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月途中入社・退職の給与の日割り|社会保険料と税金

結論から言うと、月途中入社・退職では給与は就業規則の式で日割りしますが、健康保険・厚生年金保険料は日割りしません。入社して資格を取得した月は原則1か月分、退職日の翌日である資格喪失日が属する月の前月分まで負担します。

このため、同じ月給30万円でも給与は半月分なのに社会保険料は1か月分ということがあります。また月末退職では資格喪失日が翌月1日になるため、退職月分まで保険料が発生します。給与の日割りと保険料の月単位判定を混ぜないことが最大のポイントです。

給与の日割りは規程で決まる

労働基準法24条は賃金の支払原則を定めていますが、月途中入退社の日割り式を一つに指定してはいません。一般には就業規則・賃金規程に、当月所定労働日数、年間平均所定労働日数、暦日数のいずれかを分母とする式を置きます。

方式支給額の例となる式確認点
当月所定労働日数月給÷当月所定日数×在籍中の所定労働日数月ごとに単価が変わる
年間平均所定日数月給÷月平均所定日数×勤務対象日数単価が安定する
暦日月給÷当月暦日数×在籍暦日数休日も在籍日数へ入る

基本給だけを日割りし、通勤手当は実費、固定手当は全額または日割りとするなど、賃金項目ごとに扱いが違う場合があります。採用通知書だけで判断せず、賃金規程にある分子、分母、端数処理を確認します。

月給30万円の例

月給30万円、当月所定労働日数20日、月の途中に入社し対象となる所定労働日が10日なら、当月所定労働日数方式では、300,000÷20×10=150,000円です。暦日30日の月に16日から入社し在籍暦日が15日なら、暦日方式でも150,000円になりますが、休日配置や月の日数が変われば一致しません。

退職も同じ式とは限りません。規程が入社と退職で同じ方式を定めているか確認します。退職日までの所定労働日に有給休暇を取得した場合、有給を欠勤として二重に減額しません。日割り後に残業代、欠勤控除、通勤費精算など当月固有の支給・控除を反映します。

給与規程により日割り社会保険料資格月を月単位で判定
半月分の給与から1か月分の保険料を控除する場合もある

社会保険料は日割りしない

日本年金機構は、月の途中で被保険者資格を取得した場合でも保険料を月単位で計算し、資格取得月から必要と案内しています。15日入社でも月末入社でも、加入要件を満たして資格取得したなら、その月について日数按分はしません。

健康保険・厚生年金の額は、日割り給与そのものへ率を掛けるのではなく、資格取得時に決定された標準報酬月額を保険料額表へ当てます。給与が15万円だから標準報酬も15万円と即断すると誤ります。令和8年度の概算は社会保険料計算で確認できます。

同じ月に入社して退職した場合同月得喪には特別な取扱いがあります。同じ月に厚生年金の資格を取得・喪失し、その月に別の厚生年金資格や国民年金資格を得たかなどで還付の有無が変わるため、通常の「取得月は1か月分」だけで処理せず年金事務所の案内を確認します。

月末退職と月末前退職

資格喪失日は退職日の翌日です。8月31日退職なら資格喪失日は9月1日で、喪失月の前月である8月分まで保険料がかかります。8月30日退職なら資格喪失日は8月31日で、原則として7月分までです。わずか1日の違いでも1か月分の有無が変わります。

退職日資格喪失日原則、最後にかかる月
2026年8月31日2026年9月1日2026年8月分
2026年8月30日2026年8月31日2026年7月分

ただし給与明細でいつ控除するかは、会社が当月分を当月給与から引くか翌月給与から引くかで変わります。月末退職者の最終給与で2か月分が見える場合は、前月分と退職月分を翌月徴収方式でまとめている可能性があります。何月分かを明細の控除名だけでなく社会保険台帳で確認します。

源泉所得税・住民税

給与の源泉所得税は、実際に支払う課税給与から社会保険料等を控除した後の金額を、令和8年分源泉徴収税額表に当てます。月給30万円を満額支給したものとして計算するのではありません。甲欄・乙欄、月額表・日額表の選択も給与の支給形態と扶養控除等申告書で決まります。試算には源泉徴収計算が使えます。

住民税の特別徴収は日割りしません。自治体の月別通知額を控除します。退職時は未徴収税額について、退職月や本人申出などに応じて一括徴収または普通徴収への切替手続が必要です。所得税と住民税は計算の出発点が違うため、給与が日割りなら両方同率で半額になる、とは限りません。

最終的な手取りは、日割り支給、残業等の追加支給、社会保険料、源泉所得税、住民税を並べて計算します。概算比較には手取り計算を利用できます。

実務チェックリスト

最終給与がマイナスになりそうなとき

日割り給与が少ない一方、社会保険料や住民税の控除が大きいと、差引支給額がゼロを下回ることがあります。銀行振込データに負の金額は入れられないため、控除の根拠と対象月を確認し、会社が本人へ不足額を請求する手続を行います。過去月の誤控除を理由なく混ぜないことも重要です。

退職者へ不足額を案内するときは、日割り給与の計算書、社会保険料が何月分か、住民税の未徴収額、既払額を分けて示します。資格喪失後の健康保険は、任意継続、国民健康保険、家族の被扶養者など本人側の選択になるため、会社の給与控除とは区別して案内します。

社会保険料を計算する

よくある質問

Q. 月途中入社なら社会保険料も半額ですか?

A. 半額にはなりません。資格取得月から月単位で1か月分を計算し、日割りしないのが原則です。

Q. 月末退職はなぜ保険料がかかりますか?

A. 資格喪失日が退職日の翌日だからです。月末退職なら喪失日は翌月1日となり、退職月は資格がある月として保険料が発生します。

Q. 最終出勤日と退職日は同じですか?

A. 同じとは限りません。最終出勤後に有給休暇を取得して在籍する場合、資格喪失判定に使うのは原則として雇用関係が終了する退職日です。

出典

本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。個別の判断は年金事務所・税務署・自治体・社会保険労務士または税理士にご確認ください。

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