育児休業給付金 計算機
育児休業中に雇用保険から出る育児休業給付金を計算します。支給単位期間ごとに、いつ・いくら振り込まれるかを実際の日付で出し、67%が終わって50%に下がる回(日割りになります)も表示します。2025年4月に始まった出生後休業支援給付金(+13%)にも対応しています。
この計算機の見方
計算のしかた(雇用保険法61条の7第6項)
上限額は「あなたの年齢」では変わりません(賃金日額16,540円)
賃金日額には上限があり、それを超える人は16,540円で頭打ちになります。つまり67%の期間は月332,454円が上限です。
→ 50歳の方でも上限は16,540円です(「45〜59歳」の18,220円ではありません)。25歳の方でも16,540円です(「30歳未満」の14,900円ではなく、こちらは有利に働きます)。
裏づけ: 厚生労働省が育児休業給付の支給限度額を1つしか公表していない(332,454円)こと自体が、上限が年齢に依存しないことの証拠です。年齢で変わるなら4つ公表されるはずです。
180日目をまたぐ支給単位期間は「まるごと50%」になりません(日割り)
67%から50%への切り替わりは、月の区切りではなく通算180日目で起こります。180日目をまたぐ支給単位期間は、180日目までの日数×67%と、181日目からの日数×50%を足した額になります(61条の7第6項かっこ書き)。
たとえば賃金日額10,000円の方が4月1日から1年休むと、6回目(9/1〜9/30)に180日目(9/27)が来ます。この回は27日分が67%(180,900円)+3日分が50%(15,000円)=195,900円です。「まるごと50%」と考えると150,000円になり、45,900円少なく見積もってしまいます。
なぜ「開始日」が要るのか — 支給日数(30日)と休業日数(暦)は別物です
ここが育児休業給付でいちばん間違えられるところです。2つの「日数」が、別々の数え方で動いています。
| 支給日数(いくら払うかを決める日数) | 終了月以外の支給単位期間は一律30日(61条の7第6項1号)。暦が31日の月でも30日、暦28日の2月でも30日です。終了月だけは実日数(同項2号) |
|---|---|
| 休業日数(67%が50%に下がる境目) | 暦の通算日数(同項本文)。180日目=休業開始日+179日 |
賃金日額10,000円・4月1日から365日休む方の場合、67%で払われる日数は177日(180日ではありません)。合計は2,105,900円です。
ところが2月1日から365日休む方は、短い2月が31日の月を相殺するため67%が180日フルになり、合計は2,116,000円。同じ月給・同じ365日なのに、開始日が違うだけで10,100円変わります。
→ だからこの計算機は開始日を必ず聞きます。「30日ずつ区切って67%を180日分」と計算すると、1年で25,100円ほど多く見積もってしまいます(この計算機も以前はそう表示していました。2026年7月に条文どおりに直しました)。
13%が乗るかどうかは「配偶者が育休を取るか」で決まります
出生後休業支援給付金(13%)は、①あなたが対象期間に14日以上の休業をし、かつ②配偶者も14日以上の休業をした場合に、最大28日分支給されます(61条の10第1項2号・3号)。
→ 妻が育児休業を1日も取らなくても、あなたは13%を受け取れます。上の「配偶者の要件が免除される」にチェックしてください(チェックしないと0円と表示されます)。
この免除は母親側には効きません(男性に産後休業は存在しないため)。同じ13%なのに、父と母で条件が非対称です。
→ 出生後8週間以内の産後パパ育休だけを取る方は、産後パパ育休 給付金 計算機のほうが正確です(28日の上限・休業中の就業・14日の崖に対応しています)。
賞与(ボーナス)は1円も入りません
賃金日額の計算に使うのは、3か月を超える期間ごとに支払われる賃金を除いた賃金です(17条1項)。つまり賞与は入りません。月給30万円+賞与が年120万円(年収480万円)の方の場合、賃金日額は月給だけで決まるので、年収に対する実質の補償率は2/3ではなく約50%になります。
「被保険者期間が12か月に足りない」と言われた方へ — 諦める前に読んでください
受給の原則は、育児休業を開始した日の前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上の月が12か月以上あることです(61条の7第1項)。多くの解説はここで話を終えますが、法律はこの原則に4つの救済を用意しています。とくに第1子の産休・育休から復帰してすぐ第2子を妊娠・出産した方は、直前2年間のほとんどが無給なので原則だけを見ると必ず足りません。それでも救済①によって受給できることがあります。
- ① 「2年間」を最大4年間まで延ばせます(61条の7第1項かっこ書き)。疾病・負傷のほか、出産・事業所の休業・事業主の命による外国における勤務・教育訓練休暇・国と民間企業との間の人事交流に関する法律による交流採用・これらに準ずる理由で公共職業安定所長がやむを得ないと認めるもの(施行規則101条の29)によって引き続き30日以上賃金の支払を受けられなかったとき、その日数を2年に加算します(上限4年)。産前産後休業は「出産」に当たります(産前6週+産後8週で約98日=30日以上)。第1子の産休・育休で無給だった期間があるなら、まずこれを疑ってください。
- ② 母親は「産前休業を開始した日」で数え直せます(61条の7第4項・特例基準日)。産後休業をした方で、育休開始日を基準にするとみなし被保険者期間が12か月に満たない場合、基準日が産前休業を開始した日まで戻ります。この救済は育児休業給付金だけにあり、産後パパ育休(61条の8)にはありません。
- ③ 11日以上の月が12か月に足りないときは、「80時間以上」の月も1か月と数えます(14条3項)。週2〜3日勤務などで11日に届かない月がある方は、この規定で届くことがあります。
- ④ 入社した月は「半月」として数えられることがあります(14条1項ただし書)。入社日から最初の喪失応当日の前日までが15日以上あり、かつその期間の賃金支払基礎日数が11日以上なら、2分の1か月として計算します。
よくある質問
育児休業給付金は月にいくらもらえますか?
