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ガソリン代の勘定科目|仕訳・消費税・従業員への精算

結論から言うと、事業用のガソリン代は旅費交通費・車両費・燃料費・消耗品費のいずれかで処理し、用途と管理方法に合う科目を継続して使います。営業移動の費用をまとめるなら旅費交通費、車の維持費をまとめるなら車両費、燃料の量と単価を管理するなら燃料費が考えられます。科目名だけで経費になるかどうかが決まるわけではありません。

実務では、科目を選んだ後に、事業分と私用分、ガソリンと軽油、会社の直接購入と従業員への精算を分けます。ガソリン税相当額を消費税の対象から外す処理や、従業員に払うガソリン代を全額非課税にする処理は、条件の確認が欠けています。所得税の非課税と消費税の課税仕入れも、別々の判定です。

本文の制度は2026年9月7日時点で確認しています。ガソリン税の特例税率廃止と令和8年4月の通勤手当改正を反映し、金額例は実際の市況価格ではなく、計算方法を示すために置いた仮定です。

4つの科目は、何をまとめて管理するかで使い分ける

ガソリン代を旅費交通費にするか車両費にするかは、帳簿上の整理の問題です。業務に必要な支出であること、金額と取引内容を確認できること、私用分を含めないことを先に満たします。そのうえで、自社の月次比較や申告書への集計に適した科目を選びます。

勘定科目向いている管理具体的な使い方注意点
旅費交通費移動にかかる費用の総額を見たい営業訪問のガソリン、電車運賃、業務の駐車料金を集計ガソリンだけを見るなら補助科目で分ける
車両費車両の維持・使用費をまとめたい営業車のガソリンと維持費を車両別に管理同じ科目でも消費税区分が異なる支出がある
燃料費燃料単価と使用量を追いたい配送車・営業車・機械の燃料を用途別に集計自動車用と機械用を混ぜると原価比較が難しくなる
消耗品費小規模な事業の経費科目を簡潔にしたい国税庁の手引きもガソリンを消耗品費の例に挙げる文具等に埋もれる場合は補助科目を設ける

たとえば営業車が1台で、ガソリン代が毎月2万円程度の事業なら、旅費交通費の中にガソリン代の補助科目を作る方法があります。配送車が20台あり、燃費や走行距離を管理したい事業なら、燃料費を車両別に分けると、支出増加が燃料単価の上昇によるものか、走行距離の増加によるものかを確認しやすくなります。

消耗品費は誤りだと断定する必要もありません。国税庁の「収支内訳書(一般用)の書き方」では、帳簿・文房具・用紙・包装紙とともにガソリンを消耗品購入費として挙げています。税務署が車両費という名称しか認めないというルールではなく、収支を正しく把握するための分類です。

月によって担当者が科目を変えると、燃料の使用量が同じでも旅費交通費が急増・急減したように見えます。科目を決めたら、対象となる支出と補助科目の使い方を社内で揃えます。管理方法を変える合理的な理由があるときは変更自体を禁止するものではありませんが、変更月と集計範囲を記録して、前後の比較をできる状態にします。

なお、車両費に保険料や税金も含めて管理している場合、科目の既定税区分を全ての取引に当てはめるのは危険です。ガソリンの購入、保険料の支払、租税の納付は取引の性質が違います。科目が一つでも、消費税区分は明細ごとに確認します。

仕訳は、税込経理・税抜経理と支払方法を揃える

会社の営業車にガソリンを給油し、税込11,000円を現金で支払った例です。全額が業務用、適格請求書等を保存し、税抜経理の例では消費税等1,000円を全額控除できるものとします。ここでは科目を車両費に統一します。

経理方式借方金額貸方金額
税込経理車両費11,000円現金11,000円
税抜経理車両費10,000円現金11,000円
税抜経理・同じ仕訳の続き仮払消費税等1,000円

