経理ミニツールズ

扶養控除シミュレーター

子どもや親を扶養していると、扶養控除で所得税・住民税が安くなります。扶養親族の区分と人数課税される所得金額を入れるだけで、年間いくら税金が下がるかを自動計算します。所得税(38万〜63万円)と住民税(33万〜45万円)で控除額が違う点も正しく反映します。

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扶養控除は、16歳以上の子どもや親などを扶養している人の所得から、1人につき38万〜63万円(所得税)を差し引く所得控除です。年末調整や確定申告で扶養親族を申告するだけで、その分の所得税と住民税が安くなります。上の計算機で、自分の課税所得と扶養親族の内わけから年間の節税額が出せます。以下では、区分ごとの控除額、扶養親族の要件(所得62万円以下)、そして対象にならないケースまで、一次資料(国税庁・条文)にもとづいて解説します(一般的な計算方法の説明であり、個別の税務相談ではありません)。

使い方と注意点

入れるのは「年収」ではなく「課税される所得金額」です 節税額は税率で決まり、税率は課税される所得金額で決まります。これは年収ではなく、年収から給与所得控除・基礎控除・社会保険料控除などをすべて引いた後の金額です。源泉徴収票なら「給与所得控除後の金額」から「所得控除の額の合計額」を引いた額、確定申告書なら「課税される所得金額」の欄そのものです。すでに扶養控除が引かれた後の課税所得を入れると二重に引くことになるため、「扶養控除を引く前」の課税所得(=いま扶養控除を外したらいくらになるか)を入れると正確です。

このツールの前提

所得税は国税庁の所得税の速算表で計算します。控除で税率の段(ブラケット)をまたぐ場合も、速算表の差をとって超過累進を正しく反映します(「控除額×税率」の概算ではありません)。住民税の所得割は一律10%として概算します。扶養控除は所得税と住民税で控除額が違う(例: 一般は所得税38万円・住民税33万円)ため、住民税の減少は住民税側の控除額で計算します。復興特別所得税(所得税額の2.1%)の減少も含めています。

本ツールの結果は目安です。実際の税額は、他の所得控除や税額控除、お住まいの市区町村などによって変わります。申告の前に税務署・税理士でご確認ください。

扶養控除の金額 — 区分で38万〜63万円

控除額は、扶養親族のその年12月31日時点の年齢と同居の有無で決まります。所得税と住民税で金額が違う点に注意してください。

区分年齢(12月31日時点)所得税の控除額住民税の控除額
一般の控除対象扶養親族16歳以上(下記以外)38万円33万円
特定扶養親族19歳以上23歳未満63万円45万円
老人扶養親族(同居老親等以外)70歳以上48万円38万円
同居老親等70歳以上の同居の父母・祖父母58万円45万円

特定扶養親族(19歳以上23歳未満・大学生の年代)がいちばん大きく63万円です。学費のかかる年代への配慮で、一般より25万円上乗せされています。同居老親等は、70歳以上の老人扶養親族のうち納税者またはその配偶者の直系の父母・祖父母で、普段同居している人です。48万円に10万円が加算されて58万円になります。病気の治療のため入院して別居している場合は、1年以上の長期でも同居として扱って差し支えないとされていますが、老人ホームに入所している場合は同居にはなりません(この場合は同居老親等以外の48万円)。

扶養親族1人あたりの控除額(■ 所得税 / □ 住民税) 一般(16歳以上) 38万円 住民税 33万円 特定(19〜22歳) 63万円 住民税 45万円 老人(70歳以上) 48万円 住民税 38万円 同居老親等 58万円 住民税 45万円 ※ 所得税=所得税法84条(同居老親等の+10万円は措法41条の16)/住民税=地方税法314条の2
特定扶養親族(19歳以上23歳未満)が最大の63万円。同じ区分でも所得税と住民税で控除額が違う。

扶養親族の要件 — 所得62万円以下(給与なら136万円)

扶養控除の対象になる「扶養親族」は、その年の12月31日時点で、次の4つの要件すべてに当てはまる人です。

  1. 配偶者以外の親族(6親等内の血族・3親等内の姻族)であること。里子や養護を委託された老人も含みます
  2. 納税者と生計を一にしていること(同居は必須ではありません。仕送りで生活を支えている別居の親や下宿中の子も対象になり得ます)
  3. 年間の合計所得金額が62万円以下であること(給与収入だけなら136万円以下。令和7年分の58万円から、令和8年度改正で62万円に引き上げ)
  4. 青色申告者の事業専従者として給与を受けていない・白色申告者の事業専従者でないこと

「103万円以下」「123万円以下」は古い情報です — 令和8年分は給与収入136万円以下

扶養親族の所得要件は、令和7年度税制改正で48万円以下から58万円以下(給与収入123万円以下)になり、さらに令和8年度税制改正で62万円以下に引き上げられました(令和8年12月1日施行・令和8年分から適用)。令和8・9年分は給与所得控除も収入220万円以下で定額74万円(租税特別措置法29条の4)になるため、給与収入だけなら136万円以下(62万円+74万円)が新しいラインです。「103万円以下」で覚えていた人は更新してください。

なお、国外に住む親族(非居住者)を扶養控除の対象にする場合は追加の要件があります。16歳以上30歳未満と70歳以上はそのまま対象ですが、30歳以上70歳未満は、留学で出国した人・障害者・その年に生活費等として38万円以上の送金を受けている人のいずれかに当てはまる場合に限られます。