休業開始前6か月の賃金総額を180で割った「賃金日額」の67%(180日まで)です。月給30万円(賞与を除く)の方なら賃金日額は10,000円で、1か月あたり201,000円になります。181日目からは50%に下がり、150,000円です。ただし賃金日額には上限(16,540円)があるため、67%の期間の上限は月332,454円です。
育児休業給付金の上限は年齢で変わりますか?
変わりません。育児休業給付は、年齢に関係なく賃金日額16,540円が上限です。失業保険(基本手当)は年齢で4段階に分かれますが、育児休業給付は61条の7第6項の読替えによって「30歳以上45歳未満」の額に固定されています。50歳の方でも上限は16,540円(18,220円ではありません)、25歳の方でも16,540円(14,900円ではありません)です。
出生後休業支援給付金の13%は誰でももらえますか?
いいえ。あなたが14日以上の出生後休業をしたうえで、配偶者も14日以上の休業をしなければ支給されません(雇用保険法61条の10第1項3号)。あなたが条件を満たしていても、配偶者が育休を取らなければ13%は0円です。ただしひとり親の方や、配偶者が被用者でない方などは、この配偶者要件が免除されます(同条2項)。支給されるのは最大28日分です。
賞与(ボーナス)も育児休業給付金の計算に入りますか?
入りません。1円も反映されません(雇用保険法17条1項が「三箇月を超える期間ごとに支払われる賃金」を除いているためです)。そのため賞与の割合が大きい方ほど、年収に対する実質の補償率は下がります。月給30万円・賞与が年120万円の方(年収480万円)の場合、年収に対する補償率は2/3ではなく約50%です。年収を12で割った額を月給として入力すると、給付額を多く見積もってしまいます。
関連するツール・記事
産後パパ育休 給付金 計算機(出生後8週間以内・最大28日。父親は妻が育休を取らなくても13%がもらえます)
育児休業給付金とは?いくら・いつまで・申請の流れ(制度の解説記事)
社会保険料計算機(育休中に免除される保険料を確認する)
失業保険(基本手当)計算機(こちらは年齢で上限が変わります)
住民税 計算機(育休中も前年の所得に対して課税されます)
制度と税金の、別の計算
関連する解説
- 育児休業給付金はいくら?67%+13%の計算と「手取り10割」の条件育児休業給付金は賃金日額の67%(181日目以降50%)。出生後休業支援給付金13%を足すと80%=手取り10割相当だが、母親側はこの13%
- 介護休業給付金 — 67%は附則の暫定措置、上限366,222円と対象家族7区分の境界介護休業給付金の67%は雇用保険法の本則ではなく、附則12条が「当分の間」読み替えているもの。上限は年齢に関係なく45〜60歳の額に固定され
- 育休中の年末調整 — 給付金が非課税なのは「準用」されているから。配偶者控除が新たに立ち上がる育児休業給付金が非課税である根拠は、よく言われる雇用保険法12条の「直接適用」ではありません。育児休業給付は失業等給付から独立した別の給付な
- 育児時短就業給付金はいくらもらえるか|賃金の10%と、90%を超えたときの支給率の正体育児時短就業給付金は時短中の各月の賃金の10%。ただし賃金が開始時賃金月額の90%を超えると逓減し、100%以上は不支給。逓減率は規則101