納税証明書とは — その1〜その4は何が違い、手数料はいくらで、なぜ3年より前が出ないのか
結論から言うと、納税証明書の手数料は1枚400円、オンライン(e-Tax)で請求すると370円です(国税通則法施行令42条1項)。そして「1枚」の数え方まで政令が決めています —— 税目が違えば別の1枚、年度が違えば別の1枚です。法人税と消費税をそれぞれ2年度分そろえると、書面なら 2税目 × 2年度 × 400円 = 1,600円 になります。
- 手数料は1枚400円・オンラインなら370円(令42条1項)。枚数は税目数 × 年度数 × 枚数で数える
- その1〜その4は国税庁の呼び名で、条文が分けているのは施行令41条1項の6つの号
- 請求日の3年前より古い年度は、原則として証明されない(令41条2項3号)。ただし未納の国税だけは例外で、古くても出る
- 給与から天引きした源泉所得税は載らない(令41条2項1号)。載るのは納税の告知を受けたものだけ
- 収入印紙に自分で消印してはいけない。消印するのは税務署長の側の義務(施行規則14条)
- 災害で財産に相当な損失を受けた人・生計の維持が困難な人は手数料が要らない(令42条3項)
この記事のいちばん踏み込んだところは、「納税証明書」という言葉が、法律の本文に一度も出てこないという点です。国税通則法の全文157,211字を走査すると、この語は1回だけ現れ、それは123条の見出しの中です。条文の本文は、最後まで「証明書」としか呼んでいません。名前と中身がずれているので、条文を番号で追うときに迷子になりやすい場所です。
そしてもうひとつ、実務で効くのに競合サイトがほとんど書かないのが3年ルールです。「その4(滞納処分を受けたことがない証明)は最長でも3年分しか出ない」「その1で3年より古い年度を頼んでも、未納が無ければ証明されない」という制約は、条文の側にはっきり書かれています。
その1〜その4は何の証明か — 条文は「号」で分けている
国税庁は納税証明書を「その1」から「その4」の4種類に分けて案内しています。証明の内容は次のとおりです。
| 種類 | 証明内容(国税庁の表記) | 条文上の位置 |
|---|---|---|
| その1 | 納付すべき税額、納付した税額及び未納税額等の証明 | 施行令41条1項1号 |
| その2 | 所得金額の証明 | 同 3号 |
| その3 | 未納の税額がないことの証明 | 同 1号(かっこ書きの「これらの額がないことを含む」) |
| その4 | 証明を受けようとする期間に、滞納処分を受けたことがないことの証明 | 同 5号 |
ここで注意したいのは、「その1」「その2」という言い方が法令の用語ではないことです。国税通則法施行令と同施行規則の全文を走査しても、「その1」という表記は1回も出てきません(同じ走査で「証明書」はそれぞれ20回・27回ヒットしますから、探し方の問題ではありません)。条文が分けているのは、施行令41条1項に並ぶ6つの号です。
1号は、その1とその3の両方の根拠になっています。
請求に係る国税の納付すべき額として確定した税額(法第十五条第三項第二号から第四号まで及び第六号(納税義務の成立及びその納付すべき税額の確定)に掲げる国税については、その納税の告知に係る税額)並びにその納付した税額及び未納の税額(これらの額がないことを含む。)
末尾のかっこ書き(これらの額がないことを含む。)が、「未納の税額がないこと」=その3を作っています。その3は独立した号ではなく、その1の一部として書かれているわけです。一方、その4は独立した号を持っています。
国税につき滞納処分を受けたことがないこと。
この一文だけで1つの号です。証明する対象が「金額」ではなく「事実の不存在」なので、後で見るとおり手数料の数え方も年度に左右されません。
法律の本文に「納税証明書」という言葉は無い
根拠になる法律は国税通則法123条です。条文はこう書かれています。
国税局長、税務署長又は税関長は、国税に関する事項のうち納付すべき税額その他政令で定めるものについての証明書の交付を請求する者があるときは、その者に関するものに限り、政令で定めるところにより、これを交付しなければならない。
「納税証明書」という語は、この本文のどこにもありません。この条に付いている見出し(納税証明書の交付等)の中にあるだけです。国税通則法の全文157,211字を機械で走査すると「納税証明書」は1回しか出現せず、その1回が見出しでした。同じ走査で「証明書」は12回ヒットしますから、探し方が壊れているわけではありません。123条の本文だけを取り出して数えると、「納税証明書」0回・「証明書」3回です。
