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消費税の税率は何パーセント?10%・軽減税率8%と、条文に書いてある7.8%・6.24%

先に結論
  • 消費税の税率は標準10%・軽減8%。ただしこれは国税と地方税を足した数字で、消費税法にその数字は書いていません。
  • 消費税法29条が定めているのは7.8%(標準)と6.24%(軽減)。残りは地方消費税で、地方税法72条の83が「七十八分の二十二」と定めています。
  • 軽減税率8%の対象は別表第一が掲げる2つだけ――飲食料品の譲渡(酒類・外食・ケータリングを除く)と、新聞の定期購読契約に基づく譲渡(週2回以上発行)。
  • そして8%は2種類あります。軽減8%(6.24+1.76)と、令和元年9月30日までの旧税率8%(6.3+1.7)は、合計が同じでも国税と地方の分け方が違います。

「消費税は何パーセントか」という問いには、10%と8%(軽減税率)という答えで実務上ほぼ足ります。値札にも請求書にもその数字を書きます。

ところが消費税法を開くと、10%も8%も出てきません。書いてあるのは 7.8% と 6.24% です。この差は雑学ではなく、申告書を作るときに毎回効いてきます。申告書が計算しているのは国税である 7.8%・6.24% の側で、地方消費税はそこから機械的に按分されるからです。

消費税法に「10%」も「8%」も書いていない

消費税法29条(税率)は、次のように定めています。

消費税の税率は、次の各号に掲げる区分に応じ当該各号に定める率とする。

そして各号が定める率は、標準が百分の七・八、軽減が百分の六・二四です。

一 課税資産の譲渡等(軽減対象課税資産の譲渡等を除く。)、特定課税仕入れ及び保税地域から引き取られる課税貨物(軽減対象課税貨物を除く。) 百分の七・八

足りない分は地方消費税です。地方税法72条の83は次のように定めています。

地方消費税の税率は、七十八分の二十二とする。

ここで大事なのは、地方消費税の課税標準が「売上金額」ではなく「消費税額」だということです。地方税法72条の82がそう定めています。

地方消費税については、第二十条の四の二第一項の規定にかかわらず、消費税額を課税標準額とする。

つまり地方消費税は、国税である消費税額に 22/78 を掛けて求めます。計算すると次のとおりです。

区分国税(消費税法29条)地方消費税(22/78)合計
標準税率7.8%7.8 × 22/78 = 2.2%10%
軽減税率6.24%6.24 × 22/78 = 1.76%8%

どちらもちょうど 10% と 8% になります。22/78 という一見ふしぎな分数は、合計を10%にするという結論から逆算された数字です。

見えている税率と、条文に書いてある税率 標準 10% 国税 7.8% 地方 2.2% = 10% 軽減 8% 国税 6.24% 地方 1.76% = 8% 旧 8% 国税 6.3% 地方 1.7% = 8% 合計は同じ 8% でも、国税と地方の分け方が違う(旧は 63分の17) 申告書で計算するのは、左側(国税)だけ
消費税法29条が定めるのは左側の国税だけ。10%・8%は地方消費税を足した後の数字。

なぜ内訳を分けて持つのか — 申告書は国税だけを計算する

「合計が10%なら、内訳はどうでもいいのでは」と思うかもしれません。しかし消費税の確定申告書は、まず国税(7.8%・6.24%)で税額を確定させ、その国税額に 22/78 を掛けて地方消費税(譲渡割)を出すという順序で作られています。地方税法72条の82が課税標準を「消費税額」としているからです。

そのため、税率ごとの区分は「10%と8%」ではなく、実質的に国税ベースの区分として持っておく必要があります。会計ソフトの税区分が「課税売上10%」「課税売上8%(軽減)」と分かれているのは、最終的にこの2本を別々に集計しないと申告書が作れないためです。

端数処理は税率ごとに1回 請求書に記載する消費税額等の端数処理は、税率ごとに1回だけです。10%と8%が混在する請求書では、10%分をまとめて1回、8%分をまとめて1回。明細ごとに端数処理して合計する方式は認められません。詳しくは 消費税の端数処理 を参照してください。
消費税計算ツールで税込・税抜と端数処理を確かめる

