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資格確認書と資格情報のお知らせは何が違うか|事業主に課されている交付・回収の義務と、届くまでのつなぎ

結論から言うと、「資格確認書」と「資格情報のお知らせ」は、根拠条文も、届く仕組みも、単独で受診できるかどうかも違う別の書面です。そして実務でいちばん誤解が多いのは、後者の「資格情報のお知らせ」が法令上は「資格情報通知書」という名前で、保険者にとって交付が任意ではなく義務であり、しかも事業主を通じて行わなければならないと定められているという点です。健康保険法施行規則51条の3がそう書いています。

もう一段踏み込むと、この2つは両方を持つことが想定されていない設計になっています。資格情報通知書の再通知を定める規則51条の4は、その対象となる被保険者から「資格確認書の交付又は提供を受けているもの」を明文で除いています。どちらが手元に来るかは、電子資格確認(いわゆるマイナ保険証による確認)を受けられる状況にあるかどうかで分かれます。その電子資格確認そのものの中身と、健康保険証が2026年7月31日で完全に使えなくなるまでの経緯はマイナ保険証とは何かで扱っています。

労務の担当者にとって効いてくるのは、この2つに事業主の義務が別々にぶら下がっていることです。資格情報通知書は取り次いで従業員に渡す義務があり、資格確認書は退職のときに回収して保険者に返納する義務があります。「保険証の回収はもう要らなくなった」と一括りにすると、資格確認書を持っている従業員の分で手続きが抜けます。以下、条文の番号を挙げながら順に確認します。

3つの書面は役割が違う(一覧で比較)

健康保険法と健康保険法施行規則には、資格に関する書面が3種類出てきます。名前が似ているうえに、実務では「保険証の代わり」とまとめて呼ばれがちですが、条文上の位置づけはそれぞれ違います。まず全体を並べておきます。

書面根拠手元に来る仕組み単独で受診できるか有効期限
資格確認書 健康保険法51条の3
/施行規則47条
申請(任意継続被保険者を除き事業主を経由) できる 交付・提供の日から5年を超えない範囲で保険者が定める
資格情報通知書
(通称「資格情報のお知らせ」)
施行規則51条の3 保険者の通知義務(任意継続被保険者を除き事業主を通じて行う) できない(ただしマイナンバーカードと一緒なら提示できる) 条文が挙げる記載事項に有効期限が入るのは、70歳到達月の翌月以後で高齢受給者証の交付を受けていない人の分
被保険者資格証明書 施行規則50条の2 事業主または本人の求めがあり、療養を受ける必要があると認められたとき できる(提出により資格を明らかにする) 有効期限を定めて交付される

この表で押さえておきたいのは、真ん中の資格情報通知書だけが「交付」ではなく「通知」だという点です。条文の見出しも「資格情報通知書による通知」であり、保険者に対して「通知しなければならない」と義務の形で書かれています。申請して取りに行くものではなく、資格を取得すれば黙っていても手続きが動く、という組み立てになっています。

健康保険の資格を取得した (または被扶養者を持つに至った) 保険者は資格情報通知書を通知する(義務) 事業主を通じて行う(任意継続を除く) 事業主が遅滞なく本人へ通知 電子資格確認を受けられない状況にあるか はい → 本人が申請すると 資格確認書の交付を受けられる いいえ → 通知書は手元にあるが 受診はカードで確認を受ける
資格情報通知書は資格取得により通知される一方、資格確認書は「電子資格確認を受けることができない状況にあるとき」に申請して交付を受けるという組み立てになっている(健康保険法51条の3第1項、同法施行規則51条の3第1項・47条1項)。

「資格情報のお知らせ」の法令上の名前は資格情報通知書

検索で最もよく使われている呼び方は「資格情報のお知らせ」ですが、健康保険法施行規則の条文にこの語は出てきません。規則51条の3の見出しは「資格情報通知書による通知」で、条文本文も「書面又は電磁的記録(以下『資格情報通知書』という。)により通知しなければならない」と定義しています。日常の会話で通称を使うことに問題はありませんが、条文を根拠に社内規程や手順書を書くときは、法令上の呼称に対応させておかないと、後から読んだ人が該当条文にたどり着けません。

通知される内容も条文が具体的に列挙しています。1号が被保険者または被扶養者の氏名、2号が被保険者等記号・番号、保険者番号および保険者の名称、3号が一部負担金の割合など、4号が資格取得年月日および通知年月日です。3号については括弧書きで対象が絞られており、70歳に達する日の属する月の翌月以後である人であって高齢受給者証の交付を受けていないものに係るものに限る、とされています。つまり負担割合や有効期限がすべての人の通知書に書かれるわけではありません。届いた紙に負担割合の記載がないことを不備と考えて問い合わせる前に、この括弧書きを見ておくと判断が早くなります。

