住民税決定通知書の見方 — 法令にこの名前の書類は無い。特別徴収と普通徴収で別の書類です
結論から言うと、住民税決定通知書という名前の書類は、法令に一度も出てきません。地方税法の全文(本則・附則あわせて約800万字)を機械で数えても、決定通知書という語は0回です。同じことは地方税法施行規則についても言えます。それでも毎年春に何百万枚も届くこの紙には、ちゃんと法令上の名前があります。
そして重要なのは、この呼び名が2つのまったく違う書類を指していることです。給与から天引きされる会社員に届くのは第三号様式、自営業の人や退職した人に届くのは第一号の三様式で、根拠条文も、届く相手も、届く時期も、支払う回数も違います。手元の紙がどちらなのかを先に決めないと、「6月に届くはずだ」「4回に分かれているはずだ」といった前提が丸ごとずれます。
この記事では、まず自分に届いたのがどちらかを判別し、そのうえで5月31日までという期限、12で割らない2つの場合、届かなかったとき、金額が間違っていたとき、そして電子データで受け取れる人の条件までを、条文にあたって順に確認します。
「住民税決定通知書」は2種類ある
個人の住民税の集め方は2つしかありません。地方税法319条1項は、特別徴収による場合を除くほか、普通徴収の方法によらなければならないと定めています。つまり給与天引き(特別徴収)に当たらない人は、全員が普通徴収です。届く書類はこの区分でまるごと入れ替わります。
普通徴収の納期について、地方税法320条は次のように定めています。
普通徴収の方法によつて徴収する個人の市町村民税の納期は、六月、八月、十月及び一月中(当該個人の市町村民税額が均等割額に相当する金額以下である場合にあつては、六月中)において、当該市町村の条例で定める。但し、特別の事情がある場合においては、これと異なる納期を定めることができる。
4期に分かれるのが原則ですが、決めているのは市町村の条例です。法律は月だけを枠として示していて、その月のいつを納期限にするかは自治体ごとに違います。さらに但し書があるので、特別の事情があれば4期ですらなくなります。
法令上の名前 — 決定通知書という語は使われていない
様式を定めているのは地方税法施行規則2条1項の表です。ここに文書の種類と様式番号が並んでいて、いま問題にしている2つはこう書かれています。
| 文書の種類(施行規則2条1項の表) | 様式 | 通称 |
|---|---|---|
| 市町村民税・道府県民税・森林環境税/税額決定/納税/通知書 | 第一号の三様式 | 住民税決定通知書(普通徴収) |
| 給与所得等に係る特別徴収義務者及び特別徴収に係る納税義務者に交付する特別徴収の方法によつて徴収する旨の通知書 | 第三号様式(別表) | 住民税決定通知書(特別徴収) |
| 納期限変更告知書 | 第二号様式 | — |
| 督促状 | 第四号様式/第四号の二様式 | — |
ここで気づいてほしいのは、普通徴収の側の様式名にだけ「税額決定」の語があることです。第一号の三様式は市町村民税・道府県民税・森林環境税の税額決定納税通知書で、日常語の「決定通知書」はこの名前が縮んだものだと考えると筋が通ります。一方の特別徴収の側には、決定という語がどこにも入っていません。条文が使うのは、特別徴収の方法によつて徴収する旨の通知という言い回しだけです。
地方税法と地方税法施行規則の全文をe-Gov法令API v2で取得し、語を数えました。決定通知書は地方税法で0回・施行規則で0回。税額決定は地方税法で0回、施行規則では1回だけで、それが上の表の第一号の三様式の名称です。つまり、会社員が毎年5月に受け取っているあの紙を法令の言葉で呼ぶなら、決定通知書ではなく第三号様式の通知書ということになります。
実務上の効き目もあります。自治体の窓口や様式のダウンロードページを探すとき、特別徴収税額通知や第三号様式で当たったほうが目的の書式に届きます。地方税法施行規則9条の22の見出しにも、特別徴収税額通知という語が使われています。
いつ届くか — 5月31日という期限は法律が決めている
特別徴収のほうは、届く期限が法律に書いてあります。地方税法321条の4第2項です。
