所得税徴収高計算書(源泉所得税の納付書) — 法令では納付書と計算書は別の書類。令和8年9月24日に様式が変わる
結論から言うと、毎月10日までに銀行へ持っていくあの紙は、法令上はひとつの書類ではありません。お金に添えるのが納付書(国税通則法34条1項)、その納付書に添えるのが計算書(所得税法220条)で、実務で1枚に見えているのは2つの書類が合体した用紙です。国税庁自身、様式を定めた事務運営指針の表題で「源泉所得税の納付書兼所得税徴収高計算書」と呼んでいます。「納付書」と「所得税徴収高計算書」のどちらが正しい呼び名なのかという疑問は、どちらも正しく、指しているものが違うというのが答えになります。
この構造を押さえると、実務でつまずく点の説明がつきます。納める税額が0円でも提出が要るのは、0円なのは納付書の役割のほうで、計算書の役割は消えないからです。租税条約が適用される人の分だけ用紙を分けるのも、支払確定年月が違うものを別の用紙にするのも、計算書として集計単位を分けるためです。
そしてもうひとつ、この用紙は令和8年9月24日に変わります。整理番号(8桁)がお問い合わせ番号(13桁)になり、A4三つ折りの複写式がA4単票式になります。単票式は複写ではないので、同じ内容を各片に3回書く必要があります。この記事では、用紙の法的な構造、納期限と土曜日の扱い、欄ごとに違う「人員」の数え方、0円のときの取扱い、遅れたときに加算税がゼロになる条件、そして9月24日の変更点までを、条文と原典の順に整理します。
納付書と計算書は、法令上べつの書類が1枚になったもの
まず納付書のほうです。国税を納めるときの手続を定めた国税通則法34条1項は、次のように書いています。
国税を納付しようとする者は、その税額に相当する金銭に納付書(納税告知書の送達を受けた場合には、納税告知書)を添えて、これを日本銀行(国税の収納を行う代理店を含む。)又はその国税の収納を行う税務署の職員に納付しなければならない。
読みどころは添える向きです。納付書にお金を添えるのではなく、お金に納付書を添えると書かれています。納付書は、金銭の付属物として位置づけられています。
そのうえで、源泉徴収した所得税についてだけ、所得税法220条がもう一枚を要求します。
第一章から前章まで(源泉徴収)の規定により所得税を徴収して納付する者は、その納付の際、国税通則法第三十四条第一項(納付の手続)に規定する納付書に財務省令で定める計算書を添附しなければならない。
つまり金銭 → 納付書 → 計算書という三段の入れ子です。所得税徴収高計算書は、いちばん外側にある添付物の、さらに添付物にあたります。源泉所得税だけがこの計算書を要求されるのは、誰にいくら払っていくら預かったかを税務署が用紙の上で確認しなければ、納めるべき金額が正しいかどうかを判断できないからです。
用紙は10種類。給与用は「一般用」と「納期特例分」で別
計算書の書式を定めているのは、所得税法220条から委任を受けた所得税法施行規則80条です。
法第二百二十条(源泉徴収に係る所得税の納付手続)に規定する計算書の書式は、別表第三(一)から別表第三(六)までによる。
この別表第三の枝は、法令の木構造から数えて6つです。ところが国税庁が実際に定めている様式は10種類あります。様式を定めた事務運営指針(平成20年6月23日付 課法8-3ほか)は、根拠として所得税法施行規則80条だけでなく、同規則107条と租税特別措置法施行規則18条の13の6・19条の4を並べて挙げており、別紙1から別紙10までの10様式を定めています。納付書の種類は、所得税法施行規則だけでは決まっていません。
10種類のうち、給与を払っている会社が使うのは1つだけです。ただし同じ給与用でも2種類あり、事務運営指針では別紙3が給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書(一般用)、別紙4が同(納期特例分)と分かれています。納期の特例の承認を受けたら、使う用紙そのものが変わります。一般用の紙に半年分を書いて出す誤りは、ここを知らないと起きます。
| 事務運営指針の別紙 | 様式 | 主に使う場面 |
|---|---|---|
| 別紙3 | 給与所得・退職所得等(一般用) | 毎月10日納付。給与・賞与・退職手当・士業報酬 |
