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法定調書合計表の書き方|提出範囲・期限と令和8年分からの大改正

結論から言います。法定調書合計表(正式名称は「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」)は、1月31日までに税務署へ提出します。6種類の法定調書をまとめて集計する、1枚の兼用様式です。

そして、この作業で多くの担当者がつまずくのが提出範囲です。従業員全員分の源泉徴収票を税務署に出すわけではありません——長いあいだ、税務署に出すのは「一定の条件に当てはまる人だけ」でした。

ところが、令和8年分(令和9年1月以後に提出するもの)から、このルールが根本的に変わります。市区町村に給与支払報告書を提出すれば、税務署への源泉徴収票の提出そのものが不要になります(源泉徴収票のみなし提出の特例)。しかも給与の分しか該当がない会社は、法定調書合計表すら提出不要です。この記事は、その分岐点まで含めて整理します。

この記事の結論
  • 提出期限は1月31日。令和8年分は1月31日が日曜のため、令和9年2月1日(月)まで
  • 令和7年分まで… 税務署に源泉徴収票を出すのは「役員150万円超・士業250万円超・その他500万円超」など条件を満たす人だけ
  • 令和8年分から… 給与支払報告書を市区町村に出せば、税務署への源泉徴収票の提出は不要(みなし提出の特例)
  • 市区町村(給与支払報告書)と本人(源泉徴収票の交付)は、改正後も全員分。ここは変わらない
  • e-Tax等での提出義務が「100枚以上」から「30枚以上」へ。令和9年1月以後に提出するものから適用

法定調書合計表とは(6つの調書の集計表)

法定調書は全部で63種類ありますが、「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」は、そのうち次の6種類をまとめる兼用様式です。1枚の用紙に6つの調書の集計欄が並んでいます。ふつうの会社が毎年1月に扱うのは、この6つです。

#法定調書税務署への提出範囲(令和8年中の支払額)
給与所得の源泉徴収票 令和7年分までは「役員150万円超」等の条件つき。令和8年分からは給与支払報告書と同じ範囲(=みなし提出により実質、税務署へは提出不要)。詳細
退職所得の源泉徴収票 法人の役員に支払う退職手当等のみ。役員以外の従業員への退職金は、税務署にも市区町村にも提出不要(本人への交付だけ
報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書 原則、同一人に対して年5万円超(原稿料・講演料・税理士や弁護士への報酬など)。ただし外交員・集金人・検針人・プロボクサーの報酬、ホステス等の報酬、広告宣伝のための賞金は50万円超、診療報酬審査支払機関が支払う診療報酬は50万円超、馬主が受ける競馬の賞金は1回75万円超
不動産の使用料等の支払調書 同一の方に対して年15万円超。ただし法人に支払う分は、権利金・更新料等だけが対象(賃借料は含めない
不動産等の譲受けの対価の支払調書 同一の方に対して年100万円超
不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書 同一の方に対して年15万円超
④⑤⑥は、そもそも提出義務者が限られています 不動産関係の3つ(④⑤⑥)を提出しなければならないのは、法人不動産業者である個人だけです(主として建物の賃貸借の代理・仲介を目的とする事業を営む方は除かれます)。
つまり一般の個人事業主は、事務所の家賃を大家さんに払っていても、不動産の使用料等の支払調書を提出する必要はありません。「家賃を払っている=④を出す」と思い込みがちなところです。
金額基準は「消費税込み」で判定するのが原則 ③の5万円、④の15万円といったラインは、原則として消費税等の額を含めた金額で判定します。ただし消費税等の額が明確に区分されている場合には、税抜きの額で判定しても差し支えありません
税理士報酬が月4,500円(税込4,950円)×12か月なら、税込で59,400円・税抜で54,000円。どちらで判定しても5万円超なので提出対象です。しかし境界付近では結論が変わるので、社内で判定基準を統一しておいてください。

提出期限は1月31日(令和8年分は2月1日)

法定調書と合計表の提出期限は、支払をした年の翌年1月31日です。給与支払報告書(市区町村へ)も、本人への源泉徴収票の交付も、同じ1月31日が期限です。

ただし、1月31日が土曜・日曜・祝日に当たるときは、その翌開庁日が期限になります(国税通則法10条2項——「期限が日曜日、国民の祝日に関する法律に規定する休日その他一般の休日……に当たるときは、これらの日の翌日をもってその期限とみなす」)。