税抜経理では、レシートの10%対象額と消費税等を確認して、費用と仮払消費税等へ分けます。実際の請求書に端数処理済みの税額が記載されている場合は、その記載を確認します。免税事業者や簡易課税を適用する事業者の納付税額は、この仮払消費税等を単純に差し引く例と同じではありません。

法人カードで支払った場合、給油時の貸方は未払金とし、銀行引落日に未払金を消します。税込経理なら、給油日に車両費11,000円/未払金11,000円、引落日に未払金11,000円/普通預金11,000円です。カード明細を取り込むたびに車両費を追加すると、給油時の計上と二重になります。

同様に、給油カードの月次請求で処理するなら、個々の給油レシートを先に費用計上したか確認します。月次の請求書は一か月の取引を集約している場合があります。支払額の合計が合っていても、既に計上した取引を再び費用にしていれば、利益が過少になります。

個人事業主が私用の現金から事業用のガソリン代を立て替えた場合は、事業主借を使う処理が考えられます。反対に、事業の口座で私用分を払った場合は、その私用分を事業主貸へ分けます。会社の従業員に対する未払金と、個人事業主の事業主借を混同しないようにします。

使った会計ソフトの科目候補が違っていても、借方で何の費用を認識し、貸方で誰への支払や債務を記録しているかを確認すれば整理できます。科目名を変える前に、現金・カード・従業員立替のどの経路で払った取引かを見る順序が有効です。

個人事業主のマイカーは、業務分を記録から分ける

事業と私生活の両方で同じ車を使う場合、ガソリン代全額が必要経費になるわけではありません。所得税法37条は業務の費用を必要経費とし、45条1項1号は家事上の費用等を必要経費から除外します。国税庁No.2210も、業務上直接必要な部分を記録等に基づいて明らかに区分する必要があると説明しています。

家事按分とは、事業と私生活に共通する支出を、合理的な根拠で分けることです。ガソリンなら業務走行距離と総走行距離が一つの手掛かりになります。ただし常に何割まで認められるという法定の安全率はありません。走行記録、訪問予定、給油記録が対応するかを確認します。

仮に同じ期間の総走行距離が1,000km、うち業務が600km、ガソリン代が税込16,500円で、走行距離による按分が合理的な利用状況とします。業務割合は600÷1,000=60%、税込の事業分は9,900円、私用分は6,600円です。

項目計算金額・割合
業務割合600km÷1,000km60%
税込の事業分16,500円×60%9,900円
私用分16,500円−9,900円6,600円
税抜経理の事業費用15,000円×60%9,000円
事業分の仮払消費税等1,500円×60%900円

税抜経理で全額を事業の現金から支払った場合の例は、車両費9,000円、仮払消費税等900円、事業主貸6,600円/現金16,500円です。私用分の消費税等まで仕入税額控除へ入れないようにします。会計ソフトが年末に家事分を自動振替する設定なら、給油ごとの仕訳で既に除いた分を重ねて除外しないことも確認点です。

記録には、日付、訪問先・業務目的、出発地と到着地、業務走行距離、対象期間の総走行距離を残すと、割合の根拠を説明しやすくなります。給油量だけでは私用と事業の区分ができず、営業日数だけでは休日の長距離運転を反映できない場合があります。実際の利用状況に合う方法を使う必要があります。

ガソリン税にも消費税がかかるのは、販売価格の一部だから

ガソリンの価格には、揮発油税と地方揮発油税の負担が含まれています。いわゆるガソリン税です。これらの税に相当する部分を含めた販売価格が、購入時の消費税の計算の基になります。レシートに内訳として税相当額が見えていても、それを差し引いて消費税を計算し直す処理ではありません。

国税庁No.6313は、揮発油税のような個別消費税はメーカー等が納税義務者となって負担し、販売価額の一部を構成するため、消費税の課税標準に含まれると説明しています。課税標準とは、税率を掛ける基になる金額です。消費者が製造者の税金を別途直接納めているという構造ではありません。

