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外国税額控除とは — 名前は条文のいちばん最後で決まる。3つの控除の総称で、NISAの配当は政令で外れている

結論から言うと、外国税額控除は国外で課された税を日本の所得税から引く制度ですが、引ける上限は納めた外国の税額ではなく、日本の所得税額のうち国外分が占める割合で決まります。計算式は所得税法施行令222条にあり、その年分の所得税額 × 調整国外所得金額 ÷ 所得総額です。国外所得が全体の5%なら、日本の所得税の5%までしか引けません。

そして、この制度には見落とされやすい入口の話が2つあります。1つはNISA口座で受け取った外国株の配当に課された外国所得税は、はじめから控除の対象外だということ。日本で非課税なのだから外国の税だけでも取り返したい、と考えたくなるところですが、所得税法施行令222条の2第3項5号が名指しで除いています。もう1つは、控除を受けるには申告が必要だということ。所得税法95条10項が明細書の添付を条件にしているので、源泉徴収ありの特定口座で申告不要のままにすると、この制度は起動しません。

もう1つ、条文の作りとして面白い点があります。「外国税額控除」という名前は、95条のいちばん最後、16項になって初めて出てきます。しかもそれは1項だけを指す名前ではありません。この記事では、名前が何を指しているのか、限度額はどう作られるのか、引ききれない分をどこまで受け止められるのかを、条文と数字で順に確かめます。

外国税額控除とは — 名前は条文の最後の項で決まる

所得税法95条は16項まである長い条文です。1項が本体の控除、2項と3項が繰越に関する控除で、4項以下は国外源泉所得の定義や申告要件が続きます。そして最後の16項が、この条文全体に名前を与えます。

第一項から第三項までの規定による控除は、外国税額控除という。

ここで押さえておきたいのは、「外国税額控除」が1項の控除だけを指す言葉ではないことです。1項(その年に納めることになった外国所得税を、その年の限度額まで引く)に加えて、2項(過去3年に余っていた枠を使う)と3項(過去3年に引けなかった外国所得税を使う)を含めた3つの控除の総称です。後述する繰越を「外国税額控除の応用」ではなく「外国税額控除そのもの」として扱う理由が、この16項にあります。

1項の本体は、次の3つの言葉を同じ文の中で定義しています。条文を読みにくくしているのは、この3つがすべてかっこ書きに畳まれているからです。

条文が定義した言葉中身
外国所得税外国の法令により課される所得税に相当する税で政令で定めるもの(=施行令221条)
控除限度額その年分の所得税額のうち、国外所得金額に対応するものとして政令で定めるところにより計算した金額(=施行令222条)
控除対象外国所得税の額外国所得税の額から、政令で定める一定のものを除いた残り(=施行令222条の2)

つまり「外国で税を払った」だけでは足りず、①その税が外国所得税に当たるか ②そのうち控除対象になる部分はいくらか ③そして限度額はいくらか、という3つの関門を順に通ります。実務で引けない原因のほとんどは、②か③のどちらかにあります。

控除限度額の作り方 — 所得税額に「国外の割合」を掛ける

限度額の計算式は所得税法施行令222条1項が定めています。

法第九十五条第一項(外国税額控除)に規定する政令で定めるところにより計算した金額は、同項の居住者のその年分の所得税の額(同条の規定を適用しないで計算した場合の所得税の額とし、附帯税の額を除く。)に、その年分の所得総額のうちにその年分の調整国外所得金額の占める割合を乗じて計算した金額とする。

言い換えると「日本の所得税額 × 国外の割合」です。ここで使う分母と分子には、それぞれ条文上の細かい約束があります。

分子に上限があることの意味

3項ただし書があるため、割合が1を超えることはありません。国内で赤字が出て国外だけ黒字という年に、割合が1.5になって所得税額の1.5倍まで引ける、ということは起きない作りになっています。

もう1つ、分母・分子より先に効いてくるのがかっこ書きの「同条の規定を適用しないで計算した場合の所得税の額」です。外国税額控除を引く前の税額に割合を掛けるので、この制度が自分自身を小さくすることはありません。あわせて附帯税(延滞税や加算税)は除くと明記されています。

