換も対象)。譲渡原価は総平均法/移動平均法。届出しないと個人は総平均法・法人は移動平均法=初期値が逆。FXのような20.315%の申告分離課税は使えない(措法41の14が「暗号等資産に係るものを除く」と名指し)。損失は損益通算も繰越もできない(所法69・70)。取得価額が不明なら売却価額の5%にできる。
2026.08.26
外国税額控除とは — 名前は条文のいちばん最後で決まる。3つの控除の総称で、NISAの配当は政令で外れている
外国税額控除の控除限度額は所得税額×(調整国外所得金額÷所得総額)。引ききれない分の受け皿は所得税→復興特別所得税→道府県民税12%→市町村民税18%の4段で、地方税の合計30%は指定都市かどうかで6%/24%に振り替わるだけ。NISAの配当に課された外国所得税は施行令222条の2第3項5号で控除対象から除かれている。
2026.08.26
不服申立てとは — 条文は「選択」と書いている。8割が再調査の請求を飛ばし、認容割合は令和7年度で7.2%
再調査の請求と審査請求は上下関係ではなく選択。令和7年度は79.8%が直接審査請求。認容割合は7.2%で、5年間の実測レンジは7.1%〜17.9%。期限は3月・1月・6箇月。
2026.08.27
特定口座(源泉徴収あり)と確定申告 — 原則不要の根拠は措置法37条の11の5。あえて申告すると住民税と保険料に波及する
特定口座(源泉徴収あり)の譲渡益は、支払いの都度15.315%の所得税と5%の住民税が天引きされ、租税特別措置法37条の11の5により確定申告から除外できる。申告不要は義務ではなく口座ごとの選択。税務署が決定処分をする場合ですら源泉徴収口座の金額は課税標準に含まれない(同条2項)。あえて申告すると、複数口座の損益通算・譲渡損失の3年繰越・天引き分の還付が使える。ただし現行の地方税法32条13項・15項は「所得税の確定申告書に記載があるとき」に住民税側の除外を解除するので、住民税だけ申告不要を選ぶ余地はない。申告した所得は合計所得金額に入り、扶養親族の判定(58万円以下・令和7年分以後)は繰越控除を適用する前の金額で行う。損失をぶつけて税額ゼロでも扶養から外れることがある。
2026.08.27
配当金の確定申告 — 総合課税・申告分離・申告不要は「選べる単位」が違う
配当の課税方式は3つ。総合課税は配当控除が使えるが累進税率、申告分離は一律20.315%で譲渡損失と通算でき、申告不要は源泉徴収で完結する。条文上の決定的な違いは選べる単位で、申告分離は「その年の特定上場株式等の配当所得の全部」を年単位で(措置法8条の4第2項)、申告不要は「1回に支払を受けるべき額ごと」に(同8条の5第4項)選ぶ。源泉徴収選択口座に受け入れたものだけは口座単位。有利判定の分岐点は課税総所得金額695万円で、税率23%の帯では総合課税の実効20.47%が申告分離の20.315%をわずかに上回る。3%の大口株主判定は源泉徴収(措置法9条の3第1号=本人単独)と申告方式(同8条の4第1項1号=同族会社と合算)で条文が違い、合算だけで3%に届く人は15.315%で源泉徴収されたうえ総合課税になる。住民税は令和6年度分から所得税と同じ方式に固定され(地方税法32条13項)、非上場の少額配当は所得税で申告不要でも住民税の申告が残る。
2026.08.27
NISAと確定申告 — 譲渡益は37条の14、配当は9条の8。配当だけ受取方法の条件があり、外すと20.315%課税される
NISAの非課税は1本の条文ではありません。譲渡益は租税特別措置法37条の14、配当は9条の8で、条文が違えば条件も違います。配当だけは受取方法の条件があり、株式数比例配分方式を選んでいないと同じNISA口座の同じ株でも20.315%が源泉徴収されます。根拠は9条の8→施行令5条の2の2→施行規則5条の5の2の3段。さらに37条の14第2項は損失を「ないものとみなす」ため損益通算も3年繰越もできず、同条4項は払出し時の金額で取得し直したものとみなすため、含み損のまま課税口座へ出ると値が戻っただけで課税されます。条文を取得して整理しました。
2026.08.27
従業員持株会の税金と経理 — 奨励金は給与、配当は組合員のもの、取得費の平均は直前の売却でリセットされる
従業員持株会は会社でも信託でもなく、民法667条1項の組合です。法人格がないので税金は組合員一人ひとりに直接かかります。奨励金は所得税法28条1項の給与等として源泉徴収され、配当は持株会ではなく組合員の配当所得になります。売却時の取得費は所得税法48条3項と施行令118条1項の総平均法に準ずる方法ですが、この平均は一生の平均ではなく直前の譲渡の時でリセットされます。さらに持株会の範囲は法律ごとに違い、インサイダー規制の適用除外は役員を含むのに、法人税法の5%除外は使用人限定です。条文を取得して整理しました。
2026.08.20
確定申告の必要書類 — 添付が要るもの、提示でよいもの、出さずに5年持つもの
確定申告の必要書類は、所得税法120条が3つに分けています。控除証明書は3項で添付でも提示でもよく、医療費控除の明細書は4項で添付のみ、医療費の領収書は5項で出さずに5年持つものです。社会保険料控除で証明書が要るのは74条2項5号の国民年金と国民年金基金だけで、国民健康保険料は条文上の対象ではありません。年末調整で会社に出した証明書は施行令262条1項ただし書により、もう一度出す必要がありません。
2026.08.20
源泉徴収簿とは — 条文に名前の無い帳簿が、源泉徴収の法定義務を1枚でつなぐ。書き方・保存期間・賃金台帳との兼用
源泉徴収簿は国税庁が配っている様式で、所得税法にも所得税法施行規則にも「源泉徴収簿」という語は一度も出てきません。国税庁自身が「法令で定められたものではない」「給与台帳等で代用してよい」と明記しています。それでも毎月の算出税額、年末調整の①〜㉞、源泉徴収票の作成は、すべてこの帳簿の欄から埋まります。令和8年分様式の5つのブロックの読み方、月々と賞与と年末の書き方、保存期間(綴じ込む申告書は7年・労基法の賃金台帳は当分の間3年)、賃金台帳と1冊にする条件を条文にあたって整理します。
2026.08.20
事業主貸・事業主借とは — 条文に名前の無い2つの科目が、「経費にならない支出を除いて記録せよ」という命令を受け持つ。違い・仕訳・元入金への振替
事業主貸・事業主借は個人事業主の帳簿だけにある科目で、所得税法・施行令・施行規則に名前は一度も出てきません。それでも所得税法施行規則57条2項が「必要経費に算入されない支出は除いて記録せよ」と命じており、その受け皿がこの2科目です。事業主貸(生活費・所得税・住民税・国保・家事消費・家事関連費の家事分)と事業主借(家計からの資金・預金利息)の違い、仕訳例、年末に元入金へ合算する式(元入金+所得+事業主借−事業主貸)を、国税庁の青色申告決算書の書き方と条文で整理します。
2026.07.13
退職金の税金|いくら引かれる?計算方法と早見表【令和8年分】
退職金の税金は驚くほど軽い。勤続25年・退職金1,000万円なら所得税も住民税もゼロ、社会保険料もかかりません。退職所得控除・2分の1課税・分離課税の3ステップを実数で解説。「退職所得の受給に関する申告書」を出さないと一律20.42%源泉徴収される点、勤続5年以下の短期退職手当等、iDeCoの9年・19年ルールまで。令和8年分。
2026.08.15
特定親族特別控除とは — 大学生の子が扶養から外れても、控除は63万円のまま。減り始めるのは給与収入159万円から
19〜22歳の子が扶養から外れても控除は63万円のまま。減り始めるのは給与収入159万円から、消えるのは197万円超。控除額9段階の早見表と、条文の「10万円の整数倍から8万円を引いた金額」という刻みの正体。月々の源泉徴収は174万円で切れる。
2026.07.13
源泉徴収票の見方|「給与所得控除後の金額」「所得控除の額の合計額」とは
源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」「所得控除の額の合計額」が何を指すかを、国税庁の記載要領で確認して解説します。この2つを含む4つの数字(①支払金額=年収②給与所得控除後の金額③所得控除の額の合計額④源泉徴収税額)だけ分かれば源泉徴収票は読めます。4つの流れを図解し、いつもらえるか(法定期限は翌年1月31日・中途退職は退職後1か月以内)、なくしたときの再発行の頼み先、令和8年分の改正まで国税庁の一次情報で解説。
2026.08.23
準確定申告は「4か月以内」だけでは足りない — 1月1日から3月15日に亡くなると、申告書は前年分と本年分の2枚になる
準確定申告は、亡くなった方の1月1日から死亡日までの所得を相続人が申告する手続です。期限は相続の開始があったことを知った日の翌日から4月を経過した日の前日ですが、1月1日から3月15日までに亡くなり前年分の確定申告書がまだ出ていない場合は、所得税法124条により前年分も同じ期限に乗るため申告書は2枚になります。医療費控除や社会保険料控除は死亡日までに支払った分だけが対象になる一方、配偶者控除や扶養控除は月割りをせず満額です。相続人が2人以上なら所得税法施行令263条2項により連署が原則で、別々に出すなら他の相続人への通知義務が生じます。所得税法16条・73条・85条・124条・125条と施行令263条、消費税法45条で確認します。
2026.07.14
源泉徴収税額表【令和8年分】月額表の早見表と見方|甲欄・乙欄と扶養親族等の数
税額表に当てはめるのは総支給額ではなく社会保険料等控除後の金額。甲欄=扶養控除等申告書の提出者、乙欄=それ以外、丙欄=日雇賃金。「扶養親族等の数」は家族の人数ではなく、障害者・寡婦・ひとり親・勤労学生に該当するごとに1人加算する。給与ソフトの源泉税額が税額表と数十円ずれるのはバグではなく、国税庁が2つの計算方法を認めているため。
2026.08.17
地震保険料控除の対象になるもの・ならないもの — 政令が外している2種類と、家財の30万円ライン
地震保険料控除は「地震保険の保険料なら全部対象」ではない。所得税法77条1項が「政令で定めるものを除く」と書いており、その政令=所得税法施行令213条が2種類を明示的に外している。1つ目は臨時費用・取壊し費用に対して支払われる保険金に係る保険料(213条1号)。地震火災費用特約のような「損失そのものではない費用」を補償する部分は対象外。2つ目は地震部分の保険金額が火災部分の20%未満の契約(213条2号)。ただし地震部分が5,000万円(生活用動産は1,000万円)以上のものは除かれる。この20%ルールは、地震保険に関する法律の地震保険には当たらない。同法2条2項4号が地震保険金額を火災保険金額の30〜50%と定めているため、比率が20%を割るのは政令の上限が張り付いたときだけで、そのときは但し書きが救う。建物なら火災保険金額2億5,000万円が分岐点。対象資産の「家財」は所得税法9条1項9号の生活用動産で、施行令25条により1個または1組30万円超の貴金属・書画・骨董・美術工芸品は外れる。契約者の名義は77条1項に一度も出てこない。条件は「居住者が支払ったか」「家屋を自己または生計を一にする親族が所有しているか」「常時その居住の用に供しているか」の3つ。別荘は「常時」に当たらないので対象外。所得税は支払額の全額(上限5万円)、住民税は支払額の2分の1(上限2万5千円)。地方税法34条1項5号の3・314条の2第1項5号の3。旧長期の経過措置は、所得税の附則が「適用することができる」と書くのに対し、住民税の附則は「適用する」と書いている。控除証明書は1円でも必要。所得税法施行令262条1項5号には金額の下限が無く、生命保険料控除の旧生命保険料が9,000円超に限られる(同項4号ロ)のと対照的。所得税法77条は現行版から令和12年6月19日施行版まで一字も変わらない(本文870字がmd5まで一致)。生命保険料控除・青色申告特別控除と違い、条文に予定された改正が1つも無い控除。
2026.08.27
iDeCoの年末調整 — 事業主払込なら保険料控除申告書に書かない
iDeCoの年末調整は払い方で手続が分かれます。給与天引き(事業主払込)なら保険料控除申告書に書かず、会社が所得税法190条2号イで拾います。個人払込なら申告書の「個人型年金加入者掛金」欄に書き、10月に届く小規模企業共済等掛金払込証明書を添付または提示します(所令319条2号)。転職した年・掛金を変えた年の扱いも条文と国税庁の様式で確認しました。令和8年分。
2026.08.27
育休中の年末調整 — 給付金が非課税なのは「準用」されているから。配偶者控除が新たに立ち上がる
育児休業給付金が非課税である根拠は、よく言われる雇用保険法12条の「直接適用」ではありません。育児休業給付は失業等給付から独立した別の給付なので、12条は61条の6第5項によって準用されています。給付金が所得に入らない結果、令和8年分では配偶者の合計所得金額が62万円以下になりやすく、配偶者控除38万円が新たに使えるようになります。年末調整そのものが行われるかどうかは所得税法190条の「その年最後に給与等の支払をする場合」で決まります。
2026.08.19
白色申告のやり方 — 記帳義務は青色と同じ。差がつくのは「見返り」の側
白色申告は「選ぶ」ものではなく、青色申告承認申請書を出していない状態を指します。届出は要りませんが、所得税法232条1項により帳簿を備え付けて記録し保存する義務があり、法定帳簿の保存期間は7年間(施行規則102条4項)で青色と同じです。事業専従者控除は配偶者86万円・その他50万円ですが、控除前の事業所得等を専従者の数に1を足した数で割った金額とのいずれか低い方が上限になります。さらに「年を通じて6か月超」の専従要件について、施行令165条1項ただし書の2分の1緩和は青色にしか適用されません。赤字の3年繰越しも原則として使えません。条文はe-Gov法令API v2の令和8年12月1日施行リビジョンで確認しています。
2026.07.14
医療費控除はいくらから?いくら戻る?【令和8年分】10万円は下限ではない
医療費控除の足切りは「10万円」と「総所得金額等の5%」の低いほう。10万円は上限であって下限ではないので、年収297万円以下なら10万円未満でも使える。戻るのは払った医療費ではなく、控除額×(所得税率+住民税10%)。入院給付金が入院費を上回っても、はみ出した分を他の医療費から引く必要はない。
2026.08.22
個人事業税とは — 70業種のうち13は法律に書かれていない・290万円の控除を条文で
個人事業税は、地方税法72条の2が挙げる第一種・第二種・第三種の「法定業種」に当たる事業にだけかかる道府県税です。よく言われる「70業種」は条文を数えても出てきません。法が名指ししているのは第一種31・第二種2・第三種24の合計57で、残る13は地方税法施行令10条の7(商品取引業・不動産売買業・広告業・興信所業・案内業・冠婚葬祭業)、12条(薪炭製造業)、14条(歯科衛生士業・歯科技工士業・測量士業・土地家屋調査士業・海事代理士業・印刷製版業)が足したものです。税率は第一種5%・第二種4%・第三種5%で、あん摩・はり・きゅう等と装蹄師業だけ3%。計算は所得税法26条・27条の「例による」ため青色申告特別控除は引けず、代わりに事業主控除290万円(72条の49の14)を引きます。納期は8月と11月(72条の51)。確定申告を出せば事業税の申告をしたものとみなされます(72条の55の2)。個人事業税が必要経費になる理由(所得税法45条1項に「事業税」が0回)まで、条文を引用して整理します。
2026.08.15
予定納税とは — 15万円以上で7月と11月に3分の1ずつ。株の譲渡益は基準額に入らない
予定納税は基準額15万円以上で自動的に来る。7月と11月に3分の1ずつ。前年に株や不動産を売っても、譲渡所得・一時所得・雑所得・臨時所得は基準額から除かれる(104条1項1号)。基準日は5月15日、減額申請は7月15日と11月15日、承認が義務になる10分の7ルールまで条文で。
2026.08.15
給与支払報告書の書き方と提出期限 — 30万円以下で省略できるのは誰か、4月15日の届出書、電子提出が義務になる基準
30万円以下で省略できるのは退職者(317条の6第3項)だけ。1月1日在籍者にただし書は無い。忘れられる4月15日の届出書(2項)も罰則の対象。電子提出義務の判定は所得税法228条の4の「前々年100枚以上」=源泉徴収票の枚数で決まる。異動届出書は2種類あって同じ第十八号様式。
2026.08.22
所得金額調整控除とは — 2種類あり、年末調整でできるのは片方だけ
所得金額調整控除は名前がひとつでも中身は2種類あります。ひとつは給与収入850万円超で23歳未満の扶養親族などがいる人の控除で、上限15万円。もうひとつは給与と公的年金の両方がある人の控除で、上限10万円です。年末調整でできるのは前者だけで、後者は確定申告でしか適用できません。この線引きは租税特別措置法41条の3の12が「前条第一項」としか書いていないことから条文で確かめられます。850万円は所得ではなく収入であること、扶養控除と違って16歳未満の子も対象になること、夫婦の双方が同じ子で適用できること、端数は切り上げであることなど、間違えやすい点を条文と国税庁タックスアンサーで確認して整理しました。あわせて令和8年12月1日の改正で給与所得控除が組み替わってもこの控除の条文は1文字も変わらないことを、e-Gov法令API v2で新旧2版のハッシュを突き合わせて確かめています。
2026.08.23
給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書 — 証明書方式と調書方式で、勤務先に出す書類が違う
住宅ローン控除を年末調整で受けるとき勤務先へ出す申告書です。租税特別措置法41条の2の2が定める1枚で、証明書方式なら金融機関の年末残高等証明書を添えますが、調書方式では同証明書の交付が無いため添付は不要で、備考欄に調書方式である旨を書きます。分かれ目は居住開始が令和5年1月1日より前かどうかで、同法施行令26条の2第1項が金融機関の交付義務をそこで区切っているためです。あわせて、印字された年末残高は見込みなので繰上返済したら実際の12月31日残高で計算し直すこと、合計所得金額の見積額が2,000万円を超える年は「提出することができない」と条文が定めていること、床面積40平方メートル以上50平方メートル未満なら1,000万円になること、提出期限が12月31日ではなく「その年最後に給与等の支払を受ける日の前日まで」であること、転勤で家を出るときは住まなくなる日までに届出と残りの用紙を税務署へ出さないと戻っても再適用が受けられないことを、令和8年12月1日施行の条文と国税庁の説明書で確認します。
2026.08.23
給与所得者の保険料控除申告書 — 証明書が要るもの・要らないものは政令が8つ列挙している
給与所得者の保険料控除申告書は、書いただけでは控除されません。所得税法190条2号ロが「書類の提出又は提示のあつたものに限る」と定めているためです。ではどの控除に証明書が要るのか。所得税法施行令319条が8つの場合を列挙しており、そこには2つの非対称があります。社会保険料で証明書が要るのは74条2項5号の国民年金保険料と国民年金基金の掛金だけで、国民健康保険料は列挙の外にあること。年間9,000円以下で証明書を省けるのは旧生命保険料だけで、旧個人年金保険料には同じ免除が無いことです。あわせて、給与から天引きされた社会保険料をこの申告書に書かない理由が196条1項2号の括弧書きにあること、提出期限が12月31日ではなく「その年最後に給与等の支払を受ける日の前日まで」であること、税務署に送られないのに提出したものとみなされる仕組みを条文で確認しました。令和8年12月1日の改正で施行令319条が変わらないことも新旧2版の突き合わせで確かめています。
2026.08.23
退職所得の受給に関する申告書 — 出さないと所得税は取られすぎ、住民税は逆に足りなくなる
退職金を受け取るときに勤務先へ出す1枚です。出し忘れると所得税は退職所得控除も2分の1も使わずに20.42パーセントを取られ、確定申告で取り戻すことになります。ところが住民税は税率も控除も変わりません。地方税法50条の6第2項が、申告書が無い場合でも通常どおり計算すると定めているためです。代わりに前に受け取った退職金との通算ができず、足りない分は後から市町村が普通徴収で取りに来ます。つまり所得税は取られすぎ、住民税は取られ足りないという逆向きの結果になります。あわせて、法律上の宛先が会社ではなく税務署長と市町村長であること、勤続年数の端数は切上げで重複期間の端数は切捨てという非対称、提出後の用紙が会社に7年、確定拠出年金の老齢給付金なら10年残ることを、令和8年12月1日施行の条文と令和8年1月1日以後の様式で確認します。
2026.07.13
社会保険料控除とは|対象になる保険料と、家族の分を払ったときの落とし穴
支払った全額が控除・上限なし(所法74)。ただし控除できるのは「支払った人」。妻の年金から天引きされる保険料は夫の控除にできず、親の後期高齢者医療は口座振替に変えると払った子の控除になります。
2026.08.13
支払調書とは|提出範囲は5万円・15万円超、本人への交付義務は無い【令和8年分】
税務署に出す書類。本人に渡す義務は条文に無い。
2026.08.19
給与所得者の特定支出控除 — 判定額は給与所得控除の2分の1。令和8年分は「上がった」
給与所得者の特定支出控除は、その年の特定支出の合計額が給与所得控除額の2分の1を超えた部分だけを差し引ける制度です。給与収入500万円なら判定額は72万円。令和8年分は所得税法28条3項の改正と租税特別措置法29条の4により、給与収入220万円未満の人だけ判定額が上がりました(32.5万円→37万円)。対象は7区分で、国税庁の証明書様式は10種類あり、いずれも給与の支払者(または研修費・資格取得費ならキャリアコンサルタント)の証明が無ければ1円も引けません。年末調整では受けられませんが、修正申告書・更正請求書でも受けられます。所得税基本通達に法第57条の2関係が1本も置かれていないことまで、e-Gov法令API v2と国税庁の原文で確かめます。
2026.08.16
修正申告と更正の請求 — 申告を間違えたときの直し方と、加算税・延滞税はいくらかかるか
増える向き=修正申告(通則法19条・期限の定めなし)/減る向き=更正の請求(23条・法定申告期限から5年)。加算税の率は「いつ出したか」で決まる。調査の事前通知前の自主修正なら過少申告加算税は0円(65条6項)。「50万円を超えたら15%」は不正確。閾値は期限内申告税額と50万円のいずれか多い額。無申告加算税の30%は累進のブラケットで、全体にはかからない。重加算税は加算税に「代えて」課す=上乗せではない。延滞税は令和8年に2.4%→2.8%、8.7%→9.1%へ。加算税は5,000円未満、延滞税は1,000円未満なら課されない。
2026.08.26
雑損控除 — 詐欺の被害には使えない。条文が数えるのは災害・盗難・横領の3つだけ
雑損控除は災害・盗難・横領の3つだけ(所法72条1項)。詐欺・恐喝は入らない。控除額は総所得金額等の10%と災害関連支出−5万円の大きい方だが、条文は「超える基準額」として3つの号に書き分けている。盗難の原状回復費は令206条1項4号で損失に足せるが、2項が1〜3号に限るので災害関連支出にはならない。親族の要件は令和8年分から62万円以下(令205条1項)。災害減免法との選択は法律本文に書いてある。
2026.08.19
家事按分 — 「5割を超えないと経費にできない」は、条文にも通達にも書かれていない
家事按分で「業務利用が50%を超えないと経費にできない」と言われることがあります。この50%は所得税法にも施行令にも書かれていません。出所は所得税基本通達45-2で、しかも同じ通達のただし書きが「50%以下であっても、その必要である部分を明らかに区分することができる場合には算入して差し支えない」と自ら外しています。そもそも「家事按分」という言葉は所得税法(約110万字)にも施行令にも通達にも一度も出てきません。条文の言葉は「家事関連費」です。施行令96条が1号(全員)と2号(青色のみ)で要件を分けている構造、青色専用の2号のほうが「直接必要」と語が厳しいこと、自宅が生計を一にする親族名義なら56条で家賃が1円も経費にならないことまで、e-Gov法令API v2で取得した条文で確かめます。
2026.08.14
寄付金控除は「所得控除」と「税額控除」の選択制|40%上限・2,000円と、所得税額25%枠の共有
寄付金控除は所得控除と税額控除の選択制。上限は所得税40%・住民税30%。税額控除率は政党等30%、認定NPOと公益社団法人等40%。所得税額25%の枠は政党等だけ別勘定。
2026.07.13
年末調整はいつまで?期限と、間に合わなかったときの対処法
年末調整の期限は3つあります。従業員が会社に書類を出す締切(11月中〜12月上旬・法定ではない)、会社が源泉徴収票を交付し税務署へ提出する翌年1月31日、間に合わなければ確定申告(2月16日〜3月15日)。還付だけなら5年さかのぼれます。令和8年分の正確な日付つき。
2026.07.13
扶養控除等申告書の書き方|独身・扶養なしは本人情報だけでOK
給与所得者の扶養控除等(異動)申告書は、扶養家族がいなくても全員が出します。出さないと乙欄になり、月給30万円なら所得税が月6,430円→38,600円に。令和8年度改正で扶養親族の所得要件は62万円(給与収入136万円)へ。様式裏面に印刷された58万円・123万円は月次源泉徴収用の古い数字です。
2026.07.13
年末調整の還付金はいつ・いくら?令和8年分は還付が増える理由
年末調整の還付金は12月または1月の給与と一緒に振り込まれるのが一般的です。令和8年分は税制改正の影響で還付が増え、年収500万円・独身なら約53,700円(うち約30,200円が改正による上乗せ)。追徴になる人、還付されないケースまで国税庁の一次資料と実計算で解説します。
2026.07.13
法定調書合計表の書き方|提出範囲・期限と令和8年分からの大改正
法定調書合計表(給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表)の書き方を、6つの調書・提出範囲・提出期限から解説。令和8年分からは「みなし提出の特例」で税務署への源泉徴収票の提出が不要に。e-Tax義務化も100枚以上→30枚以上へ。提出期限は令和9年2月1日(月)です。
2026.07.19
副業の確定申告は20万円まで不要?見落としがちな2つの落とし穴
給与所得者は、副業など給与以外の所得が20万円以下なら所得税の確定申告は不要です。ただし①医療費控除やふるさと納税で確定申告するなら20万円以下も申告が必要、②住民税には20万円ルールがなく申告が必要、という2つの落とし穴があります。国税庁の条件と自治体の扱いを一次情報で確認して解説します。
2026.08.27
家内労働者等の必要経費の特例 — 令和8年分は69万円。55万円・65万円は過去の年分の額
★令和8年分から69万円(改正前65万円)。租税特別措置法27条・同法施行令18条の2の令和8年12月1日施行版で確認。国税庁「令和8年4月 源泉所得税の改正のあらまし」2ページにも明記。★タックスアンサーNo.1810は令和7年4月1日現在の法令等に基づくもので65万円のまま。★金額は年分で動く: 令和元年分以前65万/令和2〜6年分55万/令和7年分65万/令和8年分以後69万。★対象は3つの入口: 家内労働法2条2項の家内労働者・外交員・施行令18条の2の集金人/電力量計の検針人/特定の者に対して継続的に人的役務の提供を行うことを業務とする者。★給与があると枠は69万円−給与所得控除額。給与収入が69万円以上なら特例は使えない。★令和8年分の壁は173万円(69万+基礎控除104万)と131万円(69万+扶養親族の所得要件62万)。給与だけの人の178万円・136万円と5万円ずれる。ずれる理由は措置法29条の4の給与所得控除の最低控除額の特例74万円が令和8年・9年分だけ給与側に乗るから。★令和8年12月1日施行だが令和8年分から適用(附則34条1項)。施行日前に準確定申告等を出した人は5年以内に更正の請求ができる(同条2項)。★この特例で赤字は作れない(総収入金額が限度)。公的年金等に係る雑所得は限度の計算から除く。★住民税にも及ぶ(地方税法32条2項)。地方税法の全文に「家内労働」は0回。
2026.08.27
税務代理権限証書とは — この1枚が出ていないと、税務調査の事前通知は税理士に届かない
★税務代理権限証書=税理士法30条が提出させる「税務代理の権限を有することを証する書面」。様式は施行規則15条の別紙第八号様式。★★義務が生じるのは「税務代理をする場合」だけ。2条1項1号の括弧書きが「(次号の税務書類の作成にとどまるものを除く。)」と書いており、申告書を作ってもらっているだけでは税務代理ではない=提出義務も生じない。★★★国税通則法74条の9第3項2号は「税務代理人」を『税理士法第三十条…の書面を提出している税理士』と定義している=この1枚が無いと、顧問税理士がいても通則法上は税務代理人ではなく、事前通知が届かない。★法令が名指ししている記載欄は2つだけ=施行規則17条の2第1項「調査の通知は同項の税理士に対してすれば足りる旨」(本人に通知が来なくなる)と2項「代表する税理士として定めた旨」。国税通則法施行規則11条の4が国税側に同じ規定を置き、条文が税理士法施行規則15条の様式を名指ししている。★★書面添付(33条の2)とは別物。30条は「しなければならない」、33条の2は「添付することができる」。★★★調査前の意見聴取(35条1項)は書面添付だけでは発生しない — 条文が「第三十条の規定による書面を提出している税理士があるとき」を要件にしている。施行規則16条2項も添付書面に「税務代理権限証書の提出の有無」の付記を求めており、制度が両者をセットで扱っている。★35条4項=意見聴取の有無は処分・更正・裁決の効力に影響しない。★34条・35条は「税務官公署」で書かれており地方税にも及ぶ(35条2項は地方公共団体の長を名指し)。★令和8年9月1日から様式第八号が改正され、施行規則に28条(国税庁長官が様式に付記・削除できる)が新設される。改正省令は令和6年3月30日財務省令第25号で、様式部分だけが2年5か月遅れて施行。旧様式の用紙は「当分の間」使用可(附則2条5項)。

