全銀フォーマットとは|作り方・120バイトのレコードレイアウトと、振込名義に使える文字・法人略語
全銀フォーマット(全銀協規定形式)は、総合振込・給与振込のデータを銀行に渡すための標準ファイル仕様です。1レコード120バイトの固定長で、ヘッダー・データ・トレーラ・エンドの4種類のレコードを並べて1ファイルにします。
このページで分かるのは次の4つです。銀行が公開している仕様書を出典にしています。
- 作り方:経路は3つ。自分でバイト列を組むのは最後の手段です
- レコードレイアウト:4レコードの全項目と、何バイト目に何が入るか
- 受取人名:使える文字と法人略語。「株式会社」は先頭なら
カ)、末尾なら(カ - 取り込めないとき:疑う6点
全銀フォーマットとは — 総合振込ファイルの構造(120バイト固定長)
全銀フォーマット(全銀協規定形式)は、全国銀行協会が定めた、銀行にデータ伝送で振込を依頼するためのファイル仕様です。ネットバンキングの総合振込・給与振込で「ファイル取込」を選ぶと、この形式のファイルを求められます。
ファイルは1行=120バイトの固定長レコードを積み重ねた構造で、行の種類は先頭1桁の「データ区分」で見分けます。
| レコード | データ区分 | 役割 |
|---|---|---|
| ヘッダー | 1 | 依頼人(委託者)側の情報。種別コード21=総合振込、振込指定日(MMDD)など |
| データ | 2 | 振込1件ごとに1行。振込先と金額を収容 |
| トレーラ | 8 | 合計件数(6桁)と合計金額(12桁)。取込時の検算に使われる |
| エンド | 9 | ファイルの終端を示す |
振込1件分の「データ・レコード」の主な項目は次のとおりです。
| 項目 | 桁数・型 | 実務メモ |
|---|---|---|
| 被仕向銀行番号/被仕向支店番号 | N(4)/N(3) | 統一金融機関番号・統一店番号で指定 |
| 預金種目 | N(1) | 1:普通、2:当座、4:貯蓄、9:その他 |
| 口座番号 | N(7) | スペース・ハイフン等は入力しない |
| 受取人名 | C(30) | この記事の主役。半角カナ等で30桁 |
| 振込金額 | N(10) | 円単位 |
| EDI情報 | C(20) | 請求番号など、受取人に通知する情報(使う場合のみ) |
レコード長120バイト・4種類のレコード構成・種別コード21などの骨格は共通ですが、項目の省略可否など細部は銀行ごとに差があります。実際にファイルを作るときは、必ず利用する銀行が公開しているレコードフォーマット仕様書を確認してください。
作り方 — 自分でバイト列を組む前に、経路は3つある
振込ファイル(FBデータ)を作る経路は3つあり、自分でバイト列を組むのは最後の手段です。固定長ファイルは1バイトずれただけで取り込めず、しかも扱っているのは実際に動くお金だからです。
| 経路 | 向いている場合 | 注意点 |
|---|---|---|
| 1. 銀行のネットバンキングに直接入力 | 振込先が数件〜十数件。ファイル自体が要らない | ファイルを作らず画面から入力する方法。登録済みの振込先を使う場合も、金額入力や認証を含め利用銀行の手順を確認する |
| 2. 会計・給与ソフトの「総合振込データ」出力 | 毎月の給与振込・支払 | 桁埋め・文字変換・合計計算をソフト側がやる。銀行ごとの仕様差も選択肢で吸収されることが多い。出力後に銀行の仕様と照合する |
| 3. Excel/CSVから自分で変換 | 件数が多く、2が使えない場合 | 下記の機械的な規則をすべて満たす必要がある。作ったら必ず少額・少件数でテスト送信してから本番に使う |
経路3をとる場合、Excelの表をそのまま保存しても全銀フォーマットにはなりません。CSVは「カンマで区切った可変長テキスト」ですが、全銀フォーマットは区切り文字を使わない120バイトの固定長だからです。表の1行を、次の規則でバイト列に組み直す変換が要ります。
| 規則 | 内容 |
|---|---|
| 桁を必ず埋める | 数字項目(N)は右詰め・余りを 0 で埋める。カタカナ・英大文字項目(C)は左詰め・余りを半角スペースで埋める(出典PDFの記載) |
| 1行は必ず120バイト | 足りない・余るとその行で崩れる。改行を付ける指定なら CRLF を後ろに足して122バイト |
