管理監督者とは — 労基法41条2号で外れるのは「労働時間・休憩・休日」の3つだけ。深夜割増と年次有給休暇は残る
結論から言うと、管理監督者について適用除外になるのは「労働時間、休憩及び休日に関する規定」の3つだけです。労働基準法41条の本文がそう書いています。ここを3つと数えられるかどうかで、給与計算の結果が変わります。
効いてくるのは、41条が置かれている第四章の章題との対照です。第四章の題は「労働時間、休憩、休日及び年次有給休暇」で、4つが並んでいます。ところが41条はそのうち3つしか挙げていません。落ちているのは年次有給休暇です。つまり管理監督者にも有給休暇はあり、年5日の時季指定義務もかかります。同じ理屈で深夜の割増賃金も外れません。
もうひとつ、条文を読むと制度の弱点がはっきり見えます。41条の3つの号のうち行政官庁の許可を要求しているのは3号だけで、管理監督者の2号には許可の文言がありません。会社の判断だけで名乗れる仕組みになっており、「名ばかり管理職」が生まれる場所はここです。この記事では、外れるもの・残るものを条文で確定させたうえで、実務で見落としやすい4点(過半数代表者、36協定、賃金台帳、労働時間の把握義務)を整理します。
41条が外しているのは3つだけ — 章題は4つ並んでいる
労働基準法41条の本文はこう書かれています。「この章、第六章及び第六章の二で定める労働時間、休憩及び休日に関する規定は、次の各号の一に該当する労働者については適用しない」。見出しは「労働時間等に関する規定の適用除外」です。
ここで、41条が属している第四章の章題を並べてみます。
第四章の章題 労働時間、休憩、休日及び年次有給休暇(4つ)
41条が外すもの 労働時間、休憩及び休日(3つ)
同じ法律の同じ章について、章題は4つを列挙し、41条は3つしか挙げていません。年次有給休暇は章題では独立して数えられているのに、適用除外の対象からは外れています。条文の書き分けとして読めば、年次有給休暇に関する規定(39条)は管理監督者にも適用されるということです。
なお41条が名指ししているのは「この章、第六章及び第六章の二」です。第六章は年少者、第六章の二は妊産婦等で、これらの章に置かれた労働時間・休憩・休日の規定も同時に外れます。この点は後述します。
2号にだけ「許可」の文言がない
41条は3つの号を挙げています。条文どおりに並べます。
| 号 | 条文の文言 | 行政官庁の許可 |
|---|---|---|
| 1号 | 別表第一第六号(林業を除く。)又は第七号に掲げる事業に従事する者 | 不要(農林・畜産・養蚕・水産の事業) |
| 2号 | 事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者 | 条文に書かれていない |
| 3号 | 監視又は断続的労働に従事する者で、使用者が行政官庁の許可を受けたもの | 必要 |
3号には「使用者が行政官庁の許可を受けたもの」という限定がはっきり書かれています。ところが2号にはその文言がありません。労働基準監督署の事前チェックを通さずに、会社の判断だけで「この人は管理監督者だ」と扱える構造になっています。
「管理職」も「管理監督者」も、労働基準法には出てこない労働基準法の条文テキストを機械で数えると、「管理職」は0回、「管理監督者」も0回です。法律が書いているのは「監督若しくは管理の地位にある者」という表現で、これが本則に1回現れるだけです。日常語の「管理職」と法律上の「監督若しくは管理の地位にある者」は、そもそも別の言葉だということになります。
条文が「事業の種類にかかわらず」と断っていることにも意味があります。1号が事業の種類で切っているのに対し、2号は業種を問わずその人の地位で判断する組み立てになっています。役職名が部長か課長かではなく、地位の実質で決まる書き方になっています。どの範囲までがこれに当たるかは条文の文言だけでは決まらず、行政解釈や裁判例の蓄積によって具体化されている領域です。
残るもの — 深夜割増・年次有給休暇・年5日
41条が外すのは「労働時間、休憩及び休日に関する規定」だけなので、それ以外は残ります。実務で金額に直結するものを整理します。
| 項目 | 条文 | 管理監督者への適用 |
|---|---|---|
| 法定労働時間(1日8時間・週40時間) | 32条 | 適用されない |
| 休憩 | 34条 | 適用されない |