ガソリン 販売価格にガソリン税相当額を含む 税相当額も含めて消費税を計算 税込11,000円 → 消費税等1,000円 軽油(区分と販売者の条件あり) 軽油代11,000円 + 引取税1,500円 支払総額は12,500円 消費税等は軽油代に含まれる1,000円 引取税1,500円には消費税を掛けない 金額は計算例。軽油の除外条件は本文で確認
二つの税を比較するときは、誰が納税義務者か、請求書で明確に区分されているかを確認します。

たとえばガソリンの税込支払額11,000円が全て標準税率の対象なら、消費税等は11,000円×10/110=1,000円、税抜額は10,000円です。その10,000円にガソリン税の負担が含まれていても、購入者はそこから税相当額を取り除いて税抜額を作り直しません。

二重課税と呼ばれることがあるのは、個別消費税の負担を含む価格にさらに消費税が掛かるためです。ただし帳簿では、議論上の呼び方と法令上の計算を分けます。価格の内訳に税という言葉があることだけを理由に不課税の税区分へ振り分けると、レシートの税額と帳簿が一致しなくなります。

ガソリン税の税率も過去の数字をそのまま使えません。国税庁の案内では、揮発油税・地方揮発油税の特例税率は令和7年12月31日に廃止されました。沖縄の軽減を除く1キロリットル当たりの合計は、旧53,800円から28,700円となっています。1リットル換算では53.8円から28.7円です。

適用時期揮発油税・1kL当たり地方揮発油税・1kL当たり合計・1kL当たり
令和7年12月30日まで48,600円5,200円53,800円
令和7年12月31日から24,300円4,400円28,700円

これは製造場からの移出等に係る税率の説明です。給油日に税率差分だけ店頭価格が必ず下がることを保証する表ではありません。また、沖縄には合計額の軽減があり、旧46,800円、新24,900円です。通常の購入者の仕訳は、その地域・給油日の実際のレシートに基づきます。

軽油引取税が消費税の対象外になるには、二つの確認が要る

軽油引取税は、ガソリン税と同じ扱いではありません。軽油を引き取る側が納税義務者となり、特別徴収義務者である元売・特約業者が代金と一緒に預かって納める仕組みです。一定の条件で明確に区分された税額は、消費税の課税標準に含めません。

国税庁No.6313で確認できる条件は、まず税額相当額を請求書や領収証で相手方に明らかにし、預り金・立替金等として明確に区分していることです。区分していない場合は課税標準に含まれます。もう一つは販売者の立場で、特別徴収義務者である特約店等による販売か、その販売委託を受けたサービスステーション等による販売かを確認します。

特別徴収義務者に該当しないサービスステーション等が販売する場合、軽油引取税を課税標準から控除できないという注記があります。軽油という商品名だけで一律に税部分を外すことはできません。疑問があるレシートは、表示の税率対象額と販売者の説明を確認する必要があります。

条件を満たす販売で、軽油100Lの税抜代金10,000円、消費税等1,000円、区分された軽油引取税1,500円、合計支払額12,500円とします。軽油引取税の税率は、東京都主税局が令和8年の制度として示す1L当たり15円を用いた例です。

借方金額消費税区分貸方金額
車両費・軽油代10,000円課税仕入れ10%現金12,500円
仮払消費税等1,000円軽油代に対応する税額
租税公課・軽油引取税1,500円対象外・不課税

軽油引取税を車両費の補助科目で管理する場合も、税区分は軽油本体と分けます。支払総額12,500円全てに10/110を掛けて仮払消費税等を出すと、この例では税額を過大にします。逆に条件を満たさない販売で勝手に引取税を除けば、課税標準の扱いを誤ります。

課税標準から外れるのは、その販売で区分された軽油引取税です。軽油そのものが非課税の商品になるわけではありません。会計ソフトで支払額全体を非課税にする処理も避ける必要があります。取引の途中で税率が変わった場合も、現在の税率で過去のレシートを逆算し直すのではなく、当時の取引と区分を確認します。