| 「文字数」ではなく「バイト数」 | 受取人名の C(30) は半角カナ30文字ぶん。C項目は半角文字(カタカナ・英大文字・数字)で記入し、全角文字は使用しません |
| 文字コードを合わせる | どの文字コードで渡すかは取引銀行の仕様書に従う。Excelの「CSV」保存で付く文字コードとは別物。呼称と符号化は銀行・サービスで異なる(文字コードの章) |
| 合計を合わせる | トレーラ・レコードの合計件数(6桁)と合計金額(12桁)は、データ・レコードを数えた値と一致させる。ここは取込時に検算される |
固定長と桁埋めは群馬銀行の公開仕様に記載されています。符号化の対応範囲や取込時の検算は、利用サービスでの確認が必要です。実際に必要な項目・改行の有無・文字コード・テストの手順は銀行と契約サービスによって違います。本番の振込に使う前に、必ず取引銀行の仕様書とテスト手順を確認してください。
レコードレイアウト(全4種・バイト位置つき)
4種類のレコードの全項目を、各レコードの先頭から何バイト目に何が入るかまで並べたものです。1レコードは120バイトです。内訳は下表。
出典は特定の1行の公開仕様書です。群馬銀行「全銀協制定ファイルフォーマット【総合振込】」(PDF・2026-08-02確認)を基準に再構成しました。全銀協規定に準拠する一般的な構成ですが、必須/省略可・改行の有無・文字コード・固定値・未使用項目の扱いは銀行ごとに差があります。実際にファイルを作るときは、必ず取引銀行の最新の仕様書を優先してください。
表の「区分」列は、共通=複数の仕様で共通している骨格、要確認=銀行や契約サービスで差が出やすい項目、という意味です。
文字コードはJISコード(コード区分 0)。EBCDICを使う銀行もある。1行120バイト。改行コード(CRLF)を付ける場合は後付けで122バイト(出典PDFの記載)。数字項目(N)は右詰め・残りを0で埋める。カタカナ・英大文字項目(C)は左詰め・残りをスペース。
ヘッダー・レコード(データ区分 1)
依頼人(委託者)側の情報。データの集まりごとに1行で、1ファイルに複数置く場合は各ヘッダーの種別コードを同一にします。
| No | 項目 | 位置 (バイト) | 桁数・型 | 区分 | 内容 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | データ区分 | 1 | N(1) | 共通 | 1(ヘッダー・レコード) |
| 2 | 種別コード | 2〜3 | N(2) | 共通 | 21(総合振込) |
| 3 | コード区分 | 4 | N(1) | 要確認 | 0(JISコード) |
| 4 | 振込依頼人コード | 5〜14 | N(10) | 要確認 | 銀行の定める委託者コード |
| 5 | 振込依頼人名 | 15〜54 | C(40) | 共通 | 振込依頼人の名称(カナ) |
| 6 | 振込指定日 | 55〜58 | N(4) | 共通 | 振込日を月日(MMDD)。銀行営業日 |
| 7 | 仕向銀行番号 | 59〜62 | N(4) | 要確認 | 取引銀行の統一金融機関番号(出典PDFでは0128=群馬銀行) |
| 8 | 仕向銀行名 | 63〜77 | C(15) | 要確認 | 取引銀行名(カナ) |
| 9 | 仕向支店番号 | 78〜80 | N(3) | 要確認 | 取引支店番号 |
| 10 | 仕向支店名 | 81〜95 | C(15) | 要確認 | 取引支店名(カナ) |
| 11 | 預金種目 | 96 | N(1) | 要確認 | 振込依頼人の預金科目。1(普通)2(当座)9(その他) |
| 12 | 口座番号 | 97〜103 | N(7) | 共通 | 振込依頼人の口座番号 |
| 13 | ダミー | 104〜120 | C(17) | 共通 | スペース |
| 合計 | 1〜120 | 120バイト | |||
データ・レコード(データ区分 2)
振込1件ごとに1行。振込先と金額を収容。
| No | 項目 | 位置 (バイト) | 桁数・型 | 区分 | 内容 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | データ区分 | 1 | N(1) | 共通 | 2(データ・レコード) |
