ふるさと納税の計算方法|控除の3階建てと上限額シミュレーション
令和8年度税制改正(令和8年分から適用)で所得税の基礎控除などが引き上げられ、上限額が下がった人がいます。たとえば年収500万円・独身(社会保険料が概算のとき)は 60,704円 → 57,174円です。このページに出てくる 60,704円 などの金額は改正前の計算で、いま寄附する人の上限ではありません。現在の上限はふるさと納税 限度額シミュレーションで計算してください(改正後のルールで計算しています)。
結論から言います。ふるさと納税で「得をする」=自己負担が2,000円で済む上限額は、年収と家族構成で決まります。この上限を超えると、住民税特例分が上限に達するため、自己負担が2,000円を超えて増えます。超過額にも所得税分や住民税基本分などの控除はあり得るため、超過額の全額が直ちに自己負担になるわけではありません。
つまり、ふるさと納税で最初にやるべきことは、返礼品を選ぶことでも、寄附サイトを比べることでもありません。まず自分の上限額を知ること——これが全てです。上限額は「年収いくらだから◯円」と単純には決まらず、社会保険料や扶養家族を引いたあとの「住民税の所得割額」から逆算されます。だから同じ年収でも、独身と子育て世帯では上限が大きく違います。
この記事では、その計算の仕組みを「控除の3階建て」として実数で図解し、年収×家族構成の目安、上限を超えたときの実損、ワンストップ特例と確定申告の違いまで通します。まず、あなた自身の上限額はツールで出せます。
無料ツール:ふるさと納税 限度額シミュレーション(登録不要) 年収と家族構成から、調整控除後の住民税所得割額の20%を逆算した寄附額の目安を計算。指定自治体への対象寄附で、所得税と特例分の税率条件・各控除限度を満たすか確認が必要です。寄附予定額を入れると自己負担も概算します。結論:上限額は住民税の所得割額・税率区分・各控除の限度で変わる
ふるさと納税の特例控除には、「調整控除後の住民税の所得割額の20%まで」という天井があります(地方税法37条の2第11項)。次の式は、調整控除後の所得割額に対する特例分20%限度を逆算する目安です。所得税と特例分の税率の相違や、総所得金額等に対する所得税40%・住民税基本分30%など他の限度も確認が必要です。
- 特例分20%限度による目安 = 調整控除後の住民税所得割額 × 20% ÷ 特例控除額の割合 + 2,000円(全額控除には他の控除限度・税率の条件も確認)
- 給与所得のみで所得割が課税される場合の概算:所得割額 = max(0, max(0, 年収 − 給与所得控除 − 所得金額調整控除(該当者) − 所得控除)× 10% − 調整控除その他の税額控除)(所得金額調整控除は給与収入850万円超で、本人が特別障害者、23歳未満の扶養親族あり、又は特別障害者の同一生計配偶者・扶養親族ありの場合に、〔給与収入(1,000万円上限)−850万円〕×10%)。所得割非課税なら0円。特例分の20%限度に使うのは調整控除後・その他の税額控除前の所得割額
- 所得控除の額が増えると課税所得が減ります。扶養人数だけでは控除額や寄附上限を判断できず、扶養親族の年齢・所得なども確認します。
ポイントは、調整控除後の住民税所得割額の20%を、税率区分に応じた特例控除の割合で割って逆算することです。給与所得のみで所得割が課税される場合、所得割額は年収から給与所得控除・所得金額調整控除(該当者)・基礎控除・社会保険料・扶養控除などを引いた課税所得(0円未満なら0円)に標準税率10%をかけ、調整控除その他の税額控除を引いた最終所得割額(0円未満なら0円)です(所得金額調整控除は給与収入850万円超で、本人が特別障害者、23歳未満の扶養親族あり、又は特別障害者の同一生計配偶者・扶養親族ありの場合に、〔給与収入(1,000万円上限)−850万円〕×10%)(特例分の20%限度には、その他の税額控除を引く前の調整控除後所得割額を使います)。所得割非課税の人は0円です。早見表は、社会保険料や控除対象となる家族構成などの前提が自分と一致するかを確認してください。共働きで扶養がいない人と、専業主婦(主夫)+大学生の子どもがいる人では、同じ年収でも上限が2倍近く変わることがあります。
控除の3階建て:税率などの条件が合えば、各限度内で寄附額−2,000円
以下は2026年に寄附時点で総務大臣の指定を受けた自治体への対象寄附が年合計2,000円を超える場合の概算です。寄附によって設けられた設備の専属利用など、寄附者に特別の利益が及ぶ寄附は対象から除かれます。ふるさと納税の控除は、次の3つの階から成り立っています。各控除の限度内で税率などの条件が一致すると、この3つの合計が「寄附額 − 2,000円」になる——これが制度の骨格です(国税庁 タックスアンサー No.1155、総務省 ふるさと納税ポータルサイト「税金の控除について」)。