実務上の意味は2つあります。ひとつは、条文を検索するときに「納税証明書」で当てても本文にたどり着けないこと。もうひとつは、この制度が「納税したことの証明」に限られていないことです。条文が言っているのは「国税に関する事項のうち……政令で定めるもの」の証明であって、所得金額(その2)のように納税額そのものではない事項も含まれます。名前より条文の範囲のほうが広いのです。
手数料は1枚400円・オンラインは370円 — 枚数の数え方まで政令が決めている
手数料を定めているのは法律ではなく政令です。まず法律の側は、金額を決めずに「枚数を基準にする」ことだけを決めています。
前項の証明書の交付を請求する者は、政令で定めるところにより、証明書の枚数を基準として定められる手数料を納付しなければならない。
これを受けた施行令42条1項が、金額と枚数の数え方の両方を書いています。長い条文ですが、実務で必要なことがすべてこの1項に入っています。
法第百二十三条第二項(納税証明書の交付等)の規定により納付すべき手数料の額は、同条第一項の証明書一枚ごとに四百円(情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律第六条第一項(電子情報処理組織による申請等)の規定により同項に規定する電子情報処理組織を使用して法第百二十三条第一項の請求をする場合にあつては、三百七十円)とする。この場合において、前条第一項第一号及び第二号に掲げる事項並びに同項第三号から第六号までの各号に掲げる事項ごとに一枚の証明書であるものとし、なお、その証明書が二以上の年度に係る国税に関するものであるときは、証明を受けようとする事項が未納の税額のみに係る場合を除き、その年度の数に相当する枚数の証明書であるものとして計算するものとする。
読み解くと、次の3つを言っています。
- 1枚400円。オンライン(電子情報処理組織=e-Tax)で請求すれば370円。差は30円です
- 1号と2号は合わせて1枚、3号から6号までは各号ごとに1枚
- 2つ以上の年度にわたるなら、年度の数だけ枚数を数える。ただし未納の税額のみの証明(その3)はこの年度倍しをしない
国税庁の案内は、これを次の算式に直しています。
| 種類 | 書面で請求 | オンラインで請求 |
|---|---|---|
| その1・その2 | 税目数 × 年度数 × 枚数 × 400円 | 税目数 × 年度数 × 枚数 × 370円 |
| その3・その4 | 枚数 × 400円 | 枚数 × 370円 |
その3・その4に税目数も年度数も掛からないのは、条文の側でそう決まっているからです。その3は上の3つめのただし書き(未納の税額のみに係る場合を除く)で年度倍しから外れ、その4は「滞納処分を受けたことがない」という事実の証明なので、そもそも税目に紐づきません。
なお、電子納税証明書(PDFまたはXMLのファイル)で受け取る場合、国税庁は1つの請求に対して1つの電子ファイルで発行するため請求枚数は1枚になる、と案内しています。同じ証明を2部ほしい、という取り方ができないということです。紙で2部要るなら、書面での請求か窓口受取を選ぶことになります。
収入印紙に自分で消印してはいけない
手数料の納め方も政令が決めています。
前項の手数料は、収入印紙を前条第四項の請求書に貼つて、納めなければならない。ただし、国税局又は税務署の事務所において前項の手数料の納付を現金ですることが可能である旨及び当該事務所の所在地を国税庁長官が官報で公示した場合には、当該事務所において現金をもつて納めることができる。
原則は収入印紙で、現金で納められるのは、その事務所で現金納付ができる旨が官報で公示された場合に限られます。実務では窓口で現金が使えることが多いのですが、条文の建て付けとしては現金のほうが例外です。
そして、ここが取り違えやすいところです。貼った収入印紙に消印をするのは、請求する側ではありません。施行規則14条は、消印を税務署長などの側の義務として書いています。
国税局長、税務署長又は税関長は、令第四十一条第四項(納税証明書の交付請求の手続)に規定する請求書が提出された場合において、令第四十二条第一項(納税証明書の交付手数料)に規定する納付すべき手数料の額に相当する金額の収入印紙が貼られていることを確認したときは、その請求書の紙面と収入印紙の彩紋とにかけて明瞭に消印をしなければならない。