| 週1日の休日 | 35条 | 適用されない |
| 時間外・休日の割増賃金 | 37条1項 | 適用されない(時間外・休日の概念自体が外れるため) |
| 深夜の割増賃金 | 37条4項 | 適用される |
| 年次有給休暇 | 39条1項〜3項 | 適用される |
| 年5日の時季指定義務 | 39条7項 | 適用される |
深夜割増が残る理由は、37条4項が定めているのが割増賃金であって、労働時間・休憩・休日の規制ではないからです。41条が外すと名指ししたリストに入っていません。深夜割増の計算方法そのものは深夜手当の記事で扱っています。
年5日の時季指定義務についても同じです。39条7項は「使用者は、第一項から第三項までの規定による有給休暇……の日数のうち五日については、基準日から一年以内の期間に、労働者ごとにその時季を定めることにより与えなければならない」と定めています。39条が適用される以上、7項も適用されます。管理監督者だけ年5日の管理簿から外している運用があれば、そこは条文と合いません。
残業代・深夜割増の計算ツールで金額を確かめる妊産婦である管理監督者は、深夜業だけ請求できる
41条は「この章、第六章及び第六章の二で定める」と書いているので、妊産婦等について定めた第六章の二の規定も、労働時間・休憩・休日に関するものは外れます。66条を項ごとに見ると、扱いが分かれます。
| 項 | 妊産婦が請求したときに制限されるもの | 管理監督者の場合 |
|---|---|---|
| 66条1項 | 変形労働時間制でも法定労働時間を超えて労働させてはならない | 労働時間の規定なので外れる |
| 66条2項 | 時間外労働をさせてはならず、休日に労働させてはならない | 労働時間・休日の規定なので外れる |
| 66条3項 | 深夜業をさせてはならない | 深夜の規定なので残る |
3項だけが「深夜業」を対象にしており、労働時間・休憩・休日のいずれにも当たりません。深夜割増が残るのと同じ理屈です。管理監督者である妊産婦が請求した場合、時間外・休日については41条により制限が働かない一方で、深夜業をさせないという制限は残ると読めます。同じ構造は第六章(年少者)の深夜業の制限にも当てはまります。
過半数代表者になれない — 全員が管理監督者だと36協定が結べない
ここは条文を読まないとまず気づかない箇所です。労働基準法施行規則6条の2第1項は、36協定をはじめとする各種の労使協定や就業規則の意見聴取における「労働者の過半数を代表する者」の要件を定めており、その1号がこう書いています。
一 法第四十一条第二号に規定する監督又は管理の地位にある者でないこと。
管理監督者は過半数代表者になれません。2号は、協定等をする者を選出することを明らかにして実施される投票・挙手等の手続により選出され、かつ使用者の意向に基づいて選出された者でないことを求めています。
そのうえで、同条2項に救済規定が置かれています。事業場に1号に該当する者、つまり管理監督者でない労働者が一人もいない場合の定めです。ところが、この2項が名指ししている条文は1項より大幅に少ないのです。
| 条文 | 内容 | 1項(通常) | 2項(全員が管理監督者の事業場) |
|---|---|---|---|
| 法18条2項 | 貯蓄金の管理に関する協定 | あり | あり |
| 法24条1項ただし書 | 賃金の一部控除に関する協定 | あり | あり |
| 法39条4項・6項・9項ただし書 | 時間単位年休・計画的付与・標準報酬日額での支払 | あり | あり |
| 法90条1項 | 就業規則の作成・変更時の意見聴取 | あり | あり |
| 法36条1項 | 時間外・休日労働に関する協定(36協定) | あり | 記載なし |
| 法32条の2〜32条の5 | 変形労働時間制・フレックスタイム制 | あり | 記載なし |
| 法38条の2〜38条の4 | 事業場外みなし・専門業務型/企画業務型裁量労働制 | あり | 記載なし |
読み取れることは次のとおりです。全員が管理監督者である事業場では、就業規則の意見聴取(90条1項)や賃金控除の協定(24条1項ただし書)は2項によって手当てされますが、36協定については過半数代表者を選ぶ根拠が条文にありません。もっとも、その事業場の労働者が全員41条2号に該当するのであれば、労働時間・休日の規定自体が適用されないため36協定を結ぶ必要もない、という整理になります。条文は矛盾しているのではなく、36協定が要る事業場には必ず管理監督者でない労働者がいるはずだという前提で組まれていると読めます。