令和8年分の提出期限は、令和9年2月1日(月)です 令和9年(2027年)1月31日は日曜日です。したがって期限は翌開庁日の令和9年2月1日(月)に繰り下がります。
直前の令和7年分も同じ事情で、期限は令和8年2月2日(月)でした(令和8年1月31日が土曜日だったため)。2年続けて「1月31日ではない」ので、カレンダーに「1/31」とだけ書いて運用していると危険です。
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【令和8年分から】源泉徴収票の「みなし提出の特例」

ここがこの記事でいちばん大事なところです。令和5年度税制改正により、令和9年1月1日以後に提出すべき源泉徴収票(=令和8年分以後)から、次の特例が始まります。

市区町村に「給与支払報告書」を提出した場合には、税務署に「給与所得の源泉徴収票」を提出したものとみなされる

つまり、税務署提出用の源泉徴収票を作って送る作業が、まるごと不要になります。市区町村に提出された給与支払報告書のデータが、市区町村を経由して税務署に連携されるからです。

提出方法は問いません(書面でもOK) 国税庁のQ&Aは、給与支払報告書はeLTAX・光ディスク等・書面のいずれで提出しても、税務署に源泉徴収票を提出したものとみなされると明記しています。「電子で出さないとみなし提出にならない」わけではありません。
ただしeLTAXで提出したものだけがマイナポータル連携の対象になり、従業員が確定申告するときに給与情報が自動入力されます。書面・光ディスクでの提出はその対象外です。
給与の分しか無いなら、合計表そのものが提出不要になります 国税庁のリーフレットは、「令和8年分以後の給与支払報告書を市区町村へ提出した場合は、給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表を税務署に提出する必要はありません」と明言しています。
ただし例外があります。合計表は6つの調書の兼用様式なので、②〜⑥のいずれか(退職所得の源泉徴収票、報酬の支払調書など)を1枚でも税務署に提出するなら、その調書について記載した合計表を併せて提出する必要があります。税理士報酬や家賃を払っている会社は、結局これまでどおり合計表を出すことになります。
逆はダメです(源泉徴収票を出しても、給与支払報告書の代わりにはならない) みなし提出は「市区町村 → 税務署」の一方通行です。源泉徴収票を税務署に提出しても、市区町村に給与支払報告書を提出したものとはみなされません。給与支払報告書は必ず別途、市区町村に提出してください。
「eLTAXの電子的提出の一元化機能」は令和8年9月で終了します 源泉徴収票と給与支払報告書をeLTAXで同時に作成・提出できた「電子的提出の一元化機能」は、令和8年9月をもって終了します。みなし提出の特例により、そもそも税務署へ源泉徴収票を送る必要がなくなるためです。この機能を前提に組んでいる年末調整の手順書は、令和8年分の作業前に見直しが必要です。

提出範囲——誰の分を税務署に出すのか

提出範囲は令和8年分を境に、まったく別物になります。両方を並べます。

令和7年分まで(改正前)——「条件を満たす人だけ」

年末調整をしたかどうかで、まず二つに分かれます。

受給者の区分税務署への提出範囲
年末調整

した
(1) 法人の役員(取締役・執行役・会計参与・監査役・理事・監事・清算人・相談役・顧問等。その年中に役員であった方を含む) 150万円超
(2) 弁護士・司法書士・土地家屋調査士・公認会計士・税理士・弁理士・海事代理士・建築士等(所得税法204条1項2号に規定する方)に、給与として支払った場合 250万円超
(3) 上記(1)(2)以外の方(一般の従業員) 500万円超
年末調整

しなかった
(4)イ 「扶養控除等(異動)申告書」を提出した方のうち、年の中途で退職した方、災害により徴収猶予・還付を受けた方 250万円超
ただし法人の役員は50万円超
(4)ロ 「扶養控除等(異動)申告書」を提出した方のうち、主たる給与が2,000万円超のため年末調整をしなかった方 全部(金額を問わず提出)
(5) 「扶養控除等(異動)申告書」を提出しなかった方(月額表・日額表の乙欄もしくは丙欄適用者等) 50万円超

(2)は「士業の方に給与を払った場合」の話です。士業に報酬として支払っているなら、③の「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」(5万円超)の対象になります。ここは混同しやすい分岐です。

令和8年分から(改正後)——給与支払報告書と同じ範囲

上の複雑な表は、まるごと1行に置き換わります

受給者の区分提出範囲(令和8年分以後)
すべての受給者(区分なし) 年の中途で退職した方に対するその年中の給与等の支払金額が30万円以下である場合を除く、すべての給与等

これは給与支払報告書の提出範囲とまったく同じです。要するに、在籍者は全員、中途退職者は30万円超なら対象。そして前章のとおり、その給与支払報告書を市区町村に出せば税務署へはみなし提出になるので、税務署向けに範囲を判定する作業自体が消えます

