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配偶者控除・配偶者特別控除はいくらか — 38万円が3万円まで下がる仕組みを条文で

主な例外: このページの給与収入への換算は、収入が給与だけで特定支出控除の適用がない場合です。特定支出控除を適用する場合は、給与収入への換算額が異なります。

結論から言うと、配偶者控除は38万円・26万円・13万円の3段階(配偶者が70歳以上の老人控除対象配偶者なら48万円・32万円・16万円)です。この3段階を決めているのは配偶者の収入ではなく、控除を受ける本人の合計所得金額で、900万円・950万円・1,000万円が区切りになります。本人の合計所得金額が1,000万円を超えると、配偶者の収入がいくら少なくても配偶者控除は使えません。

そして配偶者の所得が要件を超えたときに引き継ぐのが配偶者特別控除で、こちらは38万円から3万円まで9段階で落ちていきます。よく見かける早見表はそのとおりなのですが、所得税法にはあの表そのものが書かれていません。条文にあるのは「93万1円」という見慣れない定数を使った1本の計算式だけで、表はそこから機械的に出てくる結果です。

早見表は所得税法83条の2の式の結果です。あわせて、毎月の給与から引かれる源泉徴収だけ基準が95万円と違うこと、夫婦が互いに配偶者特別控除を取ることはできないこと、年の途中で配偶者が亡くなった年はどう扱うかという、実務で結論が変わる論点を扱います。自分の場合にいくら税金が安くなるかの試算は配偶者控除・配偶者特別控除シミュレーターが担当します。

配偶者控除はいくらか(38万円・26万円・13万円)

配偶者控除の額は所得税法83条1項が直接決めています。読むと分かるとおり、金額を決めているのは「本人の合計所得金額」だけです。

居住者が控除対象配偶者を有する場合には、その居住者のその年分の総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額から次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額を控除する。

一 その居住者の……合計所得金額……が九百万円以下である場合 三十八万円(その控除対象配偶者が老人控除対象配偶者である場合には、四十八万円)

二 その居住者の合計所得金額が九百万円を超え九百五十万円以下である場合 二十六万円(その控除対象配偶者が老人控除対象配偶者である場合には、三十二万円)

三 その居住者の合計所得金額が九百五十万円を超え千万円以下である場合 十三万円(その控除対象配偶者が老人控除対象配偶者である場合には、十六万円)

(所得税法83条1項)

配偶者控除の額(所得税法83条1項)
控除を受ける本人の合計所得金額一般の控除対象配偶者老人控除対象配偶者(70歳以上)
900万円以下38万円48万円
900万円超 950万円以下26万円32万円
950万円超 1,000万円以下13万円16万円
1,000万円超適用なし

「老人控除対象配偶者」は年齢70歳以上の控除対象配偶者を指します(所得税法2条1項33号の3)。年齢もその年の12月31日で判定するので、12月31日に70歳になっていれば、その年分から48万円です。

控除額は「税金が安くなる額」ではありませんこれは所得から差し引く額であって、還付される金額ではありません。実際に減る所得税は「控除額×その人の税率」です。所得税の税率が10%の人なら38万円の配偶者控除で減るのは約3.8万円で、住民税側の配偶者控除(地方税法34条1項10号・33万円、老人控除対象配偶者は38万円)による効果が別に加わります。

控除対象配偶者の4つの要件と、判定は12月31日

控除対象配偶者に当たるかどうかは、次の4つをすべて満たすかで決まります。国税庁も同じ4項目で説明しています。

  1. 民法の規定による配偶者であること。いわゆる内縁関係の人は該当しません。
  2. 納税者と生計を一にしていること。同居は要件ではありません。単身赴任や仕送りでも該当し得ます。
  3. 年間の合計所得金額が58万円以下であること(令和7年分。令和8年分は62万円以下)。給与だけなら、令和7年分は給与収入123万円以下、令和8年分は136万円以下です。
  4. 青色申告者の事業専従者として一度も給与の支払を受けていない、または白色申告者の事業専従者でないこと。

4番目は所得税法2条1項33号の括弧書きに書かれていて、この人たちは所得がいくら低くても定義から外れます。家族の事業を手伝って専従者給与をもらっている配偶者は、配偶者控除も配偶者特別控除も使えません(配偶者特別控除の側は83条の2第1項の括弧書きで同じく除かれています)。

