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産前産後休業(産休)はいつからいつまで — 産前は請求しないと始まらない。産後6週間は本人が希望しても働かせられない

結論から言うと、産休の期間は産前6週間・産後8週間です。多胎妊娠のときは産前だけが14週間に伸びます。根拠は労働基準法65条で、1項が産前、2項が産後を定めています。ここまでは、どの解説にも同じことが書いてあります。

実務で分かれ目になるのは、1項と2項で条文の作りがまったく違うことです。産前は「休業を請求した場合においては」と書かれているので、本人が請求しなければ始まりません。出産予定日の6週間前が来ても、働き続けることは違法ではありません。一方の産後は「産後八週間を経過しない女性を就業させてはならない」で、請求が条件になっていません。本人が「働きたい」と言っても、会社は働かせられないのが産後です。同じ「産休」という一語でまとめて説明されがちですが、片方は本人が起動するもので、もう片方は本人の意思では外せないものです。

そしてお金の面では、社会保険料の免除が月単位で決まることが効いてきます。健康保険法159条の3と厚生年金保険法81条の2の2は、免除の終わりを「産前産後休業が終了する日の翌日が属する月の前月まで」と定めています。この書き方のせいで、産休の終了日が月末かどうかで、1か月分の保険料がまるごと動きます。この記事では、期間の数え方、産前と産後の性質の違い、保険料免除の境界、そして産休が連れてくる2つの法的保護を、条文の文言で確定させていきます。

産休はいつからいつまで — 産前6週間・産後8週間、多胎は産前14週間

労働基準法65条の1項と2項が、そのまま産休の期間です。

第六十五条 使用者は、六週間(多胎妊娠の場合にあつては、十四週間)以内に出産する予定の女性が休業を請求した場合においては、その者を就業させてはならない。

2 使用者は、産後八週間を経過しない女性を就業させてはならない。ただし、産後六週間を経過した女性が請求した場合において、その者について医師が支障がないと認めた業務に就かせることは、差し支えない。

週で書かれているのは労働基準法だけで、社会保険の側は日数で書かれています。健康保険法43条の3が産前産後休業を定義しており、そこでは「出産の日(出産の日が出産の予定日後であるときは、出産の予定日)以前四十二日(多胎妊娠の場合においては、九十八日)から出産の日後五十六日まで」と書かれています。6週間=42日、14週間=98日、8週間=56日ですから、日数そのものは一致します。違うのは数え方の起点です。

 労働基準法65条健康保険法43条の3
産前(単胎)6週間42日
産前(多胎)14週間98日
産後8週間56日
起算点出産する予定の日から遡る出産の日(予定日より後に出産したときは予定日)から遡る
性質就業させてはならない期間労務に服さないこと(妊娠・出産に関する事由による場合に限る)

健康保険法の括弧書きが効くのは、出産が予定日より遅れたときです。起点が予定日に固定されるので、遅れた日数はそのまま産前休業に上乗せされます。逆に予定日より早く生まれたときは括弧書きが働かず、起点は実際の出産日になるため、産前は42日より短くなります。産後の56日は、どちらの場合も実際の出産日から数えます。

予定日の42日前 出産予定日 出産日 出産日+56日 産前休業(請求制) 遅れた分 も産前 産後休業(強制・8週間) うち最初の6週間は本人が請求しても就業不可 ※予定日より早く生まれたときは、産前の起点が実際の出産日になるため42日より短くなる
産前は予定日を起点に42日。出産が遅れた日数は産前に上乗せされ、産後56日は実際の出産日から数える。

産前は「請求制」、産後は「強制」 — 65条1項と2項は条件の作りが違う

65条を1項と2項で並べると、条件の置き方がはっきり分かれます。

 産前(65条1項)産後(65条2項)
本人の請求必要(「休業を請求した場合においては」)不要(文言に請求が出てこない)
請求しなかったら就業させても65条違反にならない
本人が働きたいと言ったら働ける働かせられない(6週間経過後は例外あり)
開始日を決めるのは本人(42日前より後でもよい)法律(出産日の翌日から自動的に始まる)