市町村長が前項後段の規定により特別徴収義務者及び特別徴収義務者を経由して納税義務者に対してする通知は、当該年度の初日の属する年の五月三十一日までにしなければならない。
令和8年度分であれば、令和8年5月31日までです。ここで押さえておきたいのは、通知の相手が特別徴収義務者(会社)と、会社を経由した納税義務者(従業員本人)の2つだということ。会社に届く1枚と、会社が従業員に配る1枚は、同じ条文にもとづく別々の通知です。従業員に配るのを忘れると、法律が予定した通知の片方が届いていないことになります。
なお、特別徴収義務者に指定されるのは市町村の条例によります(321条の4第1項)。対象は、その年度の初日に給与を支払う者のうち、所得税法183条により源泉徴収の義務がある者です。源泉徴収をしていれば原則として特別徴収義務者になる、という関係です。
これに対して普通徴収の納税通知書には、法律上の期日の定めがありません。実務では6月の第1期納期限に合わせて発送されますが、その根拠は条例と運用であって、5月31日のような法定期限ではない点が特別徴収と違います。
何が書いてあるか — 1枚に3つの税が載っている
通知書の税額欄には3つの税が並びます。同じ紙に載っているので1つの税に見えますが、課税している主体は3者に分かれています。
| 欄 | 誰が課すか | 均等割の標準税率 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 市町村民税 | 市町村 | 3,000円 | 地方税法310条 |
| 道府県民税(都民税) | 都道府県 | 1,000円 | 地方税法38条 |
| 森林環境税 | 国 | 1,000円(税率そのもの) | 森林環境税法3条・5条 |
意外に思われるのが3行目です。森林環境税は国税で、森林環境税法3条は、この法律の施行地に住所を有する個人に対しては国が均等の額により課すると定めています。税率は5条で千円と決まっており、賦課期日は6条により1月1日です。それを市町村が集めているのは、同法7条1項が、住所所在市町村が個人の市町村民税の均等割の賦課徴収の例により、市町村民税・道府県民税の均等割と併せて行うと定めているためです。適用は令和6年度以後の年度分からです(同法附則2条)。
だから様式の名前も、市町村民税・道府県民税・森林環境税の3つを並べた形になっています。給与明細の住民税の行が前年より1,000円上がった年があるとすれば、この森林環境税が入った年度だった可能性があります。
前年の所得が一定額以下なら住民税はかかりませんが、その場合でも通知書に氏名が載り税額が0円と印字されることがあります。森林環境税のほうにも独自の非課税規定があり(森林環境税法4条)、生活扶助を受けている人、障害者・未成年者・寡婦・ひとり親で前年の合計所得金額が135万円以下の人、前年の合計所得金額が政令で定める金額以下の人が挙げられています。住民税の非課税と森林環境税の非課税は別々の条文なので、金額の欄は行ごとに確かめてください。
なお、普通徴収の納税通知書のほうは、記載事項が法律に列挙されています。地方税法1条1項6号の定義がそれで、賦課の根拠となった法律および条例の規定、納税者の住所・氏名、課税標準額、税率、税額、納期、各納期における納付額、納付の場所に加えて、納期限までに納付しなかった場合に執られるべき措置と賦課に不服がある場合における救済の方法まで書くことになっています。不服申立ての案内が印刷されているのは、様式の親切ではなく定義規定の要求です。
なぜ6月から翌年5月なのか。12で割らない場合が2つある
徴収の仕方は地方税法321条の5第1項が決めています。原則は12分の1を6月から翌年5月まで、徴収した月の翌月10日までに納入です。ただしこの条文には、12で割らない場合が2つ書き込まれています。
| 場合 | 分割の仕方 | 根拠 |
|---|---|---|
| 5月31日までに通知を受け取った(原則) | 12分の1を6月〜翌年5月 | 321条の5第1項前段 |
| 5月31日より後に通知を受け取った | 通知のあった月の翌月から翌年5月までの月数で割る | 321条の5第1項前段 |
