上の計算機で、年収・家族構成からふるさと納税の控除上限額の目安が計算できます。目安は住民税の特例分の20%限度から逆算した額で、税額控除や端数処理により実額と異なります(自己負担が2,000円になる条件)。以下では、上限額の決まり方・ワンストップ特例・確定申告など、そのしくみを解説します(一般的な計算方法の説明であり、個別の税務相談ではありません)。
結論:上限額は住民税の所得割額・税率区分・各控除の限度で変わる
ふるさと納税の特例控除には、「調整控除後の住民税の所得割額の20%まで」という天井があります(地方税法37条の2第11項)。限度額の目安は、この天井から逆算します。
- 特例分20%限度による目安 = 調整控除後の住民税所得割額 × 20% ÷ 特例控除額の割合 + 2,000円
- 同じ年収でも、家族構成と社会保険料で変わります。共働きで扶養がいない人と、専業主婦(主夫)+大学生の子どもがいる人では、同じ年収でも上限が2倍近く変わることがあります。
- 寄附する年の所得で決まります。2026年(令和8年分)に寄附した分は、2027年度の住民税から引かれ、その所得割額は2026年の所得で決まります。去年の住民税決定通知書は見積りの材料にすぎません。
- 式の「特例控除額の割合」は税率区分で変わります。区分ごとの値は特例控除額の割合にまとめました。
自己負担が2,000円になる条件
総務省の資料では「原則として全額が控除される制度です(一定の上限はあります。)」と説明しています。自己負担が2,000円になるのは、次の条件がそろって全額が控除される場合です。
- 寄附した時点で総務大臣の指定を受けている自治体への寄附で、年の合計が2,000円を超えていること。
- 寄附額が、上の式の上限までであること。
- 所得税・住民税基本分・特例分が、それぞれの限度内であること。所得税は総所得金額等の40%、住民税基本分は30%などの限度があります。
- 所得税の税率と、特例分の計算に使う税率が対応していること。
寄附によって設けられた設備の専属利用など、寄附者に特別の利益が及ぶ寄附は対象から除かれます。上限を超えたときの自己負担は上限を超えるとどうなるかで説明します。
所得割額の求め方(給与所得のみの人の概算)
- 課税所得 = 年収 − 給与所得控除 − 所得金額調整控除(該当者)− 所得控除。0円未満なら0円です。
- 所得割額 = 課税所得 × 標準税率10% − 調整控除その他の税額控除。0円未満なら0円です。
- 特例分の20%限度に使うのは、調整控除後で、その他の税額控除を引く前の所得割額です。
- 所得割が非課税の人は0円です。
所得控除は、基礎控除・社会保険料・扶養控除などです。所得控除の額が増えると課税所得が減ります。扶養人数だけでは控除額や寄附上限を判断できず、扶養親族の年齢・所得なども確認します。
上限額の目安(年収×家族構成の早見表)
当サイトのツールで計算した上限額の目安です。前提は、40歳・東京都・賞与なしの概算社会保険料・令和8年分(令和8年度税制改正を反映)・寄附者本人にほかの控除がないことです。
| 給与収入 | 独身・共働き | 夫婦(配偶者控除) | 夫婦+子1人(16〜18歳) | 夫婦+子2人(19〜22歳と16〜18歳) |
|---|---|---|---|---|
| 300万円 | 27,490円 | 19,127円 | 10,266円 | 0円 |
| 400万円 | 41,413円 | 33,050円 | 24,686円 | 11,400円 |
| 500万円 | 57,174円 | 49,246円 | 40,447円 | 27,725円 |
| 600万円 | 76,570円 | 68,299円 | 56,537円 | 42,638円 |
| 700万円 | 106,857円 | 85,168円 | 76,896円 | 65,616円 |
| 800万円 | 128,846円 | 119,361円 | 109,875円 | 84,792円 |
| 1,000万円 | 181,591円 | 172,106円 | 158,309円 | 145,374円 |
年齢は寄附年12月31日(年の途中で死亡した場合は死亡時)で判定します。配偶者と子は、所得等の要件を満たして控除の対象になる前提です。あくまで目安で、実際は社会保険料の額や下の注意点で変わります。
- 独身・共働き:共働きは、配偶者の合計所得が133万円を超え、配偶者控除も配偶者特別控除も受けない場合です。
- 夫婦:70歳未満の配偶者を配偶者控除の対象にする場合です。