引ききれないときの受け皿は4段ある

外国所得税が所得税の控除限度額を超えたとき、そこで終わりではありません。受け皿は所得税・復興特別所得税・道府県民税・市町村民税の4段で、この順に使います。

2段目の復興特別所得税は、復興財源確保法14条1項が根拠です。この条は対象年を「平成二十五年から令和十九年までの各年」と区切っており、限度額は復興特別所得税の額に、所得税と同じ国外の割合を掛けて計算します。

3段目と4段目が住民税です。地方税法施行令7条の19第3項が道府県民税の限度額を定めています。

法第三十七条の三の規定により外国の所得税等の額を控除する場合における限度額は、国税の控除限度額に百分の十二(所得割の納税義務者が地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の市(以下この節において「指定都市」という。)の区域内に住所を有する場合には、百分の六)を乗じて計算する。

市町村民税は同令48条の9の2第4項です。

法第三百十四条の八の規定により外国の所得税等の額を控除する場合における限度額は、国税の控除限度額に百分の十八(所得割の納税義務者が地方自治法第二百五十二条の十九第一項の市(第六項及び第七項において「指定都市」という。)の区域内に住所を有する場合には、百分の二十四)を乗じて計算する。
指定都市に住んでいると数字が変わる。ただし合計は変わらない

政令指定都市の区域内に住所がある場合、道府県民税は12%→6%、市町村民税は18%→24%になります。合計はどちらも30%で同じです。指定都市では県民税と市民税の税率配分そのものが違うため、それに合わせて外国税額控除の枠も振り替えられているだけで、住んでいる市によって引ける総額が変わるわけではありません。解説記事で「地方税は30%」とだけ書かれているのは、この合計のことです。

何が「外国所得税」か — 含まれる4つ、含まれない4つ

出発点は所得税法施行令221条1項の定義で、外国の法令に基づき外国またはその地方公共団体により個人の所得を課税標準として課される税です。そのうえで2項が「含まれるもの」を4つ、3項が「含まれないもの」を4つ挙げています。

221条2項(含まれる)221条3項(含まれない)
1号超過所得税その他、所得の特定の部分を課税標準として課される税納付後に任意で還付請求ができる税
2号所得(またはその特定の部分)を課税標準とする税の附加税納付が猶予される期間を、納める側が任意に決められる税
3号同じ税目で、徴税上の便宜のため所得に代えて収入金額等を課税標準とするもの複数の税率から合意で決めた税のうち、最も低い税率を上回る部分
4号特定の所得につき、所得課税に代えて収入金額等を課税標準として課される税外国所得税に附帯して課される附帯税に相当する税など

2項の3号・4号が効いてくるのは、相手国が「所得」ではなく「収入」に課税している場合です。総収入に一定率で課される源泉税は、日本の所得税の考え方では所得課税に見えないことがありますが、条文はこれを外国所得税に取り込んでいます。「所得課税ではないから対象外」と決めつける前に、2項3号・4号に当たらないかを見ることになります。

逆に3項でよく引き合いに出されるのは1号です。

税を納付する者が、当該税の納付後、任意にその金額の全部又は一部の還付を請求することができる税

返してもらえる税は、そもそも負担していないのと同じという考え方です。あわせて3項3号の書き方に注意が要ります。ここは税そのものを丸ごと外しているのではなく、複数の税率のうち最も低い税率を上回る部分だけに限って外しています。合意で高い税率を選んだ場合、上乗せ分だけが外国所得税から落ちる、という切り方です。

外国所得税でも控除の対象から外れるもの

外国所得税に当たっても、施行令222条の2が並べる一定のものは控除対象外国所得税の額から外れます。実務で当たりやすいのは次の3つです。

1つ目がNISA口座(および未成年者口座)で受け取った配当に課された外国所得税です。222条の2第3項5号が名指しで挙げています。

租税特別措置法第九条の八(非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得の非課税)に規定する非課税口座内上場株式等の配当等又は同法第九条の九第一項(未成年者口座内の少額上場株式等に係る配当所得の非課税)に規定する未成年者口座内上場株式等の配当等に対して課される外国所得税の額

3項全体の見出しに当たる法95条1項のかっこ書きは、「所得税が課されないこととなる金額を課税標準として……課される外国所得税の額」を除くと書いています。日本側で非課税にした配当について、外国で引かれた分まで日本の税から引くことはしない、という筋です。NISAは投資益に日本の税がかからない代わりに、外国の源泉税は取り戻せないまま残ります。