「500万円超だけ数える」作業は令和7年分が最後でした 毎年1月に「この人は500万円超か」「役員だから150万円超か」と1人ずつ判定していた作業は、令和7年分(令和8年2月2日提出)で最後です。令和8年分からは判定不要になります。
ただし——この古い提出範囲は、e-Tax義務化の枚数判定でだけ生き残ります。次章で説明します。ここが今回の改正でいちばんの落とし穴です。

税務署・市区町村・本人の3系統を整理する

提出先は3つあり、それぞれ「誰の分を」出すかが違います。この3系統を取り違えるのが、最大の事故です。図で整理します。

提出先/出すもの 令和7年分まで 令和8年分から(改正後) 給与を 払った 会社 税務署 源泉徴収票 条件を満たす人 だけ 役員150万円超/その他500万円超 など 提出しなくてよい 給与支払報告書を出せば 「提出したものとみなす」 市区町村 給与支払報告書 全員分 1月1日時点の在籍者すべて 中途退職者は30万円超なら提出 変更なし(全員分) この1通が、税務署への 提出も兼ねるようになる 従業員 本人 源泉徴収票(交付) 全員分 提出範囲とは無関係。必ず全員へ 変更なし(全員分) 交付義務は残る。省略できない ※ 期限はいずれも1月31日(令和8年分は令和9年2月1日)。中途退職者への交付だけは「退職の日以後1か月以内」
「税務署=一部だけ → 不要」「市区町村=全員」「本人=全員」。改正で変わるのは税務署の行だけで、市区町村と本人はこれまでどおり全員分。税務署への提出が不要になっても、本人への交付を省略してよいわけではありません(交付漏れは罰則の対象です)。
市区町村への提出範囲は「1月1日時点の在籍者」+「30万円超の中途退職者」 給与支払報告書は、原則として翌年1月1日時点で給与の支給を受けている全ての受給者について、その方の1月1日時点の住所地の市区町村へ提出します。
年の中途で退職した方については、退職時の住所地の市区町村へ提出します。ただしその方への給与等の支払金額が30万円以下なら、提出を省略できます(30万円超なら提出)。

e-Tax等での提出義務(100枚以上→30枚以上)

法定調書は、一定枚数以上になると書面で提出できなくなります。e-Tax・認定クラウド等・光ディスク等のいずれかによる提出が義務です。この基準が引き下げられます

いつ提出するもの電子等での提出義務の基準
令和8年12月31日まで(=令和7年分まで)基準年に提出すべきであった法定調書が 100枚以上
令和9年1月1日以後(=令和8年分以後)基準年に提出すべきであった法定調書が 30枚以上

「基準年」とは、提出期限の属する年の前々年(1月1日〜12月31日)です。令和8年分の法定調書は令和9年に提出するので、基準年は令和7年——つまり令和7年中に提出すべきであった法定調書の枚数で判定します。

そして、判定は法定調書の種類ごとに行います。給与所得の源泉徴収票が40枚でも、報酬の支払調書が5枚なら、電子等が義務になるのは源泉徴収票だけです。

【最大の落とし穴】枚数は、廃止されたはずの「改正前の提出範囲」で数えます 令和8年分から源泉徴収票の提出範囲は「実質全員」に広がりました。ここで「では枚数も全員分で数えるのか」と考えると、間違えます
国税庁Q&Aは、基準年に提出すべきであった源泉徴収票の枚数は、令和9年1月1日以後も「改正前の提出範囲」で数えると明記しています。つまり役員150万円超・士業250万円超・その他500万円超・乙欄50万円超……という古い基準で数えた枚数が、電子提出義務の判定に使われます。
さらに、みなし提出になった(=実際には税務署に1枚も出していない)源泉徴収票も、枚数には含めます。実提出枚数が0枚だからといって「0枚」にはなりません。
国税庁Q&Aの設例(令和11年に給与支払報告書を提出する場合の判定) 基準年である令和9年に提出したものが、①支払金額600万円・年末調整済の給与支払報告書 20枚②支払金額40万円・乙欄適用の給与支払報告書 15枚だったとします。合計35枚ですが——
改正前の提出範囲に当てはめると、①(500万円超)は「提出すべき源泉徴収票」に含まれ、②(乙欄で50万円以下)は含まれません。よって枚数は20枚と判定され、30枚以上に該当しないため電子的提出義務はありません
従業員35人の会社なのに「20枚」。頭数で数えると誤判定します。
無料ツール:源泉徴収税額 計算機 合計表の「源泉徴収税額」欄の検算に。給与の月額表(甲欄・乙欄)と、報酬の10.21%/20.42%に対応しています。

