中小企業成長加速化補助金|3次公募の要件・対象経費・申請資料
中小企業成長加速化補助金は、将来の売上高100億円を目指す中小企業の大胆な投資を支援する制度です。
3次公募の受付期間は2026年9月29日から11月12日15時までで、申請はJグランツで完了させます。
申請前は宣言の公表、対象投資、賃上げ計画、日本国内での事業実施を照合します。採択後は交付決定を受けてから発注し、報告と設備管理まで続けます。
確認日: 2026-10-30。この記事は3次公募の単独申請を中心に、公募要領Ver1.4と交付規程を整理しています。共同申請・リースは別の条件があるため、公式資料の該当箇所も確認してください。
申請前に確認する制度の全体像
3次公募の補助率は補助対象経費の1/2、補助上限は5億円です。
| 段階 | 会社側の確認 | 経理が用意する資料 |
|---|---|---|
| 応募前 | 対象者・宣言・投資・賃上げ・国内実施 | 決算資料、見積明細、給与実績 |
| 応募時 | 指定様式と電子申請 | 計画書と別紙の数値照合 |
| 採択後 | 交付申請、交付決定の通知 | 経費明細、見積と選定根拠 |
| 事業実施 | 交付決定後の発注、期間内完了 | 契約、納品、検収、振込の証拠 |
| 完了後 | 実績報告、額確定、精算 | 支出明細、取得財産の管理資料 |
| 入金後 | 報告義務の有無と期限、財産管理 | 賃金台帳、決算資料、設備台帳 |
補助金の仕訳や圧縮記帳の検討は、補助金の仕訳で扱います。
申請対象と宣言の公表を確認する
3次公募の単独申請では、売上高と中小企業者の範囲を確認します。売上高は、12か月未満の事業年度を除いた直近決算期または直近3期平均で10億円以上100億円未満です。公募要領の中小企業者の範囲に当たることも確認します。
短い決算期がある場合は、公式FAQの売上高に関する回答に沿って事務局へ確認します。
申請者は、日本国内の本社・事業実施場所、収益事業、国内金融機関口座と日本円での精算、事業遂行体制と資金管理能力なども確認します。
資本金や従業員数が中小企業の範囲でも、みなし大企業の判定、課税所得、みなし同一法人、不支給要件で対象外になる場合があります。
主な確認項目を挙げています。対象者の判定は、公募要領「補助対象者」の業種別定義・出資関係・不支給要件まで確認します。企業グループの共同申請は、個社の売上だけで対象外と判断しません。
3次公募では、リース会社を除く補助事業者の100億宣言が、補助金の応募申請時までに公式ポータルで公表されている必要があります。
宣言の提出と補助金の応募は別手続きです。公表済みかを公式ポータルで確認してから応募資料を整えます。
宣言の公表には通常2〜3週間かかり、不備がある場合はさらに時間を要します。未公表なら、補助金の締切に間に合うか事務局へ確認します。宣言の受付と公表、補助金の応募受付を同じものとして扱わないことが大切です。
投資額と補助対象経費を分ける
3次公募の投資額要件は、資産計上する建物費・機械装置費・ソフトウェア費の補助対象経費の合計が税抜き1億円以上です。
外注費・専門家経費は投資額要件に算入せず、その補助対象経費の合計は投資額未満とします。生産能力等が向上しない更新投資は認められません。
たとえば見積明細に設備費と申請支援費が混在している場合、見積総額のまま投資額要件を判定しません。対象資産と対象外の支出を分けたうえで、資産計上の区分を確認します。
3次公募では、補助対象の建物・機械装置・ソフトウェア等は税抜き単価100万円以上が条件です。この表は単独申請の確認例で、リース会社との共同申請による購入費補助は扱いません。
| 区分 | 確認する支出の例 | 注意点 |
|---|---|---|
| 建物費 | 専用施設の建設・増築・改修、中古建物取得等 | 土地代、単なる購入・賃貸、構築物等は対象外 |
| 機械装置費 | 専用機械・工具器具の購入、製作、借用等 | 車両には例外あり。中古・借用は下の注を確認 |
| ソフトウェア費 | 専用システム購入・構築、借用、クラウド等 | 他事業との共用や端末本体は対象外 |
| 外注費 | 設計・加工等の発注内容を確認 | 書面契約と資産計上区分を確認 |
| 専門家経費 | 資産取得に必要な依頼内容を確認 | 謝金単価・見積・旅費の基準を確認 |