相続税・贈与税(6)

相続税・贈与税がいくらからかかるか、基礎控除と速算表・早見表、非課税になるお金。

2026.08.23
法定相続情報一覧図は何枚でも無料でもらえる — ただし続柄を「子」と書いた1枚は、相続税の申告に使えない
法定相続情報一覧図は法務局が無料で交付し、必要な枚数だけ受け取れます。戸除籍謄本の束の代わりに相続登記・預金の払戻し・相続税の申告に使えますが、続柄を「子」と書いた一覧図と列挙形式の一覧図は相続税の申告に使えません。根拠は相続税法施行規則16条3項1号ロで、被相続人と相続人の関係を系統的に図示し、実子か養子かの別が記載されたものに限ると定めています。住所を書けば住民票の写しが不要になる一方、交付後に住所が変わっても再申出はできません。11桁の法定相続情報番号は不動産登記でしか使えません。不動産登記規則247条と相続税法施行規則で確認します。
2026.08.23
遺産分割協議書は「いつでも」作れる — ただし10か月・3年・10年の3つの時計が外から回っている
遺産分割協議書そのものに法律上の期限はありません。民法907条1項が「いつでも」協議で分割できると定めているからです。期限は外から3つ来ます。相続税の申告期限10か月を過ぎて未分割のままだと配偶者の税額軽減も小規模宅地等の特例も使えず、相続財産1億円・配偶者と子2人なら納付が315万円から630万円へ倍になります。協議が成立した日から相続登記の3年がもう一度回り出し、怠れば10万円以下の過料です。相続開始から10年を過ぎると特別受益も寄与分も主張できなくなります。条文と国税庁の取扱いで確認します。
2026.08.23
贈与契約書は要るのか — 書面によらない贈与は解除でき、書面の有無で「いつの贈与か」が変わる
贈与契約書がなくても贈与は成立します。民法549条は意思表示と受諾だけで効力が生じると定めているからです。ただし書面がない贈与は550条により各当事者が解除でき、さらに国税庁の取扱いでは、口頭の贈与は履行があった時、書面による贈与は契約の効力が発生した時に財産を取得したものとされます。つまり書面の有無で何年分の贈与かが変わり、110万円の基礎控除の枠と生前贈与加算の窓が動きます。加算対象期間は令和8年12月31日までの相続なら3年で、まだ7年ではありません。定期贈与、名義預金、おしどり贈与2000万円まで条文で確認します。
2026.08.25
弔慰金はどこまで非課税か — 「3年分・半年分」は相続税法に一度も出てこない。死亡退職金の500万円枠との境界
弔慰金の「3年分・半年分」は相続税法に一度も出てこない(全文実測で0回)。条文にあるのは12条1項7号の500万円×相続人の数だけ。枠を超えた弔慰金は退職手当金等に化ける。相続放棄した人は枠の分母を増やすのに、自分は非課税枠を1円も使えない。
2026.08.25
配偶者居住権 — 途中でやめると贈与税がかかる。短期居住権は登記できず、評価の耐用年数は1.5倍する
配偶者居住権は、消え方で税が変わる。配偶者の死亡・期間満了・建物滅失で消えるなら課税されないが、合意解除・放棄・所有者の意思表示で消すと建物の所有者に贈与税。登記できるのは長期だけで、短期居住権は不動産登記法に0回。評価の耐用年数は1.5倍(木造住宅22年→33年)。
2026.08.25
相続放棄の期限と手続き — 「3か月」は死亡日から数えない。放棄しても消えない義務が民法940条に残る
相続放棄の「3か月」は死亡日から数えない。起算点は自己のために相続の開始があったことを知った時(民法915条1項)。放棄しても現に占有していれば保存義務が残る(940条1項)。子が全員放棄しても孫には行かない(887条2項の代襲原因に放棄が無い)。相続税では基礎控除に数え、生命保険金の非課税枠では数えない。

給与計算・手取り(43)

額面から手取りまでの引かれ方、残業代・通勤手当・住民税の実務と、36協定による労働時間の上限、フレックスタイム制の清算期間、1か月・1年・1週間の3つに分かれる変形労働時間制、裁量労働制のみなし時間、入社時に明示すべき労働条件、22時以降の深夜手当、会社都合で休ませたときの休業手当、予告なしで解雇するときの解雇予告手当、休日出勤の振替休日と代休の違い、6時間・8時間で切り替わる休憩時間の下限、常時10人以上で義務になる就業規則の作成・届出・周知、労働基準法に定めがなく会社が日数を決める忌引き休暇(慶弔休暇)と香典・祝金の経理、予告なしの解雇が14日までに限られる試用期間、深夜業を含む業務だと年2回になる健康診断の実施義務と費用負担・受診時間の賃金、割増賃金の単価から外せる賃金が7つの限定列挙であることと分割回数で報酬と賞与が入れ替わる年俸制、令和8年10月1日から事業主の義務になるカスタマーハラスメント(カスハラ)対策とそれに伴うパワハラの条番号の付け替え、懲戒処分の減給に労働基準法91条が課す2つの上限(1回は平均賃金の1日分の半額まで・総額は一賃金支払期の賃金総額の10分の1まで)と、戒告・譴責・出勤停止といった処分名が労働基準法にも労働契約法にも書かれていないこと、有期契約が通算5年を超えたときに労働者が申し込める無期転換(労働契約法18条)の通算の起点が2013年4月1日以後を初日とする契約に限られることと、通算がリセットされるクーリング期間が直前の契約期間の2分の1(端数は1か月に切り上げ)であること。

2026.08.14
36協定の上限は1組ではない|月45時間・年360時間と、特別条項の年720時間・月100時間未満
36協定は届け出て初めて効く。上限は月45時間・年360時間だけでなく、特別条項の月100時間未満・年720時間、実労働の複数月平均80時間まで何段もある。休日労働が入る枠と入らない枠は条文が書き分けている。
2026.08.16
懲戒処分の種類と減給の上限 — 労働基準法に「懲戒」の語は無い。1回の減給は平均賃金の半額、総額は賃金の10分の1まで
減給の上限は2つあり、先に効くのは「1回=平均賃金の半額」のほう。月給30万円で1回4,891円、6回重ねても10分の1(30,000円)に届かない。平均賃金の分母は暦日数なので、同じ月給でも処分の時期で上限が動く。戒告・譴責・出勤停止・諭旨解雇は労基法にも労契法にも0回。法律が名前を出す懲戒処分は「減給」だけ。労基法は「制裁」、労契法は「懲戒」と呼ぶ。
2026.08.25
偽装請負とは — 法令に一度も出てこない言葉。判定は37号告示の9項目で、いちばん重い結果は罰金ではない
法令に「偽装請負」は0回。37号告示の9項目は「全部そろって初めて請負」。発注者に来るのは罰金ではなく直接雇用の申込み。
2026.08.25
労働基準監督署の臨検と是正勧告 — 「是正勧告」という言葉は、労働基準法にも労働安全衛生法にも一度も出てこない
法令に「是正勧告」は0回。勧告は処分でないので審査請求できない。ただし臨検を拒むと30万円(安衛法なら50万円)の罰金がある。
2026.08.25
勤務間インターバルとは — 法律に「インターバル」という言葉は1度も出てこない。努力義務の正体と、同時に入った発注側の配慮義務
法律に「インターバル」の語は0回。11時間という数字も条文には無い。罰則も無い。導入6.9%に対し「知らなかった」が15.7%。
2026.08.15
忌引き休暇(慶弔休暇)は何日? — 法律に定めはない。それでも就業規則には書く義務がある
忌引き休暇は労基法に定めが無い。だが設ければ89条1号の絶対的必要記載事項になり、無給にすると12条3項の控除に入らないので平均賃金が下がる。香典(9-23)と結婚祝金(28-5)は通達の建付けが違う。
2026.08.14
フレックスタイム制の総枠はどう計算するか|清算期間・週平均50時間・届出が要る場合
フレックスでも残業はなくならない。総枠は40時間×暦日数÷7で、31日の月なら177.14時間。コアタイムは任意だが、清算期間が1か月を超えるなら届出が要る。この2つは逆に理解されがち。
2026.08.24
内定の取消しと辞退 — 「内定期間」は法令用語。取り消す側は解雇と同じ規制、辞める側は2週間
「内定期間」は法令に定義がある。取消しだけでなく募集の中止と入社日の延期も通知対象。取り消す側は解雇の規制、辞める側は2週間。
2026.08.14
労働条件通知書と雇用契約書は何が違うか|明示すべき14項目と、書面で渡す義務がある6つ
法律が義務づけているのは労働条件通知書だけ。明示事項は14項目あるが、書面で渡す義務があるのは6つで、昇給は除外されている。ところがパート・アルバイトには別の法律が「昇給の有無」の文書交付を課している。
2026.08.24
退職証明書 — 労働基準法22条は「請求されたら」しか義務にしていない。そして、書いてよい事項を選ぶのは労働者の側
退職証明書は請求されて初めて義務になる。書ける事項は5つ。しかも労働者が請求しない事項は書いてはいけない。解雇理由証明書は退職日で締め切られる。
2026.08.14
裁量労働制とは|専門業務型と企画業務型の違いと、2024年4月に加わった本人同意
裁量労働制でみなされるのは労働時間だけ。深夜と休日の割増は残る。対象業務は条文に5つしか書いていないが実際は20。記録保存は本則5年だが附則で当分の間3年。
2026.08.15
休憩時間は労働基準法で何分? 6時間ちょうどは0分、8時間ちょうどは45分でよい
休憩は「超えた場合」に発生する。6時間ちょうどは0分、8時間ちょうどは45分でよい。落とし穴は残業で、8時間を1分でも超えた瞬間に1時間必要になり、しかも途中に与えなければならない。
2026.08.15
就業規則とは — 常時10人以上で作成・届出義務。10人未満でも、作れば労働契約の内容になる
作成義務は事業場ごとに常時10人以上。ただし義務の有無と効力の有無は別の話で、効力を決めているのは届出ではなく周知(労契法7条)。10人未満で任意に作った就業規則にも効力は及ぶ。
2026.08.24
安全衛生委員会とは — 常時50人以上で設置義務、毎月1回開催、記録は3年保存。衛生委員会との違いと、2028年に変わること
「50人」は安衛法の本則に一度も出てこない。ストレスチェックの努力義務は附則の読替えで作られていて、2028年4月1日に消える。
2026.08.24
産業医とは — 常時50人以上の事業場に14日以内。専属は1,000人(深夜業を含む業務なら500人)から。選任しないと罰金50万円、選任した後の義務には罰則が1つも無い
産業医を「選任しない」ことには罰金50万円。ところが選任した後の義務には、罰則が1つも付いていない。
2026.08.24
安全衛生推進者 — 常時10人で選任義務が発生する。「50人未満だから何も要らない」は誤り
常時10人以上50人未満の事業場には安全衛生推進者等の選任義務がある。14日以内・専属。衛生管理者や産業医と違い労基署への選任報告はなく、作業場に掲示して周知する。罰則の列挙には12条の2だけが載っていない。
2026.08.24
女性活躍推進法 — 令和8年4月1日に、男女の賃金の差異と女性管理職比率が「選ぶ16項目」から抜き出された。301人超は4項目、101人超は3項目
男女の賃金の差異と女性管理職比率が、選択肢から「必ず出す2項目」へ。ところが公表しなくても罰金は無い。
2026.08.15
試用期間 — 労働基準法に「試用期間」という言葉は無い。予告なしで解雇できるのは14日まで
労基法本則に「試用期間」は0回。予告なしの解雇は14日まで(21条4号ただし書)。平均賃金は12条3項5号が「控除」と定めるのに、施行規則3条が試用期間中の発生は「算入」と打ち消す。
2026.08.15
変形労働時間制は3つある — 1か月単位だけは就業規則だけで導入できる
変形労働時間制は3つある。1か月単位だけは条文が「協定により、又は就業規則により」と書いており労使協定が要らない。1年単位は1日10時間・1週52時間・連続6日・年280日の4つの上限つき。
2026.08.24
身元保証書 — 金額の上限を書いていないと無効。それを決めたのは身元保証法ではなく、2020年の民法だった
身元保証書は2020年4月から、極度額(上限金額)を書いていないと無効。期間は定めなければ3年、定めても5年まで。金額の上限を作ったのは1933年の身元保証法ではなく、2020年の民法だった。
2026.08.25
退職勧奨とは — 「退職勧奨」は法律の本文に一度も出てこない。効いているのは省令の1つの号
退職勧奨は法律用語ではない。7法令を全文検索して出現は0回で、唯一あるのが雇用保険法施行規則36条9号。解雇ではないので労契法16条も労基法20条もかからない代わりに、雇用保険では特定受給資格者になり給付日数が最大180日増え、給付制限も付かない。上乗せ金は所基通30-1で退職所得か給与所得かが分かれる。
2026.08.14
休業手当 — 60%は上限ではなく最低基準。平均賃金の分母は労働日数ではない
休業手当の平均賃金は暦日数で割る(労働日数ではない)。60%は最低基準で、民法536条2項に当たれば全額。休業補償とは制度も課税も別。
2026.08.15
深夜手当 — 22時から5時は25%増し。労働時間の適用除外から、深夜だけが外れている
深夜手当は22時〜5時に25%以上。所定内なら0.25倍の上乗せだけ。41条は深夜を除外していないので管理監督者にも要る。名指しで外しているのは高プロの41条の2だけ。
2026.08.15
振替休日と代休の違い — カレンダーは同じでも、割増賃金が35%変わる
振替休日は事前だから割増ゼロ、代休は事後だから35%が要る。代休を取っても消えるのは100%部分だけ。振替も週をまたぐと25%が発生する。35%の出所は労基法ではなく政令。
2026.08.15
解雇予告手当 — 30日分の平均賃金。名前は「手当」でも、税金は退職所得になる
解雇予告手当は30日分以上の平均賃金。予告と手当は併用できる(20条2項)。税金は給与でなく退職所得なので通常0円だが、申告書を出さないと20.42%引かれる。試用期間も14日超で対象。
2026.08.26
競業避止義務とは — 条文があるのは取締役と譲渡会社だけ。退職者は「契約」、そして不正競争防止法
「競業避止義務」は1つの制度ではない。条文があるのは在職中の取締役(会社法356条1項1号=禁止ではなく承認制)と事業譲渡した会社(同21条=20年・同一市町村と隣接市町村・特約でも30年が上限)だけ。退職した従業員を縛る条文は無い。誓約書の違約金条項は労基法16条が禁じる「損害賠償額の予定」に当たる。逆に誓約書が無くても不競法2条1項7号は効き、21条2項3号は役員・従業者を名指しで10年以下の拘禁刑・2,000万円以下の罰金。領得の類型ロは「複製を作成すること」=原本を持ち出さなくても当たる。
2026.08.15
同一労働同一賃金とは — 8条と9条は別の禁止。令和8年10月から雇入れ時の明示事項が1つ増える
同一労働同一賃金の条文は8条と9条の2本立て。8条=不合理な待遇差の禁止、9条=差別的取扱いの禁止で9条は不合理かを問わない。勧告不服従の公表を定めた18条2項に8条は入っていない。令和8年10月1日から雇入れ時の明示事項が4→5に増える(過料10万円の対象条文)。
2026.08.16
カスハラ対策の義務化はいつから — 令和8年10月1日施行。新設33条と、ずれる条番号
カスハラ対策の義務化は令和8年10月1日から。根拠は新設の33条1項で、判定基準はパワハラの「業務上必要かつ相当な範囲を超えた」ではなく「社会通念上許容される範囲を超えた」。パワハラの30条の2は同じ日に31条へ番号が変わる。中小企業の猶予は無い。義務違反に罰則は無いが、報告を怠ると20万円以下の過料。
2026.08.24
副業・ダブルワークの「通算」— 労働時間は通算し、社会保険は合算し、雇用保険は合算しない
同じ「掛け持ち」なのに、労働時間は通算・社会保険は合算・雇用保険は合算しない、と3つの制度で答えが違う。しかも保険料を各社がいくら持つかは法律の本則には書かれておらず、政令まで降りて初めて按分の式が出てくる。
2026.08.15
健康診断は会社の義務か — 費用負担と勘定科目、受診時間の賃金、深夜業で年2回になる人
健診の実施義務は66条1項、受診義務は66条5項=義務は双方向。結果の通知(66条の6)を怠ると50万円以下の罰金だが、意見聴取(66条の4)に罰則はない。深夜業は特定業務で年2回。会社負担は非課税だが役員だけだと給与課税。受診時間の賃金は一般健診と特殊健診で逆。
2026.08.24
安全配慮義務 — 労働契約法5条には罰則が1か条も無い。では、何が会社を動かしているのか
安全配慮義務(労働契約法5条)には罰則も行政監督も無い。効くのは民事の損害賠償だけ。一方で、月80時間超の面接指導も一般の労働者については罰則が無く、罰金が付いているのは研究開発業務と高プロのほうだった。
2026.08.15
管理監督者とは — 労基法41条2号で外れるのは「労働時間・休憩・休日」の3つだけ。深夜割増と年次有給休暇は残る
41条2号が外すのは労働時間・休憩・休日の3つだけ。第四章の章題は4つ並ぶので年次有給休暇は残る。深夜割増も残る。2号は許可不要(3号との差)。則6条の2で過半数代表者になれず、全員管理監督者だと36協定が結べない。
2026.08.24
障害者の法定雇用率2.7% — 2026年7月1日に「上がった」のではない。対象は労働者37.5人以上、報告は7月15日まで
2026年7月に上がったのではなく、附則の読み替えが切れて本則の2.7%が出てきた。報告義務は40人→37.5人。罰則があるのは未達成ではなく報告の側。
2026.07.13
固定残業代(みなし残業)の落とし穴|最低賃金には算入されない
固定残業代は最低賃金に算入しない(最賃則1条2項1号)。月給20万(固定残業代4万込み)は見かけ時給1,250円でも、最賃判定は1,000円で東京1,226円割れ。一方、社会保険料の「報酬」には算入されます。
2026.07.13
通勤手当・通勤費・交通費の非課税限度額|車通勤・マイカー早見表【2026年改正】
令和8年4月改正。片道65km以上が引上げ、駐車場代5,000円の加算が新設。ただし所得税が非課税でも社会保険料はかかります(月給30万+通勤手当1.5万で年34,056円増)。
2026.08.16
無期転換ルールの5年 — 通算はいつから数えるか、クーリングは何か月か、転換すると何が変わるか
通算5年超で申込権が発生し、会社に拒否権は無い(18条1項=みなし承諾)。通算に入るのは2013年4月1日以後を初日とする契約だけ。3月31日開始の1年契約は丸ごと入らない。クーリングの「6か月」は前契約が1年以上の場合。1年未満は契約期間の半分+端数切上げなので、3か月契約なら1.5か月ではなく2か月。連続する契約は合算して判定する。転換しても労働条件は「契約期間を除き同一」=正社員化ではない。例外(高度専門職・定年後)は認定を受けた事業主だけ。
2026.08.15
年俸制でも残業代は出る|割増賃金の単価と、分割回数で変わる社会保険料
年俸制でも割増賃金は必要。単価から外せる賃金は労基則21条の7つだけ(限定列挙)。賞与部分を単価に入れるかで年俸600万・月20時間残業なら年23万円の差。社会保険は年3回以下=賞与/年4回以上=報酬が境界。標準賞与額の上限は健保が年度573万円・厚年が1か月150万円。
2026.08.25
派遣の3年ルールと抵触日 — 延長できるのは事業所単位だけで、個人単位には延長の規定がない
派遣の3年は事業所単位と個人単位の2つ。延長できるのは事業所単位だけで、個人単位に延長の規定はない。派遣先の40条の3は「延長した場合」限定なのに、派遣元の35条の3は無条件。クーリング期間3か月は条文にない。
2026.08.05
住民税非課税のボーダーを1円超えたら、いくら損するか
1円超えると4,999円損。でも+5,000円でトントンに戻る。谷の深さと幅を実額で。
2026.07.13
住民税の特別徴収とは|6月からの年間スケジュールと退職者の一括徴収
住民税の特別徴収は6月〜翌年5月の12回。前年の所得に対する税を市区町村が計算して通知するため、所得税と1年ずれます。1月〜4月に退職した人は残額の一括徴収が会社の義務(地方税法321条の5)。年間スケジュール・6月だけ高い理由・普通徴収にできる例外・納期の特例まで実務目線で解説。
2026.08.23
住民税決定通知書の見方 — 法令にこの名前の書類は無い。特別徴収と普通徴収で別の書類です
「決定通知書」という語は地方税法に0回。届く書類は2種類あって、5月31日を過ぎて届いた年は12分割にならない。金額が違っても会社は計算し直さない。
2026.07.13
残業代の計算方法|1時間あたりの単価と割増率(25%・35%・50%)
残業代の計算方法を、給与明細を確認したい方と給与計算をする方に向けて解説。1時間あたりの賃金=月給÷月平均所定労働時間(年間休日120日・1日8時間なら163.33時間、月給30万円で1,837円)。割増率の組み合わせ、基礎から除外できる7つの手当(限定列挙)、端数処理の通達(昭63.3.14基発150号)まで実数つきで。
2026.08.24
労働者死傷病報告 — 「休業4日未満なら報告不要」は誤り。様式第23号はもう存在しない
休業4日未満なら報告不要、は誤り。安衛則97条は休業1日から報告を求めており、4日は「要否」ではなく「遅滞なく」か「四半期ごと」かの分かれ目。様式第23号・第24号は令和7年1月1日に削除済み。