課税所得別の節税額の例

扶養親族1人あたりの年間の節税額は、あなたの課税所得(=所得税率)で決まります。このツールと同じ速算表で計算した実数です。

あなたの課税所得一般1人(38万/33万円)特定1人(63万/45万円)
200万円54,951円
300万円71,798円109,323円
500万円110,596円173,646円
700万円112,127円
900万円122,235円

たとえば課税所得500万円の人に大学生の子(特定扶養親族)が1人いると、所得税が126,000円、復興特別所得税が2,646円、住民税が45,000円下がり、年間の節税額は173,646円です。70歳以上の親と同居している場合(同居老親等)は、課税所得400万円で年163,436円になります。扶養控除は掛金のいらない「申告するだけの控除」なので、申告し忘れがそのまま損になります。

節税率のめやすは「所得税率+住民税10%」

所得税の減少は「所得税側の控除額×あなたの税率」が基本で、控除で税率の段をまたぐ場合は少し小さくなります(このツールは速算表の差で厳密に計算します)。住民税の減少は「住民税側の控除額×10%」です。所得税と住民税で控除額が違うため、「38万円×(税率+10%)」と概算すると住民税分がずれます。

毎月の給与から引かれる源泉所得税を、扶養人数込みで確かめる

対象にならないケース — 16歳未満・収入超過・配偶者

「扶養しているのに控除がない」と迷いやすいケースが3つあります。

ケース扶養控除代わりにあるもの
16歳未満の子ども対象外(0円)児童手当(高校生年代まで拡充済み)
19〜22歳の子の給与収入が136万円超対象外(0円)特定親族特別控除(後述)
配偶者対象外配偶者控除・配偶者特別控除(別の控除)

16歳未満の子どもは扶養控除の対象になりません(年少扶養親族)。児童手当の支給対象であるためで、扶養控除の表に16歳未満の欄はそもそもありません。また、扶養控除の対象は条文上「配偶者以外の親族」なので、配偶者はこのツールの対象外です(配偶者控除・配偶者特別控除という別の控除があります)。

大学生の子のバイト収入が136万円を超えても、いきなりゼロにはなりません

特定親族特別控除(令和7年分に新設)により、19歳以上23歳未満の子の合計所得金額が62万円超123万円以下(令和8年分。給与収入136万円超197万円以下)の間は、親が段階的な控除を受けられます。この段階的な控除額はこのツールでは計算していません(扶養控除の対象になる給与収入136万円以下の場合のみ計算します)。

よくある質問

Q. 扶養控除で税金はいくら戻りますか?

A. 「所得税側の控除額×あなたの所得税率+住民税側の控除額×10%」がめやすです。たとえば課税所得500万円(所得税率20%)の人なら、一般の扶養親族1人で年110,596円、特定扶養親族(19歳以上23歳未満)1人で年173,646円の節税になります。年末調整で申告していれば毎月の源泉徴収と年末調整で反映されるので「戻る」というより「最初から引かれない」形になります。申告し忘れていた場合は、確定申告(還付申告は5年以内)で取り戻せます。

Q. 子どものアルバイト収入はいくらまで扶養に入れますか?

A. 給与収入だけなら年136万円以下です。令和8年度税制改正で扶養親族の所得要件が合計所得金額62万円以下に引き上げられ、給与所得控除(令和8・9年分は収入220万円以下で定額74万円)と合わせて給与収入136万円以下になりました(令和7年分は123万円以下)。以前の「103万円以下」は古い情報です。なお19歳以上23歳未満の子が136万円を超えても、197万円以下までは親が特定親族特別控除(段階的な控除)を受けられます。

Q. 16歳未満の子どもに扶養控除はありますか?

A. ありません。16歳未満の子ども(年少扶養親族)は扶養控除の対象外で、代わりに児童手当が支給されます。扶養控除の対象は、その年12月31日時点で16歳以上の扶養親族(控除対象扶養親族)だけです。年末調整の扶養控除等申告書に16歳未満の子どもを書く欄がありますが、これは住民税の計算などに使われるもので、所得税の扶養控除にはつながりません。

Q. 別居している親でも扶養控除は受けられますか?

A. 受けられます。要件は「生計を一にしている」ことで、同居は必須ではありません。仕送りで親の生活費を支えていれば、別居の親(70歳以上なら老人扶養親族48万円)も対象になり得ます。ただし親の合計所得金額が62万円以下(公的年金だけなら公的年金等控除を引いた後の所得で判定)という要件は同じです。なお70歳以上の親と同居している場合は同居老親等として58万円に増えます。病気の入院で別居している間は同居として扱われますが、老人ホームに入所している場合は同居にはなりません。

Q. 共働きの場合、子どもはどちらの扶養に入れるべきですか?

A. 原則として、所得(税率)の高い方に付けるのが有利です。扶養控除は同じ1人をどちらか一方でしか使えず(重複不可)、所得税は超過累進なので、税率の高い方で使った方が減る税額が大きくなります。たとえば所得税率20%の親に付ければ特定扶養親族1人で年17万円強、5%の親なら年11万円弱と、差がつきます。上の計算機に両方の課税所得を入れて比べてみてください。

出典

本ページの解説・計算例は令和8年(2026年)時点の法令にもとづく一般的な情報であり、個別の事案に対する助言ではありません。実際の節税額は、他の所得控除や税額控除、住んでいる市区町村などによって異なります。申告の前に税務署・税理士でご確認ください。