そして判定の時期です。所得税法85条3項が、配偶者に該当するかどうかはその年12月31日の現況で決めると定めています。

……その者が居住者の老人控除対象配偶者若しくはその他の控除対象配偶者若しくはその他の同一生計配偶者若しくは第八十三条の二第一項(配偶者特別控除)に規定する生計を一にする配偶者……に該当するかどうかの判定は、その年十二月三十一日の現況による。

ただし、その判定に係る者がその当時既に死亡している場合は、当該死亡の時の現況による。

(所得税法85条3項)

このただし書きが実務では効きます。年の途中で配偶者が亡くなった年は、12月31日に配偶者がいないから対象外、とはなりません。死亡の時の現況で判定するので、その時点で要件を満たしていればその年分の配偶者控除は使えます。逆に12月に入ってから結婚した場合も、12月31日時点で要件を満たせばその年分から使えます。

「103万円の壁」は年分で123万円と136万円に分かれる

配偶者控除の所得要件は、令和7年分が「合計所得金額58万円以下」、令和8年分が「62万円以下」です。給与収入に直す数字は年分で違います。令和7年分は所得税法28条3項1号が給与収入190万円以下なら給与所得控除を一律65万円と定めているので、58万円+65万円=123万円です。

一 前項に規定する収入金額が百九十万円以下である場合 六十五万円

(所得税法28条3項1号)

国税庁が「給与のみの場合は給与収入が123万円以下(令和6年分以前は103万円以下)」と書いているのは、この令和7年分の足し算です。長く言われてきた「103万円の壁」は、48万円 + 55万円 = 103万円だった時代の数字です。

令和8年分は入口が62万円に上がり、給与所得控除も租税特別措置法29条の4で収入220万円以下なら定額74万円になります。62万円+74万円=令和8・9年分、給与所得のみ・特定支出控除なしの場合の給与収入136万円が、同じサイトの年末調整の書き方と同じラインです。所得税法本則の12月1日施行版だけを見ると給与所得控除は69万円(62万円+69万円=131万円)ですが、令和8・9年分に使うのは措法の74万円です。

ただし「壁」は1本ではありませんここで説明している123万円(令和7年分)と136万円(令和8年分)は配偶者控除の壁です。社会保険の壁(家族の被扶養者から外れる目安の130万円。勤務先の社会保険に入るかどうかは年収ではなく週20時間以上などの加入要件で決まり、月8.8万円=いわゆる106万円の賃金の要件は2026年10月1日に撤廃されました)、本人に所得税がかかり始める壁は、それぞれ別の制度の別の基準で、金額も判定方法も違います。壁の全体像は年収の壁 早見表で扱っています。

配偶者特別控除の早見表(38万円から3万円まで)

配偶者の合計所得金額が控除対象配偶者の上限(令和7年分は58万円、令和8年分は62万円)を超えると、配偶者控除ではなくなりますが、そこで控除がゼロになるわけではありません。所得税法83条の2の配偶者特別控除が、合計所得金額133万円以下までを段階的に受け止めます。

配偶者特別控除の額(令和8年分・所得税法83条の2。令和7年分は下限が58万円超)
配偶者の合計所得金額本人 900万円以下本人 900万円超 950万円以下本人 950万円超 1,000万円以下
62万円超 95万円以下38万円26万円13万円
95万円超 100万円以下36万円24万円12万円
100万円超 105万円以下31万円21万円11万円
105万円超 110万円以下26万円18万円9万円
110万円超 115万円以下21万円14万円7万円
115万円超 120万円以下16万円11万円6万円
120万円超 125万円以下11万円8万円4万円
125万円超 130万円以下6万円4万円2万円
130万円超 133万円以下3万円2万円1万円
133万円超適用なし

ここで押さえておきたいのは、配偶者の合計所得金額が95万円までは配偶者控除と同じ38万円が満額で出ることです。給与だけなら、令和7年分は95万円+65万円=給与収入160万円まで、令和8年分は95万円+74万円=給与収入169万円まで、控除額は38万円のまま動きません。「壁を超えたら損」という理解は正確ではなく、所得95万円(令和8年分なら給与収入169万円)までは控除額が減らないのが実際の形です。

38万円 36 31 26 21 16 11 6 3 0 〜95万 100万 105万 110万 115万 120万 125万 130万 133万 超 配偶者の合計所得金額(本人の合計所得金額が900万円以下の場合) 62万円以下は配偶者控除(38万円) 62万円超133万円以下は配偶者特別控除
令和8年分の控除額は62万円で切れるのではなく、95万円までは38万円のまま続き、そこから5万円刻みで落ちていく。