| 2 | 被仕向銀行番号 | 2〜5 | N(4) | 共通 | 振込先銀行番号(統一金融機関番号) |
| 3 | 被仕向銀行名 | 6〜20 | C(15) | 共通 | 振込先銀行名(カナ) |
| 4 | 被仕向支店番号 | 21〜23 | N(3) | 共通 | 振込先支店番号(統一店番号) |
| 5 | 被仕向支店名 | 24〜38 | C(15) | 共通 | 振込先支店名(カナ) |
| 6 | 手形交換所番号 | 39〜42 | N(4) | 要確認 | 未使用(0とする) |
| 7 | 預金種目 | 43 | N(1) | 共通 | 受取人の預金科目。1(普通)2(当座)4(貯蓄)9(その他) |
| 8 | 口座番号 | 44〜50 | N(7) | 共通 | 受取人の口座番号。ハイフン等は入れない |
| 9 | 受取人名 | 51〜80 | C(30) | 共通 | 受取人の預金者名(カナ)。「名義は30文字まで」の正体がこの桁数 |
| 10 | 振込金額 | 81〜90 | N(10) | 共通 | 振込金額(円単位) |
| 11 | 新規コード | 91 | N(1) | 要確認 | 未使用(0とする) |
| 12 | 顧客番号1 | 92〜101 | C(10) | 共通 | 振込依頼人が定めた受取人識別のためのコード |
| 13 | 顧客番号2 | 102〜111 | C(10) | 共通 | 同上。項番15に「Y」を付した場合、項番12・13の20桁が「EDI情報」になる |
| 14 | 振込指定区分 | 112 | N(1) | 要確認 | 7(電信振込) |
| 15 | 識別表示 | 113 | C(1) | 共通 | 「Y」またはスペース。Yのとき項番12・13はEDI情報 |
| 16 | ダミー | 114〜120 | C(7) | 共通 | スペース |
| 合計 | 1〜120 | 120バイト | |||
トレーラ・レコード(データ区分 8)
合計件数と合計金額。取込時の検算に使われる。ヘッダーで始まるデータの集まりごとに1行で、複数のヘッダーがあるファイルではトレーラも複数になります。
| No | 項目 | 位置 (バイト) | 桁数・型 | 区分 | 内容 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | データ区分 | 1 | N(1) | 共通 | 8(トレーラ・レコード) |
| 2 | 合計件数 | 2〜7 | N(6) | 共通 | データ・レコードの合計件数 |
| 3 | 合計金額 | 8〜19 | N(12) | 共通 | データ・レコードの合計金額 |
| 4 | ダミー | 20〜120 | C(101) | 共通 | スペース |
| 合計 | 1〜120 | 120バイト | |||
エンド・レコード(データ区分 9)
ファイルの終端。1ファイルに1行。
| No | 項目 | 位置 (バイト) | 桁数・型 | 区分 | 内容 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | データ区分 | 1 | N(1) | 共通 | 9(エンド・レコード) |
| 2 | ダミー | 2〜120 | C(119) | 共通 | スペース |
| 合計 | 1〜120 | 120バイト | |||
群馬銀行の受取人名はC(30)です。使用できる文字と法人略語は、利用銀行・サービスの入力案内と登録名義を確認してください。名義を実際に変換するなら振込名義カナ変換ツールが使えます。
使用できる文字
使える文字の範囲は全銀協(全国銀行協会)の通信プロトコル仕様で決まっており、法人格の略し方にも明確なルールがあります。
| 種類 | 内容 |
|---|---|
| カナ | 半角カタカナ。総合振込の受取人名では「ヲ」は使用可。小文字(ッャュョァィゥェォ)は使用不可 |
| 濁点・半濁点 | ゙ ゚(独立した1文字として数える) |
| 英数字 | 数字0-9、英字は大文字のみ |
| 記号 | SMBCダイレクトの画面入力では「¥」「,」「.」「(」「)」「ー」「/」。同サービスの記号一覧であり、全銀ファイル共通の許可記号ではありません |
| スペース | 半角スペース(姓と名の区切りなどに使える。全角スペースは半角に置き換える) |
