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一人親方労災保険の保険料と経理 — 料率は事業の種類で17倍違い、保険料は必要経費ではなく社会保険料控除です

結論から言うと、一人親方の労災保険(特別加入)の保険料は「給付基礎日額に応ずる保険料算定基礎額 × 第二種特別加入保険料率」で決まります。日額を自分で選べるので保険料も自分で決められるように見えますが、料率のほうは事業の種類で固定されていて、1000分の3から1000分の52まで17.3倍の開きがあります。同じ日額10,000円でも、柔道整復師なら年10,950円、林業なら年189,800円です。

そして経理でいちばん間違えやすいのは、金額ではなく置き場所です。この保険料は事業の必要経費ではなく、社会保険料控除(所得控除)として扱います。しかもその根拠は、多くの解説が挙げる所得税法74条2項の列挙12項目の中にはありません。列挙のうち労働保険に触れている4号は「雇用保険の被保険者として負担する労働保険料」であって、労災保険料は入っていないからです。実際の根拠は、74条2項柱書きの「その他これらに準ずるもので政令で定めるもの」を受けた所得税法施行令208条1号にあります。

置き場所を間違えると、税額が同じになるどころか事業所得の金額そのものが変わります。事業所得は国民健康保険料や個人事業税の計算の基礎になるので、必要経費に落としてしまうと所得税以外のところまで動いてしまいます。以下、条文と料率表を追いながら、実額で整理します。

結論 — 保険料の決まり方と、経理での置き場所

先に全体像をまとめます。

  • 保険料 = 給付基礎日額に応ずる保険料算定基礎額 × 第二種特別加入保険料率(労働保険の保険料の徴収等に関する法律14条1項)
  • 給付基礎日額 = 3,500円から25,000円までの16段階(労災保険法施行規則46条の20第1項。同46条の24が一人親方に準用)
  • 料率 = 事業の種類ごとに1000分の3〜1000分の52(徴収法施行規則23条・別表第五)
  • 所得税の扱い = 必要経費ではなく社会保険料控除(所得税法74条1項、同法施行令208条1号)
  • 組合費・事務手数料 = 保険料ではないので社会保険料控除の対象外

「保険料が高い/安い」という話は、実際にはほとんどが料率の話です。日額は同じでも事業の種類が違えば桁が変わります。まずその料率がどこに書かれているかから見ていきます。

誰が入れるか — 12種類の事業(施行規則46条の17)

労災保険法33条3号は、特別加入できる者を「厚生労働省令で定める種類の事業を労働者を使用しないで行うことを常態とする者」と定めています。「一人親方」という言葉自体は条文の定義語ではなく、この33条3号に当たる人のことを実務上そう呼んでいます。

その「厚生労働省令で定める種類の事業」を列挙しているのが労災保険法施行規則46条の17で、次の12種類です。

事業の種類(施行規則46条の17)
1号自動車を使用して行う旅客・貨物の運送の事業、原動機付自転車・自転車を使用して行う貨物の運送の事業
2号土木、建築その他の工作物の建設、改造、保存、原状回復、修理、変更、破壊・解体またはその準備の事業
3号漁船による水産動植物の採捕の事業(7号の事業を除く)
4号林業の事業
5号医薬品の配置販売の事業
6号再生利用の目的となる廃棄物等の収集、運搬、選別、解体等の事業
7号船員法1条に規定する船員が行う事業
8号柔道整復師法2条に規定する柔道整復師が行う事業
9号高年齢者雇用安定法10条の2第2項の創業支援等措置に基づく事業のうち、厚生労働省労働基準局長が定めるもの
10号あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師が行う事業
11号歯科技工士法2条に規定する歯科技工士が行う事業
12号特定受託事業者が業務委託事業者から業務委託を受けて行う事業等のうち、厚生労働省労働基準局長が定めるもの
12号は「フリーランス」の枠です 12号にいう特定受託事業者は、特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(令和5年法律25号。いわゆるフリーランス法)2条1項の用語をそのまま引いています。建設や運送のように「現場で体を使う仕事」だけが一人親方だと思われがちですが、条文上はここが独立した号として置かれています。ただし条文は「厚生労働省労働基準局長が定めるもの」と限定しているので、どの業務委託でも当然に入れるわけではありません。実際に加入できるかは、局長が定める範囲に当たるかどうかを団体に確認することになります。