| 別紙4 | 給与所得・退職所得等(納期特例分) | 納期の特例の承認を受けている場合 |
| 別紙6 | 報酬・料金等 | 原稿料・デザイン料・講演料など |
| 別紙5 | 非居住者・外国法人の所得 | 海外在住者への支払 |
| 別紙1・2・7・8・9・10 | 利子等/配当等/定期積金の給付補てん金等/上場株式等/償還差益/割引債の償還金に係る差益金額 | 金融機関・発行体など |
士業への報酬でも、弁護士・税理士など後述の21種類に当たるものは別紙3(給与用)の「税理士等の報酬」欄に書きます。原稿料やデザイン料は別紙6です。同じ「報酬」でも用紙が分かれる点は間違えやすいところです。
源泉徴収税額を計算する(令和8年分の月額表・賞与率で自動計算)納期限 — 土曜日は法律ではなく政令が足している
給与から預かった所得税の納期限は、所得税法183条1項が定めています。
居住者に対し国内において第二十八条第一項(給与所得)に規定する給与等(以下この章において「給与等」という。)の支払をする者は、その支払の際、その給与等について所得税を徴収し、その徴収の日の属する月の翌月十日までに、これを国に納付しなければならない。
納期の特例の承認を受けている場合は所得税法216条により、1月から6月までの分が7月10日、7月から12月までの分が翌年1月20日になります。承認の要件(給与の支払を受ける者が常時10人未満であること)と、その人数の数え方については源泉所得税の納期の特例で扱っています。
ここで実務が引っかかるのが10日が休みだったときです。国税通則法10条2項は次のように定めています。
国税に関する法律に定める申告、申請、請求、届出その他書類の提出、通知、納付又は徴収に関する期限(時をもつて定める期限その他の政令で定める期限を除く。)が日曜日、国民の祝日に関する法律(昭和二十三年法律第百七十八号)に規定する休日その他一般の休日又は政令で定める日に当たるときは、これらの日の翌日をもつてその期限とみなす。
この条文をよく見ると、土曜日が書かれていません。日曜日・祝日・一般の休日までで止まっており、土曜日は「政令で定める日」のほうに入っています。受けている国税通則法施行令2条2項が、次のように定めています。
法第十条第二項に規定する政令で定める日は、土曜日又は十二月二十九日、同月三十日若しくは同月三十一日とする。
つまり土曜日と12月29日・30日・31日は、法律ではなく政令が足したものです。実務上の結論は変わりませんが、10日が土曜なら日曜も飛ばして翌週月曜が期限になること、そして納期特例の1月20日が土日にかかったときも同じ扱いになることは、この2本を重ねて初めて出てきます。
「人員」の数え方は欄ごとに違う
国税庁の記載要領を読むと、同じ「人員」という項でも数え方が変わります。ここは用紙の上でいちばん間違えやすいところです。
| 欄 | 「人員」に書く数 | 「支払年月日」に書く日 |
|---|---|---|
| 俸給、給料等 | 支給した実人員 | 実際に支払った年月日。同じ月に2回以上支払ったときは最後の支払年月日 |
| 同(納期特例の場合) | 実人員の合計数 | 期間内の最初と最後の支払年月日 |
| 日雇労務者の賃金 | 延べ人員 | 俸給、給料等の欄に準じる |
| 賞与(役員賞与を除く) | 俸給、給料等の欄に準じる | 同左 |
| 役員賞与 | 同上 | 支払確定後1年を経過した未払分を納付するときは記載を要しない |
「日雇労務者の賃金」欄は、日額表の丙欄を適用して源泉徴収しているものを書く欄です。税額表のどの欄を使うかについては源泉徴収税額表の見方で扱っています。日雇いだけ延べ人員なのは、同じ人が月に何日も来る前提の欄だからです。
②が求められる理由は所得税法183条2項にあります。役員賞与は支払が確定した日から1年を経過しても支払われていない場合、その1年を経過した日に支払があったものとみなして源泉徴収の義務が立ちます。実際にお金が動いていないので支払年月日が書けず、記載を要しないとされているわけです。
年末調整の結果は、年末調整による不足税額と年末調整による超過税額の各欄に、その月に実際に徴収した額・還付した額を書きます。ただし年末調整過納額還付請求書兼残存過納額明細書を税務署に提出して還付を受ける場合は、その金額を含めることはできません。年末調整の超過額の還付そのものは所得税法191条、翌年に繰り越して徴収する不足額は同192条1項が定めています。