実務上効いてくるのは逆向きの場面です。管理職を過半数代表者にして36協定を締結していた場合、その協定は1号の要件を満たさないことになります。36協定の有効性は時間外労働そのものの適法性に直結するので、36協定の記事とあわせて選出手続を確認したいところです。
賃金台帳の記入義務と、支払義務・把握義務のズレ
賃金台帳の記載事項は労働基準法108条を受けて施行規則54条1項が定めており、5号が「労働時間数」、6号が「延長時間数、休日労働時間数及び深夜労働時間数」です。そして同条5項に例外があります。
法第四十一条各号のいずれかに該当する労働者及び法第四十一条の二第一項の規定により労働させる労働者については第一項第五号及び第六号は、これを記入することを要しない。
ここに落とし穴があります。免除される6号には深夜労働時間数が含まれています。一方で、前述のとおり深夜割増の支払義務(37条4項)は残ります。つまり賃金台帳に書く義務はないのに、払う義務はあるという状態です。払うためには深夜の時間数を数えなければならないので、記入義務が免除されていることを「深夜を管理しなくてよい」と読むと、割増賃金の未払いに直結します。
さらに、労働時間の把握については労働安全衛生法に別の義務があります。66条の8の3です。この義務が置かれているのは長時間労働者への医師の面接指導を実施するためで、その全体像は安全配慮義務の記事にまとめています。
事業者は、第六十六条の八第一項又は前条第一項の規定による面接指導を実施するため、厚生労働省令で定める方法により、労働者(次条第一項に規定する者を除く。)の労働時間の状況を把握しなければならない。
括弧書きで除かれている「次条第一項に規定する者」は、66条の8の4が対象とする高度プロフェッショナル制度の対象労働者です。管理監督者は除外されていません。労働基準法上の労働時間規制からは外れていても、安全衛生法上の労働時間の状況の把握義務は及びます。長時間労働者への医師の面接指導につなげるための規定なので、労働時間規制の適用除外とは目的が別だという整理です。
整理すると3つの義務がそれぞれ別に立っている①賃金台帳への記入は施行規則54条5項で免除される。②深夜割増の支払義務は37条4項により残る。③労働時間の状況の把握義務は労働安全衛生法66条の8の3により残る。①だけを見て運用を決めると、②と③を落とします。
高度プロフェッショナル制度(41条の2)は深夜も外れる
41条の隣にある41条の2は、しばしば混同されますが別の制度です。決定的な違いは、適用除外の対象に深夜が明記されていることです。
……この章で定める労働時間、休憩、休日及び深夜の割増賃金に関する規定は、対象労働者については適用しない。
41条が3つしか挙げていなかったのに対し、41条の2は4つ目として深夜の割増賃金を明示しています。同じ法律の隣り合う条文で書き分けられている以上、41条2号の管理監督者について深夜が外れないことは、条文の対照からも裏づけられます。
| 管理監督者(41条2号) | 高度プロフェッショナル(41条の2) | |
|---|---|---|
| 労働時間・休憩・休日 | 適用除外 | 適用除外 |
| 深夜の割増賃金 | 適用される | 適用除外 |
| 年次有給休暇 | 適用される | 適用される |
| 手続 | 条文上の手続規定なし | 労使委員会の5分の4以上の決議+行政官庁への届出+本人の同意 |
| 年収要件 | なし | 基準年間平均給与額の3倍を相当程度上回る水準として省令で定める額以上 |
| 休日の付与 | 35条の適用なし | 年104日以上かつ4週4日以上(決議・就業規則等で定める) |
| 労働時間の状況の把握(安衛法66条の8の3) | 及ぶ | 除外(健康管理時間の把握が別に義務づけられる) |
41条の2は、対象業務・対象労働者の範囲・健康管理時間の把握・年104日以上の休日・選択的措置・同意の撤回手続・苦情処理など、決議すべき事項を10号にわたって列挙しています。手続が条文に細かく書かれている高度プロフェッショナル制度と、要件が「監督若しくは管理の地位にある者」の一句しかない管理監督者とでは、条文の作り込みの細かさがまるで違います。この差が、実務で管理監督者の該当性が争われやすい理由でもあります。