- ① 所得税からの控除=(寄附額 − 2,000円)× 所得税率×1.021(2026年寄附の概算。税率0%なら0。所得控除方式。対象寄附は総所得金額等の40%が上限)
- ② 住民税からの控除・基本分=(寄附額 − 2,000円)× 10%(対象寄附は総所得金額等の30%が上限)
- ③ 住民税からの控除・特例分=(寄附額 − 2,000円)×(90% − 特例分用税率×1.021)〔課税総所得金額があり人的控除差調整額の差引後が0円以上の第1号表の区分の割合;主な別区分:差引後が負で課税山林・課税退職所得がなければ90%、課税総所得がない又は差引後が負で課税山林・課税退職所得があれば山林の5分の1・退職の全額を表に当てはめ、両方あるときは低い割合〕(調整控除後の所得割額の20%が限度。実際の所得税率と特例分用税率が異なる場合があります)。ここが主役で、上限の正体。
③の特例分だけには「調整控除後の住民税所得割額の20%まで」という天井があります。③の天井から逆算した額は目安であり、全額控除には総所得金額等に対する所得税40%・住民税基本分30%の対象寄附限度や、所得税と特例分の税率の相違も確認が必要です。天井を超えると①②③を足しても「寄附額 − 2,000円」に届かず、自己負担が2,000円を超えます。
図の内訳は、所得税率と特例分用税率がともに20%で各控除限度内という仮定で、30,000円の寄附を国税庁・総務省の控除式から計算した例です。復興特別所得税を含む端数処理前では、① 5,717.6円+② 2,800円+③ 19,482.4円=28,000円の控除となり、自己負担は2,000円です。各控除の限度内で税率などの条件が一致する場合、合計が寄附額−2,000円になります。
実数で最後まで:年収500万・独身(令和8年分・当ツールの計算)
当サイトのツールで、年収500万円・独身・40歳・東京都(社会保険料は概算762,988円)を通すと、こうなります。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 給与所得(500万 − 給与所得控除 − 所得金額調整控除) | 3,560,000円 |
| 所得控除の合計(基礎43万+社保762,988+…) | 1,192,988円 |
| 課税総所得金額(1,000円未満切捨) | 2,367,000円 |
| 住民税の所得割額(課税所得×10% − 調整控除2,500円) | 234,200円 |
| 特例分の天井(調整控除後の所得割額の20%) | 46,840円 |
| 仮に特例分用税率を5%と置いた場合の割合 | 仮定値84.895% |
| 仮定の天井46,840円を84.895%で割り、2,000円を加えた算術上の目安 | 約57,174円(実際の寄附上限は未確認) |
この例は天井46,840円・特例分用税率5%を仮定した算式の説明です。年収500万円への適用税率、各控除額と改正の適用条件を確認した実額ではありません。寄附55,000円・両税率5%と仮定すると、端数処理前は所得税分2,705.65円、基本分5,300円、特例分44,994.35円です。申告上の端数処理や他の限度を含む実際の自己負担は別途確認してください。この算術上の特例分は仮定の天井内ですが、実際の全額控除を保証するものではありません。
改正前の上限額の参考表(年収×家族構成)
下表は、令和8年度改正前のルールによる参考値です(40歳・東京都・賞与なしの概算社会保険料・寄附者本人にほかの控除がない前提)。令和8年分の寄附上限には使わず、改正後のツールで確認してください。あくまで目安で、実際は社会保険料の額や下の注意点で変わります。正確な額は、源泉徴収票の「社会保険料等の金額」を入れてツールで出してください。
| 給与収入 | 独身・共働き(配偶者の合計所得133万円超) | 夫婦(70歳未満・配偶者控除) | +子1人(年末、年途中死亡時は死亡時の16〜18歳・扶養要件あり) | +子2人(年末、年途中死亡時は死亡時の19〜22歳と16〜18歳・扶養要件あり) |
|---|---|---|---|---|
| 300万円 | 27,490円 | 19,127円 | 10,266円 | 0円 |
| 400万円 | 41,413円 | 33,050円 | 24,686円 | 11,400円 |
| 500万円 | 60,704円(改正前) | 49,246円 | 40,447円 | 27,725円 |
| 600万円 | 76,570円 | 68,299円 | 60,027円 | 42,638円 |