軽減税率8%の対象は、別表第一の2つだけ

軽減税率が適用されるのは「生活必需品」でも「食べ物全般」でもありません。消費税法2条1項9号の2が、対象を条文の別表に丸投げしています。

軽減対象課税資産の譲渡等 課税資産の譲渡等のうち、別表第一に掲げるものをいう。

そして別表第一(第二条関係)が掲げているのは、次の2つだけです。

対象条文が付けている限定
第1号飲食料品の譲渡食品表示法2条1項の「食品」であること。酒税法の酒類は除く。外食(イ)とケータリング(ロ)も除く
第2号新聞の譲渡週2回以上発行されるもので、かつ定期購読契約に基づく譲渡であること

第2号は原文でこう書かれています。

一定の題号を用い、政治、経済、社会、文化等に関する一般社会的事実を掲載する新聞(一週に二回以上発行する新聞に限る。)の定期購読契約(当該新聞を購読しようとする者に対して、当該新聞を定期的に継続して供給することを約する契約をいう。)に基づく譲渡
同じ新聞でも、買い方で税率が変わる 条文が軽減の要件にしているのは、新聞そのものではなく定期購読契約に基づく譲渡であることです。したがって、駅の売店やコンビニで1部だけ買う新聞は、中身が同じでも定期購読契約に基づく譲渡ではないため標準税率10%になります。軽減税率は「モノ」ではなく「取引」に付いていると考えると、この結論に迷いません。

ここから、実務でよく間違えるものの答えも決まります。食品表示法2条1項は「食品」を全ての飲食物と定義したうえで、かっこ書きで医薬品・医薬部外品・再生医療等製品を除き、食品衛生法の添加物を含むとしています。したがって栄養ドリンクでも、医薬部外品として売られているものは軽減対象外です。「口に入るかどうか」ではなく「条文の食品に当たるか」が判定軸になります。

外食の線引きは「業種」ではなく「その場で飲食させたか」

別表第一第1号イが、軽減対象から外す「外食」をこう定義しています。

飲食店業その他の政令で定める事業を営む者が行う食事の提供(テーブル、椅子、カウンターその他の飲食に用いられる設備のある場所において飲食料品を飲食させる役務の提供をいい、当該飲食料品を持帰りのための容器に入れ、又は包装を施して行う譲渡は、含まないものとする。)

この条文には、実務で効く仕掛けが2つ入っています。

1つ目。「政令で定める事業」を受けた消費税法施行令2条の4第1項は、事業の範囲をこう定めています。

法別表第一第一号イに規定する政令で定める事業は、食品衛生法施行令(昭和二十八年政令第二百二十九号)第三十四条の二第二号(小規模な営業者等)に規定する飲食店営業その他の飲食料品(同表第一号に規定する飲食料品をいう。次項において同じ。)をその場で飲食させる事業とする。

「飲食店営業その他の飲食料品をその場で飲食させる事業」と書かれています。つまり飲食店として登録しているかどうかは決め手ではありません。コンビニのイートインも、スーパーの休憩スペースも、フードコートも、飲食設備のある場所でその場で飲食させれば同じ扱いです。

2つ目。イのかっこ書きが、持ち帰りを明示的に除外しています。「持帰りのための容器に入れ、又は包装を施して行う譲渡は、含まないものとする」。だから同じ店の同じ商品でも、テイクアウトなら軽減8%、店内で食べれば標準10%になります。税率を分けているのは商品ではなく、提供の形です。

飲食料品の税率を決める順序 食品表示法の「食品」に当たるか はい いいえ 標準 10%(医薬品・水道水など) 酒税法の「酒類」ではないか はい 酒類 標準 10% 飲食設備のある場所で その場で飲食させる役務か はい 標準 10%(外食・ケータリング) いいえ/持ち帰り 軽減 8% ※ 食品と食品以外が一体で値付けされている場合は、先に一体資産の判定(1万円以下・食品が3分の2以上)
判定の順序。業種ではなく、取引がどの形で行われたかで決まる。