よくある質問
Q. 部長や課長という役職なら管理監督者になりますか?
A. 役職名で決まるものではありません。労働基準法41条2号の文言は「事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者」で、部長や課長といった役職名は条文に出てきません。それどころか、労働基準法の条文テキストを機械で数えると「管理職」も「管理監督者」も0回で、法律が書いているのは「監督若しくは管理の地位にある者」という表現だけです。日常語の管理職と、法律上の適用除外の対象は別の概念として扱う必要があります。条文が「事業の種類にかかわらず」と断っているのも、業種や肩書きではなくその人の地位の実質で判断する建て付けだからです。どの範囲までが該当するかは条文の文言だけでは確定せず、行政解釈や裁判例によって具体化されている領域なので、判断に迷う場合は社会保険労務士や所轄の労働基準監督署にご確認ください。
Q. 管理監督者に残業代は支払わなくてよいのですか?
A. 時間外労働と休日労働の割増賃金については、支払義務が生じません。労働基準法41条により法定労働時間(32条)と休日(35条)の規定が適用されないため、そもそも「法定労働時間を超えた」「法定休日に働かせた」という状態が成立せず、37条1項の割増賃金の前提が欠けるためです。ただしこれは深夜割増を含みません。37条4項の深夜の割増賃金は41条が外したリストに入っていないので、支払義務が残ります。また、就業規則や労働契約で独自に手当の支払いを約束している場合、その約束は労働基準法とは別に効力を持ちます。労働基準法が求めていないことと、会社が支払わなくてよいことは同じではありません。
Q. 管理監督者に深夜手当は必要ですか?
A. 必要です。労働基準法41条が適用除外の対象として挙げているのは「労働時間、休憩及び休日に関する規定」の3つで、37条4項が定める深夜の割増賃金はこのどれにも当たりません。条文の対照からも裏づけられます。隣の41条の2(高度プロフェッショナル制度)は「この章で定める労働時間、休憩、休日及び深夜の割増賃金に関する規定は……適用しない」と、深夜を4つ目として明示しています。同じ法律の隣り合う条文で書き分けられているということは、41条があえて深夜を挙げなかったと読むのが自然です。したがって管理監督者が22時から5時までの時間帯に働いた場合、その時間について通常の賃金の計算額の25%以上の割増賃金が必要になります。
Q. 管理監督者に年次有給休暇はありますか。年5日の取得義務もかかりますか?
A. どちらもあります。根拠は41条が置かれている第四章の章題との対照です。章題は「労働時間、休憩、休日及び年次有給休暇」と4つを並べているのに、41条は「労働時間、休憩及び休日に関する規定」の3つしか挙げていません。年次有給休暇(39条)は適用除外の対象から外れています。39条が適用される以上、その7項が定める年5日の時季指定義務も同じく適用されます。7項は「使用者は、第一項から第三項までの規定による有給休暇……の日数のうち五日については、基準日から一年以内の期間に、労働者ごとにその時季を定めることにより与えなければならない」という書き方で、対象者を管理監督者以外に限る文言はありません。年次有給休暇管理簿から管理監督者を外している運用があれば、条文と合っていないことになります。