| 700万円 | 106,857円 | 85,168円 | 76,896円 | 65,616円 |
| 800万円 | 128,846円 | 119,361円 | 109,875円 | 84,792円 |
| 1,000万円 | 181,591円 | 172,106円 | 162,620円 | 149,686円 |
※「独身・共働き」の共働きは、配偶者の合計所得が133万円を超え、配偶者控除も配偶者特別控除も受けない場合です。生計を一にする配偶者の合計所得が133万円以下(本人の合計所得1,000万円以下)で配偶者控除の対象にならない場合は住民税の配偶者特別控除があり、上限はこの列より下がります(配偶者が給与を受ける青色事業専従者・事業専従者の場合と、配偶者の側が配偶者控除・配偶者特別控除を受けている場合を除きます)。この表・計算機は配偶者特別控除を扱いません。「夫婦」は寄附年末(年途中死亡時は死亡時)70歳未満の配偶者を配偶者控除の対象にする場合(本人・配偶者の所得等の要件を満たすこと)。年齢は寄附年12月31日(年の途中で死亡した場合は死亡時)で判定します。子は所得等の扶養要件を満たす親族に限ります。「子1人」は16〜18歳の一般扶養、「子2人」は19〜22歳の特定扶養+16〜18歳の一般扶養。2026年寄附では合計所得62万円以下で本人と生計を一にし、給与を受ける青色事業専従者・白色事業専従者を除き、他の納税者と重複算入しないことが前提です。非居住者の30〜69歳など、この表にない家族構成は表の対象外です。15歳以下の扶養親族は扶養控除の対象外ですが、住民税の非課税判定の人数に含みます。この表の列には含めていません。
上限を超えるとどうなるか(自己負担が増える)
ここが「計算」の核心です。上限を超えると、自己負担が2,000円を超えて増えます。理由は、③住民税特例分の「調整控除後の所得割額の20%」という天井。寄附を増やしても③はそこで頭打ちになり、①②③の合計が「寄附額−2,000円」に届かなくなるからです。ただし、確定申告をする場合は、超過額にも①所得税分や②住民税基本分などの控除はあり得るため、超過額が丸ごと自己負担になるわけではありません。ワンストップ特例で手続きを終える場合(確定申告をしない場合)は、所得税からの控除は行われません(総務省「税金の控除について」)。申請後に確定申告をすると申請は無効になるため、申請した分も含めて申告します(国税庁No.1155)。
先ほどの年収500万・独身(上限60,704円・改正前)の人が、勢いで80,000円を寄附した場合を見ます。
次の表は確定申告をする場合の内訳です(ワンストップ特例で手続きを終える場合は①所得税からの控除は行われず控除は翌年度の住民税から行われますが、申請後に確定申告をすると申請は無効になり、申請した分も含めて申告します)。
| 寄附額 | ① 所得税 | ② 住民税基本分 | ③ 住民税特例分 | 控除の合計 | 自己負担 |
|---|---|---|---|---|---|
| 60,000円(上限内) | 5,921円 | 5,800円 | 46,279円 | 58,000円 | 2,000円 |
| 80,000円(上限超え) | 7,963円 | 7,800円 | 46,840円(天井) | 62,603円 | 17,397円 |
寄附を60,000円から80,000円へ2万円増やしたのに、③特例分は46,279円→46,840円へ561円しか増えていません(天井46,840円に張り付いたため)。結果、自己負担は2,000円から17,397円へ跳ね上がります。増やした2万円のうち、税金で戻るのは①②③合わせて約4,600円だけ。差額の約1万5千円は、返礼品の価値(寄附額の3割まで=この場合2.4万円)を差し引いても、多くの場合実損です。
ワンストップ特例 vs 確定申告(5自治体以内・申請と変更届)
控除を受ける主な手続きは、確定申告とワンストップ特例で、所得税が0円で住民税のみの控除を受ける人は市区町村への住民税申告が必要な場合もあります。各制度の要件と全額控除の条件を満たす範囲では、寄附額−2,000円が控除されます。手続きによって使える条件・期限・控除される税目が異なります。
| ワンストップ特例 | 確定申告 | |
|---|---|---|
| 使える人 | 確定申告義務がなく、確定申告をせず、寄附金税額控除以外に住民税申告を要しない給与所得者など | 自営業・医療費控除を受ける人など(所得税0円で住民税のみ控除を受ける人は、市区町村への住民税申告が必要な場合あり) |
| 寄附先の数 | 5自治体まで | 制限なし |
| 手続き | 寄附ごとに各自治体へ申請書を提出 | 翌年に住所地等の所轄税務署へ申告 |