契約書に印紙を貼るときの癖で、請求書に貼った収入印紙にも割印を押してしまうことがあります。国税庁は、手数料の収入印紙には消印をしないよう案内しており、消印をしたものは無効になるとしています。条文の側も、消印は税務署長が請求書の紙面と印紙の彩紋にかけて行うものと定めています。郵送で請求する場合は、貼るだけにして送ります。
この「彩紋にかけて」という言い方は、印紙税の消印と同じ発想です。もっとも、ここで貼る収入印紙は手数料の納付手段であって、納税証明書が印紙税の課税文書になるわけではありません。契約書や領収書に貼る印紙税とは、別の話として読んでください。
契約書・領収書の印紙税額を調べる(印紙税額一覧表)手数料が要らない2つの場合
施行令42条3項は、手数料を納めずに交付を請求できる場合を2つ挙げています。
震災、風水害、落雷、火災その他これらに類する災害により財産につき相当な損失を受けた者がその復旧に必要な資金の借入れのために使用する法第百二十三条第一項の証明書については、第一項の手数料の納付を要しないでその交付を請求することができる。生計の維持について困難な状況にある者が法律に定める扶助その他これに類する措置を受けるために使用する当該証明書についても、また同様とする。
ひとつは災害で財産に相当な損失を受けた人が、復旧資金を借りるために使う証明書。もうひとつは生計の維持が困難な人が、法律に定める扶助などを受けるために使う証明書です。どちらも「使用目的」で決まっているので、請求書の使用目的欄の書き方がそのまま効きます。金額としては数百円ですが、被災直後に何枚も証明書を集める場面では効いてきます。
3年より前は証明されない — ただし未納だけは別
ここが、この制度でいちばん問い合わせが多いところです。施行令41条2項は、1項の各号に「該当しないものとする」事項を並べています。つまり、証明の対象から外すリストです。その3号がこう書いています。
法定納期限が第四項の請求書を提出する日の三年前の日の属する会計年度前の会計年度に係る国税(前項第一号の規定の適用については、未納の国税を除く。)
基準になるのは請求書を提出する日です。その日の3年前の日が属する会計年度より前の会計年度に法定納期限がある国税は、証明の対象から外れます。国の会計年度は4月から翌年3月なので、たとえば2026年8月24日に請求すると、3年前の日は2023年8月24日、その日が属する会計年度は2023年度(令和5年度)です。したがって2022年度(令和4年度)以前に法定納期限がある国税は、原則として証明されません。
ただし、末尾のかっこ書きに例外があります。1号(その1)については、未納の国税は除く —— つまり未納だけは、3年より古くても証明の対象に残るということです。納め終わった古い税は証明されないが、納めていない古い税は証明される。証明書の役割を考えれば筋の通った作りです。
その4(滞納処分を受けたことがない証明)にも、同じ3年の線が別の項で引かれています。
次項の請求書を提出する日の三年前の日の属する会計年度前の会計年度において国税につき滞納処分を受けたことがないことは、第一項第五号に掲げる事項に該当しないものとする。
入札や許認可の要件が長い期間を求めていても、その4で証明できる期間は3年の線の内側だけです。条文が「該当しないものとする」と書いている以上、税務署に頼んでも出てきません。提出先の要求期間が3年を超えるときは、何を出せばよいかを提出先に確認する必要があります。
給与から天引きした源泉所得税は載らない
同じ2項の1号は、源泉徴収で徴収する国税を証明の対象から外しています。
所得税法第四編第一章から第五章まで(源泉徴収)又は国際観光旅客税法第十六条第一項(国内事業者による特別徴収等)若しくは第十七条第一項(国外事業者による特別徴収等)の規定により徴収する国税(所得税法第二百二十一条(源泉徴収に係る所得税の徴収)又は国際観光旅客税法第十六条第三項若しくは第十七条第三項の規定により徴収する国税を除く。)
読みにくい構造ですが、要は「源泉徴収して納めた所得税」は納税証明書に出てこないということです。かっこ書きの除外の除外(所得税法221条により徴収するもの)は、源泉徴収義務者が納めなかったために税務署から納税の告知を受けたもの、つまり徴収手続に移った分を指します。
結果として、きちんと毎月納めている源泉所得税ほど納税証明書には現れず、納めなかった分だけが現れるという形になります。「源泉所得税をきちんと納めていることを証明したい」という場面では、通則法の納税証明書ではなく、国税庁が別に案内している源泉徴収に係る所得税等の証明を探すことになります。国税庁自身が、この種の証明書は国税通則法に定める納税証明書とは異なる、と明記しています。
誰の分でも取れるわけではない — 使用目的を書かせる理由
