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iDeCoの出口の税金

iDeCoを一時金で受け取ると退職所得になります。会社の退職金と受け取る時期が近いと、勤続期間の重複で退職所得控除が減ります。令和8年1月1日以後に受け取るiDeCo一時金は「10年ルール」に変わりました(従来は5年)。

「iDeCoは5年空ければよい」は令和7年までの話です。所得税法施行令70条1項2号ロは、令和8年1月1日以後に支払を受けるiDeCo一時金について「その年の前年以前9年内」=実質10年としています。令和8年1月1日に受け取ったものは従来どおり4年内(5年)です。

遡る年数は「向き」で違う

施行令70条1項2号は、前に受け取った退職手当等との勤続期間の重複を調整します。どちらを先に受け取ったかで遡る年数が違います。

順番条文の遡及期間実務での言い方
退職金 → 退職金その年の前年以前4年内5年空ければ影響しない
iDeCo一時金 → 退職金(令和8年1月1日以後の受取)その年の前年以前9年内10年空けないと影響する
iDeCo一時金 → 退職金(令和8年1月1日前の受取)その年の前年以前4年内5年(経過措置)
退職金 → iDeCo一時金その年の前年以前19年内20年空けないと影響する

退職金を先に受け取るほうが遡及期間は長い(19年内)。会社員の多くはこちらです。iDeCo側だけを見て「10年空ければよい」と考えると、逆の順番のときに大きく外します。

重複調整は「年数」で計算する

条文は「その重複している部分の期間を勤続年数とみなして計算した金額」を差し引くと書いています。金額を按分するのではありません。

退職所得控除は勤続20年までが年40万円、20年超は年70万円なので、20年の境目をまたぐと按分と一致しません。たとえば勤続25年・重複22年なら、差し引くのは「22年ぶんの控除額」であって「25年ぶんの控除額×22/25」ではありません。

年金で受け取る場合

iDeCoを年金形式で受け取ると雑所得(公的年金等)になり、公的年金等控除の対象です。老齢基礎年金・老齢厚生年金と合算して控除枠を使うため、公的年金だけで枠を使い切っている場合は控除が効きにくくなります。年金額の計算は年金の計算機をご覧ください。

このツールが判定しないこと

このツールは入力した前提での計算例を出すもので、次の判定はしていません。

当サイトは税理士ではありません。実際の取扱いは顧問の税理士または所轄の税務署にご確認ください。

よくある質問

Q. iDeCoは5年空ければ退職所得控除がフルで使えると聞きました。

A. 令和7年までの話です。所得税法施行令70条1項2号ロにより、令和8年1月1日以後に支払を受けるiDeCo一時金は前年以前9年内が調整の対象になります。実質10年空ける必要があります。令和8年1月1日前に受け取ったものは従来どおり4年内(5年)です。

Q. 退職金を先に受け取った場合は何年ですか?

A. 前年以前19年内です(施行令70条1項2号ハ)。実質20年で、iDeCoが先の場合(10年)より長くなります。

Q. 重複調整があると控除はどれくらい減りますか?

A. 重複している年数を勤続年数とみなして計算した控除額が差し引かれます。勤続30年(控除1,500万円)で10年重複なら、10年ぶんの400万円が引かれて1,100万円になります。

Q. 年金で受け取れば退職所得控除の話は関係ありませんか?

A. 一時金ではないので退職所得にはならず、雑所得(公的年金等)になります。ただし公的年金と合算して公的年金等控除を使うため、こちらはこちらで枠の取り合いになります。

Q. 一時金と年金を組み合わせられますか?

A. 規約により一時金・年金・併給から選べるのが一般的です。併給の場合は一時金部分が退職所得、年金部分が雑所得になります。選べる形は運営管理機関にご確認ください。

出典

所得税法施行令 70条1項2号(退職所得控除額の計算の特例=前の退職手当等との重複調整。イ=4年内、ロ=令和8年1月1日以後のiDeCo一時金は9年内・同日前は4年内、ハ=19年内)/72条3項7号(確定拠出年金の老齢給付金の一時金を退職手当等とみなす)。所得税法 30条(退職所得)・35条(雑所得)。条文は e-Gov 法令API v2 で実読しています(2026-08-08 確認)。

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