- 子1人は16〜18歳の一般扶養、子2人は19〜22歳の特定扶養+16〜18歳の一般扶養です。
- 15歳以下の子:扶養控除の対象外ですが、非課税判定や給与収入850万円超の所得金額調整控除に影響する場合があるため、この早見表だけでは判断できません。
- 表にない家族構成:非居住者の30〜69歳などは、この表の対象外です。
配偶者・子の条件は配偶者・扶養親族の入力のしかたと同じです。社会保険料の実額を入力すると概算の前提を調整できますが、他の所得・控除や適用税率の確認も必要で、正確な上限を保証するものではありません。
配偶者特別控除を受ける場合
この表と計算機は、配偶者特別控除を扱いません。次の場合は住民税の配偶者特別控除があり、上限は「独身・共働き」の列より下がります。
- 生計を一にする配偶者の合計所得が133万円以下で、配偶者控除の対象にならない。
- 本人の合計所得が1,000万円以下である。
配偶者が給与を受ける青色事業専従者・事業専従者の場合と、配偶者の側が配偶者控除・配偶者特別控除を受けている場合は除きます。
この計算機の見方
配偶者・扶養親族の入力のしかた
配偶者・扶養親族の年齢や、控除の対象になるかどうかは、寄附した年の12月31日時点で判定します。年の途中で亡くなった人は、亡くなった時点で判定します。
- 配偶者控除:生計を一にする配偶者の合計所得が62万円以下で、本人の合計所得が1,000万円以下のときに選びます。配偶者が70歳未満か70歳以上かで分かれます。
- 一般扶養:16〜18歳・23〜69歳の扶養親族の人数です。
- 特定扶養:19〜22歳の扶養親族の人数です。
- 老人扶養:70歳以上の扶養親族の人数です。同居老親等は「その他の控除」の中の欄に入れます。
- 16歳未満の扶養親族:子に限らず、孫・弟妹なども含みます。
扶養親族に数えられるのは、次の条件を満たす人です(2026年の寄附に対応する令和9年度の住民税)。
- 本人と生計を一にする親族(配偶者を除く)・里子・養護受託老人で、寄附した年の合計所得金額が62万円以下の人です。
- 青色事業専従者として給与を受ける人と、白色事業専従者は除きます。配偶者控除でも同じです。
- ほかの納税者と重複して数えることはできません。
次に当たる人は、入力する欄や控除額が変わります。
- 本人の合計所得が900万円超・950万円超:配偶者控除の額が段階的に減ります。
- 19〜22歳で、合計所得が62万円を超え123万円以下の人:特定扶養の欄には含めません。この計算機では扱わない、別の制度の対象です。
- 国外に住む親族(非居住者):扶養控除の対象は、16〜29歳、70歳以上、または30〜69歳で次のいずれかに当たる人です。所得などの扶養要件も必要です。
- 留学により国内に住所及び居所がなくなった人
- 障害者
- 本人から、寄附した年に生活費・教育費として38万円以上の支払を受けた人
- 年内に配偶者が亡くなり、再婚した場合:配偶者の範囲の特例を確認してください。
※ 19〜22歳で合計所得が62万円を超え123万円以下の人のうち、生計を一にする親族(配偶者を除く)・里子で、事業専従者でない人は、扶養控除ではなく特定親族特別控除の対象です。
16歳未満の扶養親族も入力する理由
16歳未満の扶養親族は扶養控除の対象外で、いること自体では扶養控除は増えません。それでも、次の場合は限度額に影響します。
- 住民税の非課税判定では、扶養親族の数に含めます。
- 給与収入850万円超で23歳未満の扶養親族がいる場合の所得金額調整控除は、16歳未満の扶養親族も対象です。
- その扶養親族が障害者である場合は、障害者控除などを通じて影響します。
「所得金額調整控除の対象条件あり」のチェック
所得金額調整控除は、給与収入が850万円を超え、次のいずれかに当たる人に適用します。控除額は、給与収入(1,000万円上限)から850万円を引いた額の10%です。
- 23歳未満の扶養親族がいる
- 本人が特別障害者である
- 特別障害者の同一生計配偶者・扶養親族がいる
「16歳未満の扶養親族」と「特定扶養」に入力した分は、自動で反映します。一般扶養の欄に入れた16〜18歳の子や、他方の配偶者の扶養としている子などは、このチェックで指定してください。給与所得と公的年金所得の両方がある場合の所得金額調整控除には対応していません。
控除の3階建て(確定申告の場合):税率などの条件が合えば、各限度内で寄附額−2,000円
確定申告をする場合、ふるさと納税の控除は、次の3つの階から成り立っています。各控除の限度内で税率などの条件が一致すると、この3つの合計が「寄附額 − 2,000円」になります(国税庁 タックスアンサー No.1155、総務省 ふるさと納税ポータルサイト「税金の控除について」)。式は2026年の寄附の概算です。