健康保険・雇用保険・労災保険の給付(16)

医療費が高額になったとき、病気・出産・育児・家族の介護で働けないとき、通勤中にケガをしたとき、失業したとき、60歳以後に賃金が下がった状態で働き続けるときに受け取れるお金。

2026.08.27
傷病手当金支給申請書の書き方 — 4枚のうち2枚は、自分では書けない
★申請書は全4ページ。1〜2ページ目が本人、3ページ目が事業主、4ページ目が療養担当者(医師)の記入用で、半分は自分では書けない=出せる日を決めているのは自分ではない。★添付書類は施行規則84条2項の2つだけ(医師又は歯科医師の意見書・事業主の証明書)。協会けんぽは「賃金台帳や出勤簿の写し等、不要な書類の添付はしないよう」と明示しており、親切のつもりの添付は事務を止める側に回る。★事業主記入用は欠勤日ではなく出勤した日を〇で囲む様式=法108条1項の差額支給を判定するための欄。★時効は健康保険法193条の2年だが、協会けんぽは起算日を「労務不能であった日ごとにその翌日」としており、まとめて出すつもりで寝かせると古い日から順に消える。★療養費を受ける場合は意見書の添付が要らない(84条4項)。意見書が外国語なら日本語訳が要る(84条8項が66条3項を準用)。
2026.07.14
高額療養費の自己負担限度額【令和8年】区分は年収でなく標準報酬月額で決まる
限度額の区分を決めるのは年収ではなく標準報酬月額。報酬月額が1円違うだけで等級が上がり、医療費100万円のときの自己負担が87,430円から171,820円に変わる。世帯合算は21,000円未満を拾わない。マイナ保険証を使う人は、そもそも限度額適用認定証を申請できない(省令が交付対象を資格確認書を持つ人に限っている)。
2026.07.14
育児休業給付金はいくら?67%+13%の計算と「手取り10割」の条件
育児休業給付金は賃金日額の67%(181日目以降50%)。出生後休業支援給付金13%を足すと80%=手取り10割相当だが、母親側はこの13%に「配偶者が14日以上育休を取る」という条件が付く。父親は妻の産後休業で自動的に要件を満たすため、この不利は母親だけに生じる。
2026.08.17
労災の休業補償 — 「8割」は1つの給付ではない。60%は請求、20%は申請、最初の3日は会社が払う
労災で休業したときの支給額は給付基礎日額の80%だが、これは1つの給付ではなく二階建て。1階=休業補償給付。労働者災害補償保険法14条1項が「第四日目から支給するものとし、その額は、一日につき給付基礎日額の百分の六十に相当する額とする」と定める保険給付。2階=休業特別支給金。労働者災害補償保険特別支給金支給規則3条1項の「百分の二十」。これは保険給付ではなく、労災保険法29条1項の社会復帰促進等事業として支給されるもの。条文の動詞が違う。保険給付は12条の8第2項が「その請求に基づいて行う」、特別支給金は支給規則3条1項が「その申請に基づいて支給する」。実務上は同じ様式で同時に出すため意識されにくいが、別々の行為。最初の3日間は待期期間で労災から出ない。厚生労働省のリーフレットは「この間は業務災害の場合、事業主が労働基準法の規定に基づく休業補償(1日につき平均賃金の60%)を行うこととなります。ただし、複数業務要因災害・通勤災害の場合には、事業主の補償責任についての法令上の規定はありません」と明記している。つまり通勤災害では最初の3日が誰からも出ないのが原則。事業場の廃止や事業主の行方不明で労基法の休業補償を受けられない場合は、休業補償特別援護金として休業補償給付の3日分に相当する額が支給される。給付基礎日額は労災保険法8条1項により労働基準法12条の平均賃金。直前3か月の賃金総額÷その期間の総日数であって、月給÷30ではない。月給30万円で3か月の総日数が92日なら約9,783円で、10,000円ではない。療養開始後1年6か月を経過すると年齢階層別の最低・最高限度額が適用される(8条の2第2項)。それ以前は適用されない。一部だけ働いた日は、給付基礎日額から実際に働いた分の賃金を控除した額の60%(14条1項ただし書)。特別支給金も同じ控除後の額の20%。請求は様式第8号(業務災害)または様式第16号の6(通勤災害)を所轄の労働基準監督署長へ。特別支給金の申請は原則として同時・様式も同一。時効は賃金を受けない日ごとに請求権が発生し、その翌日から2年。通勤災害では初回の休業給付から一部負担金200円(日雇特例被保険者は100円)が減額される。課税関係の根拠は1本ではない。保険給付は労災保険法12条の6の公課禁止だが、条文が名指ししているのは「保険給付」。待期3日に会社が払う労基法76条の休業補償は、所得税法9条1項3号イと同法施行令20条1項2号(労働基準法第八章の規定により受ける休業補償)で非課税。
2026.07.14
失業保険はいくらもらえる?計算方法と自己都合・会社都合の違い
失業保険の日額は離職理由では1円も変わらない。変わるのは所定給付日数と開始時期で、35歳・月30万・勤続12年なら自己都合756,840円・会社都合1,513,680円と総額が倍になる。34歳と35歳の間には30日(189,210円)の崖があり、自己都合で勤続1年未満なら1円も出ない。
2026.07.14
再就職手当はいくらもらえる?計算方法と支給条件【令和8年度】
再就職手当=基本手当日額×支給残日数×60%(残日数が所定給付日数の3分の2以上なら70%)。日額には6,745円の上限があり高給の人ほど削られる。所定120日なら残80日と79日の境目で54,241円の崖があり、1日早く決めるほうが得。就業手当は2025年4月に廃止。
2026.08.22
教育訓練給付金とは — 20%と80%を分けるのは講座ではなく「賃金が5%上がったか」
教育訓練給付金は、雇用保険法60条の2に基づき、厚生労働大臣が指定した講座の受講費用の一部が戻る制度です。よく見る「20%・40%・50%・70%・80%」は法律には1つも書かれていません。法が定めるのは「百分の二十以上百分の八十以下の範囲内において厚生労働省令で定める率」という枠だけで、実際の率は雇用保険法施行規則101条の2の7が6区分で決めています。上限額は同101条の2の8で一般10万円・特定一般20万円/25万円・専門実践120万円/168万円/192万円。最高の80%だけは講座の種類ではなく「訓練後の賃金日額が受講前の105%以上になったか」で決まります。よく紹介される「初めてなら加入1年でよい」は本則ではなく附則11条の暫定措置で、しかも一度でも受給歴があれば使えません。特定一般・専門実践は受講開始の14日前までの手続きが必須で、逃すと1円も出ません。条文を引用して整理します。
2026.07.14
離職票とは?いつ届く・届かないときの対処法【令和8年】
離職票は会社が発行する書類ではない。交付するのはハローワーク所長(施行規則17条)で、会社が出すのは別物の「離職証明書」。会社の提出期限は退職日の翌々日から10日以内(翌日ではない)。届かない原因は3つあり、条文にはその全部に出口が書いてある。会社が交付を拒めば6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金。
2026.08.15
高年齢雇用継続給付金とは — 支給率10%と15%を分けるのは「60歳に達した日」
支給率10%と15%の分かれ目は「60歳に達した日」が令和7年4月1日より前かどうか。達した日は誕生日の前日なので1965年4月1日生まれまでが15%。令和8年8月1日から支給限度額は397,369円。
2026.08.26
高年齢求職者給付金とは — 65歳以上の失業給付は一時金。日額は上がり、総額は下がる
65歳以上の失業給付は一時金。1年以上で50日分・1年未満で30日分(雇用保険法37条の4第1項)。賃金日額の上限は37条の4第2項が「17条4項2号ニ」=30歳未満の額を指しており、4区分でいちばん低い。年金との調整規定(厚年法附則7条の4)は基本手当かつ65歳未満に限られるので併給できる。期限は離職の翌日から1年で、延長は法にも省令にも準用されていない。しかも認定が遅れると50日分は残り日数まで削られる(37条の4第1項かっこ書き)。
2026.08.14
介護休業給付金 — 67%は附則の暫定措置、上限366,222円と対象家族7区分の境界
介護休業給付金の67%は雇用保険法の本則ではなく、附則12条が「当分の間」読み替えているもの。上限は年齢に関係なく45〜60歳の額に固定され、育児休業給付金より高い。
2026.07.14
出産手当金はいくら?計算方法と、予定日より遅れると増える仕組み
出産手当金は「標準報酬月額の平均÷30×2/3」。月給30万円なら1日6,667円・98日で653,366円。出産が予定日より10日遅れると66,670円増え、10日早まると同じだけ減る。産休中は社会保険料が免除され非課税なので、手取りベースでは約8割が残る。
2026.07.14
出産育児一時金50万円|48.8万円になる人と、22週と28週の境目
出産育児一時金は1児につき50万円。ただし法令が定めるのは48万8千円で、残りの1万2千円は産科医療補償制度の掛金分の上乗せ。上乗せの境目は在胎22週、補償の境目は在胎28週で6週ずれている。任意継続でも受け取れる(出産手当金は受け取れない)。退職後6か月以内の出産も対象。双子は2倍、死産・流産・中絶も妊娠85日以降なら支給。
2026.08.15
通勤災害とは — 業務災害との違いは給付の名前だけではない。待期3日・解雇制限・200円の一部負担金
通勤は法7条2項の3類型。逸脱・中断は原則その後も通勤に戻らない(法7条3項)。違いは給付名だけでなく待期3日が無給・解雇制限が及ばない点。200円は窓口ではなく休業給付から減額(法22条の2第3項)。
2026.07.13
傷病手当金はいくら?計算方法と、退職日に出社すると消える落とし穴
傷病手当金は「標準報酬月額の平均÷30×2/3」。賞与は1円も入らないため、賞与が多い人ほど実質の補償率は下がる。退職日に挨拶で出社すると、退職後の傷病手当金が受けられなくなる(健保法104条)。
2026.08.15
育児時短就業給付金はいくらもらえるか|賃金の10%と、90%を超えたときの支給率の正体
育児時短就業給付金は時短中の各月の賃金の10%。ただし賃金が開始時賃金月額の90%を超えると逓減し、100%以上は不支給。逓減率は規則101条の47が定め、整理すると支給額は「下がった分の9割」。支給限度額484,121円・最低限度額2,562円(2027年7月31日までの額)。

有給休暇・法定の休暇(5)

付与日数の数え方、年5日の取得義務、パート・アルバイトの比例付与と買い取り。育児・介護休業法が定める子の看護等休暇(旧・子の看護休暇)と介護休暇の年5労働日、時間単位取得の1時間未満切り上げ、賃金の定めが条文に無いこともここ。

2026.08.16
子の看護休暇(看護等休暇)と介護休暇 — 年5日は労働日。無給でも違法ではないが、勤続6か月未満を除外する労使協定は令和7年4月に使えなくなった
年5日(対象2人以上なら10日)。単位は暦日ではなく「労働日」。時間単位の1日は所定労働時間を1時間未満切り上げ=7時間30分の人は8時間×5日=40時間。賃金の定めは条文に無い(労基法39条9項と対照)=無給でも違法ではない。令和7年4月1日から勤続6か月未満の除外が不可(改正の実体はかっこ書き14文字)。
2026.07.13
有給休暇の付与日数|勤続年数ごとの一覧表と、出勤率8割・時効2年の落とし穴
入社6か月で10日、以後11・12・14・16・18・20日(労基法39条)。出勤率8割未満で付与ゼロになっても勤続年数はリセットされず、翌年は10日に戻りません。
2026.07.13
有給の買取は違法?認められる3つの例外と退職時の相場・税金
有給休暇の買取は原則として労働基準法39条違反です(昭和30年11月30日 基収第4718号)。例外は①法定日数を超える分②時効で消滅する分③退職時に残った分の3つだけ。会社に買い取る義務はありません。買取価格の相場(1日あたりの計算3方式)と、買取金が給与所得か退職所得か、社会保険料はかかるかまで解説します。
2026.07.13
パート・アルバイトの有給休暇|週3日・週4日は何日もらえるか
パート・アルバイトにも有給休暇はあります(労働基準法39条)。週3日なら6か月で5日、週4日なら7日。比例付与の早見表、週30時間以上なら正社員と同じ10日になる盲点、年5日の取得義務、有給を取った日の賃金の計算方法まで、厚生労働省の資料に基づいて解説します。無料の自動計算ツールつき。
2026.07.13
有給休暇「年5日の取得義務」とは|罰則・対象者・半休の扱い
パートも10日以上付与されれば対象。違反は30万円以下の罰金(1人につき1罪)。

消費税・インボイス(11)