条文に表は無い ― 「93万1円」が表を作っている

ここが、多くの解説が飛ばすところです。所得税法83条の2に、上の早見表は書かれていません。条文にあるのは次の1本の式だけです。

ロ 合計所得金額が九十五万円を超え百三十万円以下である配偶者

三十八万円からその配偶者の合計所得金額のうち九十三万一円を超える部分の金額(当該超える部分の金額が五万円の整数倍の金額から三万円を控除した金額でないときは、五万円の整数倍の金額から三万円を控除した金額で当該超える部分の金額に満たないもののうち最も多い金額とする。)を控除した金額

(所得税法83条の2第1項1号ロ)

読み解くと、こうなります。まず配偶者の合計所得金額から93万1円を引きます。次にその余りを「5万円の整数倍から3万円を引いた金額」=2万円、7万円、12万円、17万円……という飛び飛びの値へ切り下げます。最後にそれを38万円から引きます。

たとえば配偶者の合計所得金額が100万円ちょうどなら、100万円 − 93万1円 = 6万9,999円。これを切り下げると2万円になるので、控除額は38万円 − 2万円 = 36万円。早見表の「95万円超100万円以下 → 36万円」と一致します。

93万1円という半端な定数は、この切り下げの区切りを95万円・100万円・105万円……にぴったり合わせるために置かれています。合計所得金額が95万円ちょうどのとき余りは1万9,999円で切り下げると0円になり満額38万円、95万1円になると余りがちょうど2万円になって36万円に落ちる。1円単位で境界が作り込まれているわけです。

配偶者の 合計所得金額 − 93万1円 (超える部分を出す) 2万・7万・12万…へ 切り下げる 38万円から 引く 例:配偶者の合計所得金額が100万円のとき 1,000,000円 69,999円 20,000円 36万円 早見表の「95万円超100万円以下 → 36万円」は、この計算の結果として出てくる。
所得税法83条の2第1項1号ロの計算手順。条文には表ではなく、この式が置かれている。
早見表は83条の2の式の結果9段階×本人の所得3区分は、上の式と後述の3分の2・3分の1の規定から出ます。国税庁タックスアンサーNo.1195の表と同じです。早見表は暗記するものではなく、条文から導ける結果だということです。

本人の所得で3分の2・3分の1に切られ、端数は切り上げる

ここまでは本人の合計所得金額が900万円以下の場合です。900万円を超えるとどうなるかも、条文は表ではなく計算方法で書いています。

二 その居住者の合計所得金額が九百万円を超え九百五十万円以下である場合 その居住者の配偶者の前号イからハまでに掲げる区分に応じそれぞれ同号イからハまでに定める金額の三分の二に相当する金額(当該金額に一万円未満の端数がある場合には、これを切り上げた金額)

三 その居住者の合計所得金額が九百五十万円を超え千万円以下である場合 ……三分の一に相当する金額(当該金額に一万円未満の端数がある場合には、これを切り上げた金額)

(所得税法83条の2第1項2号・3号)

つまり右2列は、左列の金額を3分の2・3分の1にして1万円単位に切り上げただけです。38万円 × 2/3 = 25万3,333円 → 切り上げて26万円。38万円 × 1/3 = 12万6,666円 → 13万円。早見表の1行目がそのまま出てきます。

端数処理が切り上げである点は覚えておく価値があります。税額計算の端数処理は切り捨てが多いなかで、ここは納税者に有利な側へ倒す規定になっています。

源泉控除対象配偶者だけ、基準が95万円で違う

実務でいちばん混乱するのがここです。所得税法2条1項には配偶者に関する定義が4つ並んでいて、そのうち1つだけ基準が違います。

所得税法2条1項が定める4つの配偶者(現行・令和8年8月12日施行版)
用語配偶者の合計所得金額本人の合計所得金額使う場面
同一生計配偶者(33号)62万円以下(令和8年分)制限なし障害者控除などの判定
控除対象配偶者(33号の2)62万円以下(令和8年分)1,000万円以下配偶者控除
老人控除対象配偶者(33号の3)62万円以下(70歳以上・令和8年分)1,000万円以下配偶者控除の上乗せ
源泉控除対象配偶者(33号の4)95万円以下900万円以下毎月の源泉徴収

三十三の四 源泉控除対象配偶者 居住者(合計所得金額が九百万円以下であるものに限る。)の配偶者でその居住者と生計を一にするもの(青色事業専従者等を除く。)のうち、合計所得金額が九十五万円以下である者をいう。