なお、33条4号が「前号の者が行う事業に従事する者」を挙げています。一人親方本人だけでなく、その事業に一緒に従事している家族なども特別加入の対象になり得るのはこの号によります。

加入の仕組み — 団体が「事業主」、本人は「労働者とみなす」

一人親方は、個人で労働基準監督署に申し込むのではなく、団体(いわゆる一人親方組合)を通じて加入します。これは手続き上の便宜ではなく、条文がそういう構造になっているからです。

労災保険法35条1項は、団体が申請して政府の承認があったときの効果を、次のように定めています。

一 当該団体は、第三条第一項の適用事業及びその事業主とみなす。(中略)三 当該団体に係る第三十三条第三号から第五号までに掲げる者は、第一号の適用事業に使用される労働者とみなす。

つまり団体のほうが「事業主」で、一人親方本人は「労働者」の側に置かれます。自分の事業では事業主である人が、労災保険の世界では労働者とみなされる、という入れ替えが起きています。

だから保険給付の請求に「事業主の証明」が要りません 労災の請求書には通常、事業主が災害の発生を証明する欄があります。特別加入者については、労災保険法施行規則46条の27第1項がその証明に関する規定を「適用しない」と明記しています。ただし証明が要らないぶん、同条2項が「証明することができる書類その他の資料」を請求書に添えなければならないとしています。証明欄が空でよいという話ではなく、証明の方法が人から資料に変わっていると読むのが正確です。

もう一つ、給付基礎日額についても誤解が多い点があります。16段階から希望を出すことはできますが、条文上「定める」のは本人ではありません。35条1項6号は給付基礎日額を「厚生労働大臣が定める額」とし、施行規則46条の20第9項・第10項(46条の24で準用)は、都道府県労働局長が必要と認めるときは所得を証明する書類等を提出させること、定めたときは通知することを定めています。希望額がそのまま通ることを前提にした資金計画は、条文の建て付けとはずれています。

保険料の計算 — 日額 × 365 × 料率

保険料の計算式は徴収法14条1項にあります。「厚生労働省令で定める額の総額」に「第二種特別加入保険料率」を掛ける、という形です。この「厚生労働省令で定める額」が保険料算定基礎額で、徴収法施行規則22条が別表第四を指しています。

建設事業(46条の17第2号)の一人親方・給付基礎日額 10,000円 の場合 × 365 × 17/1000 給付基礎日額 10,000円 保険料算定基礎額 3,650,000円 年間保険料 62,050円 別表第四の保険料算定基礎額は、16段階すべてで「給付基礎日額 × 365」に一致する
保険料の計算の流れ。給付基礎日額は労災保険法施行規則46条の20第1項の16段階から、料率は徴収法施行規則の別表第五から決まる。

別表第四の中身は次のとおりです。16段階すべてについて「給付基礎日額 × 365」と一致することを確認しましたので、実務では日額を365倍すれば算定基礎額になります。

給付基礎日額保険料算定基礎額給付基礎日額保険料算定基礎額
25,000円9,125,000円9,000円3,285,000円
24,000円8,760,000円8,000円2,920,000円
22,000円8,030,000円7,000円2,555,000円
20,000円7,300,000円6,000円2,190,000円
18,000円6,570,000円5,000円1,825,000円
16,000円5,840,000円4,000円1,460,000円
14,000円5,110,000円3,500円1,277,500円
12,000円4,380,000円
10,000円3,650,000円

日額10,000円・建設事業(料率1000分の17)なら、3,650,000円 × 17 ÷ 1000 = 62,050円が年間の保険料です。日額25,000円まで上げると 9,125,000円 × 17 ÷ 1000 = 155,125円になります。

料率表の全部(徴収法施行規則 別表第五)

第二種特別加入保険料率は、徴収法14条1項が「厚生労働大臣の定める率」とし、徴収法施行規則23条が別表第五のとおりと定めています。事業の種類は労災保険法施行規則46条の17の号番号で指定されているので、上の12種類の表と突き合わせて読みます。