この章にはSMBCダイレクトの画面入力の案内も含みます。画面の入力規則をファイルのC項目へそのまま適用しないでください。
よくある置き換え
- 小文字カナ → 大文字に: キャッシュ →
キヤツシユ - 長音「ー」: SMBCダイレクトが「ハイフン」と表記する文字は「ー」です。ASCIIの「-」へ一律に置換せず、利用銀行の仕様と届出名義を確認してください
- 中黒「・」→ 振込先の登録名義に合わせる: スペース・ピリオド・省略など銀行の案内で異なります
- 総合振込の受取人名の「ヲ」は「ヲ」のまま保持(銀行の登録名義を確認)
- 英小文字 → 大文字に: abc →
ABC
SMBCダイレクトの画面入力では中黒の代わりに全角スペースを入力します。これは送金サービスの入力規則であり、三井住友銀行宛て一般の規則ではありません。
受取人名の文字数上限は半角30文字が一般的です(銀行・フォーマットにより異なります)。
無料ツール:振込名義カナ変換 変換結果は利用銀行の仕様と届出名義に照らして確認してください。文字コード ― UTF-8で保存すると壊れる
全銀フォーマットはバイト数で桁を数える固定長です。したがって「何文字か」ではなく「何バイトになるか」が結果を決めます。ここで一番多い事故が、ファイルをUTF-8で保存してしまうことです。
半角カタカナは、シフトJISでは1文字=1バイトですが、UTF-8では1文字=3バイトになります。濁点・半濁点は独立した1文字なので、そのぶんさらに増えます。
| 入れる文字列 | シフトJIS | UTF-8 | 差 |
|---|---|---|---|
| ア | 1バイト | 3バイト | +2 |
| ガ(濁点つき) | 2バイト | 6バイト | +4 |
| カ)ケイリツ-ルズ | 10バイト | 26バイト | +16 |
| 半角カナ30文字 | 30バイト | 90バイト | +60 |
受取人名のフィールドは30バイトです。UTF-8のバイト数は文字の構成によって変わり、ASCII英数字は1文字1バイト、半角カナは1文字3バイトです。半角カナ30文字なら90バイトとなり、1レコード120バイトの桁が全部ずれます。銀行側では「フォーマットエラー」としか返らないことが多く、原因が文字コードだと気づきにくいのが厄介なところです。
三菱UFJ銀行 BizSTATION のレコードフォーマット説明では、「文字コードは『シフトJISコード』もしくは『EBCDICコード』(半角文字のみ、全角文字は使用不可)」と明記されています。一方、仕様書によってはコード区分を「JIS」「EBCDIC」と表記するものもあります。呼称と実際の符号化を一律に読み替えず、利用する銀行・サービスの案内を必ず確認してください。
確かめ方はファイルサイズです。改行なしなら「120 × 行数」バイト、改行(CR LF)ありなら「122 × 行数」バイトちょうどになります。サイズが一致しなければ、文字コード・桁埋めのほか、改行コードや余分なバイトの有無も確認してください。
法人略語一覧 — 位置によって括弧が変わる
法人格の略語は、種類ごとに使用できる位置が異なります。
- 先頭・中間・末尾:株式会社・有限会社・合名会社・合資会社・合同会社・相互会社
- 先頭・末尾:医療法人
- 先頭:一般社団法人・一般財団法人・公益社団法人・公益財団法人・宗教法人・学校法人・社会福祉法人・特定非営利活動法人
以下の括弧の例は株式会社の場合です。振込先の届出名義と取扱銀行の略語表を確認してください。
| 位置 | 形式 | 例 |
|---|---|---|
| 先頭 | 略語 + ) | 株式会社ヤマダ → カ)ヤマダ |
| 末尾 | ( + 略語 | ヤマダ株式会社 → ヤマダ(カ |
| 中間 | ( + 略語 + ) | ヤマダ株式会社東京営業所 → ヤマダ(カ)トウキヨウ(エイ |
図解:位置による書き分け
主な法人略語
| 法人格 | 略語 | 法人格 | 略語 |
|---|---|---|---|
| 株式会社 | カ | 一般財団法人・公益財団法人 | ザイ |
| 有限会社 | ユ | 一般社団法人・公益社団法人 | シヤ |
| 合同会社 | ド | 宗教法人 | シユウ |
| 合名会社 | メ | 学校法人 | ガク |
| 合資会社 | シ | 社会福祉法人 | フク |