ガソリンの購入では、インボイスと帳簿を保存する

一般課税で仕入税額控除を受ける場合、帳簿と適格請求書等の保存が基本です。ガソリンスタンドから受け取るレシートは、適格簡易請求書の要件を満たしていれば使えます。宛名のないレシートだから一律に無効、ということではありません。

ガソリン購入の適格簡易請求書では、次の5項目を確認します。軽減税率の対象品目も同時購入している場合は、その内容と軽減対象である旨の記載も必要です。

  1. 発行事業者の氏名または名称と登録番号。
  2. 取引を行った年月日。
  3. 販売した資産または役務の内容。
  4. 税抜価額または税込価額を税率ごとに合計した金額。
  5. 消費税額等または適用税率。

通常の適格請求書では宛名も必要で、税率ごとの合計額と適用税率、消費税額等を記載します。適格簡易請求書は宛名を省略でき、消費税額等と適用税率はどちらかの記載で足りる点が異なります。書類の表題が領収証かレシートかではなく、必要な情報が記載されているかを見ます。

帳簿には、取引先の氏名・名称、取引年月日、購入した資産・役務の内容、税込の支払対価の額を記載します。ガソリン代としか書かれていない記録より、給油日、店名、車両、業務目的が対応する記録のほうが、事業用であることも含めて確認しやすくなります。

カード利用明細は支払の確認に役立ちますが、それだけで給油取引の適格請求書等になるとは限りません。登録番号・税率・取引内容が分からないカード明細だけを保存し、スタンドのレシートや適格請求書となる月次明細を捨ててしまうと、仕入税額控除の資料が不足する場合があります。

例外として、一定規模以下の事業者には少額特例があります。基準期間の課税売上高が1億円以下、または特定期間の課税売上高が5,000万円以下という条件を満たす事業者が、令和5年10月1日から令和11年9月30日までに行う税込1万円未満の課税仕入れは、一定事項を記載した帳簿だけで控除できる措置です。1万円ちょうどは1万円未満に入りません。

ガソリン代が少額だから全員インボイス不要となるわけではなく、事業者の規模と一取引の金額を確認します。また、ガソリンを購入すること自体は、3万円未満の公共交通機関の旅客運送の特例には当たりません。勘定科目を旅費交通費にしても、ガソリンが電車運賃に変わるわけではないためです。

従業員への出張精算は、通常必要な範囲かを確認する

従業員が業務で自分の車を使い、会社がガソリン代を精算する場合は、まず出張・業務移動の費用か、普段の通勤費用かを分けます。出張の旅費に係る非課税は所得税法9条1項4号、通勤手当は同項5号と所得税法施行令20条の2です。条文が違うため、通勤の距離別限度額を出張精算へそのまま使いません。

9条1項4号の出張旅費についての要点は、その旅行に必要な支出に充てるための支給で、旅行について通常必要と認められることです。所得税基本通達9-3は、次の二つを判断の材料としています。

マイカーによる国内出張で業務走行120km、合理的な燃費の仮定が12km/L、基準とする燃料単価が180円/Lなら、燃料代の試算は120÷12×180=1,800円です。この180円は市況価格の引用ではなく計算例の仮定です。1km当たり15円が法定の非課税単価という意味ではありません

距離精算を行う場合は、対象走行、燃費や単価の根拠、変更する時期、本人負担の費用の範囲を規程で明らかにすると、過大支給を確認しやすくなります。車の損耗分まで含めた定額を払う場合も、ガソリン代と名付けるだけで全額が通常必要な旅費になるわけではありません。

会社が従業員に税込1,800円を実費精算し、税込経理で処理する例なら、旅費交通費1,800円/未払金1,800円とし、精算時に未払金1,800円/普通預金1,800円とします。既に仮払金を渡している場合は、それとの精算を行います。同じ走行について、会社の給油カードと距離精算の両方で負担していないかも確認します。

