経理ミニツールズ

配偶者控除・配偶者特別控除シミュレーター

配偶者を扶養していると、配偶者控除または配偶者特別控除で所得税・住民税が安くなります。あなたの所得区分配偶者の年収(パート給与または所得)を入れるだけで、どちらの控除がいくら受けられ、年間いくら税金が下がるかを自動計算します。令和8年分の新基準(配偶者の所得62万円・給与収入136万円。令和8年度改正で引き上げ)に対応しています。

配偶者控除は、合計所得金額62万円以下(給与収入だけなら136万円以下)の配偶者がいる人の所得から最大38万円(70歳以上の配偶者は最大48万円)を差し引く所得控除です。配偶者の所得が62万円を超えても、133万円以下までは配偶者特別控除が段階的に受けられます。上の計算機で、あなたの所得区分と配偶者の年収から、どちらの控除がいくら受けられ、所得税・住民税が年間いくら下がるかが出せます。以下では、控除額の表(所得税・住民税)、要件、そして「103万円・150万円の壁」がいまどうなったかまで、一次資料(国税庁・条文)にもとづいて解説します(一般的な計算方法の説明であり、個別の税務相談ではありません)。

使い方と注意点

「あなたの合計所得金額」と「課税される所得金額」は別の数字です 控除額の区分(900万円以下かどうか)は合計所得金額(収入から給与所得控除などを引いた所得の合計。所得控除を引く前)で決まり、節税額は課税される所得金額(そこから基礎控除・社会保険料控除などの所得控除をすべて引いた後)で決まります。源泉徴収票なら、合計所得金額は「給与所得控除後の金額」、課税される所得金額は「給与所得控除後の金額」から「所得控除の額の合計額」を引いた額です。すでに配偶者控除が引かれた後の課税所得を入れると二重に引くことになるため、「配偶者控除を引く前」の課税所得を入れると正確です。

このツールの前提

控除額は国税庁の表(No.1191・No.1195の令和7年分以降の表)と地方税法の条文をそのまま参照データに持ち、所得税は国税庁の所得税の速算表で計算します。控除で税率の段をまたぐ場合も、速算表の差をとって超過累進を正しく反映します。住民税の所得割は一律10%として概算します。配偶者控除・配偶者特別控除は所得税と住民税で控除額が違う(例: 一般の配偶者控除は所得税38万円・住民税33万円)ため、住民税の減少は住民税側の控除額で計算します。復興特別所得税(所得税額の2.1%)の減少も含めています。配偶者の給与収入は、令和8・9年分は収入220万円以下なら給与所得控除が定額74万円(租税特別措置法29条の4の特例)なので「収入−74万円」で所得に換算します(このツールでの換算は219万円以下まで)。219万円を超える場合は控除額の計算が変わるため、このツールでは合計所得金額での入力をお願いしています(黙って概算しません)。

本ツールの結果は目安です。実際の税額は、他の所得控除や税額控除、お住まいの市区町村などによって変わります。申告の前に税務署・税理士でご確認ください。

配偶者控除の金額 — 最大38万円(老人配偶者48万円)

配偶者の合計所得金額が62万円以下(給与収入だけなら136万円以下)のときは配偶者控除です。控除額は、控除を受けるあなた自身の合計所得金額で3段階に分かれ、1,000万円を超えると受けられません。70歳以上(その年12月31日時点)の配偶者は「老人控除対象配偶者」として増額されます。所得税と住民税で金額が違う点に注意してください。

あなたの合計所得金額一般の控除対象配偶者老人控除対象配偶者(70歳以上)
所得税住民税所得税住民税
900万円以下38万円33万円48万円38万円
900万円超950万円以下26万円22万円32万円26万円
950万円超1,000万円以下13万円11万円16万円13万円
1,000万円超適用なし(配偶者特別控除も受けられません)

あなたの合計所得金額900万円は、給与収入だけなら1,095万円に当たります(収入850万円超の給与所得控除は上限195万円のため)。同様に950万円は給与収入1,145万円、1,000万円は1,195万円です。上の計算機の区分選択にもこの給与収入のめやすを載せています。