| 税額が均等割額以下 | 最初に徴収すべき月に全額を一度で徴収 | 321条の5第1項ただし書 |
2つめが実務で効きます。たとえば通知が8月に届いた年は、9月から翌年5月までの9か月で割ります。12で割った額を9月から引くと、翌年5月までに集めきれません。分割回数は毎年12とは限らないということです。
3つめのただし書は、税額が小さい人の話です。均等割の標準税率は市町村民税3,000円・道府県民税1,000円なので、この水準以下の税額の人は12分割されず、6月の給与から全額が引かれます。金額が小さいので見落とされがちですが、本人には1か月だけ大きく引かれたように見えるので、聞かれたときに答えられるようにしておくと親切です。
納入の期限にも例外があります。地方税法321条の5の2の納期の特例で、給与の支払を受ける者が常時10人未満の事務所等について、6月〜11月分と12月〜翌年5月分をまとめて年2回で納入できます。ここで注意したいのは、市町村長の承認が要ることです。源泉所得税の納期の特例が届出で足りるのと違って、住民税のほうは承認制です。
6月だけ税額が高くなる端数の仕組みや、年間スケジュールの全体像は、住民税の特別徴収とは|6月からの年間スケジュールと退職者の一括徴収で扱っています。この記事は通知書という書類そのものに絞っています。
届かない・遅れて届いたとき
5月31日を過ぎても通知が来ない、という相談は毎年あります。法律はこの事態をあらかじめ想定していて、遅れて通知することを認めています。321条の4第3項です。
第三百十七条の六第一項の規定により提出すべき給与支払報告書が同項の提出期限までに提出されなかつたことその他やむを得ない理由があることにより、市町村長が前項に規定する期日までに第一項後段の規定による通知をすることができなかつた場合には、当該期日後において当該通知をすることを妨げない。ただし、次条第一項の規定により当該通知のあつた日の属する月の翌月から翌年五月までの間において給与所得に係る特別徴収税額を徴収することが不適当であると認められる場合は、この限りでない。
読みどころは3つあります。第1に、遅れる理由として真っ先に挙げられているのが給与支払報告書が1月31日までに出ていないことです。通知が来ないときにまず確かめるのは自治体側ではなく、自社が1月31日までに給与支払報告書を出したかということになります。地方税法317条の6第1項は、1月1日現在で給与を支払い源泉徴収の義務がある者に、その年の1月31日までの提出を義務づけています。
第2に、期限を過ぎた通知も有効だということ。妨げないという書き方なので、届いた通知はそのまま効力を持ちます。前節のとおり分割回数だけが変わります。
第3に、ただし書です。残りの期間で徴収するのが不適当と認められる場合には通知をしない、とあります。年度末近くになって通知しても集めきれないので、その年度は普通徴収に回るという設計です。届かないこと自体が違法状態とは限らないことになります。
金額が間違っているとき — 会社は計算し直さない
通知書の税額が違うと思ったとき、会社が自分で計算し直して引く額を変えることはできません。地方税法321条の6第1項は、誤りを見つけて直すのは市町村長の役目だと定めています。
市町村長は、第三百二十一条の四第一項から第三項まで(同条第六項において同条第一項後段の規定を準用する場合を含む。)の規定により給与所得に係る特別徴収税額を通知した後において、当該給与所得に係る特別徴収税額に誤りがあることを発見した場合その他これを変更する必要がある場合には、直ちに当該給与所得に係る特別徴収税額を変更して、その旨を当該特別徴収義務者及びこれを経由して当該納税義務者に通知しなければならない。
直ちにという語が入っているのが特徴です。そして会社側の義務は同条3項に書かれていて、変更通知を受け取った月以後に徴収すべき月割額は、市町村長が定めるところによらなければならないとされています。会社に裁量はありません。年の途中で税額が変わるのは、確定申告や扶養の訂正が反映されたときによく起きます。
