税金・経理・補助金ツールズ

営業外収益とは?勘定科目・仕訳と売上高、特別利益との違い

営業外収益は、本業以外の利息・配当などのうち、特別利益に当たらない収益を、損益計算書で売上高と分けて示す区分です。

仕訳の科目名だけで決めず、「自社の本業か」「特別利益に当たるか」「内容別に分けて表示するか」の順で確かめます。この記事は、日本基準の一般事業会社の年次の単体決算を想定した、科目と表示の参照表です。

営業外収益の勘定科目一覧

営業外収益は区分の名前で、受取利息・受取配当金などが、その内訳を示す科目です。帳簿に残す科目と、決算書の表示区分を分けて確認します。

次は、本業以外の活動から生じる営業外収益の代表例です。特別利益に記載することが適当なものは除きます。有価証券は保有目的により処理が変わるため、売買目的の例を他の保有区分に当てはめません。

営業外収益の科目と確認点
科目対象となる収益の例分類前の確認点
受取利息預金や貸付金からの利息元本の返済と利息を分ける
有価証券利息保有する公社債などの利息証券の利息と売却損益を区別する
受取配当金保有株式の配当支払通知で配当額と控除額を確認する
有価証券売却益・評価益売買目的有価証券の売却益・期末評価益売買目的かを確認。評価損益を売却損益に含める表示もある
仕入割引仕入代金を期日前に支払ったことによる割引割引の理由と決済条件を契約で確認する
投資不動産賃貸料本業以外で保有する不動産の賃貸収入賃貸自体が本業なら売上高・営業収益側で考える
為替差益外貨建売掛金などの決済・換算による差益決算では差損との純額表示と特別損益の例外を確認する
雑収入営業外収益のうち、一括表示が認められる収益取引の中身を記録し、一括表示の条件を確認する

科目の根拠は、財務諸表等規則の営業外収益の表示規定と、金融庁「財務諸表等規則ガイドライン」の営業外収益の項です。為替差損益の扱いは仕訳例の下で説明します。

雑収入は営業外収益と対立する分類ではなく、その内訳の科目として使います。補助金や保険金などの内訳と税務は、雑収入の解説で確認できます。

売上高・特別利益との境界

収入の種類が同じでも、会社の事業と取引の目的によって置き場所が変わります。「不動産に関する収入だから営業外」「本業以外だから全部営業外」とは判断できません。

次は年次決算の区分例で、営業外収益は特別利益への表示が適当なものを除きます。特別損益項目でも、金額が僅少なもの、または毎期経常的に発生するものは経常損益計算に含められます。

取引の実態による区分の違い
取引の例考える区分境界になる点
不動産賃貸業の賃料売上高・営業収益賃貸が本業として行われている
製造会社の余剰不動産の賃料営業外収益本業以外の賃貸で、特別利益に当たらない収益
販売用の不動産を通常の商品として売る売上高販売するための資産で、本業の商品販売に当たる
自社で使っていた固定資産を売る売却益は特別利益販売用の商品ではなく固定資産の売却
余剰資金の預金から利息を受け取る営業外収益一般事業会社の本業以外の利息収入

特別利益に属する固定資産売却益などは、財務諸表等規則の特別利益の表示規定が別に定めています。金額が大きくなっただけで、受取配当金などを特別利益に移すものではありません。

また、「毎期繰り返すか」だけでは分類しきれません。資産の保有目的や収益の性格を確認してから、重要性に応じて表示を決めます。金融業などの特殊な業種の表示には、この記事の一般事業会社の表をそのまま使いません。

取引の実態で分類する 本業の収益売上高・営業収益 本業以外(特別利益を除く)営業外収益 特別利益に区分する収益特別利益
本業以外の収益のうち、特別利益に該当するものは営業外収益から分けます。一般事業会社の分類を確かめるための図です。

営業外収益は営業利益そのものではありません。営業損益に営業外収益を加え、営業外費用を引いたものが経常損益です。計算全体は営業利益と経常利益の違い、決算書の並びは損益計算書の見方で確認できます。

受取利息・配当・為替差益の仕訳例

仕訳では、利息・配当などの収益は貸方に置きます。ただし、入金額がそのまま収益額とは限りません。貸付金の元本返済や、すでに計上した未収金の回収を収益に重ねて記帳しないよう、入金の内訳を確かめます。

以下は法人の仮設例で、金額は円です。貸付利息は当期の未収計上と仮定します。配当は未収計上がなく、源泉徴収の対象外のものと仮定します。為替の例は手数料・ヘッジ会計の影響がなく、決済直前の売掛金帳簿額と入金額を比較します。

収益計上と決済の仮設仕訳
取引の仮定借方貸方
当期分の貸付利息が確定し、未収計上する未収収益 10,000円受取利息 10,000円
源泉徴収の対象外の配当が入金する普通預金 30,000円受取配当金 30,000円
外貨建売掛金の帳簿額140,000円を150,000円で回収する普通預金 150,000円売掛金 140,000円
為替差益 10,000円

預金利息や配当から税金が差し引かれる場合は、支払通知を見て収益額と入金額を区別します。源泉徴収の扱いは取引によって異なるため、上の配当の仮設例を、税金が引かれる入金にそのまま使いません。詳しくは雑収入の解説にある法人税・受取利息の項と、受取配当等の益金不算入へ進めます。