配偶者特別控除の金額 — 配偶者の所得で9段階

配偶者の合計所得金額が62万円を超えても、133万円以下までは配偶者特別控除が受けられます。控除額は配偶者の所得が増えるほど階段状に減ります。次の表は所得税の控除額です(帯ごとの金額は国税庁No.1195と同じ=令和8年度改正でも変更なし。下限だけ58万円から62万円に変わりました)。

配偶者の合計所得金額給与収入のめやすあなたの所得
900万円以下
900万円超
950万円以下
950万円超
1,000万円以下
62万円超95万円以下136万円超169万円以下38万円26万円13万円
95万円超100万円以下169万円超174万円以下36万円24万円12万円
100万円超105万円以下174万円超179万円以下31万円21万円11万円
105万円超110万円以下179万円超184万円以下26万円18万円9万円
110万円超115万円以下184万円超189万円以下21万円14万円7万円
115万円超120万円以下189万円超194万円以下16万円11万円6万円
120万円超125万円以下194万円超199万円以下11万円8万円4万円
125万円超130万円以下199万円超204万円以下6万円4万円2万円
130万円超133万円以下204万円超207万円以下3万円2万円1万円

住民税の配偶者特別控除は最大33万円

住民税(地方税法314条の2)では、配偶者の合計所得金額100万円以下の帯の控除額が33万円(あなたの所得900万円超950万円以下なら22万円・950万円超1,000万円以下なら11万円)になります。つまり所得税で38万円・36万円の帯だけ住民税は33万円に頭打ちで、100万円超の帯は所得税と同じ金額です。このツールは住民税の減少を住民税側の控除額で計算しています。

配偶者の所得と控除額(所得税・あなたの合計所得900万円以下) 38万円 0円 ← 配偶者控除 配偶者特別控除 → 62万 95万 133万 配偶者の合計所得金額(給与収入なら「+74万円」)
配偶者の合計所得95万円(給与収入169万円)までは控除38万円で満額のまま。95万円を超えると階段状に減り、133万円を超えると0円になる。

要件 — 配偶者の所得62万円以下(給与なら136万円)

配偶者控除の対象になる「控除対象配偶者」は、その年の12月31日時点で、次の4つの要件すべてに当てはまる人です(加えて、控除を受けるあなたの合計所得金額が1,000万円以下であることが必要です)。

  1. 民法の規定による配偶者であること(内縁関係の人は該当しません)
  2. 納税者と生計を一にしていること
  3. 年間の合計所得金額が62万円以下であること(給与収入だけなら136万円以下。令和7年分の58万円から、令和8年度改正で62万円に引き上げ)
  4. 青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと、または白色申告者の事業専従者でないこと

配偶者特別控除は、配偶者の合計所得金額が62万円超133万円以下で、上の1・2・4を満たすときに受けられます。さらに次の要件があります。

  1. 控除を受けるあなたの合計所得金額が1,000万円以下であること
  2. 配偶者が配偶者特別控除を適用していないこと(夫婦の間で互いに受けることはできません)
  3. 配偶者が、扶養控除等申告書に記載された源泉控除対象配偶者がある居住者として源泉徴収されていないこと(給与・公的年金とも。配偶者が年末調整や確定申告で配偶者特別控除の適用を受けなかった場合等を除く)

「103万円以下」「123万円以下」は古い情報です — 令和8年分は給与収入136万円以下

配偶者控除の所得要件は、令和7年度税制改正で48万円以下から58万円以下(給与収入123万円以下)になり、さらに令和8年度税制改正で62万円以下に引き上げられました(令和8年12月1日施行・令和8年分から適用)。令和8・9年分は給与所得控除も収入220万円以下で定額74万円(租税特別措置法29条の4)になるため、給与収入だけなら136万円以下(62万円+74万円)が新しいラインです。配偶者特別控除の範囲も62万円超133万円以下に変わりました。

課税所得別の節税額の例

年間の節税額は、あなたの課税所得(=所得税率)と控除額で決まります。このツールと同じ速算表で計算した実数です(あなたの合計所得金額900万円以下の場合)。

あなたの課税所得配偶者控除(38万/33万円)配偶者特別控除(配偶者の所得105万円・31万/31万円)
300万円71,798円62,651円
500万円110,596円94,302円
700万円112,127円95,833円