2つ目が租税条約の限度税率を超えて課された部分です(同条4項4号)。日本が租税条約を結んでいる相手国で、条約が「この所得にはここまでしか課税できない」と定めているのに、それを超えて源泉徴収された場合、超えた部分は日本の外国税額控除では引けません。取り戻すなら相手国に還付を求めることになります。免除すべきとされている額も同じ扱いです。

3つ目がその年以前に非居住者であった期間内に生じた所得に対して課された外国所得税(同項1号)。海外赴任から帰任した年は、赴任中の所得に課された税がここで切られます。

投資信託を通じて負担した外国税は、95条ではなく93条

ここは混同されやすいところです。国内で設定された投資信託(集団投資信託)が投資先の国で負担した外国税は、95条の外国税額控除ではなく、所得税法93条の別制度で処理されます。93条も、95条と同じように最後の項で自分の名前を明かします。

第一項の規定による控除は、分配時調整外国税相当額控除という。

この控除は、投資信託の収益分配を支払う段階で外国税がすでに所得税から差し引かれていることを前提に、受け取った人の側でその人の分に対応する金額を所得税額から引く仕組みです。二重に控除させないための調整であって、外国税額控除の枠(控除限度額)とは別に動きます。

限度額の計算にも顔を出す

復興特別所得税の計算の出発点になる基準所得税額は、分配時調整外国税相当額控除と外国税額控除を適用しないで計算した所得税額とされています(国税庁タックスアンサーNo.1240)。2つの制度は場面が違うだけで、税額計算の順番の中では隣り合っています。

無料ツール:資産形成の計算 積立・NISA・信託報酬・出口の税金をまとめて試算します。NISAは日本の税が非課税になる一方、外国株の配当に課された外国所得税は取り戻せません。課税口座との比較を考えるときは、この差も込みで見ることになります。

計算例 — 外国所得税8万円のうち、いくら引けるか

数字を置いて追いかけます。外国で源泉徴収された金額は、実際に徴収された額として与えられたものとします(税率から逆算していません)。

前提金額
その年分の所得総額(=総所得金額)10,000,000円
うち調整国外所得金額(国外の配当)500,000円
所得控除の合計2,800,000円
課税総所得金額7,200,000円
その年分の所得税額(外国税額控除を適用しないで計算)1,020,000円
外国で課された外国所得税(控除対象になるもの)80,000円

国外の割合は 500,000 ÷ 10,000,000 = 5%です。ここから4段の受け皿を作ります。

受け皿計算限度額実際に引く額
① 所得税1,020,000 × 5%51,000円51,000円
② 復興特別所得税1,020,000 × 2.1% = 21,420円、その5%1,071円1,071円
③ 道府県民税51,000 × 12%6,120円6,120円
④ 市町村民税51,000 × 18%9,180円9,180円
合計67,371円67,371円

外国所得税80,000円に対して引けたのは67,371円差額の12,629円は控除限度超過額として、翌年以後3年内に繰り越します。なお②の復興特別所得税は、限度額が1,071円しかないため、超過額29,000円のうち1,071円しか受け止めません。実額でいちばん効くのは③④の住民税(合計15,300円)です。

外国所得税 80,000円 の行き先 ① 所得税から 51,000円 ② 復興特別所得税 1,071円 ③ 道府県民税 6,120円(限度額 = ①×12%) ④ 市町村民税 9,180円(限度額 = ①×18%) 残り 12,629円 → 控除限度超過額として3年繰越 横幅は金額に比例(1円 = 0.0075px)。①だけで受け止められる割合が大きい
外国所得税は「所得税 → 復興特別所得税 → 道府県民税 → 市町村民税」の順に受け止め、それでも残った分を3年繰り越す。地方税の枠は所得税の限度額の30%(12%+18%)で作られるため、①が小さいと③④も自動的に小さくなる。
限度額を決めているのは「日本の所得税額」のほう

③④の住民税枠は、住民税の税額ではなく所得税の控除限度額から作られます。したがって所得控除が大きくて日本の所得税額が小さい年は、外国でいくら源泉徴収されていても受け皿全体が小さくなります。「外国で払った額が大きいのに引けない」という相談の多くは、外国側ではなく日本側の税額が原因です。