金額に疑問があるときの流れは、①通知書の課税標準額と、自社が提出した給与支払報告書の支払金額が一致しているかを照合する ②ずれていれば市区町村の住民税担当に照会する ③自治体が変更通知を発行する ④変更通知が届いた月以後の月割額から新しい額に切り替える、という順になります。③を待たずに引く額を動かすと、納入額と通知額が合わなくなります。
電子データで受け取る — 対象は「特定特別徴収義務者」だけ
通知は紙だけではありません。地方税法321条の4第7項から第11項が、eLTAX(地方税関係手続用電子情報処理組織)と地方税共同機構を経由した電子的な提供を定めています。ただし誰でも受け取れるわけではありません。
条文が対象にしているのは特定特別徴収義務者で、その定義が絞り込みになっています。317条の6第5項第1号により給与支払報告書記載事項を提供した者、または317条の6第1項の給与支払報告書の提出を747条の2第1項により行った者、つまりeLTAXで給与支払報告書を出した者に限られます。
317条の6第5項は、電子提出の義務がかかる規模の事業者に2つの方法を認めています。第1号がeLTAX経由、第2号が光ディスク等の提出です。ところが321条の4第7項の括弧書きは、第1号に係る部分に限ると明記しています。同じ電子提出の義務を果たしても、光ディスクを選んだ会社は特定特別徴収義務者に当たらず、電子で通知を受け取る道が閉じます。義務の履行方法として等価に見える2つの選択肢が、後段の制度では等価でないという構造です。
電子化には2段階あります。会社が受け取る分(第7項)と、従業員に渡す分(第8項)です。後者はさらに条件が重く、従業員に電磁的方法で提供する体制が整備されている者に限るとされています。会社が受け取れるからといって、従業員の分まで自動的に電子になるわけではありません。
方法の中身は地方税法施行規則9条の22が定めています。会社が受け取る分については、市町村長が電子署名を行い電子証明書を併せて送信しなければなりません(同条2項)。従業員に渡す分については、機構が通知情報を加工して二次元コードを併せて送信します。この二次元コードは、機構の電子計算機に送信することで改変が行われていないかどうかを確認できるものに限る、と条文が限定しています(同条3項)。改ざん検知のための仕組みが規則のレベルで書き込まれているわけです。
従業員のうち電子での受け取りが難しい人には、規則9条の22第4項が2つの方法を用意しています。通知事項および二次元コードを印刷したものを交付する方法と、電磁的記録媒体を交付する方法です。前者は単なる印刷ではなく、二次元コードごと印刷することが要件になっている点に注意してください。
紙なら封筒が着いた日が分かりますが、電子の場合はいつ届いたことになるのか。321条の4第11項は、機構のファイルに記録がされたうえで、市町村長が総務省令で定める方法により通知した記録に関する事項が到達した時に到達したものとみなすと定めています。そしてその総務省令で定める方法を、施行規則9条の22第5項が電子メールにより送信する方法と特定しています。
つまり自治体からのお知らせメールが着いた瞬間が、法律上の到達です。担当者がそのメールボックスを見ていなくても到達は成立し、6月からの徴収義務は動き出します。電子受け取りに切り替えるときは、受信するアドレスを個人の担当者宛てではなく、退職・異動で失われない共有のアドレスにしておくのが安全です。
もう1つ、紙と電子で中身が違う点があります。地方税法施行規則2条2項は、当分の間、市町村長が特別徴収義務者に第三号様式の通知書を交付するときは、様式中の個人番号および個人番号又は法人番号の欄を記載しないこととすると定めています。そしてこの取扱いから、321条の4第7項による電子的な提供は除かれています。紙の通知書とeLTAXで受け取るデータでは、マイナンバーの欄の扱いが条文上そろっていないということです。電子受け取りに切り替える際は、受け取ったデータを特定個人情報として扱う必要が出るかを社内規程とあわせて確認してください。
入社・退職・転職があったとき
年度の途中で人が動くと、通知書と実際の徴収がずれます。条文はそれぞれ別の項で手当てしています。