Q. 管理監督者を36協定の過半数代表者にできますか?
A. できません。労働基準法施行規則6条の2第1項1号が、過半数代表者の要件として「法第四十一条第二号に規定する監督又は管理の地位にある者でないこと」を明示しています。同項が対象としている条文には法36条1項、すなわち36協定が含まれているので、管理監督者を締結相手として選出した36協定は要件を満たさないことになります。同項2号は、協定等をする者を選出することを明らかにして実施される投票・挙手等の手続により選出された者であって、使用者の意向に基づき選出されたものでないことも求めています。選出手続そのものが要件になっている点も見落としやすい箇所です。なお同条3項は、過半数代表者であることや過半数代表者になろうとしたことを理由とする不利益取扱いを禁じ、4項は協定等に関する事務を円滑に遂行できるよう必要な配慮を行うことを事業者に求めています。
Q. 事業場の労働者が全員管理監督者の場合、過半数代表者はどうなりますか?
A. 労働基準法施行規則6条の2第2項に定めがありますが、対象となる条文が第1項より限られています。2項は「前項第一号に該当する者がいない事業場」について、法18条2項、法24条1項ただし書、法39条4項・6項・9項ただし書、法90条1項に規定する過半数代表者は前項2号に該当する者とする、と定めています。つまり就業規則の意見聴取や賃金控除の協定は手当てされる一方、法36条1項がこの列挙に入っていません。36協定の過半数代表者を選ぶ根拠が条文にない状態です。ただしこれは条文の欠落というより前提の問題で、その事業場の労働者が全員41条2号に該当するのであれば労働時間・休日の規定自体が適用されず、36協定を結ぶ必要もありません。36協定が必要な事業場には管理監督者でない労働者が必ずいるはずだ、という前提で条文が組まれていると読めます。
Q. 管理監督者は賃金台帳に労働時間を書かなくてよいのですか?
A. 記入義務は免除されています。労働基準法施行規則54条5項が「法第四十一条各号のいずれかに該当する労働者及び法第四十一条の二第一項の規定により労働させる労働者については第一項第五号及び第六号は、これを記入することを要しない」と定めており、5号は労働時間数、6号は延長時間数・休日労働時間数及び深夜労働時間数です。ただし注意が要ります。免除される6号には深夜労働時間数が含まれている一方で、深夜割増の支払義務は37条4項により残ります。賃金台帳に書く義務はないのに払う義務はある、という状態になるため、深夜の時間数そのものは計算のために把握しておく必要があります。記入義務の免除を「深夜を管理しなくてよい」と読み替えると、割増賃金の未払いにつながります。
Q. 管理監督者の労働時間は把握しなくてよいのですか?
A. 労働安全衛生法66条の8の3により、労働時間の状況を把握する義務があります。同条は「事業者は……厚生労働省令で定める方法により、労働者(次条第一項に規定する者を除く。)の労働時間の状況を把握しなければならない」と定めており、括弧書きで除かれているのは次条すなわち66条の8の4が対象とする高度プロフェッショナル制度の対象労働者だけです。管理監督者は除外されていません。この義務は長時間労働者に対する医師の面接指導を実施するために置かれているもので、労働基準法上の労働時間規制とは目的が別に立っています。労働基準法41条で労働時間規制の適用が外れることと、労働安全衛生法上の把握義務が外れることは別問題だ、という整理になります。
出典
- e-Gov法令検索「労働基準法」(昭和二十二年法律第四十九号)第四章の章題(「労働時間、休憩、休日及び年次有給休暇」)・第37条(時間外、休日及び深夜の割増賃金。第1項=時間外・休日の割増賃金と月60時間超の5割以上、第4項=深夜の割増賃金)・第39条(年次有給休暇。第7項=「使用者は、第一項から第三項までの規定による有給休暇(これらの規定により使用者が与えなければならない有給休暇の日数が十労働日以上である労働者に係るものに限る。)の日数のうち五日については、基準日……から一年以内の期間に、労働者ごとにその時季を定めることにより与えなければならない。」、第8項=時季指定した日数の控除)・第41条(労働時間等に関する規定の適用除外。