合計表の書き方(Ⓐ・Ⓑの2段構造)

合計表の各欄には、「人員」「支払金額」「源泉徴収税額」の3列があり、給与の欄は上段Ⓐ・下段Ⓑの2段になっています。ここが最も間違えやすい構造です。

区 分 人員 支払金額 源泉徴収税額 Ⓐ 俸給、給与、賞与等の総額 提出の有無に関係なく 全員 35 128,400,000 4,210,000 Ⓑ 源泉徴収票を提出するもの Ⓐのうち、税務署に提出する人だけ 6 41,800,000 2,050,000 全員分 中途退職者も含む 提出する人だけ 令和8年分は不要 Ⓐ と Ⓑ は、集計する範囲だけでなく「前職分」の扱いも違う Ⓐ … 中途入社した人が、入社前に他社から受けた給与・源泉徴収税額は 含めない Ⓑ … Ⓐと異なり、その前職分も 含めて 記載する(源泉徴収票に載る金額そのもの) ※「左のうち、源泉徴収税額のない者」欄(Ⓐの人員の内数)は、記載漏れが多い欄です
給与欄はⒶ(総額)とⒷ(提出するもの)の2段。Ⓑは単なるⒶの内訳ではありません——Ⓐが前職分を除くのに対し、Ⓑは中途入社者の前職分を含めて記載します。そのためⒷの金額がⒶの内数として整合しないことがあり、これは誤りではありません。

Ⓐ「俸給、給与、賞与等の総額」欄

「人員」に納付書の人員を書いてはいけません 国税庁の手引がわざわざ注意している、典型的な誤りです。「給与所得・退職所得の所得税徴収高計算書(納付書)」に記載した人員の累計を書かないでください。
納付書の人員は「毎月の延べ人数」なので、12か月分を足せば実人員の何倍にも膨れます。合計表のⒶに書くのは、あくまで実人員(≒源泉徴収簿の枚数)です。
「左のうち、源泉徴収税額のない者」欄は記載漏れが多い Ⓐの人員のうち、源泉徴収票の「源泉徴収税額」欄が0(ゼロ)の方の人数を記載する欄です。手引にも「記載漏れが多い項目ですので、ご注意ください」と明記されています。扶養が多い方・年収が低い方・年末調整で税額が0になった方が該当します。

Ⓑ「源泉徴収票を提出するもの」欄

その他の欄で間違えやすいところ

令和8年分から、合計表の用紙は税務署から送られてきません 合計表の「翌年以降送付」欄について、国税庁の手引は「令和8年分以降、合計表の送付を行いません。この欄の記載は不要です」としています。「毎年1月に届く用紙が来ないので気づかなかった」という失念が起こりえます。用紙は国税庁ホームページからダウンロードするか、e-Taxで作成してください。

出さなかったらどうなるか/訂正のしかた

罰則は「1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金」

法定調書の不提出には、明確な刑事罰の定めがあります。所得税法242条5号は、225条1項の支払調書226条1項〜3項の源泉徴収票等を提出期限までに税務署長に提出しなかった者、または偽りの記載・記録をして提出した者を、同条柱書により「1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金」に処すると定めています。

「懲役」ではなく「拘禁刑」です 刑法改正により令和7年6月1日から懲役・禁錮が「拘禁刑」に一本化されました。所得税法242条の現行条文も「一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する」となっています。「1年以下の懲役」と書いてある解説記事は、改正前の記述です。
本人への「交付」漏れも罰則の対象です(242条6号) 見落とされがちですが、罰則がかかるのは税務署への提出だけではありません。所得税法242条6号は、源泉徴収票を交付の期限までに支払を受ける者に交付しなかった者も、同じく1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の対象としています。
令和8年分から税務署への提出が不要になっても、本人への交付義務は1ミリも軽くなりません。ここを「提出不要になったから」と混同すると、罰則のある方を落とします。

提出後に誤りが見つかったら——「無効分」と「訂正分」の2枚組

提出済みの法定調書に誤りがあった場合、正しいものを1枚出し直すのではありません。書面の場合、次の4点セットを提出します。

  1. 法定調書(無効分)… 先に提出したものと同じ内容のものを作成し、右上部の余白に「無効分」と赤書きする
  2. 合計表(無効分)… 無効とした調書の金額等を記載し、「調書の提出区分」欄に「4」(無効)と記載する
  3. 法定調書(訂正分)正しい内容のものを作成し、右上部の余白に「訂正分」と赤書きする
  4. 合計表(訂正分)… 訂正分の調書の金額等を記載し、「調書の提出区分」欄に「3」(訂正)と記載する