インボイス制度の基本と2割特例・簡易課税、課税売上割合と仕入税額控除、消費税の端数処理、中間申告。

2026.08.19
消費税の税率は何パーセント?10%・軽減税率8%と、条文に書いてある7.8%・6.24%
消費税の税率は標準10%・軽減8%ですが、消費税法29条に書いてある数字は7.8%と6.24%です。残りは地方消費税(78分の22)。軽減税率8%の対象は飲食料品と新聞の2つだけで、外食の線引きは業種ではなく「その場で飲食させたか」。さらに8%には内訳の違う旧税率8%(6.3%+1.7%)があります。消費税法・地方税法・施行令の条文で確認します。
2026.08.27
支払通知書(仕入明細書)とは — 買い手が作った書類でも仕入税額控除できる。条件は相手方の確認
★買い手が作った書類でも仕入税額控除できる(消費税法30条9項3号)。売り手からインボイスをもらえなくても控除できる正規のルート。★呼び名は自由=条文は「仕入明細書、仕入計算書その他これらに類する書類」。支払通知書・出来高検収書もここに入る。★記載事項は6つ(消費税法施行令49条4項)。★★相手方(売り手)の登録番号は必須なのに、作成者(買い手)の登録番号は条文に無い。媒介者の書類を定める同条6項1号は「及び登録番号」と書いているので、書き分けは意図的。★★「相手方の確認を受けたもの」は通達11-6-6が3類型を示し、一定期間内に連絡がなければ確認とみなす基本契約でもよい=実務の「◯日以内にご連絡がなければ承認」の根拠。ただし通達は基本契約等の締結を前提にしている。★★使えない取引が2つある=57条の4第1項ただし書(3万円未満の公共交通機関・卸売市場・自動販売機)と57条の6第1項本文(任意組合等の組合員)。★★建設業の出来高検収書は通達11-6-7で特別扱い=工事完成前でも控除でき、完了日に再受託業者が未登録なら控除を取り消す。平10課消2-9で追加、令5課消2-9・令8課消2-11で改正。★消費税額等は支払対価の額に110分の10を乗じ、端数は「処理した後の金額」=処理方法は条文が定めていない。★電子で交付すれば電子取引(電子帳簿保存法2条5号)。ただし7条の名宛人は所得税と法人税の保存義務者。★給与の支払明細書(所得税法231条)は交付義務がある別の書類。
2026.07.13
インボイス制度とは?わかりやすく3行で|損をするのは「買い手」です
インボイス制度を3行で。損をするのは売り手ではなく「買い手」です。2026年7月現在、免税事業者からの仕入れは9月30日まで80%控除・10月1日から70%控除に下がります(令和8年度改正)。2割特例の終了と3割特例、少額特例(税込1万円未満)まで、立場別に解説。
2026.08.17
中間申告 — 提出しなくても「提出があったものとみなす」。ただし任意の中間申告だけは逆に消える
中間申告書を期限までに出さないと「前期実績による中間申告書の提出があったものとみなす」(法人税法73条・消費税法44条)。出さなければ済む制度ではない。逆に消費税の任意の中間申告(42条8項)は、出さないと「やめる旨の届出があったものとみなす」(42条11項)。同じ「出さなかった」で結論が正反対になる。消費税法44条はかっこ書きで「第四十二条第十一項の規定の適用を受ける場合を除く」と明記していて、この2つを条文自身が切り分けている。よく言われる48万円・400万円・4,800万円は条文に無い。法律が書いているのは中間申告1回あたりの24万円・100万円・400万円(消費税法42条6項・4項・1項の各ただし書)で、前期が12か月のときだけ48万円等に一致する。法人税も同じ構造で、条文は「10万円以下なら不要」(71条1項ただし書)。前期20万円は12か月前提の言い換え。設立1期目が7か月で法人税15万円なら、15万÷7×6=約128,571円で10万円を超えるため中間申告が必要になる。仮決算は法人税と消費税で制限が違う。法人税は仮決算額が前期実績を超えると使えない(72条1項ただし書)。消費税にその制限はないが、マイナスでも還付は受けられない。期限を1日でも過ぎると、みなし提出が先に成立するので仮決算という選択肢が消える。法人住民税・事業税の予定申告は法人税の中間申告義務にぶら下がっている(地方税法53条1項)。延滞税は令和8年1月1日〜12月31日で年2.8%(2か月経過後は年9.1%)。令和4年から4年続いた2.4%から上がっている。
2026.08.17
課税売上割合とは?計算式と「95%・5億円」の2つの引き金|個別対応方式と一括比例配分方式の選び方
仕入税額控除が全額できるのは「課税売上高5億円以下 かつ 課税売上割合95%以上」の両方を満たすときだけ(消費税法30条1項・2項)。2つの引き金は独立。課税売上割合が99%でも課税売上高が5億円を超えれば区分計算に落ちる。逆に売上1億円でも割合が94%なら区分計算。「95%ルール」だけを覚えていると外す。課税売上割合=分母(資産の譲渡等の対価の額の合計額)分の分子(課税資産の譲渡等の対価の額の合計額)。根拠は消費税法施行令48条1項。分母に入るのは非課税売上まで。補助金・配当・保険金・損害賠償金は不課税=そもそも資産の譲渡等ではないので分母に入らない。「非課税だから分母に入る」の理解だと不課税まで入れて割合を下げてしまう。有価証券の譲渡は対価の額の5%だけを分母に算入(施行令48条5項)。1億円の株を売っても分母は500万円。支払手段・電子決済手段・暗号資産・特別引出権の譲渡、および自分が売上として取得した売掛金の譲渡は分母に入らない(施行令48条2項1号・2号)。個別対応方式は消費税法基本通達11-2-18が「必ず」3区分を求める。課税のみを抽出して残りを全部共通に寄せるやり方は明文で「認められない」。11-2-16により、株券発行の印刷費や引受手数料など不課税取引に要する課税仕入れは「共通対応」として扱う。個別対応方式と一括比例配分方式の有利不利は、共通対応の金額に一切左右されない。差額=課税のみの税額×(1−割合)−その他のみの税額×割合。共通対応の額は両方式で同じだけ相殺されるため式から消える。一括比例配分方式には2年縛り(30条5項)。しかも通達11-2-21により、その後に全額控除の年が来ても「一括比例配分方式を継続適用したこととなる」=使っていない年もカウントされる。逆向き(個別→一括)に縛りは無い。課税売上割合に準ずる割合は税務署長の承認が要る(30条3項2号)。やめるときは届出だけでよい=入口と出口が非対称。準ずる割合の承認を受けていても、95%未満かどうかの判定は課税売上割合で行う(通達11-5-9)。準ずる割合は計算に使うだけで、門の判定には使えない。課税売上割合に端数処理の規定は無いが、切り捨てているときは認められる(通達11-5-6)。5億円判定は課税期間が1年未満なら年換算する(通達11-5-10)。課税売上割合には年換算の規定が無い=同じ短期事業年度でも片方だけ引き伸ばす。
2026.08.26
リバースチャージ方式とは — 買った側が納める消費税。95%の線の内側では「なかったもの」になる
リバースチャージは「買った側が納める」。対象は事業者向け電気通信利用役務の提供と特定役務の提供の2つだけ(消法2条1項8号の2)。課税売上割合95%以上・簡易課税・2割特例の課税期間は当分の間なかったものとされ、仕入税額控除だけを取ることもできない。課税標準は支払対価の額(28条2項)で、1項にある「消費税額を含まない」の括弧書きが2項には無い。29条は特定課税仕入れを7.8%の号にだけ置いており、軽減税率の号には無い。
2026.07.13
インボイスの2割特例はいつまで?令和8年9月30日で終了、その後どうなるか
2割特例は「令和8年9月30日までの日の属する課税期間」で終了します。個人事業主は令和8年分(2026年分)が最後。納税額は売上税額の2割で、仕入れの集計は不要です。計算方法・対象者・簡易課税との比較、終了後に個人だけが使える3割特例と、法人に来る「崖」まで国税庁の資料で解説。
2026.07.13
消費税の簡易課税制度とは|みなし仕入率・届出期限・本則とどっちが得か
簡易課税は「売上だけ」で消費税額が決まる制度。納税額=売上税額×(1−みなし仕入率)で、第1種90%〜第6種40%の全業種一覧つき。本則課税・簡易課税・2割特例・3割特例を実数で比較(売上1,100万円で50万円/50万円/20万円/30万円)。損益分岐点は「経費率=みなし仕入率」。2割特例終了にともなう届出期限の特例(申告期限までに出せばよい)まで、国税庁資料で解説。
2026.08.23
消費税の還付 — 還付になる3つの型、免税事業者が受けられない理由、還付加算金は令和8年で1.3%
消費税が還付になるのは、仕入れに係る消費税額が売上げに係る消費税額を超えたときです。免税事業者は消費税法46条1項が対象から除いているため、そもそも還付申告ができません。課税事業者選択届出書には2年縛りがあり、その間に調整対象固定資産を買うと3年縛りに延び、第3年度に消費税法33条の調整で還付額を取り戻されることがあります。還付加算金の割合は租税特別措置法95条の還付加算金特例基準割合により令和8年は1.3%で、令和4年から令和7年まで4年続いた0.9%から上がりました。消費税法52条2項は還付申告の起算日を「提出があった日の属する月の末日」と定めており、早く出しても還付加算金は増えません。
2026.07.13
消費税の端数処理|切り捨て・切り上げは自由。インボイスは「税率ごとに1回」
消費税の端数処理は切捨て・切上げ・四捨五入のどれでも自由です。ただしインボイスでは「一の請求書につき、税率ごとに1回」だけ。商品ごとに端数処理して合計する方式は認められません。同じ明細で合計税額が4円変わる実例、積上げ計算と割戻し計算の組み合わせ制限まで、国税庁の一次資料で解説します。
2026.08.19
税抜経理と税込経理の違い — 納付する消費税は同額でも、資産計上の壁が動く
税抜経理と税込経理はどちらを選んでもよく、納付する消費税額も同額です。それでも所得金額は変わります。理由は資産計上の判定金額で、10万円未満・20万円未満・40万円未満の判定は「その法人が適用している経理方式に応じて算定した価額」で行うためです。国税庁の質疑応答は107,800円のパソコンを例に、税抜経理なら10万円未満、税込経理なら10万円以上になると明示しています。免税事業者は税込経理しか使えない理由、控除対象外消費税額等の20万円基準と繰延消費税額等の60分の1、交際費への加算まで、条文と通達で確かめます。

電子帳簿保存法(2)

電子取引データの保存義務と、検索要件を満たす索引簿・ファイル名のつけ方。

2026.07.13
電子帳簿保存法をわかりやすく|義務は3区分のうち「電子取引」だけ
電子帳簿保存法の3区分のうち、義務なのは「電子取引データ保存」だけです。紙の請求書はスキャンしなくて構いません。やることは改ざん防止(事務処理規程は無料)と検索要件の2つだけ。売上5,000万円以下の検索要件免除、2024年1月からの猶予措置、罰則の実際まで、国税庁の一問一答(令和8年7月)に基づいて解説します。
2026.07.13
電子帳簿保存法の検索要件|専用システムなしで満たす2つの方法
電子帳簿保存法の検索要件は、専用システムを買わなくても満たせます。方法は①ファイル名を「日付_取引先_金額」にする、②索引簿(Excel/CSV)を作るの2つで、どちらか一方でOKです。売上5,000万円以下なら検索要件そのものが不要になる3段階、命名規則の実例、索引簿テンプレートまで、国税庁の一問一答(令和8年7月・問19/問48/問50)に基づいて手順で解説します。

振込・支払の実務(30)

振込手数料の比較と勘定科目、先方負担の差引方式、全銀フォーマット、営業日の数え方、収入印紙。支払期日の法的な上限(令和8年1月に下請法から改称された中小受託取引適正化法の60日ルールと、フリーランス法との違い)もここ。

2026.08.19
領収書の書き方 — 「上様」でよいかは業種で決まる。宛名を省ける事業は政令に4号しかない
領収書を出す義務の根拠は税法ではなく民法486条です。宛名を省けるのは「適格簡易請求書」を交付できる事業だけで、消費税法施行令70条の11は小売業・飲食店業・写真業・旅行業、タクシー、不特定多数向けの駐車場業、これらに準ずる事業の4号しか挙げていません。つまり「上様」が通るかどうかは自分の業種で決まります。お品代がだめな理由は宛名とは別の号にあります。条文と国税庁の記載事項で確認します。
2026.08.20
見積書の書き方 — 書式を定めた法律は無い。それでも5本の法律が「見積書」を名指しする
見積書には法定の書式がありません。それでも法人税法施行規則・所得税法施行規則・電子帳簿保存法・印紙税法・建設業法の5本が条文で「見積書」を名指ししています。保存は7年とは限らず個人事業主は5年、メールでPDFを送った時点で電子取引になり、注文書に見積書番号を書くと印紙の記載金額が引っ張られます。条文にあたって整理します。
2026.08.17
下請法は令和8年1月に名前が変わった — 中小受託取引適正化法とフリーランス法は、適用の決まり方から違う
下請法は令和8年1月1日施行の改正(令和7年法律第41号)で題名が変わった。正式名称は「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」、略称は中小受託取引適正化法・取適法。「親事業者」→「委託事業者」、「下請事業者」→「中小受託事業者」、「下請代金」→「製造委託等代金」に用語が変わった。法令番号(昭和31年法律第120号)は変わらない=題名を含む一部改正であって新法ではない。適用基準に従業員数基準が新設(2条8項5号・6号)。改正前の条文に「常時使用する従業員」は0回、改正後は7回。製造委託等は300人超→300人以下、情報成果物作成委託・役務提供委託は100人超→100人以下。資本金1,000万円・従業員400人の会社が従業員20人の会社にソフト開発を委託する場合、改正前は対象外だったが改正後は6号で対象になる。「特定運送委託」が新設(2条5項)。改正前の条文には0回。手形は改正前(4条2項2号)が「割引を受けることが困難と認められる手形」だけを禁じていたのに対し、改正後(5条1項2号)は「支払期日の経過後なお支払わないこと」に手形の交付そのものを含めた=割引の難易を問わない。しかも2項(利益侵害型)から1項(禁止行為)へ移った。協議に応じない一方的な代金決定の禁止が新設(5条2項4号)。改正前の条文に「一方的に」は0回。禁じているのは値上げを拒む結論ではなく協議に応じない手続。フリーランス法の特定受託事業者は「従業員を使用しない個人」「代表者1人以外に役員がなく従業員を使用しない法人」=資本金要件が無い。資本金1億円の一人会社も該当する。フリーランス法は発注側の規模を問わない。業務委託事業者(規模不問)には3条の明示義務がかかり、特定業務委託事業者(従業員を使用する者)に4条・5条等が乗る。支払期日はどちらも受領日から60日以内。取適法3条2項は「六十日を経過した日の前日」、フリーランス法4条2項は「六十日を経過する日」と書きぶりが違うが、法令用語では前者=61日目の前日=60日目、後者=60日目で同じ日を指す。フリーランス法4条3項の再委託30日は「元委託支払期日」が起点で、受領日が起点ではない。しかも再委託である旨を明示した場合に限られ、明示しなければ原則60日に戻る。遅延利息年14.6%(公取委規則・昭和37年公正取引委員会規則第1号)があるのは取適法6条だけ。フリーランス法の条文に「遅延利息」は0回。遅延利息の起算点は契約上の支払期日ではなく「受領日から起算して60日を経過した日」。支払期日を30日と定めて45日目に払っても6条の遅延利息は発生しない。フリーランス法は義務ごとに期間の門が違う。3条(明示)・4条(60日)は期間の限定なし、5条(禁止行為)は1か月以上(施行令1条)、13条(育児介護配慮)は6か月以上(施行令3条)。取適法5条には期間の限定が無く単発でも禁止行為の規制がかかる。16条の30日前予告は「契約期間の満了後に更新しない場合を含む」と明記されている。2つの法律は条文上たがいに参照していない。フリーランス法の条文に「製造委託等」「下請」「中小受託」は0回。要件を満たせば両方が同時に当たり得る。
2026.08.19
ファクタリングとは? 消費税はかからない — ただし「買い戻し」が付いた瞬間、法律上は借入になる
ファクタリングは法的には債権の売買(債権譲渡)です。売掛金の譲渡は消費税法6条1項・別表第二第2号・施行令9条1項4号により非課税で、手数料にも消費税はかかりません。契約書に譲渡禁止と書いてあっても民法466条2項で譲渡は有効。一方、買戻しや表明保証で不払いリスクが売主に残ると貸金業に該当するおそれがあり、金融庁が7件の裁判例を挙げています。手数料の年率換算まで条文で確認します。
2026.08.19
手形とは? 1つ欠ければ無効、裏書しても債務は消えない — でんさいとの違いまで
約束手形は手形法75条が定める7つの記載事項でできており、欠けても救済されるのは満期・支払地・振出地の3つだけです。振出日を欠くと無効。割引や裏書譲渡をしても遡求義務は残り、不渡りで取引停止処分を受けると法人税法施行令96条1項3号の50%引当の入口になります。でんさい(電子記録債権)との作りの違いまで条文で確認します。
2026.08.21
請求書の書き方 — 出す義務を定めた法律は無い。それでも支払期限・時効・保存は条文で動く
請求書に法定の書式はなく、出す義務を定めた条文もありません。それでも民法412条は期限の定めが無い債務を「請求を受けた時」から遅滞にし、遅延損害金は法定利率年3%、請求書の送付は催告として時効を6か月だけ止めます。消費税法は57条の4で適格請求書の器として請求書を名指しし、保存の条文は法人・青色だけ請求書を名指ししていません。源泉徴収は消費税が区分されていれば税抜で計算できます。記入例つきで整理します。
2026.08.20
納品書とは?出す義務のない書類が、条文には名指しで登場する
納品書の作成・交付を義務づける法律はありません。ところが消費税法57条の4は、適格請求書になれる書類として「請求書、納品書その他これらに類する書類」と納品書を名指ししています。受け取った納品書には保存義務があり、期間は法人7年(欠損金を繰り越す事業年度分は10年)・個人5年、インボイスとして使うなら7年。納品書と請求書の2枚を1つの適格請求書として扱う要件、保存リストの条文比較、下請取引の記録義務(2年)まで条文にあたって整理します。
2026.08.26
注文請書に収入印紙は必要か — 条文が名指ししているのは「請書」。売買なら不要、請負なら第2号文書
注文請書の印紙は「名前」ではなく「請負か売買か」で決まる。課税物件表に売買の契約書は無いので物品購入の注文請書は不課税。請負なら第2号文書で1万円未満は非課税・100万円以下は200円。金額を書かずに「見積書No.○○のとおり」と書いても通則4ホ(二)で金額は引っ張られる。逆に金額を書かないと通則3イただし書で第7号文書4,000円に化けることがあり、契約期間3か月以内・更新の定めなしと書けば外れる。消費税を「うち消費税額等○円」と書くか「(税込)」と書くかで税額が2倍変わる。
2026.08.27
立替金精算書の書き方 — 条文にこの名前は無い。効いているのは「明細書等」の記載内容
立替金精算書は「2枚のうちの1枚」。原則は適格請求書の写し+明細書等をセットで保存する(通達11-6-2)。写しが大量で交付困難なときだけ精算書1枚でよいが、相手が適格請求書発行事業者かを確認できる措置が要る。★「立替金精算書」という語は消費税法・施行令・通達のどこにも無く、通達は「明細書等」と呼ぶ=様式ではなく記載内容が要件。税率ごとの合計額と消費税額等は「課税仕入れを行った事業者ごとに合理的に区分」が必要。従業員の経費精算はこの話ではない。
2026.08.13
収入印紙の割印(消印)はどこに押す?署名でもよい・忘れると額面と同額の過怠税
条文に「割印」も「消印」も無い。あるのは「印紙を消す」だけ。
2026.08.25
支払督促とは — 相手を呼び出さずに差押えの前提を作る手続。2週間の期限は2回あり、30日で失効する
支払督促は相手を呼び出さずに差押えの前提を作れる手続。督促異議の2週間は仮執行宣言の前と後に2回ある。30日放置すると支払督促は失効する。「訴訟の半額」が当てはまるのは価額比例部分だけで、電子申立てでは訴額20万円以下だと訴え提起の方が安い。
2026.08.25
内容証明郵便とは — 証明されるのは「出したこと」だけ。届いたことは350円で別に買う
内容証明が証明するのは文書の内容だけ。届いたことは配達証明(350円)が別に要る。時効を止められるのは6か月・1回きりで、協議合意とは積み上がらない。字数制限は謄本にしか掛からず、内容文書は無制限。
2026.08.25
時効の援用とは — 期間が過ぎただけでは債権は消えない。旧法か新法かを分けるのは請求日ではなく契約日
時効は期間が過ぎても自動では効かない。民法145条の「援用」が要る。新法の5年・10年か旧法の1年〜10年かを分けるのは請求日ではなく契約日で、2020年3月31日以前の契約なら今年の売掛金でも旧法。経理の一部入金・残高確認は152条の承認になり時効が振り出しに戻る。
2026.08.25
少額訴訟とは — 60万円以下を1回の期日で終える裁判。ただし相手は500円で普通の訴訟に戻せる
少額訴訟は60万円以下の金銭請求を原則1回の期日で終える手続。控訴はできず、被告は申述だけで通常訴訟へ移せる。判決への異議は500円。勝訴しても3年以内の分割払いを定められることがあり、それに不服は申し立てられない。
2026.08.25
給与の差押え(強制執行) — 会社は本人より先に知る。しかも裁判所と税務署では計算式が違う
給与の差押えは会社への送達で効力が生じる。裁判所と税務署では差押禁止額の計算式が別物で、手取り24万円独身なら6万円対10万6,400円。逆転点は手取り15万5,637円。扶養家族がいると税務署は取れないのに裁判所は取れる。
2026.08.25
相殺とは — 相手の同意は要らない。ただし条件も期限も付けられず、賃金と差押禁止債権では止まる
相殺は相手の同意が要らない一方的な意思表示。ただし条件も期限も付けられず、届いて初めて効く。効力は相殺適状の日にさかのぼるので遅延損害金がそこで止まる。どの請求書から消えるかは「相殺適状になった順」で、額の大きい順ではない。
2026.08.25
小切手とは — 残高がなくても有効。先日付でも呈示した日に支払われ、10日を過ぎても紙くずにはならない
小切手の「有効期限10日」は権利が消える日ではない。呈示期間が過ぎても支払委託の取消がなければ支払える。先日付小切手は書いた日を待たずに支払われる。線引は消しても消えたことにならない。印紙が要るのは小切手ではなく受け取った側の領収書。
2026.08.25
公正証書とは — 裁判をせずに差押えができる書面。ただし執行力がつくのは「金銭の支払」だけ
公正証書は「証拠が強い書面」ではなく「裁判をせずに差押えができる書面」。ただし執行力がつくのは金銭の支払など(民事執行法22条5号)で、明渡しには使えない。執行文を付けるのは公証人。2025年10月1日に手数料が全面改定され、遺言加算は13,000円、送達は1,600円になった。同じ日から作成は電磁的記録が原則。
2026.08.20
出金伝票の書き方 — 「出金伝票」という語は、日本の法令に一度も出てこない
「出金伝票」は全法令に0回。税法5本の約333万字でも「伝票」0回。出金伝票は消費税法30条8項の帳簿には効くが9項の「請求書等」には入らない。帳簿だけで通るのは令49条1項1号の4類型だけで、旧「三万円未満」と「やむを得ない理由」の号は2023年9月30日で消えた。
2026.08.20
小口現金とは — 条を割いた法令は1本だけ。定額資金前渡法と現金過不足の実務
小口現金は「現金」の内訳科目で、置くこと自体を義務づける税法はありません。e-Gov法令検索の全法令で「小口現金」を含むのは3法令15センテンスだけ、条の見出しに掲げているのは地方公務員等共済組合法施行規程54条の3の1本きりです。その1本に、誰が持つか・いくらまで・何に使えるか・何を残すか・合わなくなったら何をするかが揃っています。定額資金前渡法の1サイクルを実数で追い、現金過不足の期末処理と法人税法22条3項の号の違いまで、条文にあたって整理します。
2026.07.13
振込手数料の勘定科目|支払手数料でよい理由と、売手負担が違法になる新ルール
自社負担なら「支払手数料」。売手負担は売上値引き・支払手数料・立替金で消費税の扱いが変わり、2026年1月の取適法では合意があっても違反になります。
2026.07.13
「3営業日前」「3営業日以内」はいつ?営業日の数え方
当日は含むのか。金曜に依頼したら期限は翌週の水曜。曜日別の早見表つき。
2026.07.13
銀行別 振込手数料 一覧【2026年7月】三菱UFJ・みずほ・ゆうちょ等28区分を比較
公式ページを実読して確認した他行宛の手数料一覧。法人は100円〜660円で6.6倍差。3万円の境界が残るのは28区分中10区分だけ。
2026.07.12
全銀フォーマットとは|作り方・120バイトのレコードレイアウトと、振込名義に使える文字・法人略語
株式会社=カ、有限会社=ユ、合同会社=ド。先頭・末尾・中間で変わる括弧の付け方と、使える文字の範囲を一覧に。
2026.08.27
振込と振替は何が違うのか — 法律に「振込」という語は無く、銀行法の「振替」は全部が証券の話だった
「振込は他行あて、振替は同じ銀行の中」という説明は、業界のルールを作っている全銀ネット自身の公開資料と食い違います。銀行法と資金決済法の全文を機械で数えると「振込」は0回。法律が持っているのは「為替取引」1語だけで、しかもどちらの法律もそれを定義していません。銀行法に11回出てくる「振替」も、1回残らず証券の話でした。経理の仕訳と手数料差の正体まで、条文を e-Gov法令API v2 で取得して確かめています。
2026.08.26
振込の反映時間 — 着金は「相手の銀行がつながっている時間」で決まる
振込の反映時間を決めるのは受取人の銀行が全銀システムにつながっている時間。モアタイム参加1,065機関を曜日別に数えると、24時間つながっているのは平日約74%・土曜23.0%・日曜21.5%で、日曜は76.3%が6時間超の空白を持つ。
2026.08.26
口座振替依頼書の書き方と落とし穴 — 国税は納期限までに出せば、引き落としが38日後でも延滞税はかからない
国税の口座振替依頼書は納期限までに出せばよく、振替日が38日後でも延滞税はかからない(通則法34条の2第2項のみなし規定)。ただし予定納税と延納には猶予がなく、法人税と源泉所得税は対象外。約定2は「残高不足でも通知しない」と書いてある。
2026.08.27
ことら送金とは — 上限10万円・取り消せない設計と、法人が受け手になれる唯一の例外
★上限は「1件あたり10万円」。ことら公式FAQが明示しており、さらにアプリ側で低い上限が設定されていることがある。★送金の取り消しはできない=銀行振込の組戻しに当たる手続きが無い。代わりに名義確認照会機能がある。★手数料はことらが決めていない。「各事業者が決定します」で、無料なのは各行がそう決めているから。★法人・団体が受け手になれるのは特定用途送金(寄附)だけで、用途は義援金・支援金・救援金の3つ、対象アカウント保有者は7区分(日本国/地方公共団体/公益法人/独立行政法人/地方独立行政法人/社会福祉法人/日本赤十字社)。しかも公益法人と社会福祉法人は税額控除証明を取得している法人に限られる。★だから売掛金の回収にも給与の支払いにも使えない。労基則7条の2第1項が認める賃金の支払方法は3号だけで、うち資金移動業者は厚生労働大臣の指定を受けた者に限られる。★株主はみずほ・三菱UFJ・三井住友・りそな・埼玉りそなの5行、設立2021年7月1日、資本金17億円。
2026.08.27
ペイジー(Pay-easy)とは — コンビニの共用ATMでは使えない。領収書が出ない納付を何で証明するか
★コンビニでは払えない。ペイジー公式が「コンビニ窓口・コンビニの共用ATMでは使えません」と明記している。ただしコンビニに置かれた金融機関ATM(例:ファミリーマートのゆうちょ銀行)は使える。★金融機関は領収書を発行しない。公式は、ATM利用明細票を税金申告などの場合に支払いを証明する書面として使えると案内している。★ATMの現金は10万円まで。ただし国・地方公共団体への支払いは除かれる。この10万円は銀行の自主ルールではなく、犯罪収益移転防止法施行令7条1項1号ケが基準額を二百万円から十万円へ下げているところから来ている。★振込と違い、支払操作が完了した時点が取扱日。土日祝でも夜間でも当日扱いなので、納期限当日でも間に合う。★法人向けインターネットバンキングでは使えるが、専用回線のファームバンキング(FB)では使えない。★通帳やIB明細には「PE【支払い先名称】」と印字される。★ダイレクト納付は事前の届出が必要で、法人は書面提出のみ。ペイジーは届出なしで使える。
2026.08.24
組戻しとは — 振込は「取り消す」のではなく、受取人に返してもらう手続き
組戻しは取り消しではない。入金が済めばお金は受取人の預金なので、承諾がなければ戻らない。そのときの請求先は銀行ではなく受取人(民法703条)。手数料880円は個人も法人も同額で、最初の振込手数料は戻らない。