本文=「この章、第六章及び第六章の二で定める労働時間、休憩及び休日に関する規定は、次の各号の一に該当する労働者については適用しない。」、第1号=「別表第一第六号(林業を除く。)又は第七号に掲げる事業に従事する者」、第2号=「事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者」、第3号=「監視又は断続的労働に従事する者で、使用者が行政官庁の許可を受けたもの」)・第41条の2第1項(高度プロフェッショナル制度。「……この章で定める労働時間、休憩、休日及び深夜の割増賃金に関する規定は、対象労働者については適用しない。」および第1号から第10号までの決議事項。第2号ロ=基準年間平均給与額の3倍を相当程度上回る水準として厚生労働省令で定める額以上であること、第4号=「一年間を通じ百四日以上、かつ、四週間を通じ四日以上の休日」)・第66条(妊産婦等。第1項=変形労働時間制における法定労働時間、第2項=時間外労働・休日労働、第3項=「使用者は、妊産婦が請求した場合においては、深夜業をさせてはならない。」)・第108条(賃金台帳)・別表第一第六号(「土地の耕作若しくは開墾又は植物の栽植、栽培、採取若しくは伐採の事業その他農林の事業」)・第七号(「動物の飼育又は水産動植物の採捕若しくは養殖の事業その他の畜産、養蚕又は水産の事業」)。API v2の
law_data/322AC0000000049で取得。「管理職」「管理監督者」の出現回数は、取得した本則テキストに対して語を計数して確認した(いずれも0回。「監督若しくは管理の地位」は1回) - e-Gov法令検索「労働基準法施行規則」(昭和二十二年厚生省令第二十三号)第6条の2(過半数代表者。第1項=対象となる条文の列挙と第1号「法第四十一条第二号に規定する監督又は管理の地位にある者でないこと。」・第2号「法に規定する協定等をする者を選出することを明らかにして実施される投票、挙手等の方法による手続により選出された者であつて、使用者の意向に基づき選出されたものでないこと。」、第2項=「前項第一号に該当する者がいない事業場にあつては、法第十八条第二項、法第二十四条第一項ただし書、法第三十九条第四項、第六項及び第九項ただし書並びに法第九十条第一項に規定する労働者の過半数を代表する者は、前項第二号に該当する者とする。」、第3項=不利益取扱いの禁止、第4項=必要な配慮)・第54条(賃金台帳の記載事項。第1項第5号「労働時間数」・第6号「法第三十三条若しくは法第三十六条第一項の規定によつて労働時間を延長し、若しくは休日に労働させた場合又は午後十時から午前五時……までの間に労働させた場合には、その延長時間数、休日労働時間数及び深夜労働時間数」、第5項=「法第四十一条各号のいずれかに該当する労働者及び法第四十一条の二第一項の規定により労働させる労働者については第一項第五号及び第六号は、これを記入することを要しない。」)。API v2の
law_data/322M40000100023で取得。第1項が列挙する条文に法36条1項が含まれる一方、第2項の列挙には含まれないことを条文の対照で確認した - e-Gov法令検索「労働安全衛生法」(昭和四十七年法律第五十七号)第66条の8の3(「事業者は、第六十六条の八第一項又は前条第一項の規定による面接指導を実施するため、厚生労働省令で定める方法により、労働者(次条第一項に規定する者を除く。)の労働時間の状況を把握しなければならない。」)。API v2の
law_data/347AC0000000057で取得。括弧書きで除かれる「次条第一項に規定する者」が第66条の8の4の対象労働者(高度プロフェッショナル制度の対象労働者)であり、管理監督者が除外されていないことを条文の対照で確認した - 管理監督者の該当性の具体的な判断基準(職務内容・責任と権限・勤務態様・待遇など)は、条文の文言ではなく行政解釈および裁判例によって具体化されている。この記事では条文から確認できる範囲に記述を限り、確認できなかった通達番号は記載していない
この記事は一般的な情報提供であり、個別の事案に対する助言ではありません。ある労働者が労働基準法41条2号の「監督若しくは管理の地位にある者」に当たるかどうかは、職務内容・権限・勤務態様・待遇などの具体的な事情を踏まえて判断されるため、実際の運用にあたっては社会保険労務士または所轄の労働基準監督署にご確認ください。