この違いは、実務では2か所に出てきます。ひとつは産前休業の開始日を会社が勝手に決められないことです。「予定日の6週間前から休んでもらいます」と会社が通告するのは、65条1項が本人に与えた選択権を先回りして使うことになります。ぎりぎりまで働きたい人もいれば、早めに入りたい人もいるので、開始日は本人の請求で決まります。

もうひとつは、産前休業を請求しなかった期間は「65条によって休業する期間」ではないという点です。あとで見る解雇制限(19条)と有給の出勤率(39条10項)は、どちらも条文が「第六十五条の規定によつて休業する期間」と書いています。つまり請求せずに働いていた期間は、文言のうえではこれらの保護の対象に入りません。産前休業を「取らない」という選択は、休まないという意味だけではないことになります。

産後6週間を過ぎたら復帰できるのか — 3つの条件がそろったときだけ

「産後8週間」と覚えていると、6週間で復帰したいという相談が来たときに答えられません。65条2項のただし書がこの場面を定めています。

ただし、産後六週間を経過した女性が請求した場合において、その者について医師が支障がないと認めた業務に就かせることは、差し支えない。

条件は3つあり、全部そろってはじめて就業させられます。

  1. 産後6週間を経過していること。6週間以内は、条件が何であれ例外がありません。
  2. 本人が請求していること。会社から「もう出てこられるか」と持ちかけて復帰させる形は、この文言に乗りません。
  3. 医師が支障がないと認めた業務であること。ここが見落とされがちです。条文は「支障がないと認めた業務」と書いており、人ではなく業務を単位にしています。医師が「軽作業なら差し支えない」と判断したなら、その範囲の業務に限られます。

なお、6週間で復帰した場合でも、健康保険の産前産後休業は「労務に服さないこと」を要件にしているので、復帰した日から先は保険料免除の対象外です。労働基準法の休業期間と、社会保険料の免除期間は、自動的に同じにはなりません。

社会保険料の免除は月単位 — 終了日が月末かどうかで1か月分変わる

産休中の社会保険料は、健康保険・厚生年金ともに免除されます。根拠は健康保険法159条の3と厚生年金保険法81条の2の2で、どちらもほぼ同じ文で書かれています。

第百五十九条の三 産前産後休業をしている被保険者が使用される事業所の事業主が、厚生労働省令で定めるところにより保険者等に申出をしたときは、その産前産後休業を開始した日の属する月からその産前産後休業が終了する日の翌日が属する月の前月までの期間、当該被保険者に関する保険料を徴収しない。(健康保険法)

読むべきは終わりの側です。「終了する日の翌日が属する月の前月まで」なので、終了日そのものではなく終了日の翌日がどの月に入るかで決まります。ここに1日の境界があります。

産休の終了日終了日の翌日翌日が属する月免除される最後の月9月分の保険料
9月30日(月末)10月1日10月その前月=9月免除される
9月29日9月30日9月その前月=8月免除されない

金額で見ると、この1日の差は小さくありません。厚生年金保険の保険料率は厚生年金保険法81条4項の表で「平成二十九年九月以後の月分」が千分の百八十三と定められており、料率は全国一律です。標準報酬月額が30万円の人なら、厚生年金だけで月54,900円(30万円×18.3%)。これは労使を合わせた額で、健康保険料はこれとは別にかかります。健康保険料率は都道府県ごとに異なるので、実額は標準報酬月額の等級表で確認してください。

免除されるのは本人負担分だけではありません。条文は「当該被保険者に関する保険料を徴収しない」と書いており、被保険者負担分と事業主負担分を区別していません。会社側の負担も止まります。

もうひとつ、免除は「徴収しない」と書かれているだけで、被保険者の資格や標準報酬月額そのものには触れていません。産休中も被保険者であり続けるので、健康保険証(資格情報)はそのまま使えますし、この期間が年金の被保険者期間から抜けることもありません。

賞与の保険料も、産休期間中の月に支払われたものであれば免除されます。育児休業の免除(健康保険法159条)には「1か月以下の育休なら標準報酬月額に係る保険料に限る」という趣旨のかっこ書きがありますが、159条の3にはその限定がありません。詳しくは賞与の社会保険料で扱っています。

