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国民年金の免除・納付猶予 判定シミュレーター

年齢・前年の所得・家族の状況を入れると、国民年金保険料の全額免除・4分の3免除・半額免除・4分の1免除・納付猶予・学生納付特例のどれに該当するかを判定します。本人・世帯主・配偶者のうち誰が基準を超えたか、毎月納める保険料、将来の老齢基礎年金がいくら下がるかも示します。

学生の方は免除・納付猶予の対象外で、かわりに学生納付特例で判定します。

納付猶予は50歳未満の方が対象なので、判定に必要です 収入ではなく所得です。給与だけなら源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」、事業なら売上−必要経費。1〜6月分の保険料は前々年の所得で判定 国民健康保険料・国民年金保険料・介護保険料などの支払額の合計。空欄でも構いません
16歳以上18歳以下・23歳以上69歳以下など
19歳以上22歳以下(大学生の子など)
収入の少ない配偶者・70歳以上の扶養親族

収入が減って国民年金保険料(令和8年度は月額17,920円)を払うのが難しいときは、申請して承認されれば免除または納付猶予を受けられます。手続きをせず未納にした場合と違い、全額免除の期間は受給資格期間(10年)に算入され、老齢基礎年金の額にも反映されます。一部免除は、減額後の保険料を納付した期間に限り算入されます。

上の判定機は、対象月に応じた所得から該当する区分を判定します。以下では条文にもとづいて、間違えやすい3点を解説します(一般的な説明であり、個別の相談ではありません)。

使い方と注意点

入れるのは「所得」であって「収入」ではありません。 給与だけの方なら、源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」が所得です。年収ではありません。事業をしている方は売上から必要経費を引いた額です。年収300万円の会社員の所得はおよそ202万円なので、収入の数字をそのまま入れると判定が厳しい方へずれます。

判定に使うのは前年の所得です。ただし、1月から6月までの月分の保険料は前々年の所得で判定します。学生納付特例では、前々年の所得で判定するのは1月から3月までの月分です。申請できるのは、保険料の納付期限から2年を経過していない期間です。

このツールは所得の基準だけを見ます。失業・倒産・事業の廃止による特例免除(失業した方の前年所得を除外して判定する)、法定免除(生活保護の生活扶助・障害年金1級2級)、産前産後期間の免除には対応していません。特に産前産後期間の免除は納付済期間として年金額に満額反映されるので、該当する方はそちらが有利です。判定結果は目安です。実際の承認は年金事務所・市区町村の窓口で行われます。

このツールの判定だけでは、免除の申請完了や承認にはなりません。免除・納付猶予の申請方法は次のとおりです。

申請方法申請先提出方法・案内
紙の申請書住所地の市区町村の国民年金担当窓口、または近くの年金事務所窓口への提出のほか、必要な添付書類を付けて郵送することもできます。
電子申請マイナポータル利用開始の手順は日本年金機構の免除・納付猶予の電子申請案内で確認できます。

必要な添付書類は申請内容により異なるため、日本年金機構の免除制度・納付猶予制度の申請方法で確認してください。

6つの区分と所得の基準

所得の基準は国民年金法施行令が定めています。全額免除と納付猶予は「頭数」だけを使う式、一部免除と学生納付特例は「扶養親族等控除額」を加算する式で、そもそも形が違います。

所得は原則として前年が基準です。免除・納付猶予の1~6月分、学生納付特例の1~3月分は前々年の所得を使います。表の免除期間の年金反映率は、平成21年4月分以降の割合です。一部免除の年金額への反映は、免除の承認を受け、減額後の保険料を納付している期間が前提です。所得基準に該当するという判定だけで、表の割合が年金額に反映されるわけではありません。地方税法に定める障害者・寡婦・ひとり親は、免除・納付猶予の所得基準が変わります。

区分所得の基準毎月納める額(令和8年度)年金額への反映(追納しない場合)
全額免除(扶養親族等の数+1)×35万円+32万円0円2分の1
4分の3免除88万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等4,480円8分の5
半額免除128万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等8,960円8分の6
4分の1免除168万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等13,440円8分の7
納付猶予(20歳以上50歳未満・学生を除く)(扶養親族等の数+1)×35万円+32万円0円なし
学生納付特例128万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等0円なし
「扶養親族等控除額」は1人につき38万円が基本で、同一生計配偶者・老人扶養親族は48万円、特定扶養親族等は63万円です。大学生の子(19歳以上22歳以下)が1人いる世帯の半額免除の基準額は、128万円ではなく191万円になります。一般の38万円で計算すると25万円ぶん低く見積もることになります。根拠は国民年金法施行令6条の8の2・6条の9・6条の9の2です。

所得基準は135万円以下です(地方税法上の障害者・寡婦・ひとり親の対象月に応じた所得)。扶養親族等の数によらない基準で、上の式と比べて有利なほうで判定します。全額免除の承認には、世帯主・配偶者も所得基準や特例などの要件を満たす必要があります(国民年金法90条1項・施行令6条の7の2・6条の8)。

