経理ミニツールズ

ボーナス手取り計算機

ボーナス(賞与)の額面を入れるだけで、社会保険料(健康保険・厚生年金・雇用保険・子ども子育て支援金)と源泉所得税を差し引いた手取りを自動計算します。賞与の税率は賞与の額ではなく「前月の給与」で決まるので、前月の月給も入力してください。

前月の給与(税率を決める鍵)

ボーナス(賞与)の手取りは、額面から社会保険料源泉所得税を引いた残りです。毎月の給料と引かれるものは似ていますが、税率の決まり方がまったく違い、そして住民税は引かれません。上の計算機で自分の額面から手取りが出せます。以下では、賞与の控除で誤解の多いポイントを、実数と根拠つきで解説します(一般的な計算方法の説明であり、個別の税務相談ではありません)。

使い方と注意点

ボーナスの税率は、賞与の額ではなく「前月の給与」で決まります 賞与の源泉所得税は、国税庁「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」で計算します。この表を引く鍵は前月の社会保険料等控除後の給与です(賞与の額ではありません)。だから同じ額のボーナスでも、前月の月給が違えば税額が変わります。この計算機では前月の額面の月給を入力すると、その月の社会保険料を概算して控除後の額を作ります。

この計算機の前提

健康保険は協会けんぽ(全国健康保険協会)の都道府県別料率、厚生年金18.3%(全国一律)、雇用保険は選んだ業種の料率で計算します。健康保険組合に加入している場合は料率が異なります。源泉所得税は甲欄(主たる勤務先に扶養控除等申告書を出している人)で計算します。前月の給与の社会保険料は概算のため、実際の給与明細と数円ずれることがあります。

本ツールの計算結果は目安です。正確な控除額は賞与支給明細でご確認ください。所得税は源泉徴収額であり、年末調整で精算されます。

ボーナスから引かれるもの — 給与との3つの違い

賞与の手取りは、次の式で決まります。

ボーナスの手取り = 額面 −(健康保険料 + 厚生年金保険料 + 子ども子育て支援金 + 雇用保険料)− 源泉所得税

毎月の給与と比べたときの違いは3つあります。

 毎月の給与ボーナス(賞与)
社会保険料のかかる土台標準報酬月額(等級表で丸める)標準賞与額(1,000円未満切捨・等級表なし)
所得税の決まり方月額表をその月の給与で引く算出率の表を前月の給与で引く
住民税月割で天引きされる天引きされない

住民税はボーナスから引かれません

住民税(特別徴収)は、地方税法321条の5第1項が年税額の「十二分の一の額を六月から翌年五月まで」毎月徴収すると定めており、この月割は毎月の給与から引かれます。賞与支給時に住民税の行はありません。ただしボーナスも前年の所得には含まれるので、翌年度の住民税(毎月の給与からの天引き額)はその分増えます。「引かれない」のではなく「引かれる場所と時期が違う」と理解するのが正確です。

計算例 — 賞与50万円の手取り

東京都・30歳・扶養親族0人・前月の額面月給30万円・一般の事業で、額面50万円のボーナスを受け取る場合です(上の計算機と同じ計算)。

① 社会保険料: 健康保険 24,625円 + 子ども子育て支援金 575円 + 厚生年金 45,750円 + 雇用保険 2,500円 = 73,450円

② 前月の社会保険料等控除後の給与 = 300,000円 − 44,070円 = 255,930円 → 算出率の表(甲欄・扶養0人)で 4.084%

③ 源泉所得税 = (500,000円 − 73,450円) × 4.084% = 17,420円(1円未満切捨て)

④ 手取り = 500,000円 − 73,450円 − 17,420円 = 409,130円(額面の81.8%)

ポイントは②です。税率4.084%を決めたのは賞与の50万円ではなく、前月の給与(の社会保険料控除後の255,930円)です。前月の月給がもっと高い人は、同じ50万円のボーナスでも税率が上がります。逆に扶養親族がいる人は、算出率の表の列が右へずれて税率が下がります。