3年の繰越 — 余った枠も、引けなかった税も持ち越す

95条2項と3項が、繰越を反対向きに2本用意しています。どちらも前年以前3年内が対象です。

95条2項95条3項
今年の状況外国所得税が枠を超えている外国所得税が枠に満たない
持ち越すもの過去3年の余った枠(繰越控除限度額)過去3年の引けなかった外国所得税(繰越控除対象外国所得税額)
限度繰越控除限度額今年の控除限度額 − 今年納付する控除対象外国所得税の額

国税庁の説明では、余った枠を所得税の控除余裕額地方税の控除余裕額に分け、最も古い年のものから順に、同じ年の中では所得税の余裕額→地方税の余裕額の順に充てるとされています。順序が決まっているので、どの年の枠から使うかを選ぶ余地はありません。

そして繰越には固有の申告要件があります。95条11項は、繰越に係る年のうち最も古い年以後の各年分の申告書等に、その各年の控除限度額と納付することとなった控除対象外国所得税の額を記載した書類の添付があることを条件にしています。今年になって遡って作れるものではないため、外国所得税を払ったが枠が余った年も、その年のうちに明細書を付けて申告しておく必要があります。

あとから減額されたら7年さかのぼる

外国の税務当局から還付を受けるなどして、控除を受けた外国所得税があとから減額されることがあります。95条9項がこの場合を扱います。

居住者が納付することとなつた外国所得税の額につき第一項から第三項までの規定の適用を受けた年の翌年以後七年内の各年において当該外国所得税の額が減額された場合におけるその減額されることとなつた日の属する年のこれらの規定の適用については、政令で定めるところによる。

繰越が3年なのに対し、減額の追いかけは7年です。処理は減額のあった年で行い、国税庁の説明によれば、①その年に納付する外国所得税額から減額分を差し引いて外国税額控除を計算し、②足りなければ前年以前3年内の控除限度超過額から差し引き、③それでも充てられない部分は減額された年分の雑所得の総収入金額に算入します。過去の申告をやり直すのではなく、減額の年で精算する作りです。

手続き — 確定申告書だけでなく、修正申告書・更正請求書でもよい

95条10項が申告要件を定めています。ここは「当初申告でなければ使えない」と誤解されやすい箇所なので、条文をそのまま見ておきます。

第一項の規定は、確定申告書、修正申告書又は更正請求書(次項において「申告書等」という。)に第一項の規定による控除を受けるべき金額及びその計算に関する明細を記載した書類、控除対象外国所得税の額を課されたことを証する書類その他財務省令で定める書類(以下この項において「明細書」という。)の添付がある場合に限り、適用する。

条文が挙げている器は3つ(確定申告書・修正申告書・更正請求書)で、当初の確定申告書に限られていません。ただし同項後段が、控除される金額の計算の基礎となる控除対象外国所得税の額などについて、税務署長において特別の事情があると認める場合を除くほか、当該明細書に当該金額として記載された金額を限度とすると定めています。「申告書等に添付した明細書に書いた額」が天井になるという意味で、書かなかった金額が後から増えるわけではない、という制約です。

添付する書類は、国税庁の案内では次のとおりです。

計上する年は「納付することとなる日」の属する年。ただし選べる

国税庁の案内では、外国所得税は納付することとなる日の属する年分で控除するのが原則ですが、継続してその納付することが確定した外国所得税額を実際に納付した日の属する年分において控除している場合には、その方法も認められるとされています。continuity(継続適用)が条件なので、有利な年だけ切り替える使い方はできません。

法人が納めた外国法人税については、法人税法69条に別の外国税額控除があります。この記事は所得税法95条の、居住者に係る外国税額控除だけを扱っています。

よくある質問

Q. NISA口座で受け取った外国株の配当は、外国税額控除の対象になりますか?

A. なりません。所得税法施行令222条の2第3項5号が、租税特別措置法9条の8に規定する非課税口座内上場株式等の配当等と、同法9条の9第1項に規定する未成年者口座内上場株式等の配当等に対して課される外国所得税の額を、控除対象外国所得税の額から除いています。根拠は法95条1項のかっこ書きにある「所得税が課されないこととなる金額を課税標準として外国所得税に関する法令により課されるもの」という考え方で、日本側で非課税にした所得については外国の税も引かない、という筋です。NISAでは外国の源泉税だけが負担として残ります。