- ① 所得税からの控除=(寄附額 − 2,000円)× 所得税率×1.021。対象寄附は総所得金額等の40%が上限です。
- ② 住民税からの控除・基本分=(寄附額 − 2,000円)× 10%。対象寄附は総所得金額等の30%が上限です。
- ③ 住民税からの控除・特例分=(寄附額 − 2,000円)×(90% − 特例分用税率×1.021)。調整控除後の所得割額の20%が限度です。
上限を決めているのは③です。③の特例分だけには「調整控除後の住民税所得割額の20%まで」という天井があります。天井を超えると①②③を足しても「寄附額 − 2,000円」に届かず、自己負担が2,000円を超えます。
- ①は所得控除方式で、税率0%なら0円です。
- ②と③の合計は、所得割額が限度です。
- ③の割合は、課税総所得金額があり、人的控除差調整額の差引後が0円以上の区分のものです。ほかの区分は特例控除額の割合にあります。
- 実際の所得税率と特例分用税率は、異なる場合があります。
- ワンストップ特例が適用される場合は、所得税からの控除は行われず、その分も含めた控除額の全額が翌年度の住民税から控除されます。
図は、確定申告をする場合に、所得税率と特例分用税率がともに20%で各控除限度内という仮定で、30,000円の寄附を国税庁・総務省の控除式から計算した例です。金額は、復興特別所得税を含む端数処理前です。特例分用の税率が20%なら、③の割合は69.58%です。所得税率は課税所得で決まり、特例分用の税率と異なる場合があります。
算式の説明例:年収500万・独身(令和8年分・当ツールの計算)
当サイトのツールで、年収500万円・独身・40歳・東京都(社会保険料は概算762,988円)を通すと、こうなります。この例は天井46,840円・特例分用税率5%を仮定した算式の説明です。年収500万円への適用税率、各控除額と改正の適用条件を確認した実額ではありません。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 給与所得(500万 − 給与所得控除 − 所得金額調整控除) | 3,560,000円 |
| 所得控除の合計(基礎43万+社保762,988+…) | 1,192,988円 |
| 課税総所得金額(1,000円未満切捨) | 2,367,000円 |
| 住民税の所得割額(課税所得×10% − 調整控除2,500円) | 234,200円 |
| 特例分の天井(調整控除後の所得割額の20%) | 46,840円 |
| 仮に特例分用税率を5%と置いた場合の割合 | 仮定値84.895% |
| 仮定の天井46,840円を84.895%で割り、2,000円を加えた算術上の目安 | 約57,174円(実際の寄附上限は未確認) |
寄附55,000円・両税率5%と仮定すると、端数処理前は所得税分2,705.65円、基本分5,300円、特例分44,994.35円です。申告上の端数処理や他の限度を含む実際の自己負担は別途確認してください。
上限を超えるとどうなるか(自己負担が増える)
上限を超えると、③住民税特例分が「調整控除後の所得割額の20%」という天井で頭打ちになります。①②を足しても「寄附額−2,000円」に届かなくなり、自己負担が2,000円より増えます。
- 確定申告をする場合:所得税の寄附金控除と住民税の基本分は、それぞれの限度額までは寄附額に応じて増えます。超過分が丸ごと自己負担になるわけではありません。
- ワンストップ特例が適用される場合:所得税からの控除は行われません(総務省「税金の控除について」)。
次は、確定申告をする場合について、特例分の天井46,840円・両税率5%を固定した算術例です。基本分・所得税の他の上限には達しないと仮定し、端数処理前の額を示します。
| 寄附額 | 自己負担 | 控除の合計 | ① 所得税 | ② 住民税基本分 | ③ 住民税特例分 |
|---|---|---|---|---|---|
| 55,000円(上限内) | 2,000円 | 53,000円 | 2,705.65円 | 5,300円 | 44,994.35円 |
| 80,000円(上限超え) | 21,378.10円 | 58,621.90円 | 3,981.90円 | 7,800円 | 46,840円(天井) |
