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スマホで確定申告するやり方 — マイナンバーカードなしの道は、令和7年10月1日に1本減った

結論から言うと、これから初めてe-Taxを使う人が、スマホだけで申告書の作成から送信まで終えられるのは、原則マイナンバーカード方式です。実物のカードをスマホで読み取るか、スマホに追加した「スマートフォンのマイナンバーカード」で本人確認をして、国税庁の確定申告書等作成コーナーからe-Taxへ送ります。既にID・パスワード方式の届出を済ませている人は、スマホの作成コーナーからID・パスワード方式でも送信できます。国税庁のスマホ申告ご利用ガイド(詳細版)の推奨環境も、AndroidとiPhoneの両方について、マイナンバーカード方式とID・パスワード方式の双方でe-Tax送信ができると示しています。カードがない人の道は3つに分かれます。①届出済みの人だけが使えるID・パスワード方式、②スマホで作成して印刷し、郵送か窓口で出す書面提出、③カードを取得してからマイナンバーカード方式で送る方法です。

①には注意点があります。国税庁は令和7年9月25日に、ID・パスワード方式は「マイナンバーカードが普及するまでの暫定的な対応」であるとして、令和7年10月1日からID・パスワードの新規発行を停止しました。これから初めてe-Taxを使う人がカードなしで送信する道は、一般にはもう開いていません。さらに、令和9年分の確定申告からは利用できなくなる予定であるとも案内されています。

この記事は、2026年9月8日時点で公開されている令和7年分の確定申告書等作成コーナー(2026年2月から3月に提出した年分。還付申告は現在も提出できます)と、e-Tax・デジタル庁の案内を基に整理しています。令和8年分(2027年2月から3月に提出する年分)の作成コーナーはまだ公開されていないため、対応範囲が変わる可能性がある箇所は年分を添えて書いています。

スマホだけで送信まで完結するのはカード方式と、届出済みのID・パスワード方式。カードなしの道は3つ

スマホでの確定申告は「作成」と「提出」を分けて考えると整理できます。作成は、国税庁の確定申告書等作成コーナーをスマホのブラウザで開けば、カードの有無に関係なく誰でも進められます。分かれ目は提出の段階です。e-Taxへ送信するには本人確認の仕組みが要り、作成コーナーで選べるのは「e-Tax(マイナンバーカード方式)」「e-Tax(ID・パスワード方式)」「書面」の3つです。

マイナンバーカード(実物 または スマートフォンのマイナンバーカード)はある? はい いいえ マイナンバーカード方式 スマホだけで作成から送信まで完結 ID・パスワード方式の届出を 既に済ませている? はい いいえ ID・パスワード方式 令和9年分から利用不可の予定 申告期限までに カードを取得できる? はい いいえ カード取得後に マイナンバーカード方式で送信 書面提出 スマホで作成・印刷し、郵送か窓口へ どの道でも作成は確定申告書等作成コーナー。分かれるのは提出の本人確認だけ e-Taxで送った場合は、受信通知の確認までが提出(本文「受信通知」の節) 令和7年分の作成コーナー・e-Taxの案内(2026年9月8日確認)に基づく
判定の順序は、カードの有無、届出の有無、期限までにカードを取れるか。届出をしていない人がカードなしでe-Taxへ送る道は、新規発行の停止で閉じています。

3つの方式を、本人確認の仕組み、手元に必要なもの、書類の扱い、提出の証拠で比べると次のとおりです。

方式本人確認の仕組み手元に必要なもの提出の証拠これから始める人
e-Tax(マイナンバーカード方式)カードまたはスマホの電子証明書で電子利用者証明を行う。本人確認書類の写しは不要カード読取対応のスマホ、マイナンバーカード(またはスマホのマイナンバーカード)、パスワード2種メッセージボックスの受信通知利用できる
e-Tax(ID・パスワード方式)税務署が事前に本人確認した利用者識別番号と暗証番号を入力する。本人確認書類の写しは不要届出完了通知に記載の利用者識別番号と暗証番号メッセージボックスの受信通知。ただし個人がID・パスワードでログインすると詳細を開けないため、送信直後の受付結果の画面も保存しておく新規発行は停止。届出済みの人のみ
書面提出申告書に番号確認書類と身元確認書類の写しを添付する印刷手段(自宅プリンタ、コンビニ等のプリントサービス)郵便の通信日付印、窓口の提出日。控えに収受日付印は押されない利用できる