おまけ付きのお菓子はどちらか — 1万円と3分の2

お菓子とおもちゃがセットになった商品のように、食品と食品以外が一体になっているものは一体資産として別に判定します。消費税法施行令2条の3第1号が、次の2つを両方満たすものを飲食料品に含めるとしています。

一体資産の譲渡の対価の額(法第二十八条第一項に規定する対価の額をいう。)が一万円以下であり、かつ、当該一体資産の価額のうちに当該一体資産に含まれる食品に係る部分の価額の占める割合として合理的な方法により計算した割合が三分の二以上のもの
条件基準外れると
対価の額(税抜)1万円以下全体が標準10%
食品部分の価額の割合3分の2以上全体が標準10%

一体資産に当たるかどうかの前提として、条文は「あらかじめ一の資産を形成し、又は構成しているものであつて、当該一の資産に係る価格のみが提示されているものに限る」と限定しています。つまり値段が一体で提示されていることが入口です。食品と食品以外を並べて別々に値付けしているセットは一体資産ではなく、それぞれの税率が適用されます。

「割合」は原価ではなく価額 条文は「価額のうちに……食品に係る部分の価額の占める割合」を、合理的な方法により計算するとしています。仕入原価の比で計算する方法も、それぞれを単独で販売するときの価格の比で計算する方法も、合理的であれば使えます。逆に、根拠を残していないと3分の2の判定そのものを説明できなくなるので、判定に使った計算は保存しておくのが安全です。

8%は2種類ある。内訳が違う

ここが実務でいちばん事故になりやすいところです。帳簿や申告書に出てくる「8%」には2つあり、国税と地方の分け方が違います。

令和元年9月30日まで、消費税法29条はこう書かれていました。

消費税の税率は、百分の六・三とする。

そして当時の地方税法72条の83はこうです。

地方消費税の税率は、六十三分の十七とする。

6.3% に 17/63 を掛けると 1.7%。合わせて 8% です。一方、いまの軽減税率8%は 6.24% + 1.76%。合計は同じ8%でも、国税の取り分が 6.3% と 6.24% で違います。

8%の種類国税地方消費税いつの取引か
軽減税率8%6.24%1.76%(22/78)令和元年10月1日以後の、飲食料品・新聞
旧税率8%6.3%1.7%(17/63)令和元年9月30日までの取引、および経過措置が適用される取引

経過措置(一定の日より前に契約した工事の請負や資産の貸付けなど)が適用される取引は、令和元年10月1日以後に引き渡しても旧税率8%のままです。この取引を軽減税率8%として集計すると、合計税額は合っているのに国税と地方消費税の按分がずれます。消費税の確定申告書に旧税率用の欄が別に用意されているのは、このためです。

会計ソフトの税区分を「8%」でひとくくりにしない 会計ソフトの税区分に「課税売上8%(軽減)」と「課税売上8%(旧)」が別々に用意されているのは、見た目の親切ではなく必要だからです。旧税率の取引が残っているなら、税区分を分けて入力してください。合計だけを見ていると、集計時点では最後まで気づけません。

10%はいつから? 別表第一は中身が丸ごと入れ替わった

標準税率10%と軽減税率8%は、どちらも令和元年(2019年)10月1日から適用されています。税率引上げは平成24年法律第68号、軽減税率の導入は平成28年法律第15号によるもので、消費税法の施行版はこの日に切り替わっています。

ここで、条文を後から参照する人がはまる落とし穴があります。この改正で「別表第一」の中身が丸ごと入れ替わりました。

別表令和元年9月30日まで令和元年10月1日から
別表第一非課税となる資産の譲渡等(第六条関係)軽減対象課税資産の譲渡等(第二条関係)
別表第二非課税となる外国貨物(第六条関係)非課税となる資産の譲渡等(第六条関係)

つまり、令和元年より前に書かれた資料が「別表第一に掲げる非課税取引」と書いていても、それは誤りではありません。当時は正しかったのです。しかしいまの条文で別表第一を引くと、まったく逆の意味(軽減対象=課税)になります。