為替は個別の仕訳と決算表示を分ける

外貨建金銭債権債務等の決済差損益と換算差損益は、差益と差損を相殺した純額で表示します。差益の仕訳があっても、決算期間全体では差損が上回ることがあります。

営業外損益としての表示には例外があります。経常取引以外の取引が要因で金額に重要性がある場合、または特殊な要因で一事業年度に異常かつ多額に発生した場合は、特別損益に表示します。

根拠は企業会計基準委員会「外貨建取引等の会計処理に関する実務指針」の為替差損益の表示の項です。ヘッジ会計や在外子会社の為替換算調整勘定は、上の単純な決済例の対象外です。

独立掲記と雑収入への一括表示

まず収益の区分を決め、その後に内訳を分けて表示するかを判断します。雑収入にまとめられるかと、営業外収益・特別利益のどちらに入るかは、別の問題です。

財務諸表等規則の年次財務諸表では、各収益が営業外収益総額の10%以下で、かつ一括表示が適当と認められる場合に、まとめた名称で表示できます。金額の条件だけで一括表示が決まるわけではありません。

この割合の分母は営業外収益の総額です。売上高や経常利益を分母にしません。また、帳簿で「雑収入」に集まった額だけを見るのではなく、その中の収益を種類別に分けて確かめます。

次は、財規の年次財務諸表への適用を仮定した仮設例です。営業外収益の総額は100万円とします。表の為替差益と少額の雑収益は、各収益の一括表示が適当と認められると仮定します。

営業外収益を種類別に分けた表示確認例
収益の種類仮定の金額表示の確認
受取配当金60万円独立した科目で表示する
受取利息30万円独立した科目で表示する
為替差益8万円この仮定では一括表示ができる
少額の雑収益2万円この仮定では一括表示ができる

会社計算規則の営業外収益の区分には、財規と同じ割合による一括表示基準は書かれていません。財規は金融商品取引法に基づく提出財務書類についての規則であり、会社の大きさだけで適用の有無を決めません。

自社の決算書を作るときは、適用する会計基準と作成目的を確認します。そのうえで、帳簿は取引の種類を追える科目・補助科目で記録し、決算書へ出す段階で集約すると、内訳の確認がしやすくなります。

月次・決算で確認する資料

月次では入金の中身、決算では未収計上・保有目的・表示の集約を順に確認すると、仕訳と決算書を結び付けられます。摘要が「入金」「雑収入」だけでは、後から区分を確かめにくくなります。

分類を確かめるための資料と確認例
資料確認する内容帳簿に残す情報の例
利息・配当の支払通知対象期間、総額、控除額、入金額相手先、対象期間、未収計上の有無
証券の取引・残高明細保有目的、帳簿価額、売却額、評価額銘柄、保有区分、損益の計算資料
外貨の売掛金元帳・入金明細決済直前の円貨帳簿額と実際の入金額外貨額、適用相場、換算履歴、手数料
賃貸借契約書・事業の管理資料本業としての賃貸か、余剰不動産の運用か賃貸対象、期間、事業区分
科目別の決算内訳営業外収益の種類別金額と集約の適当性独立掲記した科目と、まとめた収益の内訳

これらは表示を確かめるための実務上の確認例です。特定の帳票名や保存年限を追加で義務付ける一覧ではありません。

営業外収益が増えた場合も、総額だけで「好調」「不健全」と判断せず、配当・利息・為替などの増減理由を見ます。本業の採算は営業利益と並べて確認します。

商品の採算を調べるときは、営業外収益を売上に混ぜず、商品売上と原価を分けて使います。

商品の粗利率・原価率を計算する

分類は取引の実態から、表示は適用基準から確認します。本業の収益、営業外収益、特別利益を分けたうえで、営業外収益の内訳を内容に合った科目で示します。少額だからという理由だけで、取引の中身を分からなくしないことが実務上の要点です。

よくある質問

営業外収益と雑収入はどう違いますか?

営業外収益は損益計算書の区分、雑収入はその内訳に使う科目です。少額の収益をまとめる場合も、元の取引内容を確認できるように記録し、適用基準に沿って表示します。

営業外収益は売上高に含めますか?

営業外収益に分類したものは、売上高とは分けて表示します。ただし、本業として行う賃貸のように営業収益に当たるものを、名称だけで営業外収益にしないよう注意します。

営業外収益が大きいと特別利益になりますか?

金額が大きいだけでは特別利益になりません。固定資産売却益などの収益の性格や適用基準で区分を確かめ、その後に科目を分けるか、まとめるかを判断します。

為替差益は売上高を増やしますか?

通常の外貨建売掛金の決済で生じる為替差益は、売上高への上乗せではなく為替差損益として処理します。損益計算書では差益と差損の純額を示し、営業外損益と特別損益の区分は上の例外条件も確認します。

営業外収益の科目を決めれば消費税区分も決まりますか?

決まりません。消費税は収益の科目名ではなく取引内容で確かめます。利息、賃貸料、補助金などをまとめて同じ税区分にせず、雑収入の消費税の解説で取引ごとに確認できます。

次に読む

出典

本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。個別の判断は税務署・税理士にご確認ください。