法123条1項には「その者に関するものに限り」という限定があります。自分(法人なら自社)に関するもの以外は請求できません。取引先の納税状況を確かめたい、という使い方はできない仕組みです。
さらに、請求書には使用目的を書く欄があります(施行令41条4項3号)。これは形式的な記入欄ではなく、交付するかどうかの判断に使われます。
国税局長、税務署長又は税関長は、請求に係る第四項の証明書の使用目的が国税又は地方税(国税徴収法第二条第二号(定義)に規定する地方税をいう。)と競合する債権に係る担保権の設定に関するものである場合、当該証明書が法令の規定に基づき国又は地方公共団体に提出すべきものである場合その他その使用目的につき相当の理由があると認める場合において、その証明書を交付するものとする。
条文が挙げているのは3つです。①担保権の設定に関するもの ②法令にもとづき国や地方公共団体に提出すべきもの ③その他、使用目的につき相当の理由があると認めるもの。融資の担保設定、建設業許可や入札参加資格の申請といった典型的な用途は①②に当たります。実務で交付を断られることはまず無いのですが、使用目的欄を空欄にしたり「参考のため」とだけ書いたりすると、確認に手間がかかります。提出先と用途を具体的に書くのが早道です。
なお、代理人が請求することもできますが、国税庁は代理人が業務として納税証明書の請求を行うことは税理士法に規定する税務代理に該当するとしています。家族や従業員が委任状を持って窓口に行くのとは、意味が違うということです。
請求書は税目ごとに1枚 — その3・その4だけ例外
請求書そのものの作り方にも決まりがあります。
前項の請求書は、証明を受けようとする国税の税目の異なるごとに作成しなければならない。ただし、同項第一号の証明を受けようとする事項が第一項第一号に掲げる事項(未納の税額がないことに限る。)又は同項第五号に掲げる事項である場合には、この限りでない。
原則は税目ごとに別の請求書です。法人税と消費税のその1を取るなら、請求書は2枚になります。ただしその3(未納の税額がないこと)とその4(滞納処分を受けたことがない)は、この限りでない —— 税目をまたいで1枚の請求書で足ります。これは手数料の数え方(その3・その4は税目数を掛けない)と一貫しています。
請求書に書く事項は、施行令41条4項が4つ挙げています。証明を受けようとする事項、その事項に応じた年度と税目(または証明を受けようとする期間)、証明書の使用目的、証明書の枚数です。その4だけは「年度と税目」ではなく「期間」を書くのが、条文上の分かれ目です。
ちなみに、施行令41条1項6号の「財務省令で定める事項」は、施行規則13条が中身を書いています。
令第四十一条第一項第六号(納税証明書の交付の請求等)に規定する財務省令で定める事項は、法人税法(昭和四十年法律第三十四号)第六十八条第一項(所得税額の控除)の規定により法人税の額から控除すべき所得税の額その他国税に関する事項で地方税法第十四条の九第二項各号(法定納期限等以前に設定された質権の優先)に掲げる地方税の額の算出のため必要なもの(令第四十一条第一項第一号及び第三号に掲げる事項を除く。)とする。
ここだけ毛色が違って、地方税の額を計算するために必要な国税の情報を証明するための号です。法人住民税の計算に使う所得税額控除の額などが、これに当たります。
国税と地方税は別の証明書
ここまでは国税(法人税・所得税・消費税など)の話です。住民税・事業税・自動車税・固定資産税といった地方税の納税証明書は、まったく別の制度で、根拠条文も窓口も違います。地方税法20条の10がその根拠です。
地方団体の長は、地方団体の徴収金と競合する債権に係る担保権の設定その他の目的で、地方団体の徴収金の納付又は納入すべき額その他地方団体の徴収金に関する事項(この法律又はこれに基づく政令の規定により地方団体の徴収金に関して地方団体が備えなければならない帳簿に登録された事項を含む。)のうち政令で定めるものについての証明書の交付を請求する者があるときは、その者に関するものに限り、これを交付しなければならない。
国税の123条と読み比べると、作りの違いが分かります。国税は使用目的の要件を政令(令41条6項)に置いているのに対し、地方税は「担保権の設定その他の目的で」という形で法律の本文に書いています。「その者に関するものに限り」という限定は、どちらにも共通しています。
もうひとつ大きな違いが手数料です。国税は施行令42条が400円・370円と全国一律に決めていますが、地方税法20条の10には手数料の額を定める規定が置かれていません。地方税の証明書の手数料は、地方自治法にもとづき各自治体の条例で決まります。