合計表は、無効分・訂正分それぞれについて「無効・訂正箇所のみ」を記載して提出します。全件を書き直す必要はありません。

令和8年分の給与は、市区町村に訂正すれば税務署の訂正も済みます みなし提出を使った令和8年分の給与について誤りが見つかった場合、訂正した給与支払報告書を市区町村に提出すれば、税務署に訂正した源泉徴収票を提出したものとみなされます税務署に対して別途、無効分・訂正分の源泉徴収票を提出する必要はありません(国税庁Q&A 問12)。
eLTAXなら提出区分を「訂正」として再提出します。書面・光ディスクでの訂正方法は市区町村ごとに異なるため、提出先に確認してください。
一方、令和7年分以前の訂正は、従来どおり税務署へ無効分・訂正分を提出します(同 問11)。年分で手順が変わります。

よくある質問

Q. 令和8年分から、法定調書合計表は本当に提出しなくてよくなるのですか?

A. 給与所得の源泉徴収票しか該当がない会社なら、そのとおりです。給与支払報告書を市区町村に提出すれば、税務署への源泉徴収票の提出が不要になり、それに伴って合計表の提出も不要になります。ただし合計表は6種類の調書の兼用様式なので、退職所得の源泉徴収票(役員分)や報酬の支払調書、不動産の使用料等の支払調書など、他の調書を1枚でも税務署に出すなら、その調書について記載した合計表を併せて提出します。税理士報酬や家賃を支払っている会社は、結局これまでどおり合計表を作ることになります。

Q. 支払調書を提出しない相手(年5万円以下の報酬など)の金額も、合計表に書きますか?

A. 書きます。合計表のⒶ欄(総額)は、支払調書を提出するかどうかに関係なく、その年に支払った全額を集計する欄です。不動産の使用料等についても、手引は「Ⓐ使用料等の総額」欄に支払調書の提出を要しないものを含むと明記しています。「提出する分だけ」を集計するのはⒷ欄の方です。Ⓐを提出対象分だけで埋めてしまうのが、合計表で最も多い誤りのひとつです。

Q. 報酬の支払調書は、支払先本人にも交付しなければいけませんか?

A. 法令上の交付義務はありません。源泉徴収票は全ての受給者への交付が義務づけられています(所得税法226条。交付漏れは242条6号の罰則対象)が、報酬・料金の支払調書は税務署に提出する書類であり、支払先への交付は任意です。慣行として写しを送る会社もありますが、その場合マイナンバーを記載して交付することはできません。相手方から「支払調書をください」と求められても、法的な義務ではないと理解しておいてください。

Q. 1月31日が土日のときはどうなりますか?

A. 翌開庁日に繰り下がります(国税通則法10条2項)。令和8年分の提出期限にあたる令和9年1月31日は日曜日なので、期限は令和9年2月1日(月)です。なお直前の令和7年分も、令和8年1月31日が土曜日だったため期限は令和8年2月2日(月)でした。2年続けて「1月31日ではない」ので、社内の締切管理を「1/31」で固定していると事故のもとです。

Q. e-Taxでの提出義務は「30枚以上」とのことですが、従業員35人なら義務がありますか?

A. 頭数では判定できません。枚数は基準年(提出期限の属する年の前々年)に「提出すべきであった」法定調書の枚数で、しかも改正前の提出範囲(役員150万円超・その他500万円超・乙欄50万円超など)で数えます。国税庁Q&Aの設例では、600万円の年末調整済20人+40万円の乙欄15人=35人の会社でも、乙欄の15人は改正前の範囲に含まれないため20枚と判定され、電子的提出義務なしとなっています。判定は法定調書の種類ごとに行う点にも注意してください。

Q. 個人事業主でも、事務所の家賃について不動産の使用料等の支払調書を出しますか?

A. 原則として不要です。不動産関係の支払調書(不動産の使用料等・譲受けの対価・あっせん手数料)の提出義務者は、法人と「不動産業者である個人」に限られています(主として建物の賃貸借の代理・仲介を目的とする事業を営む方は除かれます)。一般の個人事業主が事務所や店舗の家賃を支払っていても、提出義務はありません。なお法人であっても、法人に支払う家賃は「権利金・更新料等」だけが対象で、賃借料そのものは提出対象外です。

出典

本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。令和8年分の法定調書の記載要領は、国税庁が例年秋に公表する「令和8年分 給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引」で必ずご確認ください。個別の判断は所轄税務署・税理士にご確認ください。