(所得税法2条1項33号の4)

源泉控除対象配偶者は、扶養控除等申告書に書いて毎月の給与から引かれる源泉所得税を減らすための区分です。基準が95万円になっているのは、配偶者特別控除が満額38万円出る範囲と揃えてあるからで、「毎月の天引きが減っている=配偶者控除が受けられる」ではありません。

令和8年分に配偶者の合計所得金額が62万円超95万円以下の人は、源泉控除対象配偶者ではあっても控除対象配偶者ではないので、年末調整や確定申告で受けるのは配偶者控除ではなく配偶者特別控除です。控除額はどちらも38万円なので結果の税額は同じですが、書く欄が違います。書類の書き方は年末調整の書き方で扱っています。

扶養控除等申告書に書く事項と、毎月の税額表での数え方は、源泉控除対象配偶者とはの記事で扱っています。

配偶者控除・配偶者特別控除シミュレーターで、自分の場合いくら税金が安くなるか計算する

間違えやすい5つの場面

1. 夫婦がお互いに配偶者特別控除を取ることはできません。共働きで二人とも所得が133万円以下という場合に起こりがちですが、83条の2第2項1号が明文で禁じています。

前項の規定は、同項に規定する生計を一にする配偶者が、次に掲げる場合に該当するときは、適用しない。

一 当該配偶者が前項に規定する居住者として同項の規定の適用を受けている場合

(所得税法83条の2第2項1号)

2. 配偶者控除と扶養控除を両取りすることもできません。85条4項が、同一生計配偶者と他の人の扶養親族の両方に当たる場合はどちらか一方にのみ該当するものとみなすと定めています。二世帯で同じ人を重ねて申告することはできません。

3. 内縁関係は対象外です。要件が「民法の規定による配偶者」なので、事実婚・内縁では配偶者控除も配偶者特別控除も使えません。生計を一にしていても変わりません。

4. 配偶者が障害者なら、配偶者控除とは別枠で障害者控除があります。障害者控除27万円(特別障害者40万円、同居特別障害者75万円)は配偶者控除に加えて控除できます。しかもこちらの判定に使うのは同一生計配偶者なので、本人の合計所得金額が1,000万円を超えて配偶者控除が使えない場合でも、障害者控除の側は別に検討する余地があります。

5. 「合計所得金額」は繰越控除の前で見ます。所得税法2条1項30号が、合計所得金額を「純損失の繰越控除および雑損失の繰越控除の規定を適用しないで計算した場合における総所得金額、退職所得金額および山林所得金額の合計額」と定義しています。前年からの繰越損失で課税所得がゼロになっている年でも、繰越控除前の金額で判定されるので注意が要ります。

令和8年分の給与収入換算は136万円(措法29条の4)

所得税法の令和8年12月1日施行版では、同一生計配偶者の所得要件が58万円以下から62万円以下へ、本則の給与所得控除の最低保障額が65万円から69万円へ変わります。配偶者控除の額(38万円・26万円・13万円)と配偶者特別控除の表(95万円・130万円・133万円の区切りと93万1円の式)は、現行版と令和8年12月1日施行版で1文字も変わっていません。動くのは入口の判定額です。

ただし令和8・9年分の給与所得控除は、本則の69万円ではなく租税特別措置法29条の4です。収入220万円以下なら定額74万円なので、給与収入に直すと62万円+74万円=136万円です。本則だけを足すと131万円になりますが、年末調整で使うのは措法側です。

配偶者控除の入口(所得要件と給与収入換算)
項目令和7年分令和8年分
同一生計配偶者の所得要件(2条1項33号)58万円以下62万円以下
給与所得控除の最低保障(本則28条3項1号)65万円69万円
給与所得控除の最低保障(措法29条の4)(適用なし)74万円(収入220万円以下)
給与収入に直すと123万円136万円(本則だけなら131万円)
配偶者控除の額(83条1項)38万円・26万円・13万円(変更なし)
配偶者特別控除の区切りと式(83条の2)95万円・130万円・133万円/93万1円(変更なし)
源泉控除対象配偶者(2条1項33号の4)95万円以下(変更なし)
施行日が12月1日なのには理由があります前回の改正でも同じ形が使われました。国税庁はタックスアンサーNo.1191・No.1195の注記で、58万円という金額について「令和7年12月1日に施行され、令和7年分から適用される金額です」と明記しています。年末調整が始まる直前に施行して、その年分から適用する組み立てです。令和8年12月1日施行の所得要件62万円も、国税庁No.1191で令和8年分から適用すると確認できます。秋に配る扶養控除等申告書の裏面が58万円・123万円のままなのは、様式が改正前に作られているためです。

よくある質問

配偶者控除はいくらですか?