番号事業の種類料率日額10,000円のときの年額
特4林業(46条の17第4号)1000分の52189,800円
特7船員が行う事業(7号)1000分の48175,200円
特3漁船による水産動植物の採捕(3号)1000分の45164,250円
特2建設の事業(2号)1000分の1762,050円
特6再生資源の収集・運搬・選別・解体等(6号)1000分の1451,100円
特1自動車・原動機付自転車・自転車による運送(1号)1000分の1140,150円
特5医薬品の配置販売(5号)1000分の621,900円
特8柔道整復師(8号)1000分の310,950円
特9創業支援等措置に基づく事業(9号)1000分の310,950円
特10あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師(10号)1000分の310,950円
特11歯科技工士(11号)1000分の310,950円
特12特定受託事業者(フリーランス)(12号)1000分の310,950円

最も高い林業(1000分の52)と最も低い1000分の3の間には17.3倍の開きがあります。年額でいえば189,800円と10,950円で、その差は178,850円です。同じ「一人親方労災保険」という名前でも、事業の種類が違えば別の商品と言ってよいほど金額が違います。

この表に載っていない番号(特13以降)は「作業」の枠です 別表第五には特13から特26までの番号もありますが、こちらは施行規則46条の18が定める特定作業従事者(特定農作業従事者、家内労働者など)の枠で、46条の17の一人親方とは別の区分です。同じ表に並んでいるので混ざりやすいところです。
国民健康保険料の計算はこちら(所得控除の前後で計算の基礎が変わります)

通勤災害が対象外になる一人親方がいる

特別加入の保険給付は、業務災害・複数業務要因災害・通勤災害を対象にするのが原則です。ただし労災保険法35条1項は、対象となる災害を挙げたうえで、かっこ書きでこう限定しています。

(これらの者のうち、住居と就業の場所との間の往復の状況等を考慮して厚生労働省令で定める者にあつては、業務災害及び複数業務要因災害に限る。)

この「厚生労働省令で定める者」を指定しているのが施行規則46条の22の2で、46条の17第1号(自動車等による運送の事業)または第3号(漁船による水産動植物の採捕の事業)を労働者を使用しないで行う者などが挙げられています。

個人タクシー・個人貨物運送と漁業の一人親方は、通勤災害が対象外です 理由は条文のかっこ書きが示すとおり「住居と就業の場所との間の往復の状況等」で、これらの仕事は住居を出た時点から業務が始まっているような働き方になるため、通勤とそれ以外を切り分けにくいという整理です。保険料が安いから給付が薄いのではなく、給付の範囲そのものが条文で違います。料率表だけを見比べても、この違いは見えません。

経理 — 必要経費ではなく社会保険料控除

ここが本題です。支払った特別加入保険料を青色申告決算書の必要経費に入れるのか、確定申告書の社会保険料控除に入れるのか。結論は社会保険料控除です。

ただし、その根拠の場所が独特です。所得税法74条2項は社会保険料を1号から12号まで列挙していますが、労災保険料はこの列挙の中にありません。労働保険に触れているのは4号だけで、条文はこうなっています。

四 労働保険の保険料の徴収等に関する法律(昭和四十四年法律第八十四号)の規定により雇用保険の被保険者として負担する労働保険料

「雇用保険の被保険者として負担する」と限定されています。ではなぜ労災保険料が列挙から漏れているかというと、通常の労災保険料は全額が事業主負担で、労働者本人が負担することがないからです。本人が払わないものについて、本人の所得控除を定める必要がありません。

ところが特別加入では、加入者本人が保険料を負担します。そこで74条2項の柱書きにある「その他これらに準ずるもので政令で定めるもの」が働きます。その政令が所得税法施行令208条で、1号がまさにこれを拾っています。