終了日 9/30(月末) 8月 免除 9月 免除 10月 徴収 翌日 10/1 → 10月の前月=9月まで免除 終了日 9/29 8月 免除 9月 徴収 10月 徴収 翌日 9/30 → 9月の前月=8月まで免除 ※標準報酬月額30万円なら、厚生年金だけで労使合計 54,900円(18.3%)が9月分で変わる
終了日の翌日がどの月に入るかで免除の最終月が決まる。1日ずれると1か月分まるごと動く。

免除は自動ではない — 事業主が申出書を出してはじめて止まる

159条の3も81条の2の2も、免除の要件を「事業主が……申出をしたときは」と書いています。産休に入れば自動的に止まるのではなく、申出が効力の条件です。出し忘れれば保険料は請求され続けます。

申出書に何を書くかは省令に定めがあります。厚生年金保険法施行規則25条の2の2は、記載事項として次の8項目を挙げています。

  1. 申出に係る被保険者の氏名および生年月日
  2. 個人番号または基礎年金番号
  3. 事業所の名称および所在地
  4. 産前産後休業を開始した年月日
  5. 産前産後休業に係る子の出産予定年月日
  6. 多胎妊娠の場合は、その旨
  7. すでに出産している場合は、出産の年月日
  8. 産前産後休業を終了する年月日(終了予定日)

この並びから、制度の作りが読み取れます。「終了予定日」を書く欄があるということは、終了してから出すのではなく休業中に出すことが前提だということです。しかも同条3項は、記載事項に変更があったとき、または終了予定日の前日までに産前産後休業を終了したときは、速やかに届け出なければならないと定めています。産後6週間で復帰した、あるいは予定日がずれた、といった場合に届出が必要になるのはこの規定によります。健康保険側も、同条2項が健康保険法施行規則135条の2の申出と併記して行う旨を定めているので、実務では1枚で両方を処理します。

出産手当金がいくらになるか計算する

産休が連れてくる2つの保護 — 解雇制限と、有給の出勤率

産休は「休める期間」であるだけでなく、労働基準法の別の条文から2つの保護を呼び込みます。どちらの条文も、産休を「第六十五条の規定によつて休業する期間」という同じ言い回しで指しています。

解雇制限(労働基準法19条1項)

使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後三十日間並びに産前産後の女性が第六十五条の規定によつて休業する期間及びその後三十日間は、解雇してはならない。

産休の期間だけでなく、その後30日間も解雇できません。産後8週間で復帰した人であれば、復帰後30日間は解雇制限が続きます。例外は同項ただし書の2つ(打切補償を支払う場合と、天災事変その他やむを得ない事由で事業の継続が不可能になった場合)だけで、後者は同条2項により行政官庁の認定が必要です。

ここでも「65条の規定によつて休業する期間」という限定が効きます。産前休業を請求せずに働いていた期間は、この文言には当たりません。産前の保護は、請求して休業に入ってから始まる建て付けになっています。

年次有給休暇の出勤率(労働基準法39条10項)

労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業した期間及び……育児休業又は……介護休業をした期間並びに産前産後の女性が第六十五条の規定によつて休業した期間は、第一項及び第二項の規定の適用については、これを出勤したものとみなす

有給休暇の付与要件である「全労働日の8割以上出勤」を判定するとき、産休の期間は出勤した日として数えます。同じ項に育児休業と介護休業も並んでいるので、産休から続けて育休に入り、1年以上職場を離れていた人でも、8割要件で落ちることはありません。復帰した年に有給がゼロになるということは起きない、という理解でよいことになります。付与日数そのものは勤続年数で決まるので、有給休暇の付与日数の表のとおりです。

あわせて、妊産婦(妊娠中および産後1年を経過しない女性)については65条以外にも制限があります。66条は、本人が請求した場合に、変形労働時間制であっても法定労働時間を超えて働かせないこと、時間外労働・休日労働をさせないこと、深夜業をさせないことを定めています。いずれも請求が条件である点は産前休業と同じ作りです。67条は、生後満1年に達しない生児を育てる女性に、休憩時間とは別に1日2回・各30分以上の育児時間を請求する権利を与えています。