また規則51条の3第5項は、氏名を除く2号・3号の事項に変更が生じた場合について前各項を準用すると定めており、ここでも括弧書きで「資格確認書の交付又は提供を受けている場合を除く」としています。記号・番号や保険者が変わったときにも同じ流れで通知が回ってくる、ということです。

資格情報通知書は単独では受診できない。ただしカードと一緒なら使える

ここが実務で最も問い合わせを生むところです。規則51条の3第2項は、通知の際に併せて通知するものとする事項を2つ挙げています。1号は、通知される事項は自らの資格を確認するためのものであり、これらの事項の提示のみでは保険医療機関等、保険薬局等または指定訪問看護事業者において被保険者または被扶養者であることの確認を受けることができないこと。つまり「この紙だけを窓口に出しても受診できません」という説明を、保険者が通知に添えるよう条文が求めています。

ところが2号がその例外を置いています。1号にかかわらず、災害その他の特別な事情により電子資格確認を受けることができない状況にある場合においては、個人番号カードとともに資格情報通知書を提示する方法により、窓口で確認を受けることができる、というものです。ここで併せて挙げられているのが、番号利用法附則6条3項に規定する情報提供等記録開示システムを通じて取得した資格情報の提示です。

「使えない」と「単独では使えない」は違う

資格情報通知書について「保険証の代わりにはならない」とだけ案内すると、災害時やシステム障害でカード読み取りができない場面で、使える手段を1つ捨てることになります。条文が定めているのは提示のみでは確認を受けられないことであって、マイナンバーカードと組み合わせた提示までは否定していません。従業員向けの案内文を作るときは、この2段構えのまま書いておくのが正確です。

なお、この通知書を破ったり汚したり失ったりしたときは、規則51条の4により再通知を申請できます。1項の対象から「資格確認書の交付又は提供を受けているもの」が除かれていることは冒頭に触れたとおりです。2項にはただし書があり、情報提供等記録開示システムを通じて記載事項を取得できる場合で、その取得できる旨をあらかじめ被保険者に通知したときは再通知を要しないとされています。紙を再発行する以外の道も条文に用意されている、ということです。

資格確認書は申請して交付を受ける書面。有効期限は5年以内

資格確認書の根拠は健康保険法51条の3第1項です。被保険者またはその被扶養者が電子資格確認を受けることができない状況にあるときに、被保険者が保険者に対して書面の交付または電磁的方法による提供を「求めることができる」と定め、求めがあった保険者は速やかに交付または提供するものとする、という組み立てです。求める側の行為は「できる」と書かれており、応じる側は「するものとする」です。

手続きの具体は規則47条にあります。1項は申請書に記載する事項を5つ挙げ、申請の年月日、申請者の氏名と被保険者等記号・番号または個人番号、対象となる被保険者・被扶養者の氏名と生年月日、申請の理由、その他保険者が定める事項のうち記載や提供を求めるものがある場合はその旨、としています。申請の理由が記載事項に入っているのは、この書面が「電子資格確認を受けられない状況」を前提にしているからです。

2項が交付の様式と期限を定めています。保険者は様式第九号によるもので、複製等を防止し、または抑止するための措置その他の必要な措置を講じたものを交付し、または電磁的方法により提供しなければなりません。そして有効期限は、交付または提供の日から起算して5年を超えない範囲内において保険者が定めるとされています。ここは「一律に5年」ではなく上限が5年で、実際の長さは保険者が決めるという書き方である点に注意が必要です。加入している健康保険組合と協会けんぽで期限が違っていても、条文上は矛盾しません。

期限の読み方:条文は「五年を超えない範囲内において保険者が定める」。したがって「資格確認書の有効期限は5年です」と社内資料に書くと、実際より長い期限を案内してしまう可能性があります。書くなら「最長5年の範囲で保険者が定めた期限」で、実際の日付は交付された書面の記載で確認する、という形が正確です。

紛失したときは規則49条により再交付を申請できます。破ったり汚したりした場合は、その資格確認書を申請書に添えなければなりません(2項)。実務で見落とされやすいのが4項で、再交付を受けた後に、失った資格確認書を発見したときは、直ちに保険者に返納しなければならないと定められています。出てきた古いほうを机の引き出しに戻しておくことは、条文上は想定されていません。