給与計算の実務(会社側)(27)

毎月の給与計算の手順と、欠勤控除・日割り・賃金台帳・労働者名簿・訂正・社会保険料の徴収時期・法定福利費・年度更新。従業員の退職金を積み立てる中退共(中小企業退職金共済)の掛金と税務、掛金納付月数によって退職金が3段階に変わること、解約しても解約手当金が事業主ではなく従業員に支払われることもここ。

2026.08.20
給与明細の見方 — 交付を義務づけるのは労働基準法ではなく所得税法。確認する3か所と保管の目安
給与明細の交付は労働基準法ではなく所得税法231条が定める会社の義務で、交付しないと1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金の対象です(242条7号)。勤怠・支給・控除の3ブロックは根拠の法律がそれぞれ違い、社会保険料の欄は健康保険法・厚生年金保険法・労働保険徴収法の通知義務から来ています。東京都・月給30万円・35歳の実例で控除欄を1行ずつたどり、Web明細に必要な承諾、保管の目安(賃金請求権の時効・当分の間3年)まで条文にあたって整理します。
2026.08.21
福利厚生費とは — 法律に定義は無い。給与・交際費・寄附金から「除かれた残り」がこの科目になる
福利厚生費とは、役員・従業員の生活や健康のために会社が負担する費用の勘定科目ですが、法人税法がこの語を使うのは25条の2・37条の括弧書き「交際費、接待費及び福利厚生費とされるべきものを除く」の2か所だけで、所得税法・租税特別措置法の条文には0回です。給与課税(所得税法36条・基本通達36-21〜36-38の2)、交際費等(措置法61条の4第6項)、寄附金(法人税法37条7項)の3つの検問を通った残りが福利厚生費になります。食事補助は令和8年4月1日以後の支給分から月額7,500円(改正前3,500円)、永年勤続は10年以上・5年間隔、記念品は1万円以下、社員旅行は4泊5日・参加50%以上という数値基準と、法定福利費・交際費との違い、一人の個人事業主、消費税の扱いを条文・通達・国税庁の原文で整理します。
2026.08.26
永年勤続表彰の記念品は課税されるか — 通達36-21に金額の上限は無い。効いているのは「換金性が無いこと」
36-21に金額の上限は無い。1万円以下は創業記念品(36-22)の基準。商品券・カタログギフトは金額を問わず全額課税。旅行券は原則課税だが4要件で非課税にできる。
2026.08.26
社員旅行は経費になるか — 4泊5日と参加50%は通達2行だけ。少額不追求はそこに書かれていない
社員旅行の4泊5日・参加50%は昭63直法6-9の2行だけ。通達に少額不追求は書かれておらず、それを足しているのは国税庁 No.2603。海外は目的地における滞在日数で数え、50%の分母は工場・支店単位に変わる(どちらも括弧書き)。所基通36-30は本文の括弧書きで業務の必要による不参加者を「除く」のに、注では同じ者を「含む」=括弧書きが逆転する。自己都合の不参加者への3万円が、従業員40人なら120万円の給与を生む。個人事業主側の根拠は海外渡航費の通達37-17〜37-19に飛ぶ。
2026.08.26
食事補助はいくらまで非課税か — 所得税は50%で7,500円、社会保険は3分の2。同じ日に両方が改正された
食事補助の非課税枠は令和8年4月1日に3,500円→7,500円(所基通36-38の2・令8課法12-1改正)。同じ日に深夜勤務の夜食に代わる金銭が650円へ、社会保険の食事の現物給与価額も改正された。所得税は50%以上かつ会社負担7,500円以下、社会保険は本人負担が告示価額の2/3以上。分母が「実際の食事の価額」と「厚生労働大臣が定める価額」で違うので、本人負担45%だと所得税は課税・社会保険はゼロになる。判定は税抜だが課税されるのは税込という非対称もある。
2026.08.16
中退共(中小企業退職金共済)とは — 掛金は全額損金。解約手当金は事業主ではなく従業員に支払われる
中退共の掛金は法人なら損金・個人なら必要経費(法人税法施行令135条1号/所得税法施行令64条2項)。12月未満は退職金ゼロ・23月以下は元本割れが法律で決まっている(法10条2項1号)。ただし死亡退職なら掛金総額相当額。契約を解除しても解約手当金は「被共済者に」支給される(法16条1項)=事業主に1円も戻らない。
2026.08.26
退職金の相場は1,896万円か1,149万円か — 数字が違うのは、調査が数えている会社と人が違うから
1,896万円は「制度がある会社の、勤続20年以上かつ45歳以上の退職者」の平均。全企業の約21.9%しか母集団に入っていない。中小企業だけを見た東京都調査の大学卒定年は1,149万円。勤続20〜24年なら平均の53.9%。
2026.08.19
社宅の賃貸料相当額 — 従業員は「50%」で課税ゼロ。ただし社会保険に、その50%ルールは無い
従業員に社宅を貸したときの賃貸料相当額は、床面積を問わず1つの算式で計算します(所得税基本通達36-45)。実際に徴収している額が賃貸料相当額の50%以上なら所得税は課税されません(同36-47)。ところが社会保険にこの50%ルールはなく、徴収額を差し引いた残りがそのまま報酬に入ります。さらに令和8年10月1日から、住宅の現物給与の価額は「居住室1畳あたり」から「総面積1平方メートルあたり」に変わります。条文と厚生労働大臣が定める価額表で確認します。
2026.08.15
労働者名簿 — 記載事項は9項目、様式第19号は義務ではない。保存3年の起算日は「退職の日」
記載事項は法107条の3つ+則53条の6つ=9項目。様式第19号は「最少限度」で様式は自由(則59条の2)。保存は本則5年を附則143条1項が当分の間3年に読み替え。起算日は退職の日(則56条1号)。
2026.08.20
出勤簿とは — 「出勤簿」は労働基準法に1度も出てこない。それでも作る理由と保存3年の根拠
「出勤簿」は労基法・同施行規則に0回。全法令でも7か所4法令だけ。要るのは賃金台帳の記載事項・安衛法66条の8の3の把握義務・法109条の保存・有給の8割要件を支えるため。管理監督者はガイドライン対象外だが安衛法は除外していない。
2026.08.17
外注費と給与の区分 — 通達の4項目は「区分が明らかでないとき」の判定。第一次の基準は契約です
外注費が給与認定されると、消費税の仕入税額控除の否認と源泉所得税の追徴が同時に来る。よく「4つ(5つ)のチェックポイント」として出される消費税法基本通達1-1-1の項目は、通達本文では「その区分が明らかでないときは、例えば、次の事項を総合勘案して判定する」=予備的な基準。第一次の基準は「雇用契約又はこれに準ずる契約に基づく対価であるかどうか」。しかも「例えば」=限定列挙ではないので、4項目が全部○でも安全とは言えない。消費税で控除できない根拠は「仕入税額控除の要件を欠く」ではなく「課税仕入れに当たらない」。消費税法2条1項12号が課税仕入れの定義から「所得税法第二十八条第一項(給与所得)に規定する給与等を対価とする役務の提供」を除いている=定義の外。したがって適格請求書(インボイス)を受け取っていても仕入税額控除はできない。インボイスは課税仕入れであることを証明する書類ではなく、課税仕入れであることを前提に控除額を計算する書類(消費税法30条1項かっこ書き)。「外注費なら源泉徴収は不要」も誤り。所得税法204条1項が列挙する原稿料・デザイン料・講演料・弁護士や税理士や社会保険労務士の報酬などは、外注費として正しく処理していても源泉徴収が必要。区分がどちらに転んでも源泉徴収の要否は消えない。年1,200万円(税込)の外注費が給与認定された場合、消費税の否認は1,090,909円。扶養控除等申告書の提出がないので源泉は乙欄となり、令和8年分月額表で月額100万円なら365,384円/月・年4,384,608円。不納付加算税は10%(国税通則法67条1項)だが、調査を予知しない自主納付なら5%(同2項)、法定納期限から1か月以内で一定の要件を満たせば不適用(同3項)。源泉所得税の納期限は月ごと(所得税法183条1項・翌月10日)なので、加算税の基礎となる税額の1万円未満切捨て(国税通則法118条3項)も月ごとに効く。年額を一括で切り捨てて計算すると6,000円ずれる。所得税法222条の求償の対象は「その徴収をしていなかつた所得税の額に相当する金額」だけ。不納付加算税と延滞税は求償できない=会社の確定的な持ち出し。
2026.08.13
給与計算のやり方|勤怠締めから振込・納付まで毎月の手順
給与計算のやり方を、勤怠締め、総支給額、社会保険料、源泉所得税、住民税、手取り、振込・納付の順に実務例つきで解説します。
2026.08.13
欠勤控除の計算方法|月給30万円・遅刻早退・日割りの例
欠勤控除の計算方法を月給30万円の具体例で解説。暦日・所定労働日数・年間平均による日割り、遅刻早退控除、就業規則の定め方まで整理します。
2026.08.13
月途中入社・退職の給与の日割り|社会保険料と税金
月途中入社・退職の給与の日割り計算を具体例で解説。社会保険料は日割りしないこと、退職日の翌日が資格喪失日となる月末退職の注意、源泉税まで整理します。
2026.08.13
賃金台帳とは|記載項目・保存期間・給与明細との違い
賃金台帳とは何かを、労働基準法108条と施行規則54条に基づき解説。必須記載項目、保存期間、給与明細や労働者名簿との違い、訂正方法を実務例で整理します。
2026.08.13
給与計算を間違えたときの訂正方法|過払い・不足・翌月精算
給与計算を間違えたときの訂正方法を、過払い・不足払い別に解説。本人への説明、差額精算、賃金台帳・社会保険・源泉所得税・住民税の直し方を具体例で整理します。
2026.08.13
労働保険の年度更新とは|賃金集計・対象者・申告納付
令和8年度の労働保険年度更新を解説。令和7年度の確定保険料と令和8年度の概算保険料、賃金集計、対象者、申告納付、6月1日から7月10日までの手順を整理します。
2026.08.25
労働保険番号 — 「二元適用事業」という言葉は、徴収法にも施行規則にも単独では一度も出てこない
「労働保険番号」は法律に0回・省令に23回。番号が2つに割れるのは施行規則70条の4類型だけで、「二元適用事業」という語も法令には単独で0回。
2026.08.27
給与支払事務所等の開設届出書 — 開業届が緩和されても、こちらは1か月以内のまま
★期限は「その事実があつた日から一月以内」(所得税法230条)。2026年1月に開業届(229条)だけが確定申告期限までへ緩和され、230条は据え置き=同じ日に始めても期限が2つに割れ、先に来るのは緩和されなかった側。★「開業届を出すなら不要」の除外は230条から2026年1月1日に削除済み。ところが規則99条には同じ一句が残っており、消えるのは2027年1月1日施行分=法律と省令が1年ずれている。義務を定めるのは法律なので、2026年中も1か月以内に出すのが安全。★提出先は移転のときだけ「移転前」の署なのに、納税地は「移転後」へ寄る(記載要領)。★支店等は事務所開設者が廃業又は清算結了しない限り廃止にならない=支店を閉じても「廃止」に丸を付けない。納税地は他の事務所へ引き継がれる。
2026.08.13
源泉所得税の納期の特例|年2回の期限・10人未満の判定
源泉所得税の納期の特例は、給与の支給人員が常時10人未満なら納付を年2回にまとめられる制度です。7月10日・翌年1月20日の期限、対象となる税、申請直後、10人以上になった場合を解説します。
2026.08.24
所得税徴収高計算書(源泉所得税の納付書) — 法令では納付書と計算書は別の書類。令和8年9月24日に様式が変わる
源泉所得税の納付書は法令上「納付書」と「所得税徴収高計算書」の2つが1枚になったもの。税額0円でも提出は必要。1日遅れても過去1年がきれいなら不納付加算税はゼロ。令和8年9月24日に様式が変わる。
2026.08.13
賞与の源泉所得税|前月給与がない・扶養人数が変わった場合
令和8年分の賞与の源泉所得税を、前月給与と扶養親族等の数から求める手順を解説。前月給与がない、賞与が前月給与の10倍超、扶養人数が変わった場合の月額表による例外計算も整理します。
2026.08.13
社会保険料は入社月・退職月にいつ引く?翌月控除と月末退職
社会保険料は入社月・退職月のいつ給与から引くかを解説。入社月分、月途中退職、月末退職、同月得喪を、厚生年金保険法と日本年金機構の案内に基づき翌月控除の具体例で整理します。
2026.08.13
給与から控除できるもの・できないもの|法定控除と労使協定
給与から天引きできるのは、所得税・住民税・社会保険料など法令に根拠がある控除と、過半数代表者等との書面による労使協定で定めた控除です。社宅費、食事代、親睦会費、損害賠償、貸付金を例に、労基法24条の全額払いとの境界を解説します。
2026.08.13
法定福利費とは|給与・賞与から会社負担額を計算
法定福利費とは、健康保険・介護保険・厚生年金・雇用保険・労災保険・子ども子育て拠出金など会社が法令に基づき負担する費用です。令和8年度の料率で月給30万円・賞与60万円の会社負担額を具体的に計算します。
2026.08.13
休職中の社会保険料はどう徴収する?給与ゼロ・立替金の仕訳
休職して給与がゼロでも、健康保険・厚生年金の被保険者資格が続く限り社会保険料は原則発生します。本人からの振込、復職後控除、会社立替の違い、月給30万円の例、立替金・預り金の仕訳、傷病手当金との関係を解説します。
2026.08.13
経理の年間スケジュール|毎月・決算・年末調整・年度更新の締切
月次、決算、年度更新、算定、年末調整、法定調書を1本の時系列で確認。

補助金の経理・税務(10)

補助金を受け取った後の処理。仕訳と計上時期、圧縮記帳と特別勘定(法人税法42〜44条)、消費税、個人事業主の場合。雇用保険法施行規則118条の2が定めるキャリアアップ助成金の6コースと支給額、正社員化コースの額が通算勤続5年を境に4分の1へ下がること、本則の短時間労働者労働時間延長コースが附則で適用停止になっていることもここ。設備投資とセットで賃上げする業務改善助成金(令和8年度は9月1日受付開始・締切は都道府県ごとの最低賃金の発効日の前日)の上限額と助成率もここ。

2026.08.16
キャリアアップ助成金の支給額【令和8年度】— 正社員化コースは勤続年数で4倍変わり、省令が数える6コースのうち1つは附則で止まっている
正社員化コースは1人15万〜80万円。有期の通算勤続3年以上5年以下が最高額で、5年を超えると4分の1に落ちる。本則の6コースのうち短時間労働者労働時間延長コースは附則で「適用しない」。社会保険適用時処遇改善コースは令和8年3月31日で終了済み。延長支援コースだけ小規模企業事業主(30人以下)の3段階目がある。
2026.08.24
業務改善助成金【令和8年度】— 受付開始は9月1日、締切は都道府県ごとに違う。対象は事業場内最低賃金が令和7年度額以上・令和8年度額未満の事業場だけ
受付開始は令和8年9月1日。締切は都道府県ごとに違い、賃金引上げの締切とは1本ずれている。対象事業場は「令和7年度地域別最低賃金以上・令和8年度地域別最低賃金未満」という帯で、上限だけでなく下限もある。上限額30万〜600万円、助成率は事業場内最低賃金1,050円が境。
2026.08.24
人材開発支援助成金【令和8年度】— よく使う2コースは令和9年3月31日で切れる暫定措置で、本則に書いてある教育訓練休暇の助成は附則で止まっている
省令の本則が名前を挙げるコースは3つだけ。よく使う2コースは令和9年3月31日で切れる暫定措置で、本則に書いてある教育訓練休暇の助成は附則のただし書きで止められている。年度上限は1,000万円・2,500万円・1億円の3段階。
2026.08.13
補助金が期末までに確定していないときの処理|特別勘定(法人税法43条)
分かれ目は入金ではなく、返還不要が期末までに確定したか。43条から44条への処理を実数で整理。
2026.08.13
補助金をもらったときの仕訳と計上時期|権利・金額の確定で判断
交付決定と入金が決算をまたぐときの仕訳を、補助金500万円の例で整理。
2026.08.13
補助金に消費税はかかる?不課税でも「仕入控除税額」の返還がある
もらうときは不課税。返還を求めるのは税務署ではなく補助金事務局。
2026.08.13
圧縮記帳の直接減額方式と積立金方式|税額は同じでも決算書が変わる
税額の効果は同じでも決算書が変わる。補助金500万円の仕訳と償却の差を比較。
2026.08.13
個人事業主が補助金をもらったとき|圧縮記帳ではなく「総収入金額不算入」
個人は圧縮記帳ではなく総収入金額不算入。12月31日の判定と申告要件を条文から整理。
2026.08.13
補助金が取得価額を超えたら?圧縮限度額と残る課税所得
補助金が資産価格を超える境界ケース。600万円・400万円の実例で課税所得に残る額を計算。
2026.08.13
補助金で固定資産を買った年の減価償却|圧縮前後の計算例
800万円−500万円=300万円から初年度償却へ。圧縮後の基礎額を途切れず計算。