寄附を55,000円から80,000円へ2.5万円増やしても、③特例分は44,994.35円→46,840円へ1,845.65円しか増えません。天井46,840円に張り付いたためです。自己負担は2,000円から21,378.10円へ増えます。増やした2.5万円のうち控除が増えるのは①②③合わせて5,621.90円で、差額の19,378.10円は追加の自己負担です。
返礼品の市場価値は調達費用と異なるため、この費用上限だけで損得は判断できません。計算機の値は概算として扱い、所得と控除の見込みを確認してください。
ワンストップ特例 vs 確定申告(5自治体以内・申請と変更届)
控除を受ける主な手続きは、確定申告とワンストップ特例です。手続きによって、使える条件・期限・控除される税目が異なります。各制度の要件と全額控除の条件を満たす範囲では、どちらも寄附額−2,000円が控除されます。
| ワンストップ特例 | 確定申告 | |
|---|---|---|
| 使える人 | 確定申告義務がなく、確定申告をせず、寄附金税額控除以外に住民税申告を要しない給与所得者などで、寄附先が5自治体以内で、寄附した各自治体へ申請した人 | 自営業・医療費控除を受ける人など(所得税0円で住民税のみ控除を受ける人は、市区町村への住民税申告が必要な場合あり) |
| 寄附先の数 | 5自治体まで | 制限なし |
| 手続き | 寄附ごとに各自治体へ申請書を提出 | 翌年に住所地等の所轄税務署へ申告(寄附した自治体が発行する寄附の証明書・受領書などが必要) |
| 期限 | 寄附した翌年の1月10日まで(必着) | 原則、寄附した翌年の3月15日まで |
| 控除の出方 | 所得税分(①)はなく、全額が翌年度の住民税から | ①は所得税から控除(還付または納付額の減額)、②③は翌年度の住民税から |
いちばん間違えやすいのが次の点です。
※ 申請日から翌年の賦課期日までに氏名・住所・生年月日が変わったときは、翌年1月10日までに寄附先へ「変更届出書」を出します。この提出を忘れると、ワンストップが適用されず控除が受けられないことがあります。
ワンストップ特例が無効になる場合の全部は、ふるさと納税の確定申告のやり方で説明しています。
よくある誤解:住宅ローン控除・共働き・控除される時期
住宅ローン控除との併用は、特例分の上限と実際の控除額を区別する
住宅ローン控除は税額控除です。確定申告でふるさと納税をする場合、寄附金控除で所得税が減ると、所得税から控除できる住宅ローン控除額も減ることがあります。
- 所得税で控除しきれない住宅ローン控除額は、一定の要件・限度額の範囲で翌年度の住民税から控除されます。
- 住民税側の住宅ローン控除の限度額によっては、控除しきれない額が生じます。その分、実際の自己負担が増える場合があります。
- 住宅ローン控除で所得税から引けなかった額が、ふるさと納税の特例分へ追加されるわけではありません。
- 住民税の住宅ローン控除は、ふるさと納税の特例分の20%上限の計算基礎を減らしません。
住宅ローン控除と併用する場合は、両制度の控除額を確認してください。
共働きは「世帯合算」しない。各人が各人の上限を持つ
上限額は各人の所得割額・特例分の税率区分・各控除の限度で変わるため、夫婦の年収を足して1つの上限にするのではありません。夫と妻がそれぞれ自分の名義でふるさと納税でき、それぞれに上限があります。
ふるさと納税サイトの申込者名義・支払名義は、控除を受ける本人にそろえてください。名義がずれると、その人の控除にできません。世帯の合計寄附額を増やしたいなら、収入のある2人がそれぞれの上限内で寄附します。
ふるさと納税は自治体への寄附。控除される年分・年度を区別する
ふるさと納税は自治体への寄附です。寄附額の全額が戻る制度ではなく、控除には上限があります。全額控除の条件を満たして5万円を寄附した場合、2,000円を除いた4万8千円が控除されます。
- 確定申告:寄附した年分の所得税と、翌年度の住民税から控除されます。
- ワンストップ特例で手続きを終える場合:所得税分も含めて、翌年度の住民税から控除されます。
- 特例分20%限度による目安 = 調整控除後の住民税所得割額 × 20% ÷ 特例控除額の割合 + 2,000円。所得割額・税率区分・各控除の限度で変わる
- 確定申告をする場合、全額控除の条件と各上限内では、①所得税+②住民税基本分+③住民税特例分 = 寄附額−2,000円。ワンストップ特例では①はなく、その分も翌年度の住民税から控除
- ③特例分の天井 = 調整控除後の所得割額の20%。超えると自己負担が増える。確定申告をする場合は、所得税・住民税基本分の控除は各限度まで続く