| 医療法人(社団・財団含む) | イ | 特定非営利活動法人(NPO法人) | トクヒ |
| 弁護士法人 | ベン | 独立行政法人 | ドク |
| 税理士法人 | ゼイ | 国立大学法人 | ダイ |
この略語を使って振込名義を作るなら、振込名義カナ変換ツールに「株式会社ヤマダ」のような名義を入れると、法人略語と括弧の位置まで全銀の文字に変換できます。
営業所・事業の略語
- 営業所 →
エイ、出張所 →シユツ(位置ルールは法人略語と同じ) - 連合会 →
レン、協同組合 →キヨウクミ、健康保険組合 →ケンポ、生活協同組合 →セイキヨウ(これらは括弧を付けずそのまま)
個人名の書き方 — 姓と名の間はスペース
個人名義への振込では、姓と名の間に半角スペースを1つ入れます(全銀データ上は半角スペース)。例: ヤマダ タロウ(ヤマダ タロウ)。固定長ファイルの末尾のスペース埋めとは分けて確認してください。
- 銀行のインターネットバンキングの入力画面では、全角スペースで入力し、確認画面で半角に自動変換して表示する銀行もあります(例: 三井住友銀行の受取人名の入力方法)。SMBCダイレクトは半角・全角のどちらでも入力でき、確認画面で半角に変換します。利用する銀行・サービスの案内に合わせてください。
- 屋号や肩書と個人名(代表者名)を続けて書くときも、それぞれの間にスペースを入れます。法人格が付く場合は前掲の略語ルール(
カ)など)を使います。
間違えるとどうなる?
SMBCダイレクトは受取人名の相違で入金されず、組戻手数料660円(税込)がかかる場合があると案内しています。三菱UFJ銀行の振込組戻手数料は880円(税込)です。名義の変換結果と受取人の届出名義、利用銀行の仕様を照合してください。
そもそもファイルが取り込めないとき — 仕様のどこを外しているか
名義の話とは別に、ファイル自体が受け付けられないことがあります。全銀フォーマットは区切り文字を持たない固定長なので、1バイトのずれが以降の項目を全部ずらします。金額欄だけでなく、その前の各項目の桁数も仕様書と照合してください。
| 起きること | 仕様上の原因 | 見るところ |
|---|---|---|
| 行の途中から項目が全部ずれる | 桁を埋めていない | N項目は右詰め・0埋め、C項目は左詰め・スペース埋めになっているか |
| 1行目から取り込めない | 行の長さが120バイトでない | 改行を含めて数えていないか。改行を付ける指定なら120+2=122バイト |
| 受取人名が途中で切れる/化ける | C項目に全角文字が入っている | C(30)は半角カナ・英大文字・数字。全角は1文字2バイトで、そもそも入らない |
| ファイル全体が別物として扱われる | 文字コードが銀行の指定と違う | 仕様書の指定はJISコード(EBCDICの銀行もある)。Excelの保存時の文字コードのままにしていないか |
| 件数・金額が違うと弾かれる | トレーラの合計が合っていない | 合計件数(6桁)・合計金額(12桁)が、データ・レコードの実数と一致しているか |
| 口座が見つからない | 口座番号に余計な文字 | スペース・ハイフンは入れない。7桁に満たない分は0で埋める |
固定長・桁埋め・合計欄は群馬銀行の公開仕様に記載されています。切断・文字化け・取込拒否やEBCDIC対応の挙動は同仕様だけでは確定できないため、利用サービスで確認してください。銀行ごとの実際のエラーメッセージや、却下されやすさを集計したものではありません。エラーコードが表示された場合は、その銀行のヘルプの記載が優先します。
まとめ:群馬銀行の総合振込仕様は1レコード120バイト
- 使えるのは半角カナ(小文字を除く。総合振込ではヲを含む)・英大文字・数字・半角スペース・記号 ( ) - . のみ
- 本ツールの総合振込ファイル向け変換では、小文字カナを大文字に、長音「ー」をハイフンに、中黒「・」をピリオドにします。ファイルの文字・置換規則は利用銀行の仕様と登録名義を確認してください。
- 株式会社は位置で括弧が変わる(先頭
カ)/末尾(カ/中間(カ))。SMBCの法人略語表では医療法人は先頭・末尾で使え、中間では使えません - 連合会・協同組合などの事業略語は括弧を付けない
- 受取人名は半角30文字が一般的な上限
よくある質問
全銀フォーマットとはなんですか?