固定資産・減価償却(13)

少額減価償却資産と一括償却、耐用年数の引き方、修繕費と資本的支出の判定、償却資産税。開業費・創立費や礼金などの繰延資産(任意償却と均等償却の分かれ目)や、売買として扱われるリース取引(リース期間定額法)もここ。

2026.08.19
減価償却とは? 法人は「やらなくてもいい」、個人は「やらなければならない」
減価償却とは、固定資産の取得価額を耐用年数にわたって費用に振り替える手続きです。ただし法人税法31条と所得税法49条はほぼ同じ文なのに2か所だけ違い、その結果、法人は償却しない自由があり、個人にはありません。届出をしないときの償却方法も法人は定率法・個人は定額法で逆。土地が対象外な理由、平成19年に条文から消えた「残存価額」まで、条文で確認します。
2026.08.19
不動産取得税の仕訳と勘定科目 — 取得価額に入れるか、いつ損金になるか
不動産取得税は租税公課として費用処理できます。法人税基本通達7-3-3の2が「固定資産の取得価額に算入しないことができる」と例示しているためで、これは選択規定です。土地に算入すると売るまで費用になりません。損金算入時期は原則として賦課決定のあった日の属する事業年度(同9-5-1(2))で、納期開始日や納付日を選ぶには損金経理が条件です。納税通知書は取得の数か月後に届くため決算をまたぎます。個人の必要経費(所得税基本通達37-5)、消費税が不課税である理由、仕訳例まで条文と通達で確かめます。
2026.08.20
固定資産税の計算方法 — 評価額×1.4%では合わない。1.4%も上限ではない
固定資産税は評価額に1.4%を掛けても納税通知書の額になりません。税率を掛ける相手は評価額ではなく課税標準額で、住宅用地は地方税法349条の3の2で6分の1または3分の1に下がり、さらに附則18条の負担調整措置が別に働きます。1.4%は350条1項の標準税率であって上限ではなく、上限が置かれているのは都市計画税の0.3%の側です。納税義務者は1月1日の所有者で、章のどこにも日割りの規定はありません。
2026.08.21
固定資産台帳とは — 法令に名前は無いのに必須になる理由。記載項目・書き方・保存年数
固定資産台帳とは、建物・機械・車両・器具備品などの減価償却資産を1件ずつ、取得年月日・取得価額・耐用年数・償却方法・当期償却費・期末帳簿価額の列で管理する帳簿です。法人税法・所得税法・地方税法・会社法・電子帳簿保存法を e-Gov 法令API v2 で全文検索しても「固定資産台帳」の語は11法令に0回ですが、法人税法施行規則 別表二十四(八)の帳簿記載事項、法人税法施行令63条の償却明細書(別表十六)、地方税法383条の償却資産申告が同じ列を要求するので、実務では必ず作ることになります。国税庁 No.5930 は帳簿の例として固定資産台帳を名指ししています。記載項目の一覧、パソコン240,000円(定額法4年)の記載例、法人と個人の違い、償却資産申告との関係、保存期間7年・10年、電子帳簿保存法の優良帳簿まで条文の原文で整理します。
2026.08.26
社用車を買ったときの仕訳 — 見積書の1行ずつを、取得価額・費用・預託金に割る
社用車の見積書は、取得価額・費用・預託金・保険料の4つに割れる。取得価額は法人税法施行令54条1項1号(購入代価+購入のために要した費用+事業供用費用)。法基通7-3-3の2は「算入しないことができる」=選択。令和8年度に環境性能割が廃止され、通達が例示する自動車取得税は2回置き去りになった。リサイクル料金は利息が付き輸出で取り戻せる預託金=資産。中古車では未経過自動車税相当額が課税、リサイクル預託金相当額が非課税。耐用年数表の「小型車」は同じ表の中で0.66リットル以下と2リットル以下の2つの意味を持つ。
2026.08.23
登録免許税の納付方法 — 原則は現金納付で、印紙で払えるのは3万円以下だけではない
登録免許税は収入印紙で納める税金だと思われていますが、登録免許税法21条が定める原則は現金納付で、領収証書を登記申請書に貼り付けて提出する方法です。印紙で納められるのは22条の3万円以下の場合と、施行令29条が定める3つの場合に限られます。納期限は日付ではなく登記等を受ける時であり、税額を決めるのは登記機関で、申告書を出す仕組みがありません。足りなければ税務署長が徴収し、払いすぎたときの還付には5年・6か月・1年という3つの別々の期限があります。条文で確認します。
2026.08.13
減価償却の耐用年数|耐用年数表の引き方と中古資産の簡便法【令和8年】
別表で決まる法定年数と、中古を短くする簡便法。50%が2回出てくる。
2026.08.13
修繕費と資本的支出の違い|20万円・60万円・10%の判定フロー
法令の物差しは2つだけ。20万円と60万円は前提条件が違い、10%の分母は簿価ではない。
2026.08.16
リース取引の税務 — 税法上のリースは賃貸借ではなく「売買」。90%を超えると当たる
税法上のリースは「賃貸借」ではなく売買。要件は2つだけ(①中途解約不能 ②フルペイアウト)。90%は2か所に出てきて分母が違う(フルペイアウト=取得価額の90%/中途解約不能=未経過リース料の90%)。所有権移転外リース取引=6要件のどれにも当たらないもの。償却はリース期間定額法。賃借料で損金経理していても「償却費として損金経理した金額に含まれる」(法令131条の2第3項)。ただし少額減価償却資産(法令133・10万円未満)・一括償却資産(20万円未満)・圧縮記帳・特別償却は使えない。令和7年度改正で割安購入選択権の判定が「行使が確実か」に変わり、残価保証額の控除は令和9年3月31日以前締結の契約限定になった。
2026.08.16
繰延資産とは — 開業費・創立費はいつでも全額落とせる。礼金は20万円で扱いが分かれる
繰延資産は2グループ。A=創立費・開業費など(令14条1項1〜5号)は償却限度額が全額=任意償却。B=礼金・加入金など(同項6号)は月数按分の均等償却。任意償却の要件が法人と個人で違う。法人は「損金経理」(法法32条1項)、個人は「確定申告書に記載」(所令137条3項)。個人には創立費・株式交付費・社債等発行費が無い(所令7条)。20万円未満の一括は6号/3号だけが対象。同じ20万円でも減価償却資産なら一括償却資産で36か月按分=逆の結果。礼金は繰延資産だが仲介手数料は支払時に全額損金(法基通8-1-5注)。
2026.08.19
建設仮勘定 — 待っているのは減価償却だけ。消費税は完成を待たない
建設仮勘定は「完成するまで何もしない箱」ではありません。待っているのは減価償却だけです。消費税の仕入税額控除は原則として課税仕入れを行った日の属する課税期間で行い、完成まで待つのは消費税法基本通達11-3-6が認めた特例にすぎません。また法人税基本通達7-1-4は、建設仮勘定として表示されている場合であっても完成した部分が事業の用に供されているときはその部分は減価償却資産に該当するとしており、科目を振り替えていなくても償却は始まります。同じ理由で1月1日時点で稼働している設備は地方税法383条の償却資産の申告対象になります。e-Gov法令API v2と国税庁の通達原文で条文を確かめて解説します。
2026.08.14
償却資産税とは|免税点150万円・税率1.4%と、1月31日までの償却資産申告
償却資産税は固定資産税の一部。税率1.4%・免税点150万円・賦課期日1月1日・申告期限1月31日。社用車と無形資産は対象外。一括償却資産なら対象外だが少額特例で落とすと対象になる。
2026.07.13
少額減価償却資産と一括償却資産|10万・20万・40万円の判定と選び方
パソコンや机は経費か資産か。取得価額10万円未満は全額経費、20万円未満は一括償却資産(3年均等・償却資産税が非課税)、40万円未満は中小企業者等の少額減価償却資産の特例(令和8年4月1日以後の取得。それ以前は30万円未満)。15万円のPCでどちらが得か実額で比較します。

法人税・決算の実務(79)

会社設立後の税務届出と法人税の税率、キャッシュフロー計算書、役員報酬・使用人兼務役員・交際費・決算賞与・繰越欠損金・引当金・経過勘定と、賃上げ促進税制などの優遇措置。