普通地方公共団体は、当該普通地方公共団体の事務で特定の者のためにするものにつき、手数料を徴収することができる。
分担金、使用料、加入金及び手数料に関する事項については、条例でこれを定めなければならない。
したがって地方税の納税証明書がいくらかは、自治体によって違います。この記事では金額を書きません(確かめられない数字を書かない方針です)。請求先の自治体のページで確認してください。
| 国税の納税証明書 | 地方税の納税証明書 | |
|---|---|---|
| 根拠 | 国税通則法123条・同施行令41条42条 | 地方税法20条の10 |
| 窓口 | 納税地を所轄する税務署 | 都道府県税事務所・市区町村 |
| 手数料 | 1枚400円(オンライン370円)で全国一律 | 自治体の条例で定める(地方自治法227条・228条1項) |
| 使用目的の要件 | 政令に置かれている(令41条6項) | 法律の本文に書かれている |
入札参加資格や建設業許可では、国税と地方税の両方を求められることがあります。窓口が別なので、同じ日に両方そろえるつもりなら移動の段取りが要ります。なお国税庁は、調達ポータル(デジタル庁)と建設業許可・経営事項審査電子申請システム(国土交通省)を使う申請では、手数料不要で自己の納税情報を自動添付できる仕組みが令和5年1月から始まっていると案内しています。証明書を取りに行く前に、提出先のシステムがこの仕組みに対応していないかを確かめる価値があります。
まとめ
- 手数料は1枚400円、オンラインなら370円(施行令42条1項)。枚数は税目数 × 年度数 × 枚数で数え、その3・その4は税目数も年度数も掛からない
- その1〜その4は国税庁の呼び名で、条文が分けているのは施行令41条1項の6つの号。その3は独立した号ではなく1号のかっこ書きから出ている
- 「納税証明書」という語は国税通則法の本文に一度も出てこない(全文157,211字で1回・それは123条の見出し)
- 請求日の3年前の日が属する会計年度より前は、原則として証明されない。ただし未納の国税は例外で古くても出る
- 源泉徴収して納めた所得税は載らない。載るのは納税の告知を受けたものだけ
- 収入印紙に自分で消印しない。消印は税務署長の義務(施行規則14条)
- 災害で財産に相当な損失を受けた人・生計の維持が困難な人は手数料が不要(同42条3項)
- 地方税の納税証明書は別制度(地方税法20条の10)。手数料は自治体の条例で決まる
よくある質問
Q. 納税証明書の手数料はいくらですか?
A. 国税通則法施行令42条1項により、証明書1枚ごとに400円です。オンライン(e-Tax)で交付請求する場合は370円になります。枚数の数え方も同じ項が決めており、施行令41条1項1号と2号は合わせて1枚、3号から6号までは各号ごとに1枚と数えます。さらに2つ以上の年度にわたる場合は年度の数だけ枚数を数えるため、国税庁の案内では「その1・その2」は税目数×年度数×枚数×400円、「その3・その4」は枚数×400円という算式になっています。法人税と消費税をそれぞれ2年度分そろえるなら、書面で1,600円、オンラインで1,480円です。
Q. その1・その2・その3・その4は何が違いますか?
A. 国税庁の区分では、その1が納付すべき税額・納付した税額・未納税額等の証明、その2が所得金額の証明、その3が未納の税額がないことの証明、その4が証明を受けようとする期間に滞納処分を受けたことがないことの証明です。ただしこの呼び名は法令の用語ではありません。条文が分けているのは国税通則法施行令41条1項の6つの号で、その1とその3はどちらも1号から出ています。その3は1号末尾のかっこ書き「これらの額がないことを含む。」に対応し、独立した号ではありません。その4だけは5号という独立した号を持っています。
Q. 5年前の納税証明書を取ることはできますか?
A. 原則としてできません。国税通則法施行令41条2項3号は、法定納期限が請求書を提出する日の3年前の日が属する会計年度より前の会計年度に係る国税を、証明の対象から外しています。国の会計年度は4月から翌年3月なので、2026年8月に請求する場合、2022年度以前に法定納期限がある国税は証明されません。ただし同号のかっこ書きにより、施行令41条1項1号の適用については未納の国税が除かれます。つまり納め終わった古い税は証明されませんが、未納のまま残っている古い税は3年より前のものでも証明の対象に残ります。