消費税では、従業員等へ支給する国内の出張旅費・宿泊費・日当の通常必要な部分について、帳簿のみで仕入税額控除が認められる出張旅費等特例があります。国税庁のインボイスQ&A問107-2は、概算払いだけでなく実費精算も対象に含むと明記しています。

ただし、会社が用務先へ直接対価を払っているものと同視できる実費精算なら、通常の課税仕入れと同様、帳簿と適格請求書等を保存する扱いです。従業員が一時的に立て替えたという事実だけで、会社が直接購入した社用車の燃料を全て出張旅費等特例に変えることはできません。誰へのどのような支給かを、出張命令・精算書・領収証で確認します。

通勤のガソリン代は、令和8年4月改正後の限度額で判定する

マイカー通勤への手当は、通常の給与に加算して支給する通勤手当のうち、法令で定める範囲が所得税非課税となります。ガソリン代という実費名目でも、通勤手当である以上は限度額を確認します。超える部分は支給月の給与に加え、所得税・復興特別所得税の源泉徴収を行います。

まず、駐車場代や有料道路・交通機関の利用との組合せがない、マイカー等のみの通勤の距離別限度額です。距離は直線距離ではなく、通勤経路に沿った片道の長さで見ます。令和8年4月1日以後に支払われるべき通勤手当に適用される額を全区分示します。

片道の通勤距離1か月の非課税限度額
2km未満全額課税
2km以上10km未満4,200円
10km以上15km未満7,300円
15km以上25km未満13,500円
25km以上35km未満19,700円
35km以上45km未満25,900円
45km以上55km未満32,300円
55km以上65km未満38,700円
65km以上75km未満45,700円
75km以上85km未満52,700円
85km以上95km未満59,600円
95km以上66,400円

片道12km、通勤手当月10,000円、駐車場代の加算等がない例なら、非課税7,300円、給与課税2,700円です。片道が10km未満から10km以上へ変わると区分が変わりますが、単に往復距離を使って上の区分に上げることはできません。

令和8年4月の改正では、片道65km以上の区分が細分化され、一定の駐車場等の料金相当額を上限5,000円で加算する区分も新設されました。駐車場等は、勤務先の周辺または通勤に利用する駅・停留所等の周辺にあるもので、利用してその料金を負担することを常例とする場合です。自宅の駐車場代を無条件に加算する制度ではありません。

施行令20条の2第1項には、通勤手当等の区分が6号あります。車と電車、有料道路、駐車場を組み合わせる人が判断できるよう、六つをまとめます。

区分非課税となる範囲
1号:交通機関または有料道路の手当最も経済的かつ合理的な通常経路・方法の運賃等。月15万円まで
2号:交通用具のみ上の片道距離別限度額。2km未満は除外
3号:交通用具と要件を満たす駐車場等距離別限度額+駐車場等料金相当額(月5,000円まで)。2km未満は除外
4号:通勤用定期乗車券最も経済的かつ合理的な通常経路・方法の定期券価額。月15万円まで
5号:交通機関・有料道路と交通用具の併用合理的な運賃等・定期券価額+交通用具の距離別限度額。合計月15万円まで
6号:併用に要件を満たす駐車場等も加わる合理的な運賃等・定期券価額+距離別限度額+駐車場等料金相当額(月5,000円まで)。合計月15万円まで

各区分は重複して控除を積み上げるものではありません。5号・6号は交通用具を使う距離が片道2km未満の人を除きます。電車と車を併用する場合、車の距離だけで距離別限度額を確認し、電車の運賃は合理的な経路・方法の金額として別に加えます。

片道12kmで、勤務先周辺の要件を満たす駐車場を毎月4,000円負担し、有料道路等の利用はない例なら、限度額は7,300円+4,000円=11,300円です。ガソリン相当の手当10,000円と駐車場代4,000円の計14,000円を支給すれば、非課税11,300円、給与課税2,700円となります。