事業主に課されている3つの義務

ここまでの条文には、事業主を主語にした義務が繰り返し出てきます。整理すると3つの型があります。

第一に、経由すること。資格確認書の交付申請(規則47条1項後段)、再交付の申請・再交付・返納(同49条5項)、資格情報通知書の再通知の申請と再通知(同51条の4第3項)は、いずれも被保険者が任意継続被保険者である場合を除き、事業主を経由して行うものとするとされています。いずれにも同じ形のただし書があり、災害その他やむを得ない事情により事業主を経由して行うことが困難であると保険者が認めるときは、経由を要しません。

第二に、取り次いで渡すこと。規則51条の3第3項は、被保険者に対する資格情報通知書の通知を事業主を通じて行わなければならないと定め、続く4項が事業主は、通知を受けたときは、遅滞なく、これを被保険者に通知しなければならないとしています。ここは「経由するものとする」ではなく事業主自身への義務として書かれており、会社に届いた通知書を渡さずに保管しておくことは条文に沿いません。なお3項にはただし書があり、保険者が支障がないと認めるときは事業主を通さないこともあります。

第三に、集めて出すこと。規則50条は、保険者が毎年一定の期日を定めて資格確認書の検認もしくは更新、または被扶養者に係る確認をすることができると定めています。2項で、事業主はそのための書類の提出を求められたときは被保険者にその提出を求め、遅滞なく、これを保険者に提出しなければならないとされています。被保険者側にも3項で、遅滞なく事業主を経由して提出する義務が置かれています(保険者が支障がないと認めるときは経由不要)。任意継続被保険者は4項により自分で保険者に提出します。

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退職・被扶養者の異動では回収して返納する

規則51条は「資格確認書の返納」という見出しで、事業主は、次に掲げる場合においては、遅滞なく、資格確認書を回収して、これを保険者に返納しなければならないと定めています。協会けんぽに返納するとき(被保険者が任意継続被保険者である場合を除く)は、厚生労働大臣を経由して行うものとされています。列挙されているのは次の4つです。

実務上いちばん効くのは1号の括弧書きです。回収の対象は「資格確認書の交付を受けている人」に限られます。資格情報通知書しか持っていない従業員から何かを回収する義務は、この条文からは出てきません。逆に言えば、退職手続きのチェックリストを「回収するものは無い」に作り替えてしまうと、資格確認書の交付を受けていた人のところで抜けます。回収の要否は、退職者ごとに「その人が資格確認書の交付を受けていたか」で分かれる、というのが条文の形です。

3号にも注意が必要です。被扶養者の異動、つまり扶養から外れる人が出たときも返納の場面に含まれています。資格確認書は被扶養者の分も交付されうるためで、退職以外の場面でも回収が発生します。日本年金機構も、非該当・変更の届出には交付済みの資格確認書等の添付が必要とし、紛失等で回収できないときは資格確認書回収不能届を添えるよう案内しています(健康保険 被扶養者(異動)届の書き方)。任意継続被保険者の場合は2項が別に定めており、事業主が介在しないため、当該被保険者が5日以内に保険者へ返納します。

資格取得 通知が会社に届く 毎年の検認・更新 資格喪失 保険者に通知の 義務が生じる 事業主は遅滞なく 本人へ通知する 規則51条の3第4項 求められたら本人から 集めて保険者へ提出 規則50条2項 資格確認書を回収し 保険者へ返納する 規則51条1項1号 回収の対象は「資格確認書の交付を受けている人」に限られる(規則51条1項1号の括弧書き)。 資格情報通知書しか持っていない人について、回収の義務はこの条文からは生じない。
事業主の義務は資格取得時・毎年の検認時・資格喪失時の3か所に置かれている。最後の回収だけは対象者が限定されている点が、退職手続きの設計に効いてくる。

届くまでのつなぎ=被保険者資格証明書

「入社したばかりで手元に何もないのに、病院にかからなければならない」という場面のために、規則50条の2が被保険者資格証明書を用意しています。対象は協会けんぽが管掌する健康保険の被保険者で、厚生労働大臣が交付するものです。

条文の条件は3つ重なっています。第一に、規則24条の4による被保険者情報の登録、またはこの省令による資格確認書の交付・提供・返付・再交付が行われるまでの間であること。第二に、当該被保険者を使用する事業主または当該被保険者から求めがあった場合であること。第三に、その被保険者または被扶養者が療養を受ける必要があると認めたときに限ること。この3つが揃ったときに、有効期限を定めて交付するものとする、という形です。

注目したいのは、求める主体に事業主が明記されていることです。従業員本人が動かなくても、会社側から求めることが条文上想定されています。入社直後に受診の必要が生じた従業員から相談を受けたとき、「通知が届くまで待ってください」ではなく、この証明書の求めができる、という選択肢を持っておくと対応が変わります。交付を受けた被保険者は、2項により、規則53条の定めにかかわらず、この証明書を提出することによって療養の給付を受ける資格を明らかにすることができます。