- ワンストップは、寄附先5自治体以内で、確定申告義務がなく、寄附金税額控除以外に住民税申告を要しない人が、寄附した各自治体へ申請した場合に使える。申請期限は翌年1月10日
- 任意の場合を含め、確定申告・住民税申告をするとワンストップ特例は無効。確定申告する人は、ふるさと納税も申告に含める
- 共働きは世帯合算しない(各人が各人の上限)。ふるさと納税は自治体への寄附で、控除には上限がある
計算の前提と、例外・少数のケース
特例控除額の割合(84.895%など)と、割合が変わる区分
式の「特例控除額の割合」は、地方税法37条の2第11項第1号の本則の表の値を、附則5条の6が平成26年度から令和20年度までのあいだ読み替えたものです。読み替え後の値は「90% − 特例分用税率 × 1.021」で、復興特別所得税を織り込んだ割合です。この計算機は読み替え後の値を使います。
| 本則の表 | 読み替え後(平成26年度〜令和20年度) |
|---|---|
| 85% | 84.895% |
| 80% | 79.79% |
| 70% | 69.58% |
| 67% | 66.517% |
| 57% | 56.307% |
| 50% | 49.16% |
| 45% | 44.055% |
- 特例分用税率の求め方:住民税の課税総所得金額から人的控除差調整額を差し引いた金額で求めます。実際の所得税率と異なる場合があります。
- 差引後が0円以上195万円以下:割合は84.895%です。
- 差引後が負で、課税山林所得・課税退職所得がない:割合は90%です。
- 課税総所得金額がないか差引後が負で、課税山林所得または課税退職所得がある:別計算です。山林所得は課税山林所得金額の5分の1、退職所得は課税退職所得金額により表を適用し、両方あれば低い割合を用います。
特例分用税率が正の場合、同じ所得割額・税率区分を固定して復興特別所得税(×1.021)を省略すると、分母が大きくなるため寄附上限の目安は小さくなります。たとえば特例分の天井46,840円を固定すると、85%で割る目安は約57,106円、84.895%で割る目安は約57,174円(実際の寄附上限は未確認)です。これは算式の比較で、特定の年収に対する上限の保証ではありません。税率0%では変わりません。
令和8年度税制改正と試算の前提を確認してください
2026年(令和8年分)の所得には、令和8年度税制改正が適用されます(令和8年12月1日施行ですが、令和8年分にさかのぼって適用されます)。この計算機は改正後のルールで計算します。
- 所得税の基礎控除:62万円+加算(合計所得489万円以下は+42万円)になりました。
- 給与所得控除:令和8年分・令和9年分は、給与収入220万円以下なら74万円(収入74万円未満は収入相当額)です(租税特別措置法29条の4第1項)。
- 給与収入219万1,000円以上220万円未満:令和8年分・令和9年分は、給与所得が145万1,000円・145万3,000円・145万6,000円の3段の固定額となり(同条第2項)、単純な「収入−74万円」と一致しない場合があります。
改正前のルールで作られた早見表を信じて寄附すると、上限を超えて自腹を切るおそれがあります。特例分に使う税率は実際の所得税率と異なる場合があるため、所得税率の変化だけで寄附上限の増減は判断できません。年収別の実額は、適用年の控除条件と税率を用いた独立検算が必要です。
指定都市(政令市)に住んでいるかは聞きません
政令指定都市では住民税の内訳が変わります(市民税8%・県民税2%。ふつうは6%・4%)。市と県の標準税率は合計10%で、調整控除と特例控除の配分も変わります。この計算機は標準税率の合計額による概算であり、市・県別の端数処理までの一致は保証しません。だから、この計算機は指定都市かどうかを聞きません。
令和9年分以後と、2027年の寄附からの変更
- 令和9年分からは防衛特別所得税1%+復興特別所得税1.1%へ組み替わりますが、合計2.1%のため×1.021はそのままです(防衛財源確保法5条の5・5条の9、復興財確法9条・13条の令和9年1月1日施行版)。復興特別所得税は令和29年分までです。この計算機の特例割合は×1.021を織り込んだ値です。
- 2027年の寄附(令和10年度分の住民税)からは、特例分に調整控除後の所得割額の20%とは別の上限が設けられます。道府県77万2,000円+市町村115万8,000円=合計193万円です。改正附則で令和10年度以後の適用とされ、2026年の寄附には適用されません。
よくある質問
ふるさと納税の上限額は何で決まりますか?