建物取得にリース会社を利用する場合は建物費が対象外です。中古建物は見積書と業者選定理由書が必要です。中古設備は古物商許可の中古品流通業者3者以上による型式・年式付き相見積が必要です。借用・クラウドは交付決定後の契約で事業期間分が対象です。クラウドは必要最低限の経費に限ります。外注費は書面契約が必要で、資産計上する設計費は資産区分に分けます。専門家経費の支出先へ外注費を併せて支出することはできません。販売目的のソフトウェア構築や、減価償却資産に組み入れられない撤去・解体費用も対象外です。
専門家の謝金単価・複数見積・旅費などの基準は、公募要領「対象経費」で確認します。
車両には、事業所内だけを走行して公道を自走できないもの等の除外例外があります。固定されたトレーラーハウスやクレーン等も、建物・機械装置の要件を満たせば対象になり得るため、公式FAQの車両に関する回答と資産区分を確認します。
社内の整理例として、見積明細に対象資産、税抜金額、資産計上区分、導入場所、必要性、支払予定の列を設けます。
同じ仕様の相見積と選定根拠も残します。最低価格以外の業者を選ぶ場合や相見積を取れない場合は、選定理由と価格妥当性の資料を準備します。消費税の取扱いは申請者の課税区分等で異なります。税込見積をそのまま申請額に転記せず、公募要領の消費税の節と照合します。
賃上げ計画は基準と目標を分ける
短期決算がなく各事業年度が12か月の会社は、3次公募の賃上げ要件として、補助事業完了年度から3事業年度後の対象従業員当たり給与支給総額の年平均上昇率4.5%以上が必要です。
賃上げの申請目標は、従業員の給与支給総額か1人当たり給与支給総額を応募時に選びます。給与総額を選んでも従業員当たりの基準を満たす必要があります。応募後は目標を変更できません。
基準年度は補助事業完了年度です。12か月未満なら次の12か月の事業年度を使います。最終年度は基準年度から短い決算期を除いた3事業年度後です。
給与の集計範囲や除外する支給額は、公式FAQの給与支給総額の回答を確認し、賃金台帳と対応させます。
賃上げ目標を達成できなかった場合は未達成率に応じた返還対象ですが、天災など事業者の責めに帰さない理由がある場合は返還を求めない扱いです。
目標未達に対する返還とは別に、全額返還等となる場合があります。
3次公募の比較年度と、全額返還等の主な確認項目を示します。比較先は応募時の直近事業年度です。応募時に12か月分の確定決算がない場合は、申請日を含む事業年度とします。比較先が12か月未満なら次の12か月の事業年度を使います。給与低下による返還は、天災など事業者の責めに負わない理由がある場合は求めない扱いです。
| 項目 | 確認する条件 |
|---|---|
| 申請目標に選んだ給与指標 | 基準年度の額が比較先を下回っていないか |
| 給与総額を目標にした場合の追加確認 | 従業員当たり給与も、基準年度の額が比較先を下回っていないか |
| 目標の表明 | 選択した給与指標の最終年度額と目標年平均上昇率を、交付決定までに従業員全員または代表者と役員へ表明したか |
表の条件に反することを補助金の交付前に確認した場合は不交付となります。詳しい比較の図は公式FAQの返還に関する回答で確認できます。
経理側では、申請時の目標指標、比較する決算期、対象従業員、給与集計の内訳を保存します。総額と従業員当たりの集計を取り違えないよう、応募資料と同じ区分で管理します。
応募資料と審査の準備
共通の応募資料は投資計画書、別紙、ローカルベンチマーク、決算書類を準備します。金融機関確認書は投資計画の確認を受けた場合、リース関係書類はリース会社との共同申請の場合に添付します。
投資計画書は3次公募の指定様式を使い、40ページ以内のPDFで提出します。別紙はExcel形式で、計画書・別紙・確定決算の数値を一致させます。3次公募のJグランツ提出ファイルは30MBを超えない容量にします。
| 担当 | 照合する内容 |
|---|---|
| 経営者・事業責任者 | 投資の目的、売上・付加価値の計画、地域への波及 |
| 経理 | 決算資料と計画別紙の金額・単位、資金の裏付け |
| 人事・給与担当 | 賃上げ目標、対象従業員、賃金台帳との対応 |
| 設備・購買担当 | 仕様、見積、納期、設置場所、検収と支払予定 |
審査は書面審査を経て、通過した申請の経営者によるプレゼンテーション審査へ進みます。経営者は代表権を有する方を指し、経営力・波及効果・実現可能性が審査されます。
審査用の数値は、設備を入れたら売上が伸びるという説明だけで終わらせず、販売先・生産能力・調達先・資金の根拠を関連づけます。応募資料の不足や数値の食い違いを、提出前に担当者間で確認します。完了前の「足下の賃上げ」は、評価水準・従業員への表明時期・実績確認の扱いを公募要領の審査内容で確認します。被災事業には所定の配慮措置もあるため、該当する場合は同節を確認します。