| 期限 | 寄附した翌年の1月10日まで(必着) | 原則、寄附した翌年の3月15日まで |
| 控除の出方 | 所得税分(①)はなく、全額が翌年度の住民税から | ①は所得税から控除(還付または納付額の減額)、②③は翌年度の住民税から |
いちばん間違えやすいのが次の点です。
※ 申請日から翌年の賦課期日までに氏名・住所・生年月日が変わったときは、翌年1月10日までに寄附先へ「変更届出書」を出します。この提出を忘れると、ワンストップが適用されず控除が受けられないことがあります。
よくある誤解:住宅ローン控除・共働き・控除される時期
住宅ローン控除との併用は、特例分の上限と実際の控除額を区別する
住宅ローン控除は税額控除です。確定申告でふるさと納税をする場合、寄附金控除で所得税が減ると、所得税から控除できる住宅ローン控除額も減ることがあります。所得税で控除しきれない住宅ローン控除額は、一定の要件・限度額の範囲で翌年度の住民税から控除されます。住民税側の住宅ローン控除の限度額によっては、控除しきれない額が生じます。寄附時に指定された自治体への寄附(寄附者に特別の利益が及ぶものを除く)で年合計2,000円超の場合、課税総所得金額があり人的控除差調整後0円以上の第1号表の区分では、ふるさと納税の住民税特例分は(寄附額−2,000円)×(90%−特例分用税率×1.021)で計算し、調整控除後の所得割額の20%が上限です。住宅ローン控除で所得税から引けなかった額が、特例分へ追加されるわけではありません。住宅ローン控除と併用する場合は、両制度の控除額を確認してください。
共働きは「世帯合算」しない。各人が各人の上限を持つ
上限額は各人の所得割額・特例分の税率区分・各控除の限度で変わるため、夫婦の年収を足して1つの上限にするのではありません。夫と妻がそれぞれ自分の名義でふるさと納税でき、それぞれに上限があり、各人の自己負担が2,000円になるのは、寄附時に総務大臣の指定を受けた自治体への対象寄附で、所得税と特例分の税率が対応し、所得税・住民税基本分・特例分の各限度内で全額控除される場合です。ふるさと納税サイトの申込者名義・支払名義は、控除を受ける本人にそろえてください。名義がずれると、その人の控除にできません。世帯の合計寄附額を増やしたいなら、収入のある2人がそれぞれの上限内で寄附するのが正解です。
ふるさと納税は自治体への寄附。控除される年分・年度を区別する
ふるさと納税は自治体への寄附です。上限内で5万円を寄附した場合、2,000円を除いた4万8千円が控除の対象になります。確定申告では、寄附した年分の所得税と翌年度の住民税から控除されます。ワンストップ特例で手続きを終える場合は、所得税分も含めて翌年度の住民税から控除されます(申請後に確定申告をすると申請は無効になり、申請した分も含めて申告します)。寄附額の全額が戻る制度ではなく、控除には上限があります。
- 特例分20%限度による目安 = 調整控除後の住民税所得割額 × 20% ÷ 特例控除額の割合 + 2,000円(他の控除限度や税率の条件も要確認)。所得割額・税率区分・各控除の限度で変わる
- 全額控除の条件と各上限内では、①所得税+②住民税基本分+③住民税特例分 = 寄附額−2,000円
- ③特例分の天井 = 調整控除後の所得割額の20%。この逆算額は目安で、全額控除には他の控除限度や所得税と特例分の税率の相違も要確認。超えると自己負担が増える。確定申告をする場合は、所得税・住民税基本分の控除は各限度まで続く(ワンストップ特例で手続きを終える場合は所得税からの控除は行われないが、申請後に確定申告をすると申請は無効になり、申請分も含めて申告する)
- 特例分の割合は「90% − 特例分用税率×1.021」(課税総所得金額があり人的控除差調整額の差引後が0円以上の第1号表の区分;主な別区分:差引後が負で課税山林・課税退職所得がなければ90%、課税総所得がない又は差引後が負で課税山林・課税退職所得があれば山林の5分の1・退職の全額を表に当てはめ、両方あるときは低い割合)(84.895%など。特例分用税率が正で同じ天井と税率なら、復興特別所得税の省略で寄附上限の目安は小さくなる。税率0%では変わらない)
- ワンストップは寄附先5自治体以内で、確定申告義務がなく、寄附金税額控除以外に住民税申告を要しない人が対象(任意の場合を含め、確定申告・住民税申告をすると特例は無効)。申請期限は翌年1月10日。確定申告する人(医療費控除・住宅ローン控除初年度など)は使えない
- 共働きは世帯合算しない(各人が各人の上限)。ふるさと納税は自治体への寄附で、控除には上限がある
よくある質問
ふるさと納税の上限額は何で決まりますか?