「スマホで確定申告できる」という案内は、多くの場合マイナンバーカード方式を前提にしています。カードがない人がその案内を読んで作成を始めると、提出方法の選択で止まります。先に自分がどの行に当たるかを決めてから作成に入ると、入力した内容を保存し直す手間がなくなります。

電子署名等に代わる措置は省令6条1項。個人のスマホ申告に効くのは2号と3号

方式が3つに分かれる理由は、国税庁の運用ではなく省令の構造にあります。電子申告の根拠は、情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律(情報通信技術活用法)6条と、国税関係法令に係る情報通信技術を活用した行政の推進等に関する省令(平成15年財務省令第71号)です。省令5条1項は、申請等の情報に電子署名を行い、電子証明書と併せて送信することを本文で求めています。e-Taxのページが「原則、電子証明書による電子署名が必要」と説明しているのはこの規定です。

そのうえで、情報通信技術活用法6条4項は、署名等を「氏名又は名称を明らかにする措置であって主務省令で定めるもの」で代えられるとし、省令6条1項がその措置を4つ列挙しています。1号は電子署名と電子証明書の送信そのもの、4号は国税庁長官の認定を受けた電子計算機の「特定ファイル」に申請等情報を記録し、税務署長に閲覧と記録の権限を付与する方式(省令5条の2)で、いずれも個人がスマホの作成コーナーから選ぶものではありません。個人の申告で効くのは2号と3号で、それぞれID・パスワード方式とマイナンバーカード方式に対応します。2号は次のとおりです。

第四条第二項の規定により通知された識別符号及び暗証符号を入力して申請等を行うこと。

識別符号が利用者識別番号、暗証符号が暗証番号です。3号は個人番号カードと「移動端末設備」を並べています。

電子情報処理組織の利用の際に個人番号カード又は移動端末設備を用いて電子利用者証明を行い、申請等を行うこと。

移動端末設備とは、電子署名等に係る地方公共団体情報システム機構の認証業務に関する法律16条の2第1項に定める、電子証明書を組み込んだスマートフォンのことです。つまり、スマホ用電子証明書での送信は、令和8年12月1日を待つ改正ではなく、令和7年4月1日施行版の省令で既に個人番号カードと同列に置かれています。

省令5条1項ただし書1号は、個人番号カードまたは移動端末設備で電子利用者証明を行う場合には、識別符号と暗証符号の入力を要しないと定め、さらに「あらかじめ当該申請等を行う者が本人であることを確認するための措置として国税庁長官が定めるものがとられている場合」には電子署名と電子証明書の送信も要しないとしています。作成コーナーで送信時にパスワードを何度も求められるか、生体認証だけで済むかは、この括弧書きの運用の違いです。

ID・パスワード方式は「暫定的な対応」。令和7年10月1日に新規発行が止まった

ID・パスワード方式は、確定申告書等作成コーナーでのみ利用できる送信方式です。税務署の職員が対面で運転免許証などにより本人確認をしたうえで届出を送信すると、利用者識別番号が発行され、メッセージボックスに「ID・パスワード方式の届出完了通知」が格納されます。国税庁の本人確認書類の一覧でも、この届出完了通知に記載された利用者識別番号と暗証番号が、オンラインの本人確認手段として明記されています。

この方式について、国税庁は令和7年9月25日付(令和7年10月14日更新)の文書で、次の経緯を説明しています。

e-Taxの案内ページには、ID・パスワード方式は令和9年分の確定申告から利用できなくなる予定であると書かれています。届出済みの人にとって、令和8年分の申告がこの方式で送れる最後の年分になる見込みですが、令和8年分の作成コーナーの公開時に確認が必要です。なお、利用者識別番号の新規取得そのものとe-Taxへのログインは引き続き可能で、止まったのはID・パスワード方式の届出に基づく発行です。

届出済みの人が使い続ける場合にも、次の制約があります。

制約内容影響
メッセージボックスの閲覧閲覧には電子証明書が必要。個人がID・パスワードでログインすると、鍵マークの付いたメッセージの詳細は開けない受信通知の詳細や送信した帳票を後から開けない。送信エラーの内容は認証なしで確認できる
使える場所確定申告書等作成コーナーの送信のみe-Taxソフト(WEB版)で作る申請や届出には使えない
住宅ローン控除の証明書令和7年分の作成コーナーは、年末調整用の住宅借入金等特別控除証明書についてe-Taxによる通知を希望する人で、ID・パスワード方式により提出する人を利用できない人に挙げている証明書の電子通知を受けたい年分は、マイナンバーカード方式か書面の通知を選ぶ