採択から交付決定・支払まで
採択は交付決定ではありません。採択後に交付申請を行い、経費の精査を経て交付決定を受けます。
3次公募では採択決定日から2か月以内に交付申請を行います。特段の事情で間に合わない可能性がある場合は、事前に事務局へ相談します。連絡がなければ採択が取り消される可能性があります。
3次公募の事業期間は、交付決定日から24か月以内または事務局の別途期日前の、申請した事業完了予定日までです。事故報告後の指示により期限を変えられる場合があります。期限内に納品・検収・支払等を終えます。自己の責任によらない理由で期間内の完了が見込めない場合や遂行困難な場合は、速やかに事故報告を行い事務局の指示を受けます。
交付決定前の契約・発注に係る経費は対象外です。書面や口頭で発注意思を伝える内示も発注に含まれます。見積取得と発注を分けて管理します。
補助金は事業完了・実績報告・額の確定後の精算払いが基本で、確定額は交付決定額を下回る場合もあります。概算払いは、特に必要と認められ、進捗・支払行為・交付要件等を確認して所定手続を経た部分について行われることがあります。ただし、応募・交付申請で概算払いを前提にした計画は認められません。
設備の代金と補助金の受取時期にはずれがあるため、自己資金や借入を含めて資金繰りを確認します。見積、契約、納品、検収、振込が同じ設備にひもづくよう資料を保存します。
ほかの補助金を検索する入金後に残る報告と設備管理
入金後も事業化・賃上げの報告と設備管理が続きます。3次公募の事業化・賃上げ報告は、12か月未満の事業年度なら次の12か月の事業年度を対象とします。事業計画の全部廃止が承認された場合は、廃止日の属する年度以降の事業化・賃上げ報告が不要になります。
| 報告 | 提出期限・期間 | 例外・追加対応 |
|---|---|---|
| 実績報告 | 完了日(廃止承認を含む)から30日経過日と事業期間終了日の早い方まで | 事務局が理由を事前確認し、適正と認めた場合は猶予可能 |
| 事業化・賃上げ報告 | 完了年度終了後を初回に以降5年間・計6回、毎事業年度終了後60日以内 | 事務局が必要と認める場合は期間終了後も追加報告 |
補助事業の帳簿・証拠書類は、事業化報告期間終了日の属する事業年度の終了後5年間、閲覧できる状態で保存します。設備台帳と報告期限を引継資料に残します。
3次公募の処分制限財産は、取得価格または効用増加価格が税抜き単価50万円以上の機械・器具その他の財産です。
処分制限財産を制限期間内に処分するときは事前承認が必要です。ただし、災害で使用不能となった場合や立地・構造上危険な場合の取壊し・廃棄には、報告で承認とみなせる扱いがあります。処分には目的外使用・譲渡・貸付・廃棄等を含みます。処分時はその財産に係る補助金額を限度として納付を命じられることもあります。
計画変更、無断の目的外使用、虚偽報告、実績・事業化報告の未提出等は、内容により交付決定取消しや返還につながります。加算金を伴う返還もあるため、返還元本だけで負担を見積もりません。変更や廃止、設備の移設・処分は先に事務局へ確認します。
担当交代時は、採択・交付の通知、申請した計画、今後の報告期限、設備の所在、変更承認の履歴を引き継ぎます。設備を売却してから補助金の制限に気づくことを防ぐため、取得財産台帳にも処分制限の確認先を残します。
よくある質問
採択されたら設備を注文できますか?
交付決定前の契約・発注に係る経費は対象外で、書面や口頭で発注意思を伝える内示も発注に含まれます。見積取得と発注を分けて管理します。
宣言の申請を出しただけで応募できますか?
宣言の提出だけでは足りません。リース会社を除く補助事業者は、補助金の応募申請時までに宣言が公式ポータルで公表されている必要があります。
給与総額で賃上げ目標を選べばよいですか?
給与総額を選ぶことはできますが、従業員当たり給与の基準を省略できません。申請目標の選択と、従業員当たり給与の基準の達成を分けて確認します。
入金後は管理を終えられますか?
入金後も事業化・賃上げの報告や財産管理が続きます。設備の処分や目的外使用は、交付規程の承認・報告・納付条件を事前に確認します。
出典
本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の税務・労務相談には応じられません。実際の申請は最新の公募要領・交付規程を確認し、事務局へお問い合わせください。