条文は「番号」ではなく「見出し+施行日」で控える 番号だけをメモに残すと、改正後に開いたとき別の制度を指していることがあります。別表第一はその典型で、非課税リストから軽減対象リストへ入れ替わりました。社内マニュアルやチェックリストに条文番号を書くなら、「消費税法 別表第一(軽減対象・令和元年10月1日以後)」のように、何の見出しで、いつの版かまで書いておくと、数年後に読む人が助かります。

「軽減税率」は消費税だけの言葉ではない

最後に、検索でよく混線する点にふれておきます。「軽減税率」という語は消費税に固有のものではありません。税目ごとに、標準より低い税率を軽減税率と呼びます。

税目「軽減税率」が指すもの
消費税飲食料品・新聞に対する8%(この記事の主題)
法人税中小法人の年800万円以下の所得に対する15%(本則19%)
印紙税不動産譲渡契約書・建設工事請負契約書に対する軽減後の税額
所得税(譲渡所得)所有期間10年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例

社内で「軽減税率の件」とだけ言われたら、まずどの税目の話かを確認してください。消費税の8%と法人税の15%では、担当も期限も資料もまったく別物です。

よくある質問

Q. 消費税は結局、何パーセントですか?

A. 標準税率が10%、軽減税率が8%です。ただしこれは国税(消費税)と地方税(地方消費税)を合わせた数字で、消費税法29条が定めているのは7.8%と6.24%だけです。地方消費税は地方税法72条の83で「七十八分の二十二」と決まっており、7.8%×22/78=2.2%、6.24%×22/78=1.76%を足して10%と8%になります。請求書や値札に書くのは合計の10%・8%で問題ありませんが、申告書で計算するのは7.8%・6.24%の側です。

Q. 軽減税率8%の対象になるものは何ですか?

A. 消費税法の別表第一が掲げる2つだけです。1つ目が飲食料品の譲渡(酒類と外食・ケータリングを除く)、2つ目が新聞の定期購読契約に基づく譲渡(週2回以上発行されるものに限る)です。食品表示法2条1項が「食品」から医薬品・医薬部外品・再生医療等製品を除いているため、同じ栄養ドリンクでも医薬部外品として売られているものは軽減対象外です。生活必需品だから軽減になるのではなく、条文に列挙されたものだけが軽減になります。

Q. テイクアウトが8%で店内飲食が10%なのは、なぜですか?

A. 別表第一第1号イが、飲食設備のある場所で飲食させる役務の提供を軽減の対象から外しているためです。同じイのかっこ書きが「当該飲食料品を持帰りのための容器に入れ、又は包装を施して行う譲渡は、含まないものとする」と定めているので、持ち帰りは除外されず軽減8%が残ります。決め手は業種ではなく、飲食設備のある場所で飲食させる役務なのか、単なる飲食料品の譲渡なのかという取引の中身です。

Q. おもちゃ付きのお菓子は8%ですか、10%ですか?

A. 一体資産に当たるかどうかで決まります。消費税法施行令2条の3第1号は、価格が一体で提示されているものについて、税抜の対価が1万円以下であり、かつ全体の価額のうち食品部分の価額の占める割合が3分の2以上であれば、全体を飲食料品として扱うとしています。どちらか一方でも外れれば全体が標準税率10%です。なお、食品と食品以外を単に組み合わせて別々に値付けしている場合は一体資産ではなく、それぞれの税率が適用されます。

Q. 帳簿の8%はすべて軽減税率と考えてよいですか?

A. いいえ。8%には内訳の違う2つがあります。軽減税率8%は国税6.24%+地方1.76%ですが、令和元年9月30日までの旧税率8%は国税6.3%+地方1.7%です(旧消費税法29条・旧地方税法72条の83の63分の17)。合計は同じ8%でも国税と地方の分け方が違うため、申告書でも欄が分かれています。経過措置で旧税率が適用される取引が残っている場合は、軽減8%と同じ欄に混ぜないでください。

出典

本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。個別の判断は税務署・税理士にご確認ください。

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