ID・パスワード方式で送った人は、送信直後に表示される受付結果の画面と申告書の控えを、その場で保存しておきます。受け付けた事実を記録しているのはメッセージボックスの受信通知ですが、その詳細を後から開くには電子証明書が要るためです。後からメッセージボックスを開こうとしてカードが必要だと分かるのが、この方式で起きやすいつまずきです。

カードもIDもない人は、スマホで作って紙で出す

カードを持たず、ID・パスワード方式の届出もしていない人でも、確定申告書等作成コーナーの入力機能はそのまま使えます。提出方法の選択で「書面」を選び、作成した申告書をPDFで保存して印刷し、郵便・信書便で送るか、税務署の窓口や時間外収受箱に出します。作成コーナーの操作としては、「税務署への提出方法の選択」画面で「提出方法を変更する方はこちら」を押すと「書面」のボタンが表示されます。

印刷は、A4サイズの普通紙に白黒またはカラーで片面印刷し、提出用の申告書の隅3か所にある黒い四角形(3点マーク)が正方形で、用紙の端にかかっていないことを確認します。国税庁のスマホ申告ガイドは、自宅のプリンタにPDFを送る方法と、コンビニ等の有料プリントサービスで印刷する方法の2つを挙げています。

書面提出で必要になるのが、本人確認書類の写しです。e-Taxで送信する場合は添付不要ですが、書面では申告者本人の分の写しを添付します。カードがない人は、番号確認書類と身元確認書類を組み合わせます。

確認の種類カードがある人カードがない人の例
番号確認マイナンバーカード通知カード(記載の氏名・住所が住民票と一致する場合に限る)、番号付きの住民票の写し
身元確認マイナンバーカード運転免許証やパスポート等の写真付き身分証明書。提示できない場合は、資格確認書と源泉徴収票などの写真付きでない書類を2つ以上

通知カードは令和2年5月25日に廃止されていますが、記載内容が住民票と一致している限り番号確認書類として使えます。引っ越しや結婚で住所・氏名が変わっている場合は、通知カードでは番号確認ができません。

提出日の扱いは、e-Taxと書面で違います。郵便または信書便で送った申告書は、通信日付印に表示された日が提出日とみなされます。期限当日の投函でも、最終取集後なら翌日の日付印になることがあります。また、令和7年1月から、申告書の控えに収受日付印は押されません。控えは自分で作成・保管し、提出年月日を記録します。郵送の根拠条文と提出方法ごとの記録の違いは、確定申告のやり方で扱っています。

カードの交付申請中で、交付を待ってから申告すると期限に間に合わない可能性がある人にも、国税庁は書面提出を案内しています。申告期限の間際に電子証明書の有効期限切れが分かった場合も同じで、作成方法を書面に切り替えて印刷して提出します。カードを取ったうえで還付申告を後日e-Taxで行うという分け方も、申告義務のない人の還付申告が翌年1月1日から5年間できる制度の範囲で可能です。

スマホのマイナンバーカードは「カードを取らずに済む」ではなく「かざさずに済む」

「スマホ用電子証明書があればカードなしで申告できる」という説明は、半分だけ正しい表現です。デジタル庁の案内では、「スマートフォンのマイナンバーカード」をiPhoneやAndroid端末に追加するときに、実物のマイナンバーカード、券面事項入力補助用暗証番号(数字4桁)、署名用パスワード(英数字6から16文字)が必要です。追加した後は、e-Taxでの申告書の作成と送信をカードをかざさずに行え、利用者証明用のパスワード入力の代わりに生体認証が使える機種もあります。カードを持っていない人が使える仕組みではなく、カードを取得した人の手間を減らす仕組みです。

端末名称提供開始e-Taxでの扱い注意点
iPhoneiPhoneのマイナンバーカード2025年6月24日国税庁は令和8年1月からe-Taxで利用できると案内iPhone XS以降、iOS 18.5以上。券面事項入力補助機能は生体認証でのみ利用
AndroidAndroidスマホ用電子証明書搭載サービス2023年5月マイナンバーカード方式で利用可能基本4情報が搭載されていない。2026年秋頃に「Androidのマイナンバーカード」へ刷新予定