全国銀行協会が定めた、総合振込・給与振込などを銀行にデータで依頼するためのファイル仕様(全銀協規定形式)です。1行120バイトの固定長で、ヘッダー・データ・トレーラ・エンドの4種類のレコードで構成され、振込先と金額はデータ・レコードに1件1行で並べます。ネットバンキングの「ファイル取込」で使われます。
ExcelやCSVから全銀フォーマットは作れますか?
そのまま保存しても全銀フォーマットにはなりません。CSVはカンマで区切った可変長テキストですが、全銀フォーマットは区切り文字を使わない1行120バイトの固定長だからです。変換の規則は作り方の表にまとめました。振込先が数件ならネットバンキングに直接入力する、毎月の給与振込なら会計・給与ソフトの総合振込データ出力を使うほうが安全です。
作ったファイルが銀行に取り込めないのはなぜですか?
固定長は区切り文字を持たないため、1バイトのずれが以降の項目を全部ずらします。疑うのは、桁埋め・行の長さ・全角文字・文字コード・トレーラの合計・口座番号の余計な文字の6点です(一覧)。エラーコードが表示された場合は、その銀行のヘルプの記載が優先します。
振込名義で「株式会社」はどう書きますか?
位置によって形式が変わります。先頭なら「カ)」(例: 株式会社ヤマダ → カ)ヤマダ)、末尾なら「(カ」(例: ヤマダ株式会社 → ヤマダ(カ)、中間なら「(カ)」です。有限会社=ユ、合同会社=ド、医療法人=イなど、法人格ごとに略語が定められています。
振込名義に使える文字は?
半角カタカナ(小文字を除く。総合振込では「ヲ」を含む)、濁点・半濁点、英大文字、数字、半角スペース、記号の括弧・ハイフン・ピリオドです。置き換えの例はよくある置き換えにあります。ファイルの文字・置換規則は利用銀行の仕様と登録名義を確認してください。
ひらがなで入力してしまったら?
銀行のインターネットバンキングには全角→半角の自動変換を備えるものもありますが(りそな銀行など)、対応範囲は銀行によって異なります。事前に半角カナへ正規化しておくのが安全です。
「カ.」のようにピリオドを使う形式も見ますが?
括弧形式(カ))が銀行の公式例で最も広く使われる形式です。ピリオド形式を案内する銀行もあるため、迷ったら振込先の銀行の案内に合わせてください。
個人名(姓と名の間)はどう書きますか?
姓と名の間に半角スペースを1つ入れます(例: ヤマダ タロウ → ヤマダ タロウ)。全銀データ上は半角スペースです。銀行のインターネットバンキングの画面では全角スペースで入力し、確認画面で半角に自動変換される場合もあります(三井住友銀行など)。
出典
更新内容: ヘッダー・トレーラの複数配置と財団・社団法人の略語を、全銀協パーソナル・コンピュータ用標準通信プロトコル別冊(令和8年10月版)の「7. レコード・シークェンス」と付録2で確認。C項目の文字種制限の説明も訂正。
- 全国銀行協会「パソコン用標準通信プロトコル 別冊(使用文字一覧)」
- 第四北越銀行「法人略語一覧」/きらぼし銀行「受取人名の入力方法」/三井住友銀行FAQ(法人略語)
- 三井住友銀行「受取人名の入力方法と入力例」(姓と名の間に全角スペース/半角・全角どちらでも可・確認画面で半角に自動変換)
- 三菱UFJ信託銀行「総合振込(全銀協規定形式)」ファイル仕様PDF(レコード長120バイト・改行CRLF任意・文字コードJIS/EBCDIC・ヘッダー/データ/トレーラ/エンドの4レコード・種別コード21・受取人名C(30)・N/Cの型定義 — 2026-07-26 に原文で確認)
- 三井住友銀行「振込・振替(振込)」の操作ヘルプ