誰の所得を見るか — 親と同居していると答えが変わる

ここが実務でいちばん多い取り違えです。見る人の範囲が区分ごとに違います。

区分本人世帯主配偶者
免除(全額・4分の3・半額・4分の1)見る見る見る
納付猶予見る見ない見る
学生納付特例見る見ない見ない
親が世帯主なら、親の所得も免除の判定に使います。納付猶予では使いません。実家で親と同居している20代の方は、自分の所得がゼロでも、世帯主である親の所得で全額免除に落ちます。一方、納付猶予は本人と配偶者だけで判定するので、同じ人が納付猶予には通ります。納付猶予が「世帯主を見ない」ことが、この制度の存在理由そのものです。根拠は国民年金法90条1項ただし書で、「世帯主又は配偶者のいずれかが各号のいずれにも該当しないとき」は免除しないと定めています。

上の判定機で「世帯主が別にいる」にチェックを入れると、どの区分を誰が落としたかが名指しで表示されます。

納付猶予は年金額に1円も反映されません(追納しない場合)。年金額に反映される全額免除と混同しないでください。受給資格期間には算入されるので未納よりは確実に有利ですが、追納しない場合、額の話では未納と同じです。

全額免除だけ、社会保険料控除を引かない

全額免除の判定では、社会保険料控除などを所得から引きません。一部免除と学生納付特例では引きます。日本年金機構のページが全額免除の式にだけ「+社会保険料控除額等」を書いていないのは、省略ではなく条文どおりです。

この違いは答えを反転させます。たとえば前年所得70万円・社会保険料控除20万円・扶養なしの方の場合、全額免除の基準額は67万円なので所得70万円では該当しません。一方4分の3免除は、70万円から20万円を引いた50万円で判定するので88万円以下となり該当します。6つの区分すべてに社会保険料控除を引いてしまうと、50万円≦67万円となって「全額免除されます」と誤って答えることになります。

一部免除と学生納付特例で所得から引くものは、国民年金法施行令6条の12第2項が定める次のとおりです。

全額免除の施行令6条の11は、総所得金額等の合計額をそのまま所得とし、控除を引く規定を持ちません。

将来の年金はいくら下がるか

老齢基礎年金は40年(480か月)納付して満額847,300円(令和8年度・昭和31年4月2日以後生まれ)です。免除を受けた期間は、国民年金法27条が定める割合で年金額に反映されます。40年すべて全額免除だった場合は423,650円と、ちょうど半分になります(国庫負担の2分の1が残るため)。上の判定機は、その区分で1年間過ごした場合に満額納付と比べていくら下がるかを計算します。

一部免除の年金額の試算は、免除の承認を受け、減額後の保険料を納付している期間を想定しています。

免除・猶予を受けた期間の保険料は、10年以内なら追納できます(国民年金法94条。承認から3年度目以降は加算額が付きます)。追納すれば年金額を満額に近づけられます。

よくある質問

収入がゼロなら必ず全額免除になりますか?

なりません。通常の所得基準で審査する場合、本人・世帯主・配偶者の全員の所得を確認します。世帯主の親の所得が基準を超える場合などは、本人が無収入でも全額免除にならないことがあります。失業・災害等には所得にかかわらず承認される特例もあります(国民年金法90条1項)。20歳以上50歳未満で学生でなければ、世帯主の所得を見ない納付猶予に該当する可能性もあります。

納付猶予と全額免除は、どちらも0円なら同じですか?

毎月の支払いはどちらも0円ですが、将来の年金額がまったく違います。全額免除の期間は老齢基礎年金の額に反映されますが、納付猶予の期間は追納しない場合、1円も反映されません。どちらも保険料納付済期間などと合算した受給資格期間(10年)には算入されます。全額免除に該当するなら全額免除を選んでください。

学生ですが、親の所得が高いと学生納付特例は受けられませんか?

受けられます。学生納付特例は学生本人の対象月に応じた所得だけで判定し、世帯主(親)や配偶者の所得は見ません(国民年金法90条の3第1項)。基準は128万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等です。アルバイト収入だけなら、給与所得控除を引いた後の所得で判定するので、年収がおよそ194万円までは該当します。なお学生の方は免除・納付猶予の対象外なので、この制度で申請します。

失業して収入がなくなりました。前年の所得が高いと免除は受けられませんか?

失業等による特例免除があります。失業・倒産・事業の廃止の事実を確認できたときは、失業した方の前年所得にかかわらず免除・納付猶予を受けられます(国民年金法90条1項4号)。雇用保険受給資格者証や離職票などを添えて申請してください。このツールは所得基準だけを見るので、この特例には対応していません。前年所得が高くて「該当なし」と表示された方でも、失業した方は窓口でご相談ください。

免除を受けた期間は、あとから納められますか?

できます。免除・納付猶予の承認を受けた期間の保険料は、10年以内であれば追納できます(国民年金法94条)。追納すれば老齢基礎年金の額を満額に近づけられます。ただし承認を受けた年度の翌年度から起算して3年度目以降に追納する場合は加算額が付きます。なお、未納のまま2年を過ぎた期間は追納できず、年金額にも受給資格期間にも一切算入されません。

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出典

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