Android版の注意点は実務に影響します。e-Taxの案内によると、Androidのスマホ用電子証明書には氏名・住所・生年月日・性別とマイナンバーが搭載されていません。そのため、e-Taxのマイページで初めて「給与所得の源泉徴収票情報の取得希望の手続」を行う場合など、基本4情報をe-Taxへ提供するときは実物のカードを読み取る必要があります。マイナポータル連携で源泉徴収票を自動入力したい人は、スマホ用電子証明書だけを持ち歩いていても初回の登録で止まります。

実物のカードで送る場合に必要なパスワードは2種類です。ロックの回数が違うので、期限間際に間違え続けると申告方法を書面に切り替えることになります。

電子証明書パスワードロック使う場面
利用者証明用電子証明書数字4桁3回連続で誤るとロックe-Taxへのログイン
署名用電子証明書英数字6から16文字5回連続で誤るとロック申告データへの電子署名

どちらか一方がロックされた場合は、スマホの専用アプリで予約したうえで、コンビニ等のキオスク端末で初期化・再設定できます。両方ロックされた場合と電子証明書が失効している場合は、市区町村の窓口です。電子証明書の有効期限は年齢にかかわらず発行から5回目の誕生日までで、カード本体の有効期限(発行時18歳以上なら10回目の誕生日)より先に来ます。マイナ保険証と同じ電子証明書を使いますが、健康保険の資格確認と電子証明書の有効期限は別の手続です。保険証として使えていることを期限内の裏づけとはせず、有効期限そのものを確かめ、期限が近い年は更新してから申告に入ります。

作成コーナーは11段階。提出方法の質問に「いいえ」と答えた時点でカード方式は消える

国税庁のスマホ申告ご利用ガイド(令和7年分)は、所得税の確定申告書の作成を11の段階で示しています。順に並べると、作成開始、マイナンバーカードの読み取り、登録情報の確認、申告する所得の選択、収入等の入力、控除等の入力、その他情報の入力、申告内容等の確認、送信、申告書の控え(PDF)の保存、入力データ(.data)の保存です。推奨ブラウザはAndroidがChrome、iPhoneとiPadがSafariで、それ以外のブラウザは使わないよう注意書きがあります。

最初の「作成開始」の直後に、作成する申告書等の選択と、税務署への提出方法等に関する質問があります。ガイドによると、提出方法に関する質問にいずれも「はい」を選ぶとマイナンバーカード方式のe-Taxが使え、「いいえ」を選ぶとマイナンバーカード方式は使えず、表示される項目から他の提出方法を選ぶ流れです。マイナポータル連携を使うかどうかも、この段階で「利用する」を選びます。

段階スマホで行うことつまずきやすい点
1 作成開始申告書の種類と年分を選び、提出方法等の質問に答える事業・不動産・業務の雑所得がある人は「決算書・収支内訳書(+所得税)」を選ぶ
2 カードの読み取り利用者証明用のパスワード(数字4桁)を入力し、カードをかざす初回は基本情報の登録があり、署名用パスワードも求められる
4 所得の選択申告する所得を全て選ぶ確定申告をする場合は年末調整済みの給与も含めて申告する
5 収入等の入力源泉徴収票をカメラで読み取るか、手入力する年末調整済みと未済で入口のボタンが違う
6 控除等の入力適用する控除を選んで入力するワンストップ特例を申請したふるさと納税も寄附金控除として入力する
7 その他情報還付口座、公金受取口座の登録、通知の電子交付を選ぶ「還付金振込通知」を電子で受け取るには「電子交付」を選ぶ
9 送信画面に沿って送信し、送信結果を確認する送信の前にカードの読み取りを再度求められることがある
10・11 保存控えのPDFと入力データ(.data)を保存する.dataは翌年の作成で再利用できる

源泉徴収票のカメラ読取は、収入・所得金額の入力画面で「給与所得」をタップした後、年末調整済みの源泉徴収票は画面上部の「+入力する(年末調整済み)」、年末調整未済のものは画面下部の「+入力する(年末調整未済)」から進み、「カメラで源泉徴収票を読み取る」をタップして撮影します。読み取った情報は各入力欄に反映されますが、ガイドは「内容をご確認の上、必要に応じて補正を行ってください」と書いています。撮影で入力が終わるのではなく、転記の手間が減ると考えるのが実態に近い説明です。