産休中の賃金は無給が原則 — だから出産手当金がある

65条は「就業させてはならない」と定めるだけで、賃金について何も書いていません。労働基準法に賃金の支払義務が置かれていない以上、働いていない期間について賃金は発生しないのが原則です。就業規則で有給としている会社もありますが、それは法律が求めているものではありません。

この空白を埋めているのが健康保険の出産手当金です。産休期間に対応する日数について健康保険から支給される仕組みで、金額の計算方法と、予定日とずれたときに総額が変わる理由は出産手当金はいくら?で詳しく扱っています。注意したいのは、会社が給与を支払うと出産手当金が調整される点です。「有給扱いにしてあげよう」という配慮が、結果として手取りを増やさないことがあります。

なお、産休を取れるのは65条の文言どおり「女性」です。男性が子の出生後に取得するのは育児・介護休業法の出生時育児休業(産後パパ育休)で、別の制度です。雇用形態による制限は65条にないため、パート・契約社員でも産休の対象になります。

産休が終わったあと — 終了時改定は「育休に入らない人」の制度

産休が終わったあと、時短勤務などで報酬が下がることがあります。このとき標準報酬月額を下げられるのが、健康保険法43条の3・厚生年金保険法23条の3の産前産後休業終了時改定です。定時決定や随時改定を待たずに改定できるところに価値があります。

項目内容(健康保険法43条の3)
対象産前産後休業を終了した日に、その産休に係る子を養育している被保険者
手続事業主を経由して保険者等に申出(自動ではない)
計算終了日の翌日が属する月以後3か月間に受けた報酬の総額 ÷ その期間の月数
除く月報酬支払の基礎となった日数が17日未満の月
適用開始終了日の翌日から2か月を経過した日の属する月の翌月から
使えない人産休終了日の翌日に育児休業等を開始している被保険者(同条1項ただし書)

最後の行が、この制度の性格を決めています。産休が明けたその日から育休に入る人は対象外です。日本の実務では産休から続けて育休に入るのが一般的なので、産前産後休業終了時改定を実際に使うのは、産休明けにそのまま復職する人に絞られます。育休に入った人には、育児休業等終了時改定(43条の2)という別の入口が用意されていて、こちらは育休終了日を起点に同じ形で計算します。

報酬が下がったまま標準報酬月額を放置すると、保険料だけが休業前の水準で引かれ続けます。随時改定(月額変更届)は固定的賃金の変動と2等級以上の差を要件にしているため、時短で少しずつ下がった場合には該当しないことがあります。終了時改定は、その隙間を埋める制度だと考えると位置づけがはっきりします。

よくある質問

Q. 産前休業は、必ず出産予定日の6週間前から取らなければいけませんか?

A. いいえ。労働基準法65条1項は「六週間(多胎妊娠の場合にあつては、十四週間)以内に出産する予定の女性が休業を請求した場合においては、その者を就業させてはならない」と書いており、就業させてはならない義務は本人の請求があってはじめて発生します。6週間前が来ても請求しなければ、働き続けることは65条違反になりません。したがって開始日は本人が決めることになり、予定日の4週間前から取ることも、直前まで働くことも条文上は可能です。逆に、会社の側から「6週間前から休んでください」と一律に決めることは、この条文が本人に置いた選択権を先取りすることになります。ただし請求しなかった期間は「65条の規定によつて休業する期間」に当たらないため、19条の解雇制限や39条10項の出勤率みなしといった保護は、その期間には及びません。

Q. 出産が予定日より1週間遅れました。産前休業はその分短くなりますか?

A. 短くなりません。むしろ長くなります。健康保険法43条の3は産前産後休業を「出産の日(出産の日が出産の予定日後であるときは、出産の予定日)以前四十二日……から出産の日後五十六日まで」と定義しており、予定日より後に出産したときは起点が予定日に固定されます。予定日の42日前から実際の出産日までが産前となるので、1週間遅れれば産前は49日です。産後の56日は実際の出産日から数えるため影響を受けません。結果として、産休の全体は7日分長くなります。反対に予定日より早く生まれた場合は括弧書きが働かず、起点は実際の出産日になるので、産前は42日より短くなります。