一 労働者災害補償保険法第四章の二(特別加入)の規定により労働者災害補償保険の保険給付を受けることができることとされた者に係る労働保険の保険料の徴収等に関する法律(昭和四十四年法律第八十四号)の規定による保険料
置き場所を間違えると、所得税以外のところが動きます 必要経費は事業所得の金額を減らしますが、社会保険料控除は事業所得を減らしません(所得を計算したあとの所得控除です)。国民健康保険料や個人事業税は、所得控除を引く前の所得を基礎に計算されます。そのため必要経費に入れてしまうと、所得税・住民税の計算では結果が近くても、国保料や事業税の計算基礎まで小さくなってしまいます。金額の当否ではなく置き場所そのものが結論を変える論点です。

控除としての効き方も確認しておきます。所得税法89条の税率表では、課税総所得金額が330万円を超え695万円以下の部分の税率は100分の20です。住民税の所得割と合わせて限界税率が30%になる人なら、建設事業・日額10,000円の保険料62,050円に対する税額の差は18,615円になります(復興特別所得税は含めていません)。

また、所得税法74条1項は「自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族の負担すべき社会保険料を支払つた場合」と定めています。33条4号によって家族が特別加入している場合、その保険料を生計を一にする本人が支払っていれば、支払った人の社会保険料控除に含めて差し支えないのが条文の建て付けです。

組合費・入会金・事務手数料は控除にならない

実務でいちばん事故が起きやすいのがここです。一人親方組合からの請求は、保険料・入会金・組合費・事務手数料が1枚の請求書にまとまって来ることが多く、そのまま総額を社会保険料控除に書いてしまう誤りが起きます。

施行令208条1号が対象にしているのは、あくまで徴収法(労働保険の保険料の徴収等に関する法律)の規定による保険料です。組合費や事務手数料は徴収法に基づく保険料ではないので、この号には当たりません。

組合へ払った年額 (1枚の請求書) 保険料の部分 それ以外 社会保険料控除 施行令208条1号 必要経費 組合費・入会金・手数料
組合への支払いは1枚の請求書でも、税務上は2つに分かれる。分けるかどうかで控除額と事業所得の両方が変わる。

消費税の扱いも同じ線で分かれます。消費税法別表第二3号は「保険料を対価とする役務の提供」を非課税としているので保険料の部分は非課税ですが、事務手数料はこれに当たりません。同号はさらにかっこ書きで、保険料が事務に要する費用の額とその他の部分とに区分して支払われる契約(政令で定めるもの)については、その費用相当部分を非課税から除くと定めています。条文自身が「事務費部分は保険料と別扱い」という考え方を持っているわけです。

請求書に内訳が書かれていない場合は、組合に保険料部分の金額を確認するのが確実です。年度更新の際に労働保険料の額が通知されているはずなので、その金額が施行令208条1号にいう保険料の部分になります。

そのほかの落とし穴 — 重複加入・滞納・年度途中の月割

(1) 同じ種類の事業で2つの団体に重ねて入ることはできません。 労災保険法35条2項は、一の団体について労働者とみなされている者は「同一の種類の事業又は同一の種類の作業に関しては、他の団体に関し重ねて」労働者とみなされることはない、と定めています。複数の組合に入って給付を積み増すことはできないという趣旨です。保険料だけが二重に出ていく状態になり得るので、組合を移るときは重複期間が生じないよう注意が要ります。

(2) 保険料を滞納している期間中の事故は、給付が減るか出ないことがあります。 35条1項7号は、事故が第二種特別加入保険料が滞納されている期間中に生じたものであるときは、政府は「当該事故に係る保険給付の全部又は一部を行わないことができる」と定めています。加入している状態と、保険料を払い終えている状態は別だという点は押さえておく必要があります。

(3) 年度の途中に入ったときは月割ですが、端数の順序に注意します。 徴収法施行規則22条ただし書は、保険年度の中途に新たに特別加入者となった者について、算定基礎額を12で除して1円未満を切り上げ、それに月数(1月未満の端数は1月)を掛けると定めています。「先に割って切り上げ、あとから掛ける」という順序です。

順序が違うと金額がずれます 日額10,000円(算定基礎額3,650,000円)で10月から翌年3月までの6か月加入した場合、3,650,000 ÷ 12 = 304,166.66…円を切り上げて304,167円、これに6を掛けて1,825,002円が算定基礎額です。単純に年額の半分とした1,825,000円とは2円ずれます。小さな差ですが、条文が端数処理の順序まで書いている以上、通知された金額と自分の計算が合わないときはここを疑うと原因が見つかります。