住民税の所得割額・特例分の税率区分・各控除の限度で変わります。ふるさと納税の特例控除額は「調整控除後の住民税の所得割額の20%」を超えられないと決められています(地方税法37条の2第11項)。この限度から逆算した上限額の目安は、おおよそ「調整控除後の所得割額 × 20% ÷ 特例控除額の割合 + 2,000円」です。給与所得控除・基礎控除・社会保険料・扶養控除などが関係するため、同じ年収でも家族構成で上限は変わります。
上限を超えて寄附するとどうなりますか?
上限を超えると自己負担は2,000円より増えます。ただし確定申告をする場合は、所得税分・住民税基本分の控除は各限度まで増えるため、超過分の全額が自己負担になるとは限りません。ワンストップ特例が適用される場合は、所得税からの控除は行われません。上限超過時の自己負担は、申告方法・所得税率や基本分の控除限度などでも変わるため、上限と寄附額だけでは求められません。
年収の目安表と、ツールの計算結果が違うのはなぜですか?
社会保険料や控除の前提が違うからです。年収別の目安表は「社会保険料は年収の一定割合」といった前提でざっくり出したものです。実際の上限は、社会保険料の実額・扶養家族・医療費控除などで動きます。源泉徴収票の「社会保険料等の金額」で概算の前提を調整できますが、上限の精度を保証するものではありません。目安表はあくまで当たりをつけるための早見表と考えてください。
ワンストップ特例と確定申告のどちらが得ですか?
全額控除の条件と各上限内では、どちらも寄附額−2,000円が控除されます。ただし、個別条件を確認せずどちらでも損得がないとはいえません。違うのは、手続き、対象者の要件、控除される税目です。確定申告では所得税分が控除(還付または納付額の減額)され、住民税分が減額されます。ワンストップでは全額が翌年度の住民税から減額されます。確定申告をする人は、ワンストップが使えないため、ふるさと納税も確定申告に含めます。
共働き夫婦は、2人分を合算して寄附できますか?
合算はできません。上限は1人ずつ別々に決まり、夫と妻がそれぞれ自分の所得割額に応じた上限を持ちます。世帯としてたくさん寄附したい場合は、収入のある2人がそれぞれの上限内で、それぞれの名義で寄附してください。申込・支払の名義が控除を受ける本人と違うと、その人の控除にできません。
いつまでに寄附すればいいですか?
その年の12月31日までです。ふるさと納税は暦年(1月1日〜12月31日)で区切られ、決済が完了した日で判定されます。2026年に寄附した分は2027年度の住民税から引かれます。年末はサイトが混み、クレジットカード決済の反映が年をまたぐこともあるので、12月中旬までに済ませるのが安全です。ワンストップ特例の申請書は、翌年1月10日までに各自治体へ届くように出します。
令和8年度の税制改正で、ふるさと納税の上限額は変わりますか?