Q. 源泉徴収ありの特定口座で申告不要にしていますが、外国税額控除は自動で受けられますか?

A. 自動では受けられません。所得税法95条10項が、確定申告書・修正申告書・更正請求書に、控除を受けるべき金額とその計算に関する明細を記載した書類などを添付した場合に限り適用すると定めているためです。申告不要を選ぶと、そもそも添付する申告書等が存在しないことになります。なお申告するかどうかは外国税額控除だけで決まる話ではなく、配当を申告することで合計所得金額が動き、他の控除や社会保険料に影響することがあります。申告不要の法的根拠と、あえて申告した場合に住民税・保険料・扶養へどう波及するかは特定口座(源泉徴収あり)と確定申告の記事で扱っています。

Q. 外国で払った税額の全部を引けないのはなぜですか?

A. 引ける上限が、納めた外国の税額ではなく日本の所得税額から作られているためです。所得税法施行令222条1項は、控除限度額を、その年分の所得税の額に、所得総額のうち調整国外所得金額の占める割合を乗じて計算した金額としています。国外所得が全体の5%であれば、日本の所得税額の5%が上限です。これは、日本が国外所得について放棄する税収を、その国外所得に対応する部分に限る、という設計によるものです。超えた部分は復興特別所得税と住民税の枠で受け止め、それでも残れば3年繰り越します。

Q. 住民税からの控除は自分で申告するのですか?

A. 一般に、所得税の確定申告をすれば、その内容が市区町村に送られて住民税側の計算に反映されます。控除の限度額は、地方税法施行令7条の19第3項と48条の9の2第4項が、いずれも所得税の控除限度額(国税の控除限度額)を基準に定めているため、所得税側の計算が確定して初めて決まる構造です。所得税とは別に住民税だけの手続きが必要になるものではありませんが、繰越を使う場合の記載は所得税の申告書等の側で行うことになります。

Q. 政令指定都市に住んでいると引ける額が減るのですか?

A. 減りません。地方税法施行令7条の19第3項は道府県民税の限度額を国税の控除限度額の12%(指定都市の区域内に住所を有する場合は6%)、同令48条の9の2第4項は市町村民税の限度額を18%(指定都市の場合は24%)と定めています。合計はいずれも30%で同じです。指定都市では道府県民税と市町村民税の税率配分そのものが異なるため、それに合わせて枠が振り替えられているだけです。

Q. 投資信託の分配金にかかった外国税も外国税額控除で引くのですか?

A. 国内で設定された集団投資信託を通じて負担した外国税は、所得税法93条の分配時調整外国税相当額控除という別の制度で処理されます。同条5項が「第一項の規定による控除は、分配時調整外国税相当額控除という。」と名前を与えています。収益の分配を支払う段階ですでに所得税額から差し引かれた外国税のうち、自分が受け取る分配に対応する金額を所得税額から控除する仕組みで、95条の外国税額控除の控除限度額とは別枠で動きます。

Q. 租税条約の税率より高く源泉徴収されていた場合はどうなりますか?

A. 所得税法施行令222条の2第4項4号により、租税条約の規定によって相手国が課すことができるとされている額を超える部分と、免除することとされている額に相当する金額は、控除対象外国所得税の額から除かれます。つまり日本の外国税額控除では引けません。一般には、相手国の手続に従って還付を受けるか、条約の適用を受けるための届出をあらかじめ行っておくことになります。実際の税率は相手国ごとの条約で異なるため、財務省が公表している租税条約の一覧で確認することになります。

Q. 繰越を使うつもりの年は、何をしておけばよいですか?

A. 所得税法95条11項が、繰越控除限度額または繰越控除対象外国所得税額に係る年のうち最も古い年以後の各年分の申告書等に、その各年の控除限度額と、その各年において納付することとなった控除対象外国所得税の額を記載した書類の添付があることを要件としています。したがって、枠が余った年や引けなかった年も、その年の申告で明細書を付けておく必要があります。控除される金額は、原則としてそれらの書類に記載した金額を基礎として計算した金額が限度になります。

出典

この記事は一般的な情報提供であり、個別の税務についての助言ではありません。租税条約の限度税率は相手国ごとに異なり、条約の改正によって変わることがあります。国外所得金額の計算は所得の種類によって扱いが分かれるため、実際の申告にあたっては所轄の税務署または税理士にご確認ください。法人が納めた外国法人税については、法人税法69条の外国税額控除が別に定められています。

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