「税理士等の報酬」欄の21士業は、法律12+政令9
給与用の納付書には「税理士等の報酬」という欄があり、記載要領はそこに書く資格を21種類、名前で挙げています(外国法事務弁護士は弁護士に含むと明記されています)。この21という数はどこから来ているのかというと、法律と政令の合成です。
まず所得税法204条1項2号が、次の者を名指ししています。
弁護士(外国法事務弁護士を含む。)、司法書士、土地家屋調査士、公認会計士、税理士、社会保険労務士、弁理士、海事代理士、測量士、建築士、不動産鑑定士、技術士その他これらに類する者で政令で定めるものの業務に関する報酬又は料金
ここで名指しされているのは12で、残りは「政令で定めるもの」に投げられています。受けている所得税法施行令320条2項が、次の者を足します。
計理士、会計士補、企業診断員(企業経営の改善及び向上のための指導を行う者を含む。)、測量士補、建築代理士(建築代理士以外の者で建築に関する申請若しくは届出の書類を作成し、又はこれらの手続を代理することを業とするものを含む。)、不動産鑑定士補、火災損害鑑定人若しくは自動車等損害鑑定人
この項が足しているのは9(末尾の技術士補を含む)で、12+9=21。納付書の欄に並ぶ21種類は、法律が名指しした12と、政令が足した9をそのまま並べたものでした。士業なら何でもこの欄ではなく、この21に入っているかどうかが分岐です。行政書士がこの列挙に無いことは、実務でよく話題になります。
税額が0円でも提出する
その月にたまたま源泉徴収する税額が発生しなかった場合、納める金額はありません。それでも計算書としての提出は必要です。国税庁は e-Tax のよくある質問(更新日 令和6年5月20日)で、書面による場合と同様に、合計額(納付税額)を0円と入力した徴収高計算書データを作成のうえ送信するよう案内しています。
冒頭の入れ子図に戻ると、この扱いは自然に読めます。0円になるのは金銭と納付書の役割だけで、誰に何人分いくら払ったかを申告する計算書の役割は消えていないからです。納付が不要であることと、提出が不要であることは別です。
遅れたとき — 不納付加算税がゼロになる条件
納期限に間に合わなかった場合、原則として不納付加算税と延滞税がかかります。不納付加算税は国税通則法67条が3段階で定めています。
| 状況 | 根拠 | 不納付加算税 |
|---|---|---|
| 税務署から納税の告知を受けて納めた | 67条1項 | 10% |
| 告知を受ける前に自分で気づいて納めた | 67条2項 | 5% |
| 上に加えて一定の条件を満たす | 67条3項 | 0% |
3項がその救済です。
第一項の規定は、前項の規定に該当する納付がされた場合において、その納付が法定納期限までに納付する意思があつたと認められる場合として政令で定める場合に該当してされたものであり、かつ、当該納付に係る源泉徴収等による国税が法定納期限から一月を経過する日までに納付されたものであるときは、適用しない。
条件は2つです。① 法定納期限から1か月以内に納めたこと。② 「納付する意思があつたと認められる場合として政令で定める場合」に当たること。この②の中身が、実務で知られていない割に効きます。国税通則法施行令27条の2第2項が、次のように定めています。
法第六十七条第三項(不納付加算税)に規定する法定納期限までに納付する意思があつたと認められる場合として政令で定める場合は、同項に規定する納付に係る法定納期限の属する月の前月の末日から起算して一年前の日までの間に法定納期限が到来する源泉徴収等による国税について、次の各号のいずれにも該当する場合とする。
要するに過去1年の実績がきれいであることで、各号は、納税の告知を受けたことがないこと、告知を受けることなく法定納期限後に納付した事実がないこと、の2つです。
注目すべきは期間の切り方です。「過去1年」の終点が今回の法定納期限ではなく、その法定納期限の属する月の前月の末日になっています。8月10日が納期限なら、見るのは前年7月31日から今年7月31日までの1年で、今回の遅れ自体は数えません。この一手間の書き方があるおかげで、初めて1日遅れた会社は3項の対象になり得ます。