控除の入力で見落とされやすいのが、ふるさと納税のワンストップ特例です。確定申告をする場合は、ワンストップ特例を申請した分も含めて寄附金控除を申告する必要があると、ガイドは明記しています。医療費控除のために初めてスマホで申告した年に、ワンストップ特例分を入力し忘れると、住民税側の控除が反映されない結果になります。控除上限の目安は、ふるさと納税 限度額シミュレーションで確認できます。

ふるさと納税 限度額シミュレーションで、確定申告に入れる寄附金控除の目安を確かめる

マイナポータル連携はカードが前提。令和7年分で取得できる証明書は16種類

マイナポータル連携は、マイナポータル経由で給与所得の源泉徴収票や医療費、ふるさと納税などのデータを一括取得し、確定申告書の該当項目へ自動入力する機能です。国税庁によると、令和6年分の確定申告では310万人が利用しました。利用にはマイナンバーカードと、カード読取対応のスマホまたはICカードリーダライタが必要で、ID・パスワード方式や書面提出の人は使えません。

令和7年分の作成コーナーで取得できる証明書等は、次の16種類です。

区分取得できる証明書等条件・時期
収入給与所得の源泉徴収票情報勤務先が源泉徴収票をe-Tax等で税務署に提出していること。事前にe-Taxのマイページで取得希望を登録し、マイナンバー等を提供する
収入公的年金等の源泉徴収票日本年金機構分は、申告する年の1月上旬までにマイナポータルとねんきんネットを連携し、電子送付を希望登録する
収入特定口座年間取引報告書証券会社等が連携に対応していること
収入生命保険契約等の一時金・年金の支払調書、損害保険契約等の満期返戻金等・年金の支払調書令和7年分から新たに対象。保険会社等が対応していること
控除医療費通知情報毎年2月9日以降に、1月から12月の保険診療分を取得。はり・きゅう等の施術費用など取得できない情報がある
控除寄附金受領証明書、寄附金控除に関する証明書ふるさと納税の自治体・仲介サイト等が対応していること
控除生命保険料控除証明書、地震保険料控除証明書保険会社が対応していること
控除国民年金保険料控除証明書申告する前年の10月中旬までに、ねんきんネットで電子送付を希望登録する
控除国民年金基金掛金控除証明書、小規模企業共済等掛金控除証明書(iDeCo・小規模企業共済)発行主体ごとに取得可能な時期が異なる
控除住宅取得資金に係る借入金の年末残高証明書、年末残高等情報、年末調整のための住宅借入金等特別控除証明書年末残高等情報は金融機関が調書方式に対応していること。控除証明書は例年10月下旬頃から

事前準備は、一部の証明書等を取得する場合を除き、初めて利用する1回だけで、取得する証明書が増えない限り翌年以降は不要です。ただし発行主体によっては、連携手続を完了してからデータを取得できるまで数日かかります。申告当日に初めて連携を設定して、その場で源泉徴収票を取得しようとすると、待ち時間で作業が止まります。

取得できる情報の範囲も確認が要ります。医療費通知情報は保険診療分に限られ、自由診療や薬局で買った市販薬、交通費は含まれません。医療費控除を受ける人は、連携で取得した金額に、通知に載らない支出を手で足す作業が残ります。給与の源泉徴収票情報は、勤務先が源泉徴収票を税務署に電子で提出していることが条件なので、勤務先によっては取得できず、その場合はカメラ読取か手入力に戻ります。

作成コーナーで作れない申告がある — 山林所得・準確定申告・非居住者など

作成コーナーは所得税と復興特別所得税、青色申告決算書・収支内訳書、消費税と地方消費税、贈与税の申告書を作成できますが、国税庁のご利用ガイドは「ご利用になれない方」を年分ごとに公表しています。該当する人がe-Taxで申告したい場合は、パソコンでe-Taxソフトを使って作成・送信する案内です。スマホからの作成では代替手段が案内されていないため、該当するかどうかを先に確認します。令和7年分の一覧から、個人の申告で当たりやすいものを抜き出します。