Q. 産後6週間で復帰したいと本人が言っています。認めてよいですか?

A. 労働基準法65条2項ただし書の条件を3つとも満たすなら就業させられます。条件は、産後6週間を経過していること、本人が請求していること、そして医師が支障がないと認めた業務であることです。3つ目は人ではなく業務を単位にしている点に注意が必要で、医師が特定の範囲の業務について支障がないと認めたのであれば、就業させられるのはその範囲に限られます。また、会社から復帰を持ちかける形は「女性が請求した場合」という文言に乗りません。なお6週間を経過していない間は例外がないため、本人がどれだけ強く希望しても就業させられません。復帰した日以降は労務に服することになるので、健康保険の産前産後休業からも外れ、社会保険料の免除の計算もそこで終わります。

Q. 産休中の社会保険料は、本人負担分だけが免除されるのですか?

A. 事業主負担分も免除されます。健康保険法159条の3は「当該被保険者に関する保険料を徴収しない」と書いており、被保険者負担分と事業主負担分を区別していません。厚生年金保険法81条の2の2も「保険料……の徴収は行わない」と同じ作りです。会社にとっては、産休中の従業員について法定福利費の負担が止まることになります。また、免除されるのは徴収であって資格ではありません。産休中も被保険者であり続けるため、健康保険の資格はそのまま有効で、この期間が厚生年金の被保険者期間から抜けることもありません。条文が触れているのは徴収だけで、資格や標準報酬月額には何も手を加えていないためです。

Q. 産休の終了日が月末かどうかで、保険料は本当に変わりますか?

A. 変わります。健康保険法159条の3・厚生年金保険法81条の2の2は、免除の期間を「産前産後休業を開始した日の属する月から、産前産後休業が終了する日の翌日が属する月の前月まで」と定めています。終了日そのものではなく、終了日の翌日がどの月に入るかで決まる書き方です。9月30日に終了すると翌日は10月1日なので、10月の前月である9月まで免除されます。9月29日に終了すると翌日は9月30日なので、9月の前月である8月までとなり、9月分は徴収されます。厚生年金保険の保険料率は厚生年金保険法81条4項の表により平成29年9月以後の月分が千分の183で全国一律なので、標準報酬月額30万円なら厚生年金だけで労使合計54,900円が動きます。健康保険料はこれとは別にかかります。

Q. 産休・育休で1年以上休んだ人に、有給休暇は発生しますか?

A. 発生します。労働基準法39条10項は、産前産後の女性が65条の規定によって休業した期間、育児休業をした期間、介護休業をした期間などを、同条1項および2項の適用については「これを出勤したものとみなす」と定めています。1項と2項は、6か月継続勤務・全労働日の8割以上出勤という付与要件と、勤続年数に応じた加算日数を定めた規定ですから、産休・育休の期間は8割要件の判定で出勤日として数えられます。1年間ほぼ職場にいなかった場合でも、この規定により8割要件を満たすことになり、復帰後に付与される有給がゼロになるという扱いにはなりません。付与される日数自体は勤続年数によって決まります。

Q. パートや契約社員でも産休は取れますか?

A. 取れます。労働基準法65条は対象を「女性」とだけ書いており、雇用形態や勤続年数による制限を置いていません。労働基準法は労働者に適用される法律なので、パート・アルバイト・契約社員であっても対象になります。この点は育児休業と作りが違います。育児休業は育児・介護休業法が定める制度で、有期雇用の労働者には別途の要件が置かれているためです。社会保険料の免除については、健康保険・厚生年金の被保険者であることが前提になるので、そもそも社会保険に加入しているかどうかが分かれ目になります。加入の判定は社会保険の加入条件のとおりです。

出典

この記事は一般的な情報提供であり、個別の事案に対する助言ではありません。産前産後休業の開始日・終了日の確定や社会保険料免除の申出は、実際の出産日や勤務の実態によって扱いが変わるため、具体的な手続きにあたっては年金事務所・健康保険組合または社会保険労務士にご確認ください。

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