2026.08.26
建設業許可の要件 — 500万円は「工事の金額」。自己資本500万円のほうは、法令のどこにも書かれていない
許可が要るかの線は請負代金500万円(建築一式は1,500万円か木造150平方メートル)で、支給材の市場価格を足してから数える。審査で見る自己資本500万円は法令に無く通達で決まっている。特定の下請代金は2025年2月に5,000万円へ。決算変更届は4か月以内で罰則つき、しかも公衆の閲覧に供される。
2026.08.25
登記事項証明書とは — 4つの種類は何が違い、なぜ「履歴事項の3年」が3年になったり4年になったりするのか
窓口600円・オンライン490円。履歴事項の「3年」は請求月しだいで最大357日ぶれる。有効期限3か月の条文は実在するが対象が違う。
2026.08.21
預り金(預かり金)とは — 会社の金ではない。源泉所得税は翌月10日、社会保険料は翌月末日に納める負債
預り金(預かり金)とは、給与から天引きした源泉所得税・住民税・社会保険料のように、他人のお金を一時的に預かっている状態を表す負債の勘定科目です。法人税法・所得税法・消費税法の本則に「預り金」の語は0回で、名指ししているのは財務諸表等規則47条・49条、会社計算規則75条、法人税法施行規則の別表二十四(青色申告法人の帳簿の記載事項)です。源泉所得税は翌月10日(所得税法183条)、住民税は翌月10日(地方税法321条の5)、健康保険・厚生年金は翌月末日(健康保険法164条・厚生年金保険法83条)と、納める日を法律が決めている点が他の負債と違います。東京都・月給30万円の設例で毎月の預り金60,390円の内訳と仕訳、期末残高の正常値、マイナスになる原因、不納付加算税10%、仮受金・前受金・立替金との違い、社内預金の労働基準法18条、消費税・インボイス、個人事業主の青色申告決算書まで条文の原文で整理します。
2026.08.21
株主資本等変動計算書とは — 会社法に名前が無い計算書類。純資産の1年の動きを変動事由ごとに見せる
株主資本等変動計算書とは、貸借対照表の純資産の部(資本金・準備金・繰越利益剰余金・自己株式など)が事業年度の初めから終わりまでに「いくら・どの理由で」動いたかを、項目ごと・変動事由ごとに並べた計算書類です。会社法の全文(457,393字)に「株主資本等変動計算書」の語は0回で、名前を与えているのは会社計算規則59条1項、法人税では施行規則35条1項2号(確定申告書の添付書類)です。4区分と株主資本の6項目(会社計算規則96条)、株主資本だけ変動事由ごとに書く理由、増資・配当・当期純利益・自己株式取得の設例(期首18,500千円→期末22,000千円)、配当すると準備金が10分の1動く445条4項と計算規則22条、定時株主総会の承認・10年保存・公告されない・臨時計算書類に無い、小さな会社でも省略できない注記(98条2項)、合同会社の社員資本等変動計算書、申告書への添付まで条文の原文で整理します。
2026.08.21
旅費交通費とは — 範囲・仕訳・通勤手当/交際費との境界・消費税区分を条文で
旅費交通費とは、業務のための移動と滞在に要した費用(電車・バス・タクシー・航空券・宿泊費・出張の日当・ガソリン代・駐車場代・高速代)を集める費用科目です。法人税法・所得税法・消費税法・会社計算規則など条文の本文には「旅費交通費」の語は0回ですが、法人税法施行規則の別表二十四(十四)・別表二十五・別表二十六が帳簿の記載区分と損益計算書の科目として名指ししています。通勤手当・出張の日当・交際費・会議費・福利厚生費・荷造運賃との境界を条文で切り分け、立替精算・仮払・交通系ICカード(チャージ時は物品切手等=非課税、乗車時に課税仕入れ)の仕訳、国内は課税・国際線は免税・軽油引取税は不課税という消費税の区分、個人事業主の家事按分(所得税法施行令96条・通達45-2)まで、原文を引用して整理します。
2026.08.21
仕訳帳とは — 記載事項4つ・書き方と記入例・総勘定元帳との違い・保存年数を条文で
仕訳帳とは、すべての取引を発生した順に借方と貸方に分けて記録する帳簿で、法人税法施行規則54条・所得税法施行規則58条が「全ての取引を借方及び貸方に仕訳する帳簿」と定義し、記載事項は取引の年月日・内容・勘定科目・金額の4つです(同55条1項・59条1項)。会社法・商法・法人税法・所得税法の本文に「仕訳帳」の語は0回で、e-Gov の全法令検索で見つかる条文は6法令・11文だけ。その条文が仕訳帳を名指しする場面は、青色申告特別控除65万円の電子帳簿ルート(租税特別措置法施行規則9条の6第2項)、優良な電子帳簿の過少申告加算税5%軽減(電子帳簿保存法8条4項)、税務調査で帳簿を出さなかったときの加算税10%加重(国税通則法65条4項・同施行規則11条の2)の3つです。書き方と令和8年7月の記入例、誰に義務があるか(青色は必須・白色と簡易簿記には規定なし)、消費税の帳簿を兼ねるときの相手方の名称、エクセルと会計ソフトの違い、保存7年の起算日が所得税・消費税・会社法で3つに分かれることまで、原文を引用して整理します。
2026.08.21
法人成りとは — 個人事業を会社にするとき何が変わるか。届出の期限・資産の引継ぎ・消費税・社会保険を条文で
法人成りとは、個人事業を廃止して会社を設立し、事業を会社に引き継ぐこと。「法人成り」の語は法令に無く(全法令検索0件)、実体は個人の廃業届(期限は令和8年1月1日施行版から確定申告期限まで。以前は1か月以内)と法人の設立届(2か月以内)の2つの手続です。資産は時価の2分の1未満で売ると時価で譲渡したとみなされ、消費税の基準期間は引き継がれない。税率・給与所得控除・赤字繰越・交際費・均等割・社会保険の違いと、設立の法定費用を条文で整理します。
2026.08.21
消耗品費とは — 範囲・事務用品費/雑費との違い・10万円の線・期末の貯蔵品を条文で
消耗品費とは、事務用品・日用品・工具や10万円未満の備品など、使えば減っていく物品の購入費をまとめる費用科目。「消耗品費」の語は法人税法・所得税法の本文に0回で、法人税法施行規則の別表に3回だけ。一方「消耗品」は施行令が棚卸資産(貯蔵中のもの)として定義しており、買った日に経費にできるのは法人税基本通達2-2-15・所得税基本通達37-30の3の容認による。事務用品費・雑費・備品との線、10万円・20万円・40万円(令和8年4月1日以後の取得)の判定、期末の貯蔵品への振替、消費税、個人の家事按分、仕訳例を条文で整理します。
2026.08.22
通信費とは — 範囲・隣の科目との境界・切手と国際電話の消費税・在宅勤務の通信費・仕訳を条文で
通信費とは、電話・インターネット・郵便など情報のやり取りにかかる費用をまとめる販売費及び一般管理費の科目。法人税法・所得税法・消費税法・会社計算規則・財務諸表等規則の本文には0回で、名前があるのは法人税法施行規則の別表二十四(十四)・別表二十五(二)・別表二十六と金融庁の財務諸表等規則ガイドライン84だけ。一方「電話加入権」は法人税法2条22号・所得税法2条1項18号が固定資産として名指しし、減価償却資産から外しています(法人税法施行令12条3号・13条8号ナ)。範囲、荷造運賃・消耗品費・支払手数料・広告宣伝費との境界、期末の未払計上と切手の買い置き(法人税基本通達2-2-12/2-2-14/2-2-15)、消費税の区分(国内通信は課税・国際通信は免税で課税仕入れにならない・切手は非課税だが購入時課税仕入れの特例と郵便ポスト投函の帳簿のみ保存)、在宅勤務の通信費を従業員に払うときの算式(国税庁FAQ・2分の1)、個人事業主の家事按分、仕訳例6本を条文で整理します。
2026.08.22
地代家賃とは — 消費税が非課税と課税に割れる線・駐車場・インボイス・源泉徴収を条文で
地代家賃とは、土地の地代と建物の家賃をまとめる販売費及び一般管理費の科目。法人税法・所得税法・消費税法の本文に「地代家賃」の語は0回で、名前があるのは所得税法施行規則47条の3第1項2号(確定申告書に添付する内訳書)と法人税法施行規則の別表二十四・二十五・二十六だけです。この科目の固有の難しさは、1つの科目の中で消費税が非課税と課税に割れること。土地の地代と住宅の家賃は非課税(消費税法別表第二1号・13号)、事務所・店舗の家賃と駐車場は課税、ただし1か月未満は課税(施行令8条・16条の2)。舗装も区画もしていない更地の駐車場は非課税(消費税法基本通達6-1-5注1)、共益費は家賃に含まれ(6-13-9)、住宅として借りた部屋を契約変更せず事務所に使っても課税仕入れにならない(6-13-8注)。住宅家賃にインボイスが要らない理由、個人の大家には源泉徴収が不要で非居住者の大家には20.42%が必要になる理由(所得税法204条・161条1項7号・213条1項1号・施行令328条2号)まで、条文を引用して整理します。
2026.08.23
敷金・保証金の経理 — 払っても費用にならない。返ってくる部分は資産、返ってこない部分は繰延資産で原則5年
敷金や保証金は、支払っただけでは費用になりません。返ってくる部分は差入保証金として資産に計上し、返ってこない部分(敷引き・償却)だけが法人税法施行令14条1項6号ロの繰延資産になります。償却期間は法人税基本通達8-2-3により原則5年で、契約期間が2年でも自動的に2年にはなりません。20万円未満の扱いは法人が損金経理を要件とする任意、個人は施行令139条の2により強制と、条文の書き方が違います。消費税は消費税基本通達5-4-3により同じ1件の入金が不課税と課税に割れ、さらに住宅か事務所かで課税と非課税に分かれます。民法622条の2、法人税法施行令14条・64条・134条、所得税法施行令7条・139条の2で確認します。
2026.08.27
協賛金の勘定科目は3つに割れる — 税法に「協賛金」という語は1回も出てこない
「協賛金」という勘定科目は税法にありません。法人税法の本文601,109字と租税特別措置法の本文3,175,283字を e-Gov法令API v2 で全文取得して数えると、「協賛」は両方とも0回でした。法人税法37条7項は寄附金を「いずれの名義をもつてするかを問わず」と定義しており、名前ではなく実態で広告宣伝費・交際費等・寄附金の3つに割れます。寄附金と判定されると10万円のうちいくら損金になるのかを、法人税法施行令73条の式で実際に計算しました。
2026.08.22
広告宣伝費とは — 交際費との境界、看板の贈与が繰延資産になる線、国外広告の消費税
広告宣伝費とは、不特定多数の人に向けた宣伝のために支出する販売費及び一般管理費の科目。法人税法・所得税法・消費税法・租税特別措置法の条文本文に「広告宣伝費」の語は0回で、名前があるのは法人税法施行規則の別表二十四・二十五・二十六(帳簿と損益計算書の区分)だけです。そのため実務の線引きは「広告宣伝費とは何か」ではなく、交際費等に当たらないか、繰延資産に当たらないかという2つの引き算で決まります。租税特別措置法61条の4第6項の交際費等の定義は相手を「得意先、仕入先その他事業に関係のある者等」と限っており、同法施行令37条の5第2項1号はカレンダー・手帳・扇子・うちわ・手拭いの贈与費用を交際費等から外しています。特約店に看板・陳列棚を贈ると法人税法施行令14条1項6号ニの繰延資産になり、償却期間は耐用年数の10分の7(上限5年)、20万円未満なら支出時の損金(施行令134条)。国外事業者へのネット広告出稿がリバースチャージの対象になる条件まで、条文を引用して整理します。
2026.08.22
のれんとは — 税法に「のれん」は0回。会計は任意計上、税務は60ヶ月で必ず落とす
のれんとは、他社の事業を取得したときに支払った対価と受け入れた純資産の差額。会社計算規則11条は「計上することができる」とだけ定め、償却は会計基準の領域に委ねています。一方、法人税法・法人税法施行令・所得税法・消費税法の本文に「のれん」という語は0回で、税法が使うのは「資産調整勘定」と「営業権」だけです。法人税法62条の8第4項は資産調整勘定を60で除して月数を乗じた額を「減額しなければならない」と定め、会計の償却期間とは無関係に5年で損金に落ちます。営業権のうち独立した資産として取引される慣習のあるものだけが「独立取引営業権」として個別資産になり(法人税法施行令123条の10第3項)、耐用年数は5年。負ののれんは差額負債調整勘定として60ヶ月で益金算入。資産等超過差額・明細書の添付義務・のれん等調整額による分配可能額の圧縮まで、条文を引用して整理します。
2026.08.22
減損損失とは — 会計は「付さなければならない」、税務は「損金の額に算入しない」
減損損失とは、収益性が低下した固定資産の帳簿価額を回収可能な水準まで切り下げる会計処理。会社計算規則5条3項2号が「減損損失を認識すべき資産」に相当の減額をした額を「付さなければならない」と義務づける一方、法人税法33条1項は評価換えによる減額を「損金の額に算入しない」と定めます。同じ処理に法令が逆を命じる形です。ただし全額が否認されるわけではなく、法人税基本通達7-5-1(5)の注が「評価損の金額には、法人が計上した減損損失の金額も含まれる」として償却費として損金経理をした金額に含めるため、減価償却資産なら償却限度額まで損金になります。土地のような非減価償却資産との違い、法人税法施行令68条1項3号が挙げる5つの事実、通達9-1-17が名指しで否認する4つのケースまで条文で整理します。
2026.08.22
資産除去債務とは — 法律には一度も出てこない。名前を与えているのは省令2本だけ
資産除去債務とは、有形固定資産の除去に関する法律上の義務のこと。「資産除去債務」という語は、会社法にも法人税法にも所得税法にも消費税法にも一度も出てきません(e-Gov法令検索の全文で実測)。名前を与えているのは会社計算規則2条3項60号と財務諸表等規則8条42項という省令2本だけで、その定義文は「によって」「によつて」の一字だけが違います。しかも「いくら計上するか」は省令にも書かれておらず、会社計算規則3条と財規1条を通じて民間団体の会計基準に委ねられています。一方の税務では、損金にできる引当金の目は貸倒引当金ただ1つ。かつて賞与引当金・退職給与引当金・特別修繕引当金が置かれていた54条から56条の席は、いまや別の制度と「削除」に置き換わっています。貸借対照表での表示、計上していない場合の注記義務、100分の1の省略ライン、設例での申告調整まで条文で整理します。
2026.08.22
減価償却累計額とは|負債ではなく資産の控除項目。間接法が原則で直接法が例外
減価償却累計額とは、これまでに計上した減価償却費の累計を、資産のマイナスとして貸借対照表に置いた項目のこと。貸方に立つので負債と誤解されますが、条文は「控除項目」と呼んでおり、負債の部を列挙した会社計算規則75条2項には入っていません。負債と読み違えると、自己資本比率70.0%の会社が59.3%に見えます(本文の設例)。さらに、実務で使う「間接法」「直接法」という呼び名は、会社法・法人税法・所得税法・会社計算規則・財務諸表等規則など8法令 約425万字を全文で数えて0回でした。条文は方式に名前を与えず、形だけを書き分けています。しかも原則と例外は多くの人の感覚と逆で、控除項目として示す方が「しなければならない」、直接減らす方が「できる」です。有形固定資産・無形固定資産・繰延資産で選べる範囲が違うこと、直接法にしたとき金融商品取引法の開示だけ注記が残ること、減損損失累計額が合算されている場合があること、そして方式を変えても法人税額は1円も変わらない理由まで、条文で確かめます。
2026.08.21
資本金とは — 決まり方・1円でも会社は作れるか・1,000万円と1億円の線・資本金等の額との違いを条文で
資本金とは、株主が会社に払い込んだ財産のうち会社法445条で「資本金の額」として計上した額。原則は払込額の全額で、2分の1までは資本準備金に回せる。会社法に最低額の定めは無く1円でも会社は成立する。一方、資本金の額は消費税(1,000万円以上)・法人税の軽減税率と交際費と欠損金(1億円以下)・外形標準課税(1億円超)・法人住民税の均等割(資本金等の額1,000万円・1億円)・会社法の大会社(5億円以上)・登録免許税・中小企業基本法・取適法の線を決める。税法の「資本金等の額」は会社法の「資本金の額」と別物で、資本準備金に振っても均等割は下がらない。条文と設例で整理する。
2026.08.21
減資とは — 手続きの流れ・無償減資と有償減資の違い・均等割はいつ下がるかを条文で
減資とは、会社法447条の「資本金の額の減少」。株主総会の決議(原則特別決議)と債権者異議手続(官報公告・個別催告・1か月以上)を経て効力が生じ、2週間以内に変更登記(登録免許税3万円)。減らした額はその他資本剰余金に移るだけで、お金は動かない。これを欠損填補に充てるのが無償減資、資本剰余金を原資に配当すれば有償減資(みなし配当)。法人税法の資本金等の額は無償減資では1円も動かず、法人住民税の均等割が下がるのは欠損填補に充てた額だけ(1年以内・その他利益剰余金の負の額まで)。条文と設例で整理する。
2026.08.21
雑収入とは — 何を入れる科目か・消費税の課税/非課税/不課税・雑所得との違いを条文で
雑収入とは、本業の売上にも主要な営業外収益にも当たらない少額の収入を一括して示す科目。条文に「雑収入」の語は無く、正体は財務諸表等規則90条ただし書が定める、営業外収益の総額の10%以下のものを一括して示す名称を付した科目。補助金・保険金・損害賠償金・還付加算金は不課税、預金利息は非課税、スクラップ売却や手数料は課税と、消費税の3区分が1つの科目に混ざる。法人税では還付加算金は益金・法人税の還付金は益金不算入。個人事業主の雑収入は事業所得の一部で、雑所得とは別物。
2026.08.21
前受金とは — 売上になる日・消費税の時期・前受収益/仮受金/預り金との違いを条文で
前受金とは、商品の引渡しやサービスの提供より前に受け取った代金を表す流動負債の科目。会社計算規則75条2項1号ハが「受注工事、受注品等に対する前受金」と名指しし、財務諸表等規則47条3号・49条1項8号にも載る、条文に名前のある科目です。売上になるのは入金日ではなく引渡し・役務提供の日(法人税法22条の2第1項・所得税基本通達36-8)、消費税も前受金を受け取った時には課税されず現実に譲渡等を行った時(消費税法基本通達9-1-27)。前受収益・仮受金・預り金・契約負債との違い、返金不要の入会金・着手金の扱い、仕訳例6本を条文で整理します。
2026.08.21
役員借入金とは — 利息は要るか・相続では額面評価・債務免除とみなし贈与・役員貸付金との違いを条文で
役員借入金とは、会社が社長など役員個人から借りたお金を表す負債の科目。財務諸表等規則49条1項3号・50条・52条1項2号・53条は「株主、役員又は従業員からの短期借入金」を一般の借入金から分け、負債と純資産の合計の5%を超えれば独立の科目で掲記させています。無利息でよいか(役員貸付金の認定利息との違い・法人税基本通達9-2-9)、利息を払うなら役員側は雑所得で源泉徴収は不要(所得税法23条・35条・181条)、相続では会社が債務超過でも額面で相続財産になる(財産評価基本通達204・205)、減らす4つの方法(返済・債務免除・DES・贈与)と債務免除益・みなし贈与(相続税法9条・相続税法基本通達9-2/9-3)・会社法207条9項5号、仕訳例6本を条文で整理します。
2026.08.21
租税公課とは — 法律がこの語を使うのは「経費にできない税金」を並べる見出しの中だけ
租税公課は税金と公的な負担金をまとめる勘定科目ですが、法人税法・所得税法の条文本文に「租税公課」という語は0回で、現れるのは損金不算入・必要経費不算入を並べる節の見出し(法人税法38〜41条の2・所得税法45・46条)だけです。損金になる税金(固定資産税・事業税・印紙税・消費税の税込経理)とならない税金(法人税・住民税・延滞税・加算税・罰金)、損金になる時期(申告日か賦課決定日か納期開始日か)、P/Lで「法人税、住民税及び事業税」に集める税金との線引きを、条文と通達9-5-1・37-6、国税庁No.5300の原文で整理します。
2026.08.25
損益分岐点の求め方 — 決算書には「変動費」も「固定費」も1回も出てこない。だから並べ替えから始まる
損益分岐点=固定費÷限界利益率。ただし決算書には変動費も固定費も存在しない。財規176,991字・会社計算規則112,885字を全文検索して0回を実測。決算書の区分は機能別で、売上への連動では切られていない。年商1.2億・限界利益率40%の例で並べ替えから比率91.7%まで。
2026.08.16
ストックオプションの税金 — 税制適格なら行使時は課税されない。「2,400万円」は条文に一度も出てこない
税制適格なら権利行使時は非課税、売却時の譲渡所得だけ(措置法29条の2第1項)。非適格は行使時に給与所得+売却時に譲渡所得の2回。年間の上限は条文上いまも「千二百万円」。租税特別措置法の全文3,174,346字に「二千四百万円」「三千六百万円」はともに0回。上限を引き上げたのではなく、設立5年未満なら権利行使価額を2で除し、5年以上20年未満で財務省令の要件を満たせば3で除して判定する(同項ただし書)。÷2は上場・非上場を問わないが、÷3は非上場か上場後5年未満であることが要る(施行規則11条の3第1項2号)。権利行使期間の15年への延長はさらに厳しく、設立5年未満かつ非上場の両方が要る(同2項)。大口株主は入口で除かれる。判定は上場株式なら発行済株式総数の10分の1超、非上場なら3分の1超(施行令19条の3第3項)。有償ストックオプションは適格になれない。政令が対象を「金銭の払込み(金銭以外の資産の給付を含む。)をさせないで発行された新株予約権」に限っているため(同1項)。要件を全部満たしても、行使の際に会社へ誓約書等を提出しないと非課税にならない(法29条の2第2項)。取得価額の入れ替わりは所得税法施行令109条1項3号の読替えで起きている(措置法施行令19条の3第23項)。「ストックオプション」という語は所得税法にも租税特別措置法にも一度も出てこない(ともに0回)。所得区分を給与所得と定めているのは法令ではなく所得税基本通達23〜35共-6。
2026.08.20
法人税とは — 法人の「所得」に国がかける税金。益金−損金の構造、税率23.2%と15%、申告・納付は事業年度終了から2か月以内。所得税・法人住民税・事業税との違いをわかりやすく
法人税とは、会社など法人の各事業年度の所得(益金−損金)に国がかける税金です。税率は23.2%(資本金1億円以下の中小法人は年800万円以下の部分が15%)、申告と納付は事業年度終了の日の翌日から2か月以内。所得税のように所得を10種類に分けず、確定した決算の利益を出発点に別段の定めで加算・減算して所得を出します。法人税・地方法人税・法人住民税・法人事業税・特別法人事業税の5つを所得1,000万円の実額で並べ、赤字でも残る均等割、欠損金の10年繰越、設立後の届出と帳簿の保存期間まで、法人税法・地方税法などの条文を e-Gov 法令API v2 で確認して整理します。
2026.08.14
法人税率は何%?23.2%・15%・17%の使い分けと、2026年4月から始まる防衛特別法人税
法人税率は23.2%と15%の2階建て。中小法人でも所得10億円超なら15%が17%になり、2026年4月開始事業年度からは防衛特別法人税4%が上乗せされる。
2026.08.14
キャッシュフロー計算書とは — 7つの区分と間接法の作り方、中小企業に作成義務がない条文上の理由
中小企業にキャッシュフロー計算書の作成義務が無いのは、会社計算規則が定める「計算書類」に入っていないから。条文には「直接法」「間接法」という言葉も無い。
2026.08.14
会社設立でやること — 設立後に出す税務書類の期限と、消費税の免税期間を決める事業年度の選び方
会社設立後の税務書類は期限がばらばら。青色申告の承認申請だけは「3か月」ではなく第1期末日と比べた早い方の前日で、第1期が短いと決算日より前に締切が来る。
2026.08.19
売上原価とは — 確定していない原価は「見積るものとする」。条文が債務の確定を求めているのは販管費の側だけ
売上原価と販売費及び一般管理費を分ける実益は、決算書の見た目ではなく損金算入のタイミングにあります。法人税法22条3項は1号に売上原価、2号に販管費を置きますが、「当該事業年度終了の日までに債務の確定しないものを除く」という括弧書きが付いているのは2号だけです。そのため確定していない売上原価は法人税基本通達2-2-1が「適正に見積るものとする」と義務づけており、確定を待たずに損金になります。ただし単なる事後的費用の性格を持つものは含まれません。売上原価=期首棚卸高+当期仕入高−期末棚卸高という式が財務諸表等規則75条の掲記方法そのものであること、販管費側の債務確定の3要件(通達2-2-12)、所得税法37条1項も同じ構造であることを、e-Gov法令API v2と国税庁の通達原文で確かめて解説します。
2026.08.19
勘定科目一覧 — 法律が決めているのは「科目名」ではなく「区分」。条文に名前がある科目とない科目
勘定科目の名前を定めた法律はありません。会社計算規則が求めているのは貸借対照表と損益計算書の区分だけで、個々の項目に付ける名前は「適当な名称」と書かれています(73条2項・88条7項)。売上高すら名称を変えてよいと条文自身が書いています。一方で「どの区分に載せるか」は74条〜76条・88条が具体的に決めています。この記事では会社計算規則が名指ししている項目を区分ごとに一覧にし、実務で毎日使う旅費交通費・消耗品費・支払手数料・車両運搬具などが会社計算規則・財務諸表等規則・所得税法施行規則の条文本文に何回出てくるかを全文から数えた実測値(いずれも0回)とあわせて示します。上場企業だけ科目名が条文で決まっている理由と、個人事業主の必要経費9区分も条文で確かめます。
2026.08.19
原価計算 — 税法は原価の積み方を定めていない。書いてあるのは「外していい費用」と「ズレの始末」だけ
原価計算をどう組むかを、法人税法は自分では定めていません。法人税法施行令32条2項は、自社が算定した製造原価が施行令の金額と異なっても「その原価の額が適正な原価計算に基づいて算定されているとき」はその金額を取得価額とみなすと定め、原価の積み方そのものを企業側に委ねています。税法が代わりに書いているのは、製造原価に算入しないことができる費用(法人税基本通達5-1-4の13項目)と、自社の原価と施行令の原価がずれたときの始末(同5-3-1以下の原価差額の調整)の2つです。原価差額が総製造費用のおおむね1%以内なら明細書の添付を条件に調整不要となること、判定単位を事業の種類ごと・製品の種類ごと・工場ごと・上期下期に細分できること、調整が義務づけられているのは原価が過小な片側だけであることを、e-Gov法令API v2と国税庁の通達原文で確かめて解説します。
2026.08.16
役員退職金と損金算入 — 「功績倍率」は法人税法にも施行令にも一度も出てこない
役員退職金は34条1項の3類型の外(1項柱書のかっこ書きで除外されている)。効くのは34条2項だけ。34条2項の中身を定める施行令70条2号が名指しする要素は①業務に従事した期間②退職の事情③同種・類似規模の法人の支給状況の3つで、「最終報酬月額」は入っていない(末尾が「等」なので限定列挙ではない)。「功績倍率」は法人税法・法人税法施行令の全文に0回。現れるのは法人税基本通達9-2-27の3の本文と(注)だけで、役員給与を扱う第9章第2節の全8款でもそこにしかない。その9-2-27の3の役割は「功績倍率法で計算すれば損金になる」ではなく「功績倍率法による退職給与は業績連動給与に該当しない」の確認。同族会社は34条1項3号を構造的に満たせないので、これが効かないと全額損金不算入になりうる。損金算入時期は株主総会の決議等で額が具体的に確定した日の属する事業年度が原則、支払日に損金経理でも可。取締役会で内定した額の未払金計上は不可(国税庁No.5208注1)。分掌変更は9-2-32。給与がおおむね50%以上減っても「経営上主要な地位を占めている」と認められる者は除かれる。未払金計上は原則として退職給与に含まれない。受け取る側は役員等勤続5年以下だと2分の1が一切使えない(所得税法30条2項・5項の特定役員退職手当等)。従業員の短期退職手当等との差は残額300万円超でちょうど150万円に頭打ちになる。