毎月の給与の手取りは「手取り計算機」で計算する

算出率の表が使えない3つの場合 — 月額表による例外計算

算出率の表の備考は、次の場合にこの表を使わず、月額表で計算すると定めています(計算式は国税庁タックスアンサー No.2523)。この計算機は3つとも自動で判定し、例外計算に切り替えたときは結果にその旨を表示します。

  1. 前月中に給与の支払がない(休職明け・新規入社の直後など)
  2. 前月の給与が、前月の社会保険料等以下(控除後が0円以下になる)
  3. 賞与(社会保険料等控除後)が、前月の給与(同)の10倍を超える

例外計算では、賞与を6等分(計算期間が6か月を超える賞与は12等分)して月額表に当てはめ、出てきた税額を6倍(12倍)します。前月給与がない人の少額の賞与は、月額表の非課税帯に収まって源泉所得税が0円になることもあります(年末調整または確定申告で最終的な税額に精算されます)。

賞与の社会保険料には上限がある

賞与の社会保険料は標準賞与額(額面の1,000円未満を切り捨てた額)にかかりますが、上限があります。

保険上限根拠
健康保険(+介護保険・支援金)年度の累計573万円まで健康保険法45条1項
厚生年金1回の支給につき150万円まで厚生年金保険法24条の4・令和2年政令第246号2条
雇用保険上限なし(実額にそのまま料率)労働保険徴収法11条1項(賃金総額)

たとえば200万円のボーナスなら、厚生年金保険料は150万円分までしかかかりません。一方、雇用保険だけは切り捨ても上限もなく、支給額の実額に料率(一般の事業は本人5/1,000)がかかります。高額の賞与を入力すると、この計算機は上限を適用した旨を結果に表示します。

よくある質問

Q. ボーナスから住民税は引かれますか?

A. 引かれません。住民税の特別徴収は、地方税法321条の5第1項により年税額の12分の1を6月から翌年5月まで毎月の給与から天引きする仕組みで、賞与からは徴収されません。ただしボーナスも前年の所得に含まれるため、翌年度の住民税(毎月の給与からの天引き額)はその分増えます。引かれる場所と時期が給与に寄っているだけで、住民税がかからない収入というわけではありません。

Q. ボーナスの手取りは額面の何割ですか?

A. おおむね8割前後です。東京都・30歳・扶養親族0人・前月の月給30万円なら、額面50万円のボーナスの手取りは409,130円(81.8%)です。ただし賞与の税率は前月の給与で決まるため、前月の月給が高い人ほど税率が上がり、手取り率は下がります。40〜64歳の人は介護保険料も加わります。正確な額は上の計算機で、自分の前月給与を入れて確かめてください。

Q. なぜ前月の給与でボーナスの税率が決まるのですか?

A. 賞与の源泉徴収は「月々の給与とボーナスを合わせた年間の収入」に対する所得税を前払いする仕組みだからです。国税庁の算出率の表は、前月の給与水準からその人の年間の収入を推定し、それに見合う税率を賞与に適用する作りになっています。このため賞与額そのものではなく、前月の社会保険料等控除後の給与の金額で率が決まります。過不足は年末調整で精算されるので、源泉徴収の段階の率が高くても取られすぎのままにはなりません。

Q. ボーナスの社会保険料は月給と同じ計算ですか?

A. 料率は同じですが、かかる土台が違います。月給は標準報酬月額という等級表で丸めた額にかかるのに対し、賞与は標準賞与額(額面の1,000円未満を切り捨てた額)にかかり、等級表はありません。また健康保険は年度累計573万円、厚生年金は1回150万円という賞与専用の上限があります。雇用保険だけは月給・賞与とも実額にそのまま料率がかかります。

出典

本ページの解説・計算例は令和8年(2026年)時点の法令にもとづく一般的な情報であり、個別の事案に対する助言ではありません。実際の手取りは、加入している健康保険(協会けんぽ・健康保険組合)、扶養親族の数、前月の給与の実額などによって異なります。正確な金額は賞与支給明細でご確認ください。