たとえば課税所得500万円の人の配偶者がパート年収110万円(合計所得36万円)なら配偶者控除で年110,596円、パート年収179万円(合計所得105万円)でも配偶者特別控除で年94,302円の節税になります。配偶者控除・配偶者特別控除は掛金のいらない「申告するだけの控除」なので、申告し忘れがそのまま損になります。申告し忘れていた場合は、確定申告(還付申告は5年以内)で取り戻せます。

配偶者本人の手取りが気になる場合は「年収の壁シミュレーター」で社会保険の壁も確認する

対象にならないケース — 内縁・本人1,000万円超・専従者

「配偶者がいるのに控除がない」と迷いやすいケースをまとめます。

ケース配偶者控除・配偶者特別控除備考
内縁・事実婚のパートナー対象外民法の規定による配偶者のみが対象
あなたの合計所得金額が1,000万円超対象外(両方とも)給与収入だけなら1,195万円超
配偶者が青色事業専従者として給与を受けている・白色の事業専従者対象外専従者給与・専従者控除との併用不可
配偶者の合計所得金額が133万円超対象外配偶者自身の基礎控除等はある
夫婦がお互いに配偶者特別控除どちらか一方のみ夫婦の間で互いに受けることはできない

税金の壁と社会保険の壁は別ものです

このページの62万円(給与136万円)・95万円(給与169万円)・133万円はあなたの税金が変わるライン、いわゆる「106万円の壁・130万円の壁」は配偶者自身の社会保険料が発生するラインで、まったく別の制度です。配偶者の働き方を考えるときは、年収の壁シミュレーターで社会保険の壁もあわせて確認してください。

よくある質問

Q. 配偶者控除と配偶者特別控除の違いは何ですか?

A. 配偶者の合計所得金額で決まります。62万円以下(給与収入だけなら136万円以下)なら配偶者控除、62万円超133万円以下(給与収入だけなら136万円超207万円以下)なら配偶者特別控除です。どちらも最大38万円(70歳以上の配偶者は配偶者控除で最大48万円)で、配偶者特別控除は配偶者の所得が増えるほど段階的に減ります。どちらの場合も、控除を受けるあなたの合計所得金額が1,000万円を超えると受けられません。

Q. パートの「150万円の壁」はどうなりましたか?

A. 令和8年分は「169万円」です。配偶者特別控除が満額38万円のまま受けられる配偶者の給与収入の上限は、150万円→160万円(令和7年分)と上がったあと、令和8年度税制改正で給与所得控除が収入220万円以下で定額74万円になったため、令和8年分は169万円(配偶者の所得95万円以下の帯+74万円)です。169万円を超えても控除がいきなり消えるわけではなく、階段状に減りながら207万円まで続きます。

Q. 「103万円の壁」を超えると配偶者控除はなくなりますか?

A. いまの基準は103万円ではなく136万円で、超えても配偶者特別控除に切り替わるだけです。令和8年分から配偶者控除の所得要件が合計所得金額62万円以下(給与収入136万円以下)に引き上げられました(令和7年分は58万円・給与123万円)。136万円を超えても、給与収入169万円までは配偶者特別控除で同額の38万円が受けられるため、あなたの税金が急に増えることはありません。ただし配偶者自身の社会保険(106万円・130万円の壁)は別の制度なので注意してください。

Q. 本人の年収が高いと配偶者控除は受けられませんか?

A. あなたの合計所得金額が1,000万円(給与収入だけなら1,195万円)を超えると、配偶者控除も配偶者特別控除も受けられません。また900万円(給与収入1,095万円)を超えると控除額が段階的に減り、一般の配偶者控除38万円が26万円(900万円超950万円以下)、13万円(950万円超1,000万円以下)になります。

Q. 内縁・事実婚のパートナーでも配偶者控除を受けられますか?

A. 受けられません。配偶者控除・配偶者特別控除の対象は民法の規定による配偶者だけで、内縁関係の人は該当しないと国税庁が明記しています。婚姻届を出していない事実婚・同性パートナーは、生計を一にしていても対象外です。なお住民税(地方税法)でも扱いは同じです。

出典

本ページの解説・計算例は令和8年(2026年)時点の法令にもとづく一般的な情報であり、個別の事案に対する助言ではありません。実際の節税額は、他の所得控除や税額控除、住んでいる市区町村などによって異なります。申告の前に税務署・税理士でご確認ください。