端数の切捨てもここで効きます。国税通則法118条3項は、附帯税の計算の基礎となる税額の1万円未満を切り捨てると定めています。
附帯税の額を計算する場合において、その計算の基礎となる税額に一万円未満の端数があるとき、又はその税額の全額が一万円未満であるときは、その端数金額又はその全額を切り捨てる。
さらに119条4項は、附帯税の確定金額そのものについて、加算税は5,000円未満なら全額を切り捨てると定めています。
附帯税の確定金額に百円未満の端数があるとき、又はその全額が千円未満(加算税に係るものについては、五千円未満)であるときは、その端数金額又はその全額を切り捨てる。
この2つを重ねると、自主納付(5%)で本税が10万円未満なら、不納付加算税は計算しても5,000円に届かないので切り捨てられて0円という結論になります。10%のほうでも本税5万円未満なら同じです。小規模な事業所で「遅れたのに加算税の通知が来なかった」ことがあるのは、多くがこの端数処理の結果です。
延滞税のほうは切り捨てでは消えません。国税通則法60条2項の本則は年14.6%、納期限の翌日から2か月を経過する日までは年7.3%ですが、実際に適用されるのは租税特別措置法の特例による割合です。国税庁が公表している割合は、令和8年1月1日から令和8年12月31日までが年2.8%(2か月以内)と年9.1%(2か月超)で、令和7年の2.4%・8.7%から引き上げられています。
令和8年9月24日の様式変更
国税庁は、税務署の窓口で配付する所得税徴収高計算書(納付書)について、令和8年9月24日に様式変更等を予定していると公表しています。変更点は次のとおりです。
| 項目 | 現行 | 令和8年9月24日から |
|---|---|---|
| 納税者を識別する番号 | 整理番号(8桁) | お問い合わせ番号(13桁)。窓口配付分はあらかじめ印字されるので記載不要 |
| 元号の記載 | — | 「納期等の区分」欄等に元号の記載欄を追加 |
| 徴収義務者欄 | — | 郵便番号とフリガナの記載欄を追加 |
| 用紙の形 | A4三つ折りサイズ程度の複写式 | A4サイズの単票式(窓口配付分) |
実務への影響がいちばん大きいのは最後の行です。単票式は複写ではないので、税額などの記載事項を各片に3回書く必要があります。国税庁もこれを負担と見ており、記載事項を市販のプリンターで印字するツールをホームページに掲載する予定だとしています。
もう1点、読み替えの注意が公表されています。変更後の様式の「納期等の区分」欄には源泉所得税、復興特別所得税及び防衛特別所得税と印刷されますが、令和8年12月以前に生じた所得についての源泉徴収税額には防衛特別所得税を含まないため、それまでの期間は源泉所得税及び復興特別所得税と読み替えるよう案内されています。新しい紙に印刷されている名前のほうが、しばらくのあいだ現実より先を走ることになります。
細かいところでは、変更後の様式の左側にある2次元コードは税務署の内部手続で使うもので、読み取って納付することはできません。またA4単票式は切り離さずに金融機関等へ提出します。納付書は必ず税務署や業務センターから交付された所定の用紙を使うこととされているため、自分で印刷した用紙で代用することはできません。
そもそも紙をやめてしまえば、この変更の影響はほとんど受けません。e-Tax で徴収高計算書を送信すれば、用紙を書く必要も金融機関へ出向く必要もなくなります。0円の月の扱いが変わらない点でも、電子に寄せておくほうが事故が減ります。
よくある質問
Q. 「納付書」と「所得税徴収高計算書」は、同じものですか?
A. 実務で手に取る紙は1枚ですが、法令上は別の書類です。国税通則法34条1項が定める納付書は、納める金銭に添える書類です。所得税法220条は、源泉徴収した所得税を納めるときに、その納付書へさらに財務省令で定める計算書を添付するよう求めています。この計算書が所得税徴収高計算書にあたります。国税庁が様式を定めた事務運営指針も、表題を「源泉所得税の納付書兼所得税徴収高計算書」としており、2つの役割が1枚に合体していることが名前に表れています。呼び分けが必要になるのは、納める税額が0円のときのように、片方の役割だけが消える場面です。