| 場面 | 扱い | 根拠 |
|---|---|---|
| 給与の支払者が2社以上ある | 市町村が条例により全部または一部を特別徴収義務者に指定。2以上を指定したときは、それぞれが支払う給与の額に按分して徴収させることができる | 321条の4第4項 |
| 転職して特別徴収を続けたい | 本人が新しい勤務先を通じて、前の勤務先から給与を受けなくなった日の属する月の翌月10日までに申し出る | 321条の4第5項 |
| その退職が4月中だった | 申出の期限が4月30日までに変わる。ただし指定が困難と市町村長が認めるときは指定されない | 321条の4第5項ただし書 |
| 退職して給与が出なくなった | その事由が発生した月の翌月以降の月割額は徴収・納入しない。ただし1月1日〜4月30日に発生した場合などは一括徴収 | 321条の5第2項 |
2番目と3番目が見落とされやすいところです。転職時に特別徴収を引き継ぐ申出の期限は翌月10日ですが、4月の退職だけは4月30日にずれます。翌月10日という一般則をそのまま当てはめると5月10日と読んでしまいますが、条文は4月中の場合を括弧書きで別扱いにしています。年度替わりに近いので、遅れると次年度の指定が間に合わないという事情によるものです。
1番目の按分は、掛け持ち勤務の人がいる会社で問題になります。2社が指定された場合、それぞれが支払う給与の額に応じて分けて徴収させることができるという書き方なので、実際にどうなるかは通知書を見て確認するしかありません。
退職時の一括徴収の細かい分岐(6月〜12月退職と1月〜4月退職で扱いが変わる点、給与所得者異動届出書の提出)は、住民税の特別徴収とはで詳しく扱っています。
手取り計算ツールで、住民税を含めた毎月の手取りを試算するよくある質問
Q. 住民税決定通知書は再発行してもらえますか?
A. 特別徴収義務者用については、実務上は市区町村の住民税担当に依頼して対応してもらう扱いが一般的です。ただし地方税法321条の4は通知の再交付について定めた規定を置いておらず、条文上の権利として再発行を求められる仕組みにはなっていません。納税義務者用(従業員に配る分)も同様です。なお課税内容そのものを証明したい場合は、通知書の再発行ではなく課税証明書の交付を受けるほうが確実です。取扱いは自治体ごとに異なるため、住所地の市区町村にご確認ください。
Q. 5月31日を過ぎても通知書が届きません。どうすればよいですか?
A. まず自社が給与支払報告書を1月31日までに提出したかを確認してください。地方税法321条の4第3項は、通知が遅れる理由の筆頭に給与支払報告書が提出期限までに提出されなかったことを挙げています。提出済みであれば市区町村の住民税担当に照会します。期限後に届いた通知も有効で、その場合は321条の5第1項により、通知のあった月の翌月から翌年5月までの月数で割った額を徴収します。12分の1ではありません。
Q. 通知書の税額が明らかに間違っています。会社の判断で正しい額を引いてよいですか?
A. できません。地方税法321条の6第1項により、税額に誤りがあることを発見した場合に変更するのは市町村長で、変更後は特別徴収義務者と納税義務者に通知することとされています。会社側は同条3項により、変更通知を受け取った日の属する月以後に徴収すべき月割額を市町村長が定めるところによらなければならないとされています。まず市区町村へ照会し、変更通知を受け取ってから徴収額を切り替えるのが条文どおりの順序です。
Q. 通知書に森林環境税1,000円とありますが、これは住民税ではないのですか?
A. 住民税ではありません。森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律3条により、国が課する国税です。税率は同法5条で千円と定められ、賦課期日は6条により1月1日です。市町村が集めているのは同法7条1項が、個人の市町村民税の均等割の賦課徴収の例により、市町村民税・道府県民税の均等割と併せて行うと定めているためで、令和6年度以後の年度分に適用されています。同じ紙に載っていますが、課税主体は国です。