所得税率の低下だけでは、寄附上限の増減を判断できません。令和8年度税制改正(令和8年分から適用)で所得税の基礎控除が62万円+加算になり、令和8年分・令和9年分は給与収入220万円以下の給与所得控除が74万円になりました。一方、特例分用の税率は住民税の課税総所得金額と人的控除差調整額から求め、実際の所得税率と異なる場合があります。この計算機は改正後のルールで計算します。計算機と早見表の差は前提を照合してください。
出典
- 国税庁 タックスアンサー No.1155「ふるさと納税(寄附金控除)」(令和8年4月1日現在法令等。寄附時に指定された自治体への寄附(寄附者に特別の利益が及ぶものを除く)で年合計2,000円超の場合、2026年寄附の概算は①所得税=(対象寄附額−2,000円)を所得控除×所得税率×1.021〔対象寄附額は総所得金額等の40%上限〕/②住民税基本分=(対象寄附額−2,000円)×10%〔対象寄附額は総所得金額等の30%上限、②と③の合計は所得割額が限度〕/③住民税特例分(課税総所得金額があり人的控除差調整後0円以上の第1号表の区分)=(対象寄附額−2,000円)×(90%−特例分用税率×1.021)〔調整控除後の所得割額の20%を限度〕。①と③の税率は異なる場合があり、各限度内でも全額控除にならない場合がある。確定申告を行うとワンストップ特例の申請は無効。2026年寄附は、所得税率0%の場合を除き、復興特別所得税を加算した率(所得税率×1.021)を使用)
- 地方税法37条の2第11項・314条の7第11項・附則5条の6(特例控除の割合84.895%等の読替え)/令和8年法律2号 改正附則3条9項・11条8項(特例控除の絶対上限〔道府県77万2千円+市町村115万8千円〕は令和10年度分以後に適用・令和9年度分まで=2026年の寄附は従前の例)/防衛財源確保法5条の9・復興財確法13条(令和9年分から防衛特別所得税1%+復興特別所得税1.1%=合計2.1%不変・復興分は令和29年分まで)——いずれもe-Gov法令APIで逐語確認(2026-07-23)
- 総務省「ふるさと納税ポータルサイト|ふるさと納税のしくみ・税金の控除について」(同じ3階建ての控除式、基本分の対象は総所得金額等の30%上限、特例分が住民税所得割額の2割を超える場合は住民税所得割額×20%で頭打ちとなり実質負担額が2,000円を超える〔この所得割額が調整控除後であることは東京都主税局「個人住民税」・地方税法314条の7による〕。確定申告は原則、翌年3月15日まで。ワンストップ特例は5団体以内・確定申告不要な給与所得者等(寄附金税額控除以外に住民税の申告を要しない人)・寄附した各自治体への申請が必要・所得税からの控除はなく翌年度住民税から控除)
- 総務省「ふるさと納税制度について」(制度概要資料。控除合計28,000円の説明を参照し、本記事の図の内訳は国税庁No.1155・総務省の控除式で再計算:両税率20%・各限度内・復興特別所得税込み・端数処理前で①5,717.6円+②2,800円+③19,482.4円=28,000円)
- 総務省 ふるさと納税トピックス「ふるさと納税ワンストップ特例制度」(申請日から翌年の賦課期日までに氏名・住所・生年月日が変わった場合は、翌年1月10日までに変更届出書を寄附先へ提出。地方税法附則7条4項・11項)
- 地方税法 37条の2・314条の7(寄附金税額控除・特例分の20%上限)/同法 附則5条の6(特例控除額の割合の読替え。第1号表の7区分について平成26年度〜令和20年度は84.895/79.79/69.58/66.517/56.307/49.16/44.055%=90%−特例分用税率×1.021)/37条の2第2項(指定基準の一部:返礼品等の調達費用は寄附額の3割以下、地場産品等で総務大臣の基準に適合するもの)
- 租税特別措置法 29条の4(給与所得控除の最低控除額等の特例。令和8年・令和9年は給与収入220万円以下の最低保障額74万円、収入74.1万円未満は給与所得なし、219.1万円以上220万円未満は3段の量子化帯)/41条の16の2(令和8年分以後の基礎控除の特例。令和8・9年分は合計所得489万円以下+42万円・655万円以下+5万円)/所得税法 86条(基礎控除62万円)— いずれも令和8年法律第12号による改正後・令和8年12月1日施行版を e-Gov 法令API で逐語確認(令和8年分の所得に遡って適用される)
- 早見表は当サイトの計算実装による参考値です。令和8年分の改正の適用条件を含む独立検証を完了しておらず、法令に準拠した実額を保証するものではありません。
本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。基礎控除など、所得税と住民税で控除額が異なるものがあります。住宅ローン控除の併用、退職所得、譲渡所得などがある場合は、この概算から自己負担を判断せず、個別の計算方法を確認してください。個別の判断はお住まいの市区町村・税務署・税理士にご確認ください。