控除を受ける本人の合計所得金額が900万円以下なら38万円、900万円超950万円以下なら26万円、950万円超1,000万円以下なら13万円です。配偶者が70歳以上の老人控除対象配偶者ならそれぞれ48万円・32万円・16万円になります。本人の合計所得金額が1,000万円を超えると適用できません(所得税法83条1項)。

パート収入がいくらまでなら配偶者控除を受けられますか?

配偶者の合計所得金額が要件です。令和7年分は58万円以下で、給与だけなら給与収入123万円以下(給与所得控除65万円。所得税法28条3項1号)。令和8年分は62万円以下で、令和8・9年分、給与所得のみ・特定支出控除なしなら給与収入136万円以下です。令和8・9年分の給与所得控除は、収入220万円以下なら定額74万円(租税特別措置法29条の4)なので、62万円+74万円=136万円になります。(給与収入への換算は、収入が給与だけで特定支出控除の適用がない場合です。)

給与収入の壁を超えたら控除はゼロになりますか?

なりません。配偶者特別控除に引き継がれ、配偶者の合計所得金額が95万円までは控除額38万円のまま変わりません。給与だけなら、令和7年分は給与収入160万円まで、令和8年分は169万円まで(95万円+給与所得控除74万円)です。そこから5万円刻みで36万円・31万円・26万円と下がっていき、合計所得金額133万円を超えたところでゼロになります。

早見表の36万円や31万円という数字はどこから来ているのですか?

所得税法83条の2第1項1号ロの計算式から出てきます。配偶者の合計所得金額から93万1円を引き、その余りを2万円・7万円・12万円…という飛び飛びの値へ切り下げ、38万円から引く、という手順です。合計所得金額100万円なら余り6万9,999円を2万円へ切り下げて38万円−2万円=36万円になります。条文に早見表そのものは書かれていません。

夫婦のどちらも所得が133万円以下なら、お互いに配偶者特別控除を受けられますか?

受けられません。所得税法83条の2第2項1号が、配偶者の側がすでに配偶者特別控除の適用を受けている場合には適用しないと定めており、双方が取ることはできません。どちらが受けるかを選ぶことになります。

年の途中で配偶者が亡くなった年は、配偶者控除を受けられますか?

一般に受けられます。所得税法85条3項の本文は12月31日の現況で判定すると定めていますが、ただし書きが、判定に係る者がその時点で既に死亡している場合は死亡の時の現況によると定めているためです。死亡の時点で所得要件などを満たしていれば、その年分の控除の対象になります。

配偶者が家業を手伝って専従者給与をもらっています。所得が少なければ対象になりますか?

なりません。青色事業専従者として給与の支払を受けている人と白色申告の事業専従者は、所得税法2条1項33号の括弧書きで同一生計配偶者の定義から除かれ、配偶者特別控除も83条の2第1項の括弧書きで除かれています。所得の多い少ないにかかわらず、どちらの控除も使えません。

次に読む

出典

e-Gov法令検索で所得税法(令和8年8月12日施行の現行版および令和8年12月1日施行版)を条単位で確認し、国税庁タックスアンサーNo.1191・No.1195と突き合わせて作成。

本記事の確認範囲は、所得税法83条の配偶者控除額、83条の2の配偶者特別控除の計算方法と不適用事由、2条1項30号の合計所得金額の定義、同項33号から33号の4までの配偶者の定義、28条3項の給与所得控除額、租税特別措置法29条の4の令和8・9年分の特例、85条の判定時期と重複排除、86条の基礎控除額、および国税庁タックスアンサーNo.1191・No.1195に記載された控除額の表と要件です。住民税側の配偶者控除・配偶者特別控除の額、非居住者である配偶者に係る証明書類の要件、公的年金等を受給している配偶者の所得計算、社会保険の被扶養者認定の基準は確認していません。給与収入から合計所得金額への換算は、令和7年分は所得税法28条3項、令和8年分は同項に加えて措法29条の4によるものであり、別表第五による場合の1円単位の当てはめは確認していません。

この記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の事案に対する助言ではありません。実際に適用できる控除の種類と金額は、配偶者と本人それぞれの所得の内訳、年齢、障害の有無、生計を一にするかどうかなどの具体的な事実によって決まります。個別の判断については税務署または税理士へご確認ください。

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