2026.08.24
株主総会議事録 — 会社法は署名も押印も求めていない。それでも押すのは、登記の側が押印を前提にしているから
株主総会議事録に押印義務は無い。取締役会議事録にはある。それでも押すのは登記が押印を前提にしているから。書く事項は施行規則72条3項の6つ。
2026.08.19
税効果会計 — 納める税金は1円も変わらない。変わるのは「税引後」の見え方だけ
税効果会計を適用しても、納める税金は1円も変わりません。財務諸表等規則8条の11は税効果会計を「当該差異に係る法人税等の金額を適切に期間配分することにより、法人税等を控除する前の当期純利益の金額と法人税等の金額を合理的に対応させるための会計処理」と定義しており、動かすのは損益計算書の見え方だけです。法定実効税率の分母に事業税が入るのは、法人税法38条が損金不算入として挙げているのが法人税・地方法人税・住民税だけで、事業税が書かれていないからです。令和8年4月1日以後に開始する事業年度からは防衛特別法人税4%が加わり、標準税率の中小法人で実効税率は33.58%から34.43%へ約0.85ポイント上がります。税率が変われば繰延税金資産の計算をやり直す必要があります。e-Gov法令API v2と国税庁の通達原文で条文を確かめて解説します。
2026.08.13
貸倒引当金とは|法人は中小のみ・法定繰入率と貸倒実績率、個人は5.5%【令和8年度】
使えるのは中小法人等だけ。率は2通りあり課税ベースが違う。
2026.08.17
使用人兼務役員とは — なれない役員は令71条の5類型、使用人分賞与は支給時期で落ちる
使用人兼務役員の実益は、使用人分の給与が法人税法34条1項の柱書で最初から除かれていること。定期同額給与・事前確定届出給与・業績連動給与のどの型に当てはめなくても損金になる。定義は34条6項。役員(社長、理事長その他政令で定めるものを除く)のうち、部長、課長その他法人の使用人としての職制上の地位を有し、かつ、常時使用人としての職務に従事するもの。なれない役員は法人税法施行令71条1項の5類型。1号=代表取締役・代表執行役・代表理事・清算人、2号=副社長・専務・常務その他これらに準ずる職制上の地位を有する役員、3号=合名会社・合資会社・合同会社の業務を執行する社員、4号=取締役(指名委員会等設置会社の取締役および監査等委員である取締役に限る)・会計参与・監査役・監事、5号=同族会社の役員で株主グループの要件をすべて満たす者。4号が除いているのは指名委員会等設置会社の取締役と監査等委員である取締役だけで、ふつうの取締役は4号では除かれない。通達9-2-4により、2号の「副社長・専務・常務」は定款等の規定または総会・取締役会の決議等でその職制上の地位が付与された役員をいう。名刺の肩書きではない。通達9-2-5により「使用人としての職制上の地位」とは支店長・工場長・営業所長・支配人・主任等をいい、取締役総務担当・経理担当のように特定の部門の職務を統括しているものは使用人兼務役員に該当しない。通達9-2-6により、事業内容が単純で使用人が少数である等の事情で職制を定めていない法人は、常時従事している職務が他の使用人と同質なら使用人兼務役員として取り扱える。通達9-2-22により、役員給与の限度額等に使用人分を含めない扱いをするには、定款または株主総会等で含めない旨を定めるか決議していることが必要。通達9-2-23により、使用人分の給与の適正額はおおむね類似する職務に従事する使用人への支給額に相当する金額。比準できる使用人がいないときは役員となる直前の給与額やベースアップの状況、使用人のうち最上位者の給与額等を参酌する。施行令70条3号により、使用人分の賞与で他の使用人に対する賞与の支給時期と異なる時期に支給したものは損金不算入。落ちるのは賞与だけで、給料・手当は1号の判定。通達9-2-26により、他の使用人の支給時期に未払金として経理し役員給与の支給時期に支払った場合も「異なる時期に支給したもの」に該当する。通達9-2-27により、使用人が役員になった直後の賞与のうち使用人であった期間に係る相当部分は使用人賞与として認められる。
2026.08.13
役員報酬の決め方|定期同額給与の3か月ルールと事前確定届出給与の期限
3か月ルールと届出期限。届出は「4か月以内」ではなく早い方で切れる。
2026.08.13
接待交際費と会議費の違い|1人1万円の基準と800万円の損金不算入
1人1万円の基準と800万円の枠。帳簿の要件は2つあり、必要な項目が違う。
2026.08.13
出張旅費規程と日当の相場|非課税の判定基準とインボイス不要の特例
日当の金額基準は法令に無い。所得税と消費税は同じ「通常必要」で連動するが、通勤手当だけは連動しない。
2026.08.13
決算賞与の損金算入3要件|未払計上が使えない就業規則と社会保険料のズレ
決算賞与の未払計上は3要件。就業規則の「支給日に在職する者」の一文で使えなくなる。社保だけ翌期にズレる。
2026.08.13
繰越欠損金の10年ルール|50%制限が外れる中小法人と、青色取消しで消える境界
繰越欠損金は10年・所得の50%まで。中小法人等なら100%だが1億円以下でも外れる例がある。連続提出が要るのは確定申告書。
2026.08.14
賃上げ促進税制(旧・所得拡大促進税制)|中小15%+上乗せと5年繰越の要件
中小は1.5%増で15%・2.5%増で+15%、最大35%。上限は法人税額の20%で、5年繰越は中小だけ。教育訓練費の上乗せは現行条文に無い。
2026.08.16
出向の税務 — 給与負担金は消費税の課税仕入れにならない。「経営指導料」に名前を変えても同じ
出向先が払う給与負担金は「出向先におけるその出向者に対する給与」として扱う(法人税基本通達9-2-45)。消費税で控除できない根拠は通達ではなく法律のかっこ書き。消費税法2条1項12号が課税仕入れから「給与等を対価とする役務の提供」を除いている。だからインボイスを受け取っても仕入税額控除はできない。「経営指導料」等の名義で払っても同じ(法基通9-2-45(注)1・消基通5-5-10(注))。請求書の名前では決まらない。労働者派遣の派遣料は逆に課税(消基通5-5-11)。分かれ目は出向先と本人のあいだに雇用関係があるかどうか。出向に派遣の許可が要らないのは例外扱いではなく、派遣法2条1号の定義自体が「当該他人に雇用させることを約してするもの」を除いているから。出向元が負担する較差補塡は出向元の損金(法基通9-2-47)。出向先が賞与を出せない場合の賞与、海外出向の留守宅手当も較差補塡に含むと注書きが明記。出向先で役員のときは、株主総会等の決議と、出向契約に出向期間と給与負担金の額をあらかじめ定めることの「いずれにも」該当して初めて法人税法34条が適用される(法基通9-2-46)。事前確定届出給与の届出をするのは出向先法人。退職給与だけは別で、9-2-45が「退職給与を除く」と2回除いている。負担金は役員であっても支出年度の損金(9-2-48・9-2-49)。転籍は逆で、相手方が支給すべき退職給与を負担した部分は贈与になる(9-2-52ただし書)。源泉徴収は雇用主ではなく「支払をする者」の義務(所得税法183条1項)。両社から報酬を受けるなら標準報酬月額は合算(健康保険法44条3項・厚生年金保険法24条2項)、届出は10日以内(健保則2条1項)。
2026.08.17
受取配当等の益金不算入 — 「関連法人株式等は100%」は正しくない。判定する期間も区分ごとに違う
受取配当等の益金不算入の割合は、完全子法人株式等100%/関連法人株式等は配当等の額の4%を控除した後/その他株式等50%/非支配目的株式等20%。この4つはすべて法人税法23条1項の1つのかっこ書きに畳まれている。「関連法人株式等は100%」は正しくない。原則は配当等の額の4%を負債利子相当額として控除するので96%(法人税法施行令19条1項)。しかも4%と「支払利子等の合計額の10%」は選択ではない。支払利子等の10%が関連法人配当合計の4%以下であるときは自動的に10%基準になる(同条2項)。借入の少ない会社ほど控除が小さくなり、100%に近づく。判定する期間が区分ごとに違う。完全子法人株式等は計算期間(前回配当の基準日の翌日から今回の基準日まで・最長1年)を通じて完全支配関係(施行令22条の2)。関連法人株式等は同じ数え方で最長6か月の継続保有(施行令22条)。非支配目的株式等は基準日等のその日1日だけ(施行令22条の3)。「その他株式等」は条文に定義が無い。3つの区分の「いずれにも該当しない」という残りなので、期間要件も無い。持株比率は自社単独ではなくグループ全体で数える(23条4項・6項の「当該内国法人との間に完全支配関係がある他の法人を含む」)。基準日以前1か月以内に取得し基準日後2か月以内に譲渡した株式は適用対象外(23条2項・短期保有株式等)。ただしみなし配当は除かれる。申告書に明細の記載がないと適用されない。しかも益金不算入額は「記載された金額を限度」(23条7項)。確定申告書のほか修正申告書・更正請求書でも可。完全子法人株式等と1/3超保有の株式の配当は源泉徴収されない(所得税法177条)。ただし自己の名義で有するものに限る。外国子会社(25%以上・原則6か月以上)からの配当は、費用相当額として配当等の額の5%を控除した95%が益金不算入(23条の2)。
2026.08.23
中小企業投資促進税制|30%特別償却と7%税額控除、令和9年3月31日まで
計画の認定も申請も要らない。買って使えばその年度に30%の特別償却。ただし7%の税額控除を選べるのは資本金3,000万円以下だけで、リースだと特別償却の側が消える。
2026.08.14
中小企業経営強化税制と経営力向上計画|即時償却と税額控除10%の条件
経営力向上計画の認定が入口。即時償却か税額控除7%(資本金3,000万円以下は10%)を選ぶ。ただし建物は即時償却ではなく15%、しかも計画に建物を載せると中小企業投資促進税制が使えなくなる。
2026.08.19
経営セーフティ共済(倒産防止共済)の掛金の仕訳 — 別表十(八)を付けないと損金にならない
経営セーフティ共済の掛金は、払っただけでは損金になりません。租税特別措置法66条の11第3項が「確定申告書等に明細書の添付がない場合には、適用しない」と定めているためで、法人が添付するのは別表十(八)です。番号だけで探すと現行の別表十(七)はオープンイノベーション促進税制の明細書なので取り違えます。個人事業主も措置法28条3項で明細書の添付が要件です。条文には損金経理の要件が無いため保険積立金で資産計上する処理も使われます。令和6年10月からの再加入2年ルールは「解除の日」で効き、掛金月額と総額の上限は条文の2回の割り算で決まります。
2026.08.14
事業承継税制の特例措置|特例承継計画の期限は令和9年9月30日まで延長
特例承継計画の期限は令和9年9月30日に延長済み。国税庁のタックスアンサーは令和8年3月31日のままで、そこだけ見ると締切済みに見える。計画の期限と贈与・相続の期限は92日しか離れていない。
2026.08.16
外形標準課税の対象になる会社 — 「資本金+資本剰余金」は地方税法に一度も出てこない
対象の入口は3つ。①資本金1億円超(本則)②前事業年度に対象で払込資本10億円超(附則8条の3の3・「当分の間」の読替え規定)③払込資本50億円超の法人の100%子法人で払込資本2億円超(本則72条の2第1項1号ロ(1)(2))。②は本則を読んでも見つからない。附則が本則の語を読み替える形で置かれている。②は「前事業年度に外形対象だった法人」に限られる。もともと対象でなかった会社は払込資本が10億円を超えても②では入らない。「資本剰余金」は地方税法の全文に0回・地方税法施行令にも0回。施行令10条の2が「資本金+総務省令で定める金額」とし、施行規則3条の13の4が会社計算規則76条の資本剰余金を指す3段の委任。付加価値額=報酬給与額+純支払利子+純支払賃借料+単年度損益。報酬給与額が収益配分額の70%を超えると雇用安定控除が効き、賃金1円の増加が課税標準を0.7円しか増やさなくなる。資本割の課税標準には下限(資本金+資本準備金)と上限(1兆円で頭打ち・圧縮後4,250億円)がある。所得割は1%だが特別法人事業税が260%。非対象法人は7%+37%。標準税率・付加価値額5億円・資本金等2億円なら分岐点は所得約1億2,162万円。
2026.08.16
事業所税とは — 指定都市等だけが課す税。1,000㎡・100人は「控除」ではなく崖
事業所税は指定都市等だけが課す税。全国の市町村にあるわけではない。資産割=事業所床面積1㎡につき600円/従業者割=従業者給与総額の100分の0.25(地方税法701条の42)。免税点は1,000㎡・100人だが「基礎控除」ではなく崖 — 1,000㎡なら0円、1,001㎡なら600,600円。1,000㎡を差し引く規定は条文に無い。判定は事業所ごとではなく同一市内の全事業所の合計。東京23区は23区全体で1つの区域とみなす(地方税法737条3項)ので、港区700㎡+新宿区400㎡=1,100㎡で課税。同じ面積でも横浜市と川崎市に分かれていれば課税されない。従業者の数からは65歳以上の人(役員を除く)と障害者が外れる=110人でも判定上98人なら従業者割はかからない。申告は法人が事業年度終了から2か月以内・個人が翌年3月15日。税額ゼロでも条例で申告を求められることがある。事業所用家屋を貸している側にも申告義務がある。
2026.08.16
貸倒損失とは — 9-6-1は強制で落ちる。9-6-2と9-6-3は損金経理が要る
貸倒れの入口は3つ。9-6-1(切捨て)=「損金の額に算入する」=事実発生年度に強制。損金経理は要らない。9-6-2(全額回収不能)=損金経理が要る・担保物は処分してから・一部だけの回収不能は対象外。9-6-3(1年取引停止)=損金経理が要る・売掛債権だけ(貸付金は明文で除外)・備忘価額を残す・担保物があると使えない。消費税は別条文(消法39条・消令59条・消規18条)で控除は税込×110分の7.8。330,000円なら23,400円で、30,000円は戻らない。個人は事業なら所法51条2項の必要経費、事業以外は64条1項で「なかったものとみなす」。
2026.08.25
決算公告とは — 資本金1円の会社にも義務がある。要旨で足りるのは官報・新聞の会社だけで、電子公告なら貸借対照表そのもの
決算公告は資本金1円の株式会社にも義務がある。要旨で足りるのは官報・日刊新聞紙の会社だけで、電子公告にすると逆に貸借対照表そのものが要る。ただし電子公告調査は941条のかっこ書きで決算公告だけ外れている。義務が無いのは特例有限会社と合同会社。
2026.08.25
事業譲渡とは — 株主総会が要るのは5つの場合だけ。「重要な一部」でも総資産の5分の1以下なら決議は要らない
事業譲渡で株主総会が要るのは467条1項の5つだけ。「重要な一部」でも総資産の5分の1以下ならかっこ書きで除かれて決議は不要。その総資産額は資産合計ではない。商号を続用すると譲受会社が債務を負い、労働契約は当然には移らない。
2026.08.25
外貨建取引の換算 — TTMが原則。届出をしないと、短期の債権債務だけ期末時換算法になる
外貨建取引の換算はTTMが原則。届出をしないときの法定換算方法は一様ではなく、短期の債権債務と満期1年以内の外貨預金だけ期末時換算法で、それ以外は発生時換算法。選定は通貨ごと・6区分ごと、変更は事前承認。
2026.08.14
前払費用と短期前払費用|1年の起算日は税務と会計で違う・長期前払費用への振替
短期前払費用の「1年」は支払った日から起算するが、貸借対照表で流動・固定を分ける「一年内」は貸借対照表日の翌日から起算する。起点が違うので、同じ前払いでも税務判定とB/S分類は別々に行う。
2026.08.16
みなし配当とは — 1回の入金が「配当所得」と「株式の譲渡収入」に割れる
みなし配当は「受け取った金額」ではなく「交付金銭 − 株式に対応する資本金等の額」の差額。1回の入金が2つの所得に割れる。非上場なら みなし配当部分=配当所得(源泉20.42%・総合課税・配当控除あり)/残り=株式等の譲渡収入(申告分離20.315%)。自己株式の取得でも、市場での購入・単元未満株の買取り・端数処理など施行令23条4項の12事由なら みなし配当は生じない。資本の払戻しの計算には上限が2つ。うち「払戻等対応資本金額等 ≦ 減少した資本剰余金の額」の上限は2021-08-02施行版に無く、2022-04-01施行版(令和4年政令137号)で入った。割合の端数は小数点以下3位未満を切り上げ。会社は株主に1株当たりのみなし配当額を通知する義務がある(施行令23条5項2号)。相続で取得した非上場株式を発行会社に譲渡する場合、申告期限の翌日以後3年以内なら みなし配当課税をしない(措置法9条の7)。「みなし配当」という語は所得税法に本則・附則とも0回。法人税法の本則では132条の2(組織再編成の否認)にただ1回だけ。
2026.08.16
同族会社とは — 「3人以下」で50%超。判定された瞬間に3つの規定が動く
同族会社=株主等の「3人以下」+同族関係者で発行済株式の50%超(法人税法2条10号)。「3人」は人数ではなく株主グループが3つという意味。親族・事実婚の相手・使用人・生計を維持している者は本人と同じグループに入る(施行令4条1項)。判定の物差しは3つ(株式数・議決権・社員数の半数超)で、どれか1つで当たれば同族会社。株式を分散させても議決権で当たる(施行令4条5項)。議決権行使に同意している者の議決権は、本人が持つものとみなす(同6項)。帰結は3つ。①みなし役員=使用人でも役員扱い(施行令7条)②留保金課税(法67条)③行為計算否認(法132条)。みなし役員には2つの型があり、1号(経営に従事する会長・相談役など)は同族会社に限らない。2号の要件は3段の持株割合=50%超グループに属する/グループ10%超/本人と配偶者で5%超。留保金課税の判定は「3人以下」ではなく「1人」(被支配会社)。しかも資本金1億円以下は原則対象外なので、多くの中小企業には当たらない。税率は10%・15%・20%の3段。留保控除額は「所得等の40%」「年2,000万円」「資本金の25%に足りない額」のうち最も多い金額。「みなし役員」という語は法人税法にも施行令にも一度も出てこない(0回)。条文の見出しは「役員の範囲」。
2026.08.14
先端設備等導入計画|固定資産税2分の1の特例は令和9年3月31日まで・賃上げ方針の記載が必須に
固定資産税2分の1の特例は令和9年3月31日取得分まで。令和7年度改正で賃上げ方針1.5%以上の記載が必須要件に格上げされ、上乗せは3%以上で4分の1・5年度分になった。ソフトウエアは特例の対象外。
2026.08.14
未払費用と未払金と買掛金の違い|仕訳と一年基準、長期未払費用が存在しない理由
買掛金は法令上「営業上の未払金」(財務諸表等規則47条2号)。未払金には一年基準がかかるが、未払費用は48条で無条件に流動負債とされ、「長期未払費用」という科目は存在しない。
2026.08.14
売掛金と未収入金と未収収益の違い|仕訳と一年基準、区分表示に名前が無い科目
売掛金は法令上「営業上の未収金」(財務諸表等規則15条3号)。「未収入金」は規則の全文に0回。4つの経過勘定のうち流動資産の区分表示に名前が無いのは未収収益だけ。
2026.08.14
仮払金と仮受金の違い|仮払消費税・仮受消費税とは別物、控除対象外消費税は60ヶ月で落とす
仮払金・仮受金は精算して消す一時科目、仮払消費税等・仮受消費税等は税抜経理なら毎期出る恒久科目。控除できなかった分は20万円未満なら全額、そうでなければ60ヶ月・初年度は半分。
2026.08.14
収益認識基準と法人税法22条の2|会計基準は中小企業に任意でも、売上計上基準は全法人に適用
収益認識に関する会計基準は中小企業に強制されないが、法人税法22条の2は全法人に適用される。原則は引渡しの日、近接日は確定決算での経理か申告の記載が要件。返品・貸倒れの見込みでは収益を減らせない。
2026.08.26
経営事項審査(経審)とは — P点の6割は決算書で決まる。「1年7か月」は受けた日から数えない
経審は許可業者全員ではなく公共工事の元請になる者の義務。P=0.25X1+0.15X2+0.2Y+0.25Z+0.15W(施行規則21条の3)で、決算書由来の項目だけで6割を占める。1年7か月は「受けた日から」ではなく契約日から遡って数える。建設業経理士の5年は合格日ではなく翌年度開始日が起算点なので、合格月で最大11か月得をする。
2026.08.26
グループ法人税制とは — 届出も選択も要らない強制適用。「一の者」は個人でもよく、99.5%でも完全支配関係になる
グループ法人税制は届出も選択もない強制適用。完全支配関係の「一の者」は個人でもよく、社長が2社を100%持つだけで当たる。持株会などが5%未満なら99.5%でも完全支配関係。資産譲渡の繰延べは帳簿価額1,000万円以上だけで、単位は建物一棟・機械一台(規則27条の15)。寄附金と受贈益の全額不算入だけは「法人による完全支配関係」限定なので、個人が頂点だと適用されない。
2026.08.26
会社をたたむときの税務 — 解散しても会社は消えない。事業年度は2回切られ、最後の申告期限は1か月
解散しても会社は消えない(会社法476条)。事業年度は解散の日と残余財産確定の日で切られる(法人税法14条1項1号・5号)。最後の申告期限だけ1か月で、先に分配するとその前日まで前倒し(74条2項)。期限切れ欠損金は青色欠損金を使った残りが枠(令117条の5)で、資本金等の額がマイナスなら枠が増える。債権申出の2か月は弁済してはいけない期間だが、遅延の責任は免れない(会社法500条1項)。
2026.08.26
企業版ふるさと納税 — 「最大6割」は40%+10%+20%ではない
企業版ふるさと納税の控除は住民税5.7%+34.3%・事業税20%・法人税に割れ、法人税分は寄附額の40%から調整前法人税額の1.4%を引いて決まる。最大6割に届くのは法人税額が寄附額の約21.4倍以上のときだけ。10万円は「一の寄附ごと」で、本社のある都道府県・市町村には出せない。
2026.08.25
法人事業概況説明書 — 添付は義務。条文に様式名は無く、単位は3つ混ざっている
法人事業概況説明書は参考資料ではなく施行規則35条1項5号の添付書類。条文に様式名は無く、署所管なら法人事業概況説明書・調査課所管なら会社事業概況書。単位は千円が原則だが取引金額欄は百万円・源泉徴収税額欄は円で、揃えると桁が3つずれる。
2026.08.19
勘定科目内訳明細書 — 法人税法には一度も出てこない。範囲を決めているのは省令の号の切り方
勘定科目内訳明細書という言葉は、法人税法の本文(60万字)に一度も出てきません。出てくるのは法人税法施行規則で、確定申告なら35条1項3号の「第一号に掲げるものに係る勘定科目内訳明細書」の一言だけです。この「第一号に掲げるもの」が貸借対照表と損益計算書に限られているため、株主資本等変動計算書は範囲の外に置かれています。ところが仮決算をした場合の中間申告(33条)では号の切り方が違い、同じ書類の範囲が変わります。16帳票の一覧、100件超のときの記載省略基準、資本金1億円超の電子申告義務まで、e-Gov法令API v2で取得した条文で確かめます。
2026.08.20
貸借対照表の見方 — 「純資産=自己資本」ではない。規則は4つに割っている
貸借対照表の純資産の部は、会社計算規則76条1項1号で株主資本・評価換算差額等・株式引受権・新株予約権の4つに区分されます。自己資本比率の分子に純資産をそのまま入れると新株予約権の分だけ過大になります。そもそも「自己資本」という語は同規則の全112,442字に1度も出てきません。流動と固定の境目も1年基準だけではなく、74条3項は通常の取引に基づく売掛金や棚卸資産を1年を超えても流動資産に置いています。
2026.08.20
損益計算書の見方 — 条文が区分するのは7つの収益と費用。5つの利益は計算結果
損益計算書で会社計算規則88条1項が「区分して表示しなければならない」と挙げる7項目は、売上高・売上原価・販管費・営業外収益・営業外費用・特別利益・特別損失で、利益は1つも入っていません。5つの利益は89条から94条が「売上総損益金額」「営業損益金額」などの中立の名前で定義し、零以上なら利益金額、零未満なら零から減じた額を損失金額として表示します。赤字の決算書では項目名そのものが変わります。
2026.08.20
総勘定元帳の書き方 — 条文が求めるのは3つだけ。保存の起算日は決算日ではない
総勘定元帳の記載事項を定めているのは法人税法施行規則55条2項で、求めているのは「記載の年月日・相手方勘定科目・金額」の3つだけです。仕訳帳にはある「内容」がなく、日付も「取引の年月日」ではありません。保存は7年ですが起算日は決算日ではなく事業年度終了の日の翌日から2月を経過した日で、欠損金を繰り越すなら別の条文で10年になります。条文にあたって整理します。
2026.08.20
試算表の見方 — 「試算表を作れ」と命じる条文は、株式会社の会計法令に1本も無い
「合計試算表」は全法令で1か所(計算証明規則70条2項の括弧書き)だけ。試算表を名指しする条文は24法令あるが、株式会社の会計法令の約188万字では0回。貸借が一致しても記帳漏れ・二重記帳・科目違い・両側同額の4つは残る。差額が9で割り切れたら数字の入れ替わりを疑う。
2026.08.20
現金出納帳の書き方 — 記載事項は5つ。「現金出納帳」を名指しする法令は2本だけ
現金出納帳に何を書くかは、法人税法施行規則の別表二十六に「取引の年月日、事由、出納先及び金額並びに日々の残高」と書かれています。ただしこの表は白色申告の法人向けで、個人事業主の根拠は省令の外にあります。e-Gov法令検索の全法令で「現金出納帳」という語を持つのは2本だけ。少額の一括記載を認めているのが青色ではなく白色の表である理由まで、条文にあたって整理します。
2026.08.19
決算整理仕訳 — 入れ忘れを申告書で取り返せるかは「損金経理」の3文字で決まる
決算整理仕訳は簿記の用語で、法人税法にも会社法にも「決算整理」という言葉はありません。それでも入れ忘れが致命傷になるものとならないものに割れます。分岐は条文の「損金経理」の3文字です。法人税法2条25号は損金経理を「法人がその確定した決算において費用又は損失として経理すること」と定義しており、減価償却費(31条1項)・評価損(33条2項)・貸倒引当金(52条1項)・少額減価償却資産(施行令133条)は帳簿に入れることが損金算入の要件になっています。一方で未払費用のような債務確定基準(22条3項2号)の費用には損金経理要件がありません。e-Gov法令API v2で条文を取得して確かめ、8類型の一覧表と3月決算の設例で解説します。
2026.08.14
棚卸資産の評価方法6種の違い|移動平均法・総平均法・低価法と、届出しないと最終仕入原価法になる理由
届け出なければ最終仕入原価法(令31条1項)。同じ仕入でも期末在庫は180,000〜300,000円と120,000円動く。低価法は個人事業だと青色申告者だけ。
2026.08.27
棚卸資産回転率と回転期間|分母を売上高にすると、在庫ではなく粗利率を測ってしまう
在庫は1円も動いていないのに、値上げしただけで売上高ベースの回転率は8.6回→10.0回。棚卸資産は取得価額、売上高は売価で物差しが違う。
2026.08.26
残高証明書とは — 決算で取るのは義務ではない。手数料は同じ銀行の中で0円〜2,200円に分かれる
残高証明書は決算・相続・融資で使うが、決算で取る義務は法令に無い(規則35条が求めるのは勘定科目内訳明細書)。手数料は同じ銀行の中で0円〜2,200円に分かれ、先方指定の書式は自行書式の約3倍。相続は基準日を相続開始日にし既経過利子まで頼む。
2026.07.16
AIで経理を半自動化する — freee記帳を自動化して分かったこと
freeeの記帳(口座明細の科目付け)を自動化した実例をもとに、AIを使った経理の半自動化がどこまでできるかを解説します。科目分類はルールと人のフィードバック学習で、AIは対話や非定型処理に——という役割分担、二重計上を防ぐ消込の考え方、freee APIの制約まで、実装から分かった検証可能な知見をまとめます。
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