Q. その月の源泉徴収税額が0円でした。納付書は出さなくてよいですか?
A. 提出は必要です。国税庁は、納付税額が0円となる場合でも、書面による場合と同様に合計額を0円と入力した徴収高計算書データを作成して e-Tax に送信するよう案内しています(e-Tax のよくある質問・更新日 令和6年5月20日)。金額が0円だと金融機関の窓口では受け付けられませんので、e-Tax で送信するか、所轄の税務署に提出することになります。納付が不要であることと、提出が不要であることは別だと整理してください。
Q. 納期の特例の承認を受けています。毎月使っていた用紙のままでよいですか?
A. 用紙が変わります。国税庁の事務運営指針は、給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書について、別紙3を一般用、別紙4を納期特例分として別の様式に定めています。納期特例分の用紙では、納期等の区分の欄に期間の最初と最後の支払年月を書き、支払年月日の項にも期間内の最初と最後の支払年月日を書きます。人員も、その期間に支給した実人員の合計数を記載することとされています。承認を受けた後で一般用の用紙が手元に残っていても、そちらを使わないよう注意してください。
Q. 納期限の10日が土曜日のときは、いつまでに納めればよいですか?
A. 一般には翌週の月曜日が期限になります。国税通則法10条2項は、期限が日曜日・祝日・その他一般の休日・政令で定める日に当たるときは、これらの日の翌日を期限とみなすと定めています。条文の本文に土曜日は書かれていませんが、受けている国税通則法施行令2条2項が、政令で定める日を土曜日と12月29日・30日・31日としています。したがって10日が土曜なら、日曜も翌日送りの対象になるため、結果として月曜が期限になります。納期の特例の1月20日についても同じ扱いです。
Q. 1日遅れて納めてしまいました。不納付加算税はいくらになりますか?
A. 条件によってはゼロになります。国税通則法67条3項は、税務署の告知を受ける前に自分で納めた場合で、法定納期限から1か月を経過する日までに納付し、かつ「納付する意思があつたと認められる場合として政令で定める場合」に当たるときは、不納付加算税を適用しないと定めています。政令にあたる国税通則法施行令27条の2第2項は、その法定納期限の属する月の前月の末日から遡る1年間に、納税の告知を受けたことがなく、告知を受けずに法定納期限後に納付した事実もないことを条件としています。過去1年を見る期間の終点が前月末日なので、今回の遅れそのものは判定に入りません。実際の適用は税務署の判断になりますので、通知が届いたときは内容を確認してください。
Q. 行政書士への報酬は「税理士等の報酬」欄に書きますか?
A. 一般にはこの欄には当たりません。所得税法204条1項2号が名指ししているのは弁護士・司法書士・土地家屋調査士・公認会計士・税理士・社会保険労務士・弁理士・海事代理士・測量士・建築士・不動産鑑定士・技術士の12種類で、これに所得税法施行令320条2項が計理士・会計士補・企業診断員・測量士補・建築代理士・不動産鑑定士補・火災損害鑑定人・自動車等損害鑑定人・技術士補の9種類を加えた合計21種類が、納付書の記載要領に並んでいます。行政書士はこの列挙に含まれていません。ただし同じ人が別の資格で行う業務や、原稿料など204条1項1号に当たる報酬は扱いが変わりますので、支払の内容ごとに確認してください。