住民税の所得割額・特例分の税率区分・各控除の限度で変わります。ふるさと納税の特例控除額は「調整控除後の住民税の所得割額の20%」を超えられないと決められているため(地方税法37条の2第11項)、上限額はおおよそ「調整控除後の所得割額 × 20% ÷ 特例控除額の割合 + 2,000円」です。給与所得控除・基礎控除・社会保険料・扶養控除などや税額控除、特例分の税率区分が関係するため、同じ年収でも家族構成で上限は変わります。
上限を超えて寄附するとどうなりますか?
上限を超えると自己負担は2,000円より増えます。ただし確定申告をする場合は、所得税分・住民税基本分の控除は各限度まで増えるため、超過分の全額が自己負担になるとは限りません。指定自治体への対象寄附で、所得税と特例分の税率が対応し、上限内かつ各控除の限度内で全額控除されるなら自己負担は2,000円ですが、上限を超えた部分では住民税特例分が頭打ちとなり、自己負担が増えます。確定申告をする場合、所得税分・住民税基本分は各限度まで控除されます。ワンストップ特例で手続きを終える場合(確定申告をしない場合)は、所得税からの控除は行われず、その分も翌年度の住民税から控除されます。申請後に確定申告や住民税の申告をした場合、または申請先が5団体を超えた場合は申請が無効になるため、申請した分も含めて申告します。上限超過時の自己負担は、申告方法・所得税率や基本分の控除限度などでも変わるため、上限と寄附額だけでは求められません。返礼品の調達費用の上限と市場価値は別です。追加の自己負担も考えて、上限を先に把握することが大切です。
年収の目安表と、ツールの計算結果が違うのはなぜですか?
社会保険料や控除の前提が違うからです。年収別の目安表は「社会保険料は年収の一定割合」といった前提でざっくり出したものです。実際の上限は、社会保険料の実額・扶養家族・医療費控除などで動きます。源泉徴収票の「社会保険料等の金額」を入れて計算すると正確になります。目安表はあくまで当たりをつけるための早見表と考えてください。
ワンストップ特例と確定申告のどちらが得ですか?
全額控除の条件と各上限内では寄附額−2,000円が控除されますが、個別条件を確認せずどちらでも損得がないとはいえません。手続き、対象者の要件、控除される税目に違いがあります。確定申告では所得税分が控除(還付または納付額の減額)され、住民税分が減額され、ワンストップでは全額が翌年度の住民税から減額されます。寄附先が5自治体以内で、確定申告義務がなく、確定申告をせず、寄附金税額控除以外に住民税申告を要しない給与所得者はワンストップを利用できます。医療費控除や住宅ローン控除の初年度などで確定申告をする人は、ワンストップが使えないため、ふるさと納税も確定申告に含めます。
共働き夫婦は、2人分を合算して寄附できますか?
合算はできません。上限は1人ずつ別々に決まります。夫と妻がそれぞれ自分の所得割額に応じた上限を持ち、各人の自己負担が2,000円になるのは、寄附時に総務大臣の指定を受けた自治体への対象寄附で、所得税と特例分の税率が対応し、所得税・住民税基本分・特例分の各限度内で全額控除される場合です。世帯としてたくさん寄附したい場合は、収入のある2人がそれぞれの上限内で、それぞれの名義で寄附してください。申込・支払の名義が控除を受ける本人と違うと、その人の控除にできません。
いつまでに寄附すればいいですか?
