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給与計算のやり方|勤怠締めから振込・納付まで毎月の手順

結論から言うと、給与計算は勤怠を確定→総支給額を計算→社会保険料→源泉所得税→住民税の順で控除→手取りを振込→税・保険料を納付という一本の流れです。控除を先に計算できないのは、源泉所得税の税額表に当てる金額が「社会保険料等控除後」だからです。

たとえば総支給30万円、社会保険料等45,000円、源泉所得税5,000円、住民税12,000円なら、差引支給額は238,000円です。実額は標準報酬月額、都道府県、年齢、扶養親族等の数、住民税決定通知で変わります。

毎月の全体像

勤怠確定総支給額社保・税住民税手取り振込納付・台帳保存
前工程の確定値が次工程の入力になる
工程入力資料出力
勤怠タイムカード、休暇・残業申請労働日数・時間
支給雇用契約、賃金規程基本給・手当・割増賃金
控除保険料額表、税額表、住民税通知各控除額
支払給与明細・振込データ差引支給額

労働基準法24条は、賃金を通貨で、直接、全額、毎月1回以上、一定期日に支払う原則を定めています。税・社会保険料など法令に根拠がある控除と、労使協定に基づく控除を除き、会社判断で差し引くことはできません。

1. 勤怠を締めて総支給額を出す

最初に入退社、所定労働日、出勤、欠勤、有給、遅刻早退、法定内残業、時間外・休日・深夜労働を区別します。打刻漏れを推測で埋めず、本人と承認者に確認して締めます。固定給に、通勤手当や役職手当など当月の手当、割増賃金を加え、欠勤控除など賃金規程に定めた減額を反映したものが総支給額です。通勤手当は支給額を出したあと、通勤手当の非課税限度額と比べて課税・非課税へ分けます。限度額は会社の支給義務や支給上限ではありません。

残業代は単なる「残業時間×時給」ではありません。割増賃金の基礎から除外できる手当は名称だけでなく実質で判断します。詳しい計算は残業代計算ツール残業代の計算方法で確認できます。

締切日の前に例外一覧を作る入退社、休職復職、40歳・65歳・70歳・75歳到達、扶養変更、住民税通知変更は通常月と別に確認します。給与計算の事故は、通常計算より「今月だけ違う人」で起きやすいためです。

2. 社会保険料を控除する

健康保険・介護保険・厚生年金は、原則として当月の総支給額へ直接料率を掛けるのではなく、決定済みの標準報酬月額を保険料額表に当てます。令和8年度の都道府県・年齢別の確認は社会保険料計算ツールを利用できます。標準報酬が改定される月、賞与、月途中入退社は別判定です。

雇用保険料は、給与明細の総支給額をそのまま使うとは限りません。総支給額から、出張旅費など労働保険上の賃金に算入しない実費弁償を除き、食事・住居など算入対象となる現物給与も確認した賃金総額を基礎に計算します。標準報酬月額を使う健康保険・厚生年金とは仕組みが違います。さらに会社が当月徴収か翌月徴収かで給与明細に載る月が変わるので、資格取得・喪失月と徴収対象月を台帳で結び付けます。

入社月・退職月にどの月の保険料を引くかは、社会保険料は入社月・退職月にいつ引く?で場合分けしています。休職して給与がゼロになる月の扱いは休職中の社会保険料にまとめました。

3. 源泉所得税と住民税を控除する

令和8年分の給与の源泉所得税は、課税対象の給与から社会保険料等を控除した後の金額を国税庁の月額表または日額表に当てます。扶養控除等申告書を提出した主たる勤務先は原則として甲欄、提出がない勤務先は乙欄です。詳しくは源泉徴収税額計算で確認できます。

住民税の特別徴収は、会社が所得を再計算するのではありません。自治体から届く特別徴収税額決定通知書の月別額を控除します。通常は6月から翌年5月までの通知額を登録し、変更通知が来たら対象月を更新します。仕組みは住民税計算を参照してください。

賞与は月々の給与と算出方法が違います(賞与の源泉所得税)。納付を年2回にまとめる特例の要件は源泉所得税の納期の特例にあります。

4. 手取りを振り込み、納付・保存する

手取り=総支給額−控除合計です。計算後は前月差、ゼロ・マイナス、振込口座変更、退職者の混入を点検し、給与明細と振込データの合計を照合します。個別の試算には手取り計算ツール、計算構造の解説には手取りの計算方法があります。なお給与明細の交付は所得税法231条が定める義務で、施行規則100条により支払の際に渡します。明細の各欄の根拠条文は給与明細の見方にまとめました。

支払後も作業は終わりません。源泉所得税、住民税、社会保険料をそれぞれの期限・方法で納付し、賃金台帳、勤怠記録、計算根拠、振込結果を保存します。納付額は給与明細の控除合計、会計仕訳、納付書の三者で突合すると翌月の差異を発見しやすくなります。

間違えやすい点

月次レビューで残す記録

計算担当者とは別の確認者が、前月差と従業員別の例外を確認すると精度が上がります。基本給の変更、残業時間の急増、社会保険料の改定、所得税区分、住民税の変更を一覧にし、理由を記録します。給与明細の支給合計と控除合計だけでなく、銀行振込データの合計、預り金勘定、納付書の金額まで結び付けます。

訂正が生じた場合は元データを上書きして経緯を消さず、誤った項目、正しい金額、差額、本人への説明、追加支給または返金、税・社会保険への影響を記録します。毎月同じチェックリストを使えば、担当交代があっても判断のばらつきを抑えられます。

年間作業との接続も欠かせません。扶養控除等申告書の回収、算定基礎届、年度更新、年末調整、給与支払報告書などは、毎月蓄積した台帳が出発点です。従業員番号、支給対象月、支払日、標準報酬月額、税区分を一貫して持つと、年次集計時の名寄せミスを防げます。給与データには機微情報が多いため、閲覧権限、送信方法、保存先、廃棄ルールも運用に含めます。

支給日から逆算して締切と確認日を固定し、休日の場合の支給日も就業規則と照合します。

手取り額を計算する

実際に間違えたときの直し方は給与計算を間違えたときの訂正方法にまとめています。欠勤・遅刻早退の控除は欠勤控除の計算方法、月の途中で入退社した人の日割りは月途中入社・退職の給与の日割りを参照してください。

よくある質問

Q. 給与計算はどの順番で行いますか?

A. 勤怠、総支給額、社会保険料、源泉所得税、住民税、手取り、振込・納付の順です。源泉税は社会保険料等控除後の金額を使うため、この順番を崩せません。

Q. 給与の端数は最後にまとめて丸めますか?

A. まとめません。割増賃金、社会保険、源泉税など、それぞれの法令・通知・表に従って各段階で処理します。独自に最後だけ丸めると公式表とずれます。

出典

本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。個別の判断は税務署・年金事務所・自治体・社会保険労務士または税理士にご確認ください。

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