Q. 令和8年9月24日から用紙が変わると聞きました。今ある納付書は使えなくなりますか?
A. すぐには使えなくなりません。国税庁は、現行様式(整理番号欄がある複写式)の所得税徴収高計算書について、令和10年9月頃まで使用することができる予定としています。9月24日に変わるのは税務署の窓口で配付する用紙で、A4三つ折り程度の複写式からA4単票式になり、整理番号(8桁)がお問い合わせ番号(13桁)に置き換わります。なお年末調整の時期に税務署から送付される分は、引き続き複写式の様式が予定されています。単票式は複写ではないため記載事項を各片に3回書く必要があり、国税庁は印字用のツールを掲載する予定だとしています。
出典
- e-Gov法令検索「国税通則法」(昭和三十七年法律第六十六号)。法令API v2 の
law_data/337AC0000000066から全文を取得。参照したのは10条1項・2項(期間の計算及び期限の特例)、34条1項(納付の手続)、35条(申告納税方式による国税等の納付)、60条2項(延滞税)、67条1項〜3項(不納付加算税)、118条3項(国税の課税標準の端数計算等)、119条4項(国税の確定金額の端数計算等)。本文中の引用はこの取得結果からの逐語である - e-Gov法令検索「国税通則法施行令」(昭和三十七年政令第百三十五号)。
law_data/337CO0000000135から取得。参照したのは2条2項(期限の特例)、27条の2第2項(期限内申告書を提出する意思等があつたと認められる場合)。同項の号数は木構造から機械的に数えて2個である - e-Gov法令検索「所得税法」(昭和四十年法律第三十三号)。
law_data/340AC0000000033から取得。参照したのは183条1項・2項(源泉徴収義務)、191条(過納額の還付)、192条1項(不足額の徴収)、204条1項(報酬、料金等に係る源泉徴収義務)、205条1号・2号(徴収税額)、216条(源泉徴収に係る所得税の納期の特例)、220条(源泉徴収に係る所得税の納付手続)。204条1項の号数は木構造から機械的に数えて8個である - e-Gov法令検索「所得税法施行令」(昭和四十年政令第九十六号)。
law_data/340CO0000000096から取得。参照したのは320条2項(法204条1項2号の政令で定める者)、322条(支払金額から控除する金額) - e-Gov法令検索「所得税法施行規則」(昭和四十年大蔵省令第十一号)。
law_data/340M50000040011から取得。参照したのは80条(計算書の書式)、104条(計算書等の書式の特例)。別表第三の枝の数は、法令の木構造から機械的に数えて6個(別表第三(一)から(六)まで)である - 納付書の欄に並ぶ資格の数についても機械的に数えた。国税庁の記載要領に列挙されている資格は21、所得税法204条1項2号が名指しする資格は12、所得税法施行令320条2項が加える資格は9で、12+9=21が一致することを確認している
- 国税庁「源泉所得税の納付書兼所得税徴収高計算書の様式について(事務運営指針)」(平成20年6月23日付 課法8-3・官参7-6・徴管2-31)。様式が別紙1から別紙10までの10種類であること、別紙3が給与所得・退職所得等(一般用)、別紙4が同(納期特例分)であること、根拠として所得税法施行規則80条・107条と租税特別措置法施行規則18条の13の6・19条の4が挙げられていることを、同ページの原文で確認した
- 国税庁「納付書の記載のしかた(給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書)」(同事務運営指針 別紙3の関連ページ)。納期等の区分・支払年月日・人員・支給額・税額・摘要の各欄の記載方法、日雇労務者の賃金欄が延べ人員であること、用紙を別に作成する場面、年末調整の不足税額・超過税額の各欄の扱いは、このページの原文による
- 国税庁「所得税徴収高計算書(納付書)の記載のしかた」内の「所得税徴収高計算書(納付書)の様式変更等」。令和8年9月24日の変更点(お問い合わせ番号13桁・元号欄・郵便番号とフリガナ・A4単票式・各片に3回記載・現行様式は令和10年9月頃まで使用可・年末調整時期の送付分は複写式・2次元コードは内部手続用・防衛特別所得税の読み替え)は、このページの原文による
- 国税庁 e-Tax「源泉所得税及復興特別所得税の納付税額が0円となる場合でも徴収高計算書データの送信は必要ですか。」(更新日 令和6年5月20日)。0円の場合の取扱いはこのページによる
- 国税庁「延滞税の割合」。令和8年1月1日から令和8年12月31日までの割合が年2.8%(納期限の翌日から2か月を経過する日まで)と年9.1%(それ以後)であること、令和7年が2.4%・8.7%であったことは、このページの表による
- この記事で扱っていない事項について。納期の特例の承認要件と「常時10人未満」の判定は別記事に譲っている。用紙の各欄の記入例そのもの(実際の紙面のレイアウト)は国税庁が定める様式であり掲載していない。令和8年9月24日以降に実際に配付される用紙の細部は本稿執筆時点では予定として公表されている段階であり、確定した内容として扱っていない。個別の支払が所得税法204条1項のどの号に当たるかも、契約と実態によって変わるため断定していない
この記事は一般的な情報提供であり、個別の事案に対する助言ではありません。どの様式を使うか、どの欄に書くか、加算税や延滞税が実際にいくらになるかは事実関係によって変わりますので、実際の判断については所轄の税務署または税理士にご確認ください。