条文の本則に「申請がなくても交付する」という定めは置かれていない

資格確認書について、健康保険法51条の3も規則47条も、被保険者の申請を起点に組み立てられています。本記事の執筆にあたって健康保険法・健康保険法施行規則の全文(本則と附則)を機械的に走査したところ、「申請によらず」「申請を待たず」はいずれも出現せず、「当分の間」が資格確認書の交付と同じ文脈に現れる箇所もありませんでした。申請をしていないのに資格確認書が届いたという場合、その根拠はこの2つの法令の本則ではなく、保険者側の取扱いによることになります。自社の加入先がどう案内しているかは、保険者の案内で確認するのが確実です。

よくある質問

Q. 「資格情報のお知らせ」は法令上どういう名前ですか?

A. 健康保険法施行規則51条の3が定める「資格情報通知書」です。同条の見出しは「資格情報通知書による通知」で、本文も「次に掲げる事項を書面又は電磁的記録(以下『資格情報通知書』という。)により通知しなければならない」と定義しています。「資格情報のお知らせ」は実務や案内文で広く使われている通称であり、条文にこの語は現れません。日常の会話で通称を使うことに問題はありませんが、社内規程や手順書に根拠条文を書き添える場合は、法令上の呼称である資格情報通知書に対応させておくと、後から読む人が条文にたどり着けます。通知される事項は同条1項が4つ挙げており、氏名、被保険者等記号・番号と保険者番号および保険者の名称、一部負担金の割合など、資格取得年月日および通知年月日です。

Q. 資格情報通知書だけを病院の窓口に出せば受診できますか?

A. それだけでは確認を受けられません。健康保険法施行規則51条の3第2項1号は、通知される事項が自らの資格を確認するためのものであり、これらの事項の提示のみでは保険医療機関等、保険薬局等または指定訪問看護事業者において被保険者または被扶養者であることの確認を受けることができないことを、保険者が併せて通知するものとしています。ただし同項2号が例外を置いており、災害その他の特別な事情により電子資格確認を受けることができない状況にある場合には、個人番号カードとともに資格情報通知書を提示する方法により確認を受けることができるとされています。つまり「使えない」のではなく「単独では使えない」というのが条文の内容です。

Q. 資格確認書の有効期限は何年ですか?

A. 一律に決まった年数ではありません。健康保険法施行規則47条2項の後段は、資格確認書の有効期限について「交付又は提供の日から起算して五年を超えない範囲内において保険者が定めるものとする」としています。5年は上限であり、実際の長さは保険者が定めます。したがって加入している健康保険組合と協会けんぽとで期限が違っていても、条文上は矛盾しません。社内資料に「有効期限は5年」と書くと、実際より長い期限を案内してしまう可能性があるため、「最長5年の範囲で保険者が定めた期限」と書いたうえで、実際の日付は交付された書面の記載で確認するのが確実です。なお同項は、交付される書面が様式第九号によるものであること、複製等を防止し、または抑止するための措置その他の必要な措置を講じたものであることも定めています。

Q. 資格確認書と資格情報通知書は、両方持つことがありますか?

A. 条文は両方を持つことを想定していない形になっています。健康保険法施行規則51条の4第1項は、資格情報通知書の再通知を申請できる被保険者から「資格確認書の交付又は提供を受けているもの」を明文で除いています。また同規則51条の3第5項は、記号・番号や保険者などに変更が生じた場合の通知について前各項を準用するとしたうえで、括弧書きで「資格確認書の交付又は提供を受けている場合を除く」としています。どちらの条文も、資格確認書を持っている人については資格情報通知書の側の手続きを外す作りです。どちらが手元に来るかは、電子資格確認を受けることができない状況にあるかどうかで分かれます。

Q. 従業員が退職したとき、会社は何を回収すればよいですか?

A. その従業員が資格確認書の交付を受けていた場合は、資格確認書を回収します。健康保険法施行規則51条1項は、事業主は次に掲げる場合においては遅滞なく資格確認書を回収してこれを保険者に返納しなければならないと定め、1号に「被保険者(資格確認書の交付を受けているものに限る。)が資格を喪失したとき」を挙げています。括弧書きにより、回収の対象は資格確認書の交付を受けている人に限られます。資格情報通知書しか持っていない従業員について、何かを回収する義務はこの条文からは生じません。したがって退職手続きは、一律に「回収あり」でも「回収なし」でもなく、退職者ごとに資格確認書の交付を受けていたかどうかで分かれることになります。なお協会けんぽに返納するときは、任意継続被保険者である場合を除き、厚生労働大臣を経由して行うものとされています。