その年の12月31日までです。ふるさと納税は暦年(1月1日〜12月31日)で区切られ、決済が完了した日で判定されます。2026年に寄附した分は2027年度の住民税から引かれます。年末はサイトが混み、クレジットカード決済の反映が年をまたぐこともあるので、12月中旬までに済ませるのが安全です。ワンストップ特例の申請書は、翌年1月10日までに各自治体へ届くように出します。
出典
更新内容: 上限超過の説明と改正前の設例表示を訂正。国税庁 タックスアンサー No.1155・総務省「ふるさと納税ポータルサイト」の一次情報にもとづいて作成(令和8年分)
- 国税庁 タックスアンサー No.1155「ふるさと納税(寄附金控除)」(令和8年4月1日現在法令等。寄附時に指定された自治体への寄附(寄附者に特別の利益が及ぶものを除く)で年合計2,000円超の場合、2026年寄附の概算は①所得税=(対象寄附額−2,000円)を所得控除×所得税率×1.021〔対象寄附額は総所得金額等の40%上限〕/②住民税基本分=(対象寄附額−2,000円)×10%〔対象寄附額は総所得金額等の30%上限〕/③住民税特例分(課税総所得金額があり人的控除差調整後0円以上の第1号表の区分)=(対象寄附額−2,000円)×(90%−特例分用税率×1.021)〔調整控除後の所得割額の20%を限度〕。①と③の税率は異なる場合があり、各限度内でも全額控除にならない場合がある。確定申告を行うとワンストップ特例の申請は無効。平成25年分〜令和29年分は所得税率0%の場合を除き、復興特別所得税を加算した率を使用(2026年寄附は所得税率×1.021))
- 地方税法37条の2第11項・314条の7第11項・附則5条の6(特例控除の割合84.895%等の読替え)/令和8年法律2号 改正附則3条9項・11条8項(特例控除の絶対上限〔道府県77万2千円+市町村115万8千円〕は令和10年度分以後に適用・令和9年度分まで=2026年の寄附は従前の例)/防衛財源確保法5条の9・復興財確法13条(令和9年分から防衛特別所得税1%+復興特別所得税1.1%=合計2.1%不変・復興分は令和29年分まで)——いずれもe-Gov法令APIで逐語確認(2026-07-23)
- 総務省「ふるさと納税ポータルサイト|ふるさと納税のしくみ・税金の控除について」(同じ3階建ての控除式、基本分の対象は総所得金額等の30%上限、特例分が住民税所得割額の2割を超える場合は住民税所得割額×20%で頭打ちとなり実質負担額が2,000円を超える〔この所得割額が調整控除後であることは東京都主税局「個人住民税」・地方税法314条の7による〕。確定申告は翌年3月15日まで。ワンストップ特例は5団体以内・確定申告不要な給与所得者・所得税からの控除はなく翌年度住民税から控除)
- 総務省「ふるさと納税制度について」(制度概要資料。控除合計28,000円の説明を参照し、本記事の図の内訳は国税庁No.1155・総務省の控除式で再計算:両税率20%・各限度内・復興特別所得税込み・端数処理前で①5,717.6円+②2,800円+③19,482.4円=28,000円)
- 総務省 ふるさと納税トピックス「ふるさと納税ワンストップ特例制度」(申請日から翌年の賦課期日までに氏名・住所・生年月日が変わった場合は、翌年1月10日までに変更届出書を寄附先へ提出。地方税法附則7条4項・11項)
- 地方税法 37条の2・314条の7(寄附金税額控除・特例分の20%上限)/同法 附則5条の6(特例控除額の割合の読替え。第1号表の7区分について平成26年度〜令和20年度は84.895/79.79/69.58/66.517/56.307/49.16/44.055%=90%−特例分用税率×1.021)/37条の2第2項(指定基準の一部:返礼品等の調達費用は寄附額の3割以下、地場産品等で総務大臣の基準に適合するもの)
- 算出根拠となる令和8年分の各控除・税率は、当サイトのツール(ふるさと納税 限度額シミュレーション)と同じ計算ロジックによる(地方税法・所得税法・租税特別措置法にもとづく実装)
本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。上限額は目安であり、医療費控除・住宅ローン控除・退職所得・譲渡所得などがある場合は結果が変わります。個別の判断はお住まいの市区町村・税務署・税理士にご確認ください。