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社会保険料は入社月・退職月にいつ引く?翌月控除と月末退職

結論から言うと、社会保険料は日割りではなく月単位です。入社した月は月途中でも1か月分が発生し、月途中退職なら原則として退職月分は発生せず、月末退職なら退職月分まで発生します。

それをどの給与から引くかは別の話です。厚生年金保険法84条は、事業主が「前月分」を当月給与から控除できると定めます。翌月控除の会社では、4月入社の4月分を5月支給給与から引きます。月末退職では最終給与から2か月分を引く場合があるため、給与明細だけを見て「二重徴収」と判断しないことが重要です。

社会保険料を計算 標準報酬月額から健康保険・厚生年金等の本人負担額を確認できます。

「何月分が発生するか」と「いつ引くか」は別

まず資格取得日・資格喪失日から保険料の帰属月を確定し、その後で会社の給与締日・支給日と控除方式に当てはめます。この順序を逆にすると、入社月や退職月で誤りが起きます。

論点 決めるもの
保険料の発生 資格取得月から資格喪失月の前月まで 4月15日取得なら4月分が発生
給与からの控除 法令の範囲と会社の給与計算 翌月控除なら4月分を5月給与から
会社から国への納付 保険料の納期限 4月分を5月末までに納付

厚生年金保険法19条は被保険者期間を月で計算し、資格取得月から資格喪失月の前月までを算入します。81条は保険料額、83条は納期限、84条は給与からの控除を定めています。健康保険も基本的な月の考え方は同様です。

4月15日 入社 4月分が1か月発生 5月支給給与 4月分を控除 5月末 会社が納付 翌月控除の例
資格取得月、給与控除月、会社の納付月はそれぞれ確認する

入社月:1日入社でも月途中入社でも1か月分

4月1日入社でも4月30日入社でも、資格取得日が4月中なら4月分から発生します。日割りはしません。たとえば標準報酬月額30万円で本人負担の厚生年金保険料が27,450円なら、4月30日入社でも4月分は27,450円であり、1日分へ按分しません(厚生年金保険料率18.3%を労使折半した例)。健康保険料等も加わるため、実際の総控除額は加入先・都道府県・年齢等で変わります。

会社の方式 4月入社の4月分を引く給与 初回給与の注意
翌月控除 原則5月支給給与 4月支給給与ではまだ引かない
当月控除 4月支給給与 締日後入社で給与が少ない場合に要確認

「翌月控除」は法律上、前月分を当月給与から控除できる仕組みに沿う扱いです。会社が当月控除をしている場合もあるため、就業規則、給与規程、過去の給与明細で方式を固定して運用します。

退職月:月途中は前月分まで、月末は当月分まで

資格喪失日は原則として退職日の翌日です。保険料は資格喪失日が属する月の前月まで発生するため、1日の違いで最終月が変わります。

退職日 資格喪失日 発生する最終月 翌月控除の最終給与
4月29日 4月30日 3月分まで 4月給与から3月分を控除
4月30日(月末) 5月1日 4月分まで 4月給与から3月分と4月分の2か月分を控除する場合あり

月末退職で2か月分控除できるのは、厚生年金保険法84条が、月末退職の場合に前月分に加えて退職月分も退職時の報酬から控除できると定めているためです。給与の締日と支給日の関係で最終給与から控除しきれないときは、会社と本人の間で不足額の精算方法を確認します。

「2か月分引かれた」の内訳翌月控除の会社で4月30日退職なら、4月支給の最終給与から3月分と4月分を控除する場合があります。3月分の二重徴収ではなく、帰属月の異なる2か月分かを明細で確認します。

月途中退職で退職月分が発生しなくても、退職後は国民健康保険・国民年金、家族の被扶養者、または転職先の社会保険など別制度の資格が始まります。「退職月分が会社で0円=その月の社会保険負担が一切ない」とは限りません。

入社した月に退職した「同月得喪」

厚生年金の資格を取得した月に同じ資格を喪失した場合、原則としてその月の厚生年金保険料が必要です。たとえば4月5日入社・4月20日退職なら、取得月と喪失月がともに4月となる同月得喪です。

ただし日本年金機構は、その月にさらに別の厚生年金保険または国民年金の資格を取得した場合、先に喪失した厚生年金保険料は不要となり、年金事務所から会社へ還付のお知らせを送ると案内しています。会社へ還付された本人負担分は、会社から本人へ返します。

この還付は厚生年金についての取扱いです。健康保険料は同じ結論になるとは限らないため、加入していた健康保険者へ別途確認します。

給与計算での確認手順

  1. 資格取得日・資格喪失日を資格取得届、資格喪失届で確定する
  2. 資格取得月から資格喪失月の前月まで、帰属月を並べる
  3. 会社が翌月控除か当月控除かを規程と過去明細で確認する
  4. 標準報酬月額と適用月の料率から本人負担分を計算する
  5. 給与明細に「何月分」か分かる記録を残し、会社負担分と合わせて納付する

標準報酬月額表の等級を確認し、具体的な計算は社会保険料の計算方法で照合できます。料率改定時は「給与の支給月」だけでなく、どの保険料月分へ新料率が適用されるかを確認します。

よくある誤り 防止策
入社初月を日割りする 資格取得月は1か月分として計算
退職日を資格喪失日とする 原則、退職日の翌日で判定
月末退職なのに退職月分を落とす 翌月1日喪失なので退職月分まで発生
2か月控除を一律に二重徴収と扱う 各控除の帰属月を照合
要点
  • 入社月は月途中でも1か月分、日割りなし
  • 退職日の翌日が資格喪失日
  • 月途中退職は原則退職月分なし、月末退職は退職月分あり
  • 翌月控除の月末退職では最終給与から2か月分控除する場合がある

よくある質問

Q. 4月30日入社でも4月分を引かれますか?

A. 資格取得日が4月30日なら、4月分が1か月分発生します。日割りにはなりません。翌月控除の会社なら原則として5月支給給与から控除します。

Q. 4月30日退職と4月29日退職で違いますか?

A. 違います。4月30日退職は5月1日資格喪失なので4月分まで発生します。4月29日退職は4月30日資格喪失なので3月分までです。

Q. 最終給与から社会保険料が2か月分引かれました。

A. 翌月控除の会社で月末退職なら、前月分と退職月分の2か月分を最終給与から控除する場合があります。まず明細や会社に、各金額が何月分かを確認します。

Q. 入社月と退職月が同じなら保険料は0円ですか?

A. 原則0円ではありません。同月得喪でも厚生年金保険料が必要です。ただし同じ月に別の厚生年金または国民年金の資格を取得した場合は、先に喪失した厚生年金保険料が還付対象になります。

出典

本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。個別の判断は年金事務所・加入する健康保険者・社会保険労務士にご確認ください。

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