Q. eLTAXで特別徴収税額通知を受け取るには、何が必要ですか?
A. 地方税法321条の4第7項の特定特別徴収義務者に当たることと、電磁的方法により提供を受けることを希望する旨の申出をすることの2つです。特定特別徴収義務者は、317条の6第5項第1号によりeLTAXで給与支払報告書記載事項を提供した者、または747条の2第1項によりeLTAXで給与支払報告書を提出した者に限られます。同じ電子提出でも、317条の6第5項第2号の光ディスク等による提出は括弧書きの範囲外です。従業員に配る納税義務者用まで電子で受け取るには、321条の4第8項により、従業員へ電磁的方法で提供する体制が整備されていることも要件になります。
Q. 電子で受け取る場合、いつ届いたことになりますか?
A. 地方税法321条の4第11項により、地方税共同機構の電子計算機のファイルへ記録がされたうえで、市町村長が総務省令で定める方法により通知した当該記録に関する事項が特定特別徴収義務者に到達した時です。その総務省令で定める方法を、地方税法施行規則9条の22第5項が電子メールにより送信する方法と定めています。したがって自治体からの記録通知メールが到達した時点が法律上の到達となり、受信箱を見ていたかどうかは関係しません。受信先は担当者個人ではなく共有のアドレスにしておくと、異動や退職で見落とす事故を避けられます。
Q. 従業員が2社から給与をもらっている場合、住民税はどちらから引かれますか?
A. 地方税法321条の4第4項により、市町村が条例で支払者の全部または一部を特別徴収義務者として指定します。2以上を指定した場合は、それぞれが当該年度中に支払うべき給与の額に按分して徴収させることができるとされています。できるという書き方なので按分するかどうかは市町村の判断であり、実際にどう指定されたかは届いた通知書で確認することになります。
Q. 自営業ですが、届いた通知書には第三号様式ではなく第一号の三様式と書かれています。違う書類ですか?
A. 普通徴収の納税通知書で、地方税法施行規則2条1項の表が市町村民税・道府県民税・森林環境税の税額決定納税通知書として定めている様式です。給与から天引きされる人に会社経由で届く第三号様式とは別の書類で、納期も地方税法320条により6月・8月・10月・1月の4期(税額が均等割額以下なら6月のみ)を枠として市町村の条例で定められます。記載事項は地方税法1条1項6号の納税通知書の定義に従い、不服がある場合の救済の方法まで含まれます。
出典
- e-Gov法令検索「地方税法」(昭和二十五年法律第二百二十六号)第1条第1項第6号(納税通知書の定義)・第38条(道府県民税の個人の均等割の税率)・第310条(市町村民税の個人の均等割の税率)・第317条の6(給与支払報告書等の提出義務)・第319条(個人の市町村民税の徴収の方法等)・第320条(普通徴収に係る個人の市町村民税の納期)・第321条の4(給与所得に係る特別徴収義務者の指定等)第1項〜第11項・第321条の5(給与所得に係る特別徴収税額の納入の義務等)・第321条の5の2(納期の特例)・第321条の6(給与所得に係る特別徴収税額の変更)・第747条の2(地方税関係申告等の特例)。施行日2026年7月31日の版をAPI v2で取得。あわせて施行日2027年4月1日の版を取得し、第321条の4・第321条の5・第321条の5の2・第321条の6・第317条の6の全文が同一であることを確認
- e-Gov法令検索「地方税法施行規則」(昭和二十九年総理府令第二十三号)第2条(道府県民税、市町村民税及び森林環境税に係る納税通知書・申告書等の様式)第1項の表・第2項(当分の間、個人番号の欄を記載しない取扱い)・第9条の22(法第321条の4第7項、第8項、第9項及び第11項に規定する総務省令で定める方法)第1項〜第5項。API v2で取得
- e-Gov法令検索「森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律」(平成三十一年法律第三号)第3条(納税義務者)・第4条(非課税)・第5条(税率)・第6条(賦課期日)・第7条(賦課徴収)・附則第2条(適用区分)。API v2で取得
この記事は一般的な情報提供であり、個別の事案についての助言ではありません。税額の内容や手続については、住所地の市区町村の住民税担当、または顧問税理士にご確認ください。