Q. 退職以外に、資格確認書を返納する場面はありますか?

A. あります。健康保険法施行規則51条1項が挙げているのは4つの場合で、1号の資格喪失のほかに、2号が被保険者の保険者に変更があったとき、3号が被保険者の被扶養者が異動したとき、4号が同規則29条の2第1項の届出を行うときです。3号があるため、従業員本人は在職していても、扶養から外れる家族が出たときに返納の場面が生じます。資格確認書は被扶養者の分についても交付されうるためです。また同条2項は、被保険者が任意継続被保険者である場合について、当該被保険者が5日以内に保険者へ返納すると定めています。任意継続では事業主が介在しないため、期限が本人に対して直接置かれている形です。

Q. 資格情報通知書は会社に届くのですか、本人に届くのですか?

A. 原則として会社を通じて本人に渡ります。健康保険法施行規則51条の3第3項は、被保険者(任意継続被保険者を除く)に対する通知は事業主を通じて行わなければならないと定めています。そして同条4項が、事業主は前項本文の規定により通知を受けたときは遅滞なくこれを被保険者に通知しなければならないとしています。ここは事業主自身に課された義務として書かれているため、会社に届いた通知書を渡さずに保管しておくことは条文に沿いません。ただし3項にはただし書があり、保険者が支障がないと認めるときはこの限りでないとされているため、保険者の取扱いによっては事業主を通さない場合もあります。任意継続被保険者は3項の対象から外れています。

Q. 資格確認書をなくして再交付を受けた後に、元のものが出てきました。どうすればよいですか?

A. 直ちに保険者へ返納します。健康保険法施行規則49条4項は「被保険者は、資格確認書の再交付を受けた後、失った資格確認書を発見したときは、直ちに、発見した資格確認書を保険者に返納しなければならない」と定めています。手元に置いておくことは条文上想定されていません。なお再交付の申請そのものは同条1項により、被保険者等記号・番号または個人番号、氏名および生年月日、再交付申請の理由を記載した申請書を提出して行います。破ったり汚したりした場合には、2項によりその資格確認書を申請書に添える必要があります。これらの申請・再交付・返納は、5項により、被保険者が任意継続被保険者である場合を除き事業主を経由して行うものとされています(災害その他やむを得ない事情により困難であると保険者が認めるときを除く)。

Q. 入社直後で何も手元にない従業員が受診したい場合、方法はありますか?

A. 協会けんぽが管掌する健康保険であれば、被保険者資格証明書という仕組みがあります。健康保険法施行規則50条の2第1項は、厚生労働大臣は、同規則24条の4による被保険者情報の登録またはこの省令による資格確認書の交付・提供・返付・再交付が行われるまでの間に、当該被保険者を使用する事業主または当該被保険者から求めがあった場合において、当該被保険者またはその被扶養者が療養を受ける必要があると認めたときに限り、被保険者資格証明書を有効期限を定めて交付するものとすると定めています。求める主体に事業主が明記されているため、会社側から求めることも条文上想定されています。交付を受けた被保険者は、2項により、同規則53条の規定にかかわらず、この証明書を提出することによって療養の給付を受ける資格を明らかにすることができます。

Q. 毎年、保険者から資格確認書の提出を求められることがあるのはなぜですか?

A. 検認または更新の手続きによるものです。健康保険法施行規則50条1項は、保険者は毎年一定の期日を定め、資格確認書の検認もしくは更新、または被扶養者に係る確認をすることができると定めています。2項は、事業主は検認・更新・被扶養者に係る確認のために資格確認書または必要な書類の提出を求められたときは、被保険者にその提出を求め、遅滞なくこれを保険者に提出しなければならないとしています。3項では被保険者の側にも、提出を求められたときは遅滞なくこれを事業主を経由して保険者に提出する義務が置かれています(保険者が支障がないと認めるときは事業主の経由を要しません)。任意継続被保険者については4項が別に定めており、事業主を介さず自分で保険者に提出します。

出典

この記事は一般的な情報提供であり、個別の事案に対する助言ではありません。資格確認書の交付を受けられるかどうか、退職時に回収が必要かどうか、被保険者資格証明書の交付を求められるかどうかは、加入している保険者の定めや案内、被保険者の区分、具体的な事情によって結論が変わります。実際の手続きにあたっては、加入している健康保険組合または協会けんぽの都道府県支部、および年金事務所にご確認ください。

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