よくある質問

Q. 一人親方の労災保険料は経費になりますか?

A. 事業の必要経費ではなく、社会保険料控除(所得控除)として扱うのが一般的な処理です。根拠は所得税法74条1項と、同法施行令208条1号(特別加入の規定により保険給付を受けることができることとされた者に係る徴収法の規定による保険料)です。必要経費に入れると事業所得の金額が変わり、国民健康保険料や個人事業税の計算基礎まで動いてしまいます。

Q. 給付基礎日額は自分で自由に決められますか?

A. 3,500円から25,000円までの16段階(労災保険法施行規則46条の20第1項、同46条の24で準用)の中から希望を出しますが、条文上「定める」のは厚生労働大臣で(労災保険法35条1項6号)、都道府県労働局長は必要と認めるときに所得を証明する書類等の提出を求めることができるとされています(施行規則46条の20第9項)。希望額が必ずそのまま通るという建て付けにはなっていません。

Q. 建設業の一人親方の保険料はいくらですか?

A. 建設の事業は労災保険法施行規則46条の17第2号に当たり、料率は徴収法施行規則の別表第五で1000分の17です。給付基礎日額10,000円なら保険料算定基礎額3,650,000円に1000分の17を掛けて年62,050円、日額25,000円なら9,125,000円に1000分の17を掛けて年155,125円と計算します。なお、組合に払う組合費や事務手数料はこの保険料とは別です。

Q. フリーランスでも一人親方の労災保険に入れますか?

A. 労災保険法施行規則46条の17第12号が、フリーランス法(令和5年法律25号)2条1項にいう特定受託事業者が業務委託を受けて行う事業を挙げており、料率は1000分の3です。ただし同号は「厚生労働省労働基準局長が定めるもの」と限定しているため、どの業務委託でも当然に対象になるわけではありません。実際に対象となる業務かどうかは団体に確認することになります。

Q. 通勤中のけがも労災になりますか?

A. 事業の種類によります。労災保険法35条1項のかっこ書きと施行規則46条の22の2により、46条の17第1号(自動車等を使用する運送の事業)と第3号(漁船による水産動植物の採捕の事業)を労働者を使用しないで行う一人親方などは、業務災害と複数業務要因災害に限られ、通勤災害は対象外とされています。建設など他の号の事業は通勤災害も対象です。

Q. 組合費や入会金も社会保険料控除に入れてよいですか?

A. 所得税法施行令208条1号が対象としているのは徴収法の規定による保険料なので、組合費・入会金・事務手数料はこれに当たらないと考えられます。組合からの請求が保険料と一体で来る場合は、保険料部分の金額を確認して分ける必要があります。消費税でも保険料は非課税(消費税法別表第二3号)である一方、事務手数料はこれに当たりません。

Q. 2つの組合に入れば給付を増やせますか?

A. 労災保険法35条2項が、一の団体について労働者とみなされている者は同一の種類の事業または同一の種類の作業に関して他の団体に重ねて労働者とみなされることはないと定めています。同じ種類の事業について重ねて加入することはできず、保険料だけが二重に発生する状態になり得ます。

Q. 年度の途中で加入した場合の保険料はどう計算しますか?

A. 徴収法施行規則22条ただし書により、保険料算定基礎額を12で除して1円未満を切り上げ、その額に特別加入者とされた期間の月数(1月未満の端数は1月)を掛けて算定基礎額を求めます。日額10,000円で6か月なら、3,650,000÷12=304,166.66…を切り上げた304,167円に6を掛けて1,825,002円となり、年額の半分(1,825,000円)とは2円ずれます。

出典

この記事は一般的な情報提供であり、個別の税務相談ではありません。特別加入できるかどうかや料率の適用は事業の実態によって判断が分かれることがあり、保険料の内訳や控除の範囲も契約と請求の内容によって変わります。実際の処理にあたっては、加入する団体や労働基準監督署、顧問税理士など有資格者にご確認ください。

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