一日違いで適用が変わるのは、改正の境目である令和8年3月31日と4月1日です。ただし判定は単純な現金支払日ではなく、4月1日以後に支払われるべき通勤手当かどうかです。3月以前に支払われるべき手当の差額を4月に追加支給したものは、新制度の適用から除かれます。

給与課税された通勤手当でも、消費税は別に判定する

通勤手当が所得税の限度額を超えたら、その超過分は消費税でも課税仕入れにならない、と考えると誤りです。国税庁の質疑応答「通勤手当、住居手当」は、通勤に通常必要な範囲内のものなら、所得税の非課税限度額を超えていても、全額を課税仕入れとする扱いを示しています。

片道12km、月10,000円の通勤手当で、駐車場加算等がない例に戻ります。所得税では7,300円が非課税で2,700円が給与課税です。それでも10,000円全体が通勤のため通常必要な範囲内と認められるなら、消費税では全体が課税仕入れとなる場合があります。非課税通勤費という給与計算上の名称を、消費税の非課税区分へ転記しないことが要点です。

出張旅費の過大部分とは扱いが異なることにも注意します。出張旅費は旅行について通常必要な範囲を超える部分が問題となり、通勤手当は通常必要な額であっても距離別の所得税限度額を超えることがあります。両方を一つの交通費精算ルールで判定すると、この差が見えなくなります。

ガソリン代の確認順序:用途で事業分を確定し、科目を揃え、ガソリンと軽油の税区分を確認する。従業員への支給では出張と通勤を分け、所得税の非課税範囲と消費税の仕入税額控除をそれぞれ判定します。

税込・税抜と消費税額を計算する

よくある質問

Q. ガソリン代は旅費交通費と車両費のどちらが正しいですか?

A. 業務に必要な支出であることを確認したうえで、移動費をまとめるなら旅費交通費、車両の使用・維持費をまとめるなら車両費という選び方があります。同じ性質の支出は同じ科目で継続処理し、必要ならガソリンの補助科目を設けます。

Q. 消耗品費で処理すると間違いになりますか?

A. 消耗品費という名称だけで誤りにはなりません。国税庁の手引きにもガソリンは消耗品購入費の例として挙げられています。燃料費の分析が必要な事業では、別科目または補助科目で区分すると確認しやすくなります。

Q. ガソリン税を消費税の対象から外してよいですか?

A. ガソリン税相当額は販売価額の一部として消費税の計算対象に含まれます。軽油引取税について一定条件で認められる課税標準からの除外を、ガソリン税に当てはめることはできません。

Q. 軽油引取税は必ず消費税の対象外ですか?

A. 必ずではありません。請求書等での明確な区分と、特別徴収義務者またはその委託を受けた販売者による販売という条件を確認します。国税庁は、特別徴収義務者に該当しないサービスステーション等の販売では控除できないと注記しています。

Q. 従業員のガソリン代を実費精算すれば全額非課税ですか?

A. 国内出張の旅費なら、通常必要と認められる範囲かを確認します。通勤に対する支給なら、距離・駐車場・交通機関等による非課税限度額を確認し、超える部分を給与として課税します。実費という名目だけでは全額非課税になりません。

Q. 給油レシートに会社名がなくても使えますか?

A. 適格簡易請求書の要件を満たすレシートであれば、宛名を省略できます。発行者名と登録番号、取引日、取引内容、税率ごとの合計額、消費税額等または適用税率を確認し、帳簿とともに保存します。

Q. ガソリン代は半分を経費にしておけばよいですか?

A. 一律50%という法定基準はありません。個人事業主が事業と私用で同じ車を使う場合は、業務走行距離と総走行距離等の記録から、実態に合う合理的な割合で分けます。前年と使い方が変われば割合の根拠も見直します。

出典

本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。個別の判断は税務署・税理士にご確認ください。

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