Q. 収入印紙は自分で消印してから出すのですか?
A. 消印はしません。国税通則法施行規則14条は、請求書に手数料相当額の収入印紙が貼られていることを確認したときに、国税局長・税務署長または税関長が請求書の紙面と収入印紙の彩紋にかけて明瞭に消印をしなければならない、と定めています。消印は受け取る側の義務です。国税庁も、収入印紙には消印をしないよう案内しており、消印をしたものは無効になるとしています。契約書に印紙を貼るときの割印と同じつもりで押してしまう間違いが起きやすい場所なので、郵送で請求するときは貼るだけにして送ります。
Q. 給与から天引きした源泉所得税を納めていることを証明できますか?
A. 国税通則法にもとづく納税証明書では証明できません。施行令41条2項1号が、所得税法第4編第1章から第5章まで(源泉徴収)の規定により徴収する国税を証明の対象から外しているためです。かっこ書きで除外されているのは所得税法221条により徴収するもの、つまり納めなかったために納税の告知を受けた分で、これは逆に証明の対象に残ります。源泉徴収に係る所得税等の証明については国税庁が別に案内しており、同庁自身が国税通則法に定める納税証明書とは異なる証明書であると明記しています。
Q. 取引先の納税証明書を取り寄せることはできますか?
A. できません。国税通則法123条1項は「その者に関するものに限り」と限定しており、請求できるのは自分(法人であれば自社)に関する証明書だけです。取引先の納税状況を確かめたい場合は、取引先自身に取得してもらい提示を受ける形になります。なお代理人による請求は可能ですが、国税庁は、代理人が業務として納税証明書の請求を行うことは税理士法に規定する税務代理に該当するとしています。家族や自社の従業員が委任状を持って窓口に行く場合とは扱いが異なります。
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出典
- e-Gov法令検索「国税通則法」(昭和三十七年法律第六十六号)第123条(納税証明書の交付等。1項の交付義務と「その者に関するものに限り」、2項の手数料)。法令API v2 で法令全文(law_revision_id: 337AC0000000066_20260624_508AC0000000046・157,211字)を取得して確認
- 同上の全文を機械で走査し、「納税証明書」の出現が1回のみ(123条の見出し)であること、123条の本文には0回であることを確認(同じ走査で「証明書」は12回ヒット=検索経路が生きていることを対照実験で確かめたうえでの0)
- e-Gov法令検索「国税通則法施行令」(昭和三十七年政令第百三十五号)第41条(納税証明書の交付の請求等。1項の6つの号、2項1号の源泉徴収の除外・3号の3年の線、3項の滞納処分の3年の線、4項の請求書の記載事項、5項の税目ごとの作成、6項の使用目的)、第42条(納税証明書の交付手数料。1項の400円・370円と枚数の数え方、2項の収入印紙、3項の免除)。法令API v2(law_revision_id: 337CO0000000135_20260401_507CO0000000126・59,170字)で取得。号の数は
tools/egov_elm.py --itemsで木構造から計数(41条1項=6号、同4項=4号) - e-Gov法令検索「国税通則法施行規則」(昭和三十七年大蔵省令第二十八号)第13条(納税証明書の交付を請求することができる事項)、第14条(納税証明書に貼られた収入印紙の消印)。法令API v2(law_revision_id: 337M50000040028_20260521_507M60000040025・18,883字)で取得
- 国税庁「G-1 納税証明書の交付請求手続」。納税証明書その1〜その4の証明内容、手数料の算式(その1・その2=税目数×年度数×枚数×400円/370円、その3・その4=枚数×400円/370円)、電子納税証明書は1請求につき1ファイルで請求枚数が1枚になること、収入印紙に消印をしないこと、代理人が業務として請求する場合は税理士法の税務代理に該当すること、調達ポータルおよび建設業許可・経営事項審査電子申請システムでの納税情報の自動添付(令和5年1月から・手数料不要)を確認(生テキストで取得。要約器を通していません)
- e-Gov法令検索「地方税法」(昭和二十五年法律第二百二十六号)第20条の10(納税証明書の交付)、「地方自治法」(昭和二十二年法律第六十七号)第227条(手数料)、第228条1項(分担金等に関する規制及び罰則)。いずれも法令API v2 で取得
この記事は一般的な情報提供であり、個別の事案についての助言ではありません。証明書の種類の選び方、提出先が求める証明内容との対応、地方税の納税証明書の手数料や様式については、提出先、所轄の税務署、自治体の税務担当窓口、または税理士にご確認ください。