区分令和7年分の作成コーナーで作成できない例
その他死亡または出国の場合の準確定申告書、国外転出時課税制度の特例に係る確定申告書、非居住者および令和7年中に非居住者である期間がある人
収入・所得山林所得がある人、先物取引に係る雑所得等のうち所得区分が複数ある人、退職年月日が令和7年中ではない退職所得がある人
収入・所得青色申告者で、事業所得と不動産所得の収入金額より青色申告特別控除額が大きい人
譲渡所得土地建物等の譲渡で年間の譲渡契約件数が4件以上の人、相続税額の取得費加算の特例(措法39条)の適用を受ける人
金融・証券相対取引などの方法による上場株式等の譲渡をした人、一つの金融商品取引業者から複数の特定口座年間取引報告書の交付を受けている人
控除扶養控除の対象とする扶養親族が7人以上の人、家屋または土地等の共有者が4人以上で住宅借入金等特別控除の適用を受ける人

一覧には、内訳書や計算明細書は作成コーナーで作れないものの、手書き等で作成した計算結果を入力すれば申告書は作成できる、という区分もあります。譲渡された資産が11件以上ある総合課税の譲渡所得や、ストックオプション税制の適用を受けて取得した株式の譲渡がその例です。作成できないのが申告書そのものなのか、付表だけなのかで、スマホでの対応可否が変わります。

更正の請求書と修正申告書も「ご利用になれない方」に含まれていますが、これは所得税の確定申告書と同じ入口では作れないという意味で、作成コーナーのトップ画面には更正の請求書・修正申告書を作成する別の入口があります。一覧の文言を、制度全体で使えないという意味に読まないよう注意が要ります。この一覧は令和7年分のもので、令和8年分の作成コーナーでは範囲が変わる可能性があります。

「到達」の時点は法律が決める。送信完了の表示と受信通知は役割が違う

e-Taxで送った申告書がいつ税務署に届いたかは、情報通信技術活用法6条3項が定めています。

第一項の電子情報処理組織を使用する方法により行われた申請等は、当該申請等を受ける行政機関等の使用に係る電子計算機に備えられたファイルへの記録がされた時に当該行政機関等に到達したものとみなす。

到達は、利用者が送信した情報が国税庁の電子計算機のファイルに記録された時点で、法律上そうみなされます。利用者が押すボタンの側では決まりません。そのうえで、手元に残る画面は次の2つに分かれます。1つは、国税庁のスマホ申告ご利用ガイド(詳細版)Q4が「確定申告書を送信した際に『送信完了』と表示されれば無事送信が完了していることを示しています」としている送信直後の画面で、送信が通ったことをその場で確かめる役割です。もう1つが、メッセージボックスに格納される「受信通知」で、e-Taxの案内によると申告した人の氏名または名称、提出先税務署、受付日時、受付番号、申告した税目等が表示されます。受付日時と受付番号という形で、いつ何を受け付けたかを後から示せるのは受信通知だけです。同じガイドも、後日改めて確認する場合はe-Taxにログインして受付結果(受信通知)を確認するよう案内しています。送信エラーが表示された画面は、そもそも送信が通っていないという表示です。

確認するもの確認の手段保存期間・注意
受付結果(受信通知)作成コーナーのトップ画面「メッセージボックスの確認」からe-Taxソフト(WEB版)にログインし、「お知らせ・受信通知」を開く格納から120日を経過すると「メッセージボックス(過去分)」へ移り、1,900日(約5年)を経過すると既読・未読にかかわらず削除
送信した申告書の内容受信通知の「帳票を表示する」からPDFを表示・保存する個人がID・パスワードでログインした場合、鍵マークの付いたメッセージの詳細は開けない
送信エラー「お知らせ・受信通知」に「送信エラー」と表示されるエラーの内容確認に電子証明書は不要。訂正して再送信する
別途提出する添付書類「送信票(兼送付書)」の別途提出欄に○印のある書類郵送等で提出するか、申告書の送信後にPDFのイメージデータを追加送信する。○印がなければ送信票も提出不要

スマホからの確認手順もe-Taxが案内しています。ログイン方法は、マイナポータル経由、マイナンバーカード・スマホ用電子証明書、利用者識別番号と暗証番号の3つで、申告内容の詳細を確認する場合はマイナンバーカードが必要です。受信通知は1,900日を過ぎると削除されるため、還付申告が5年間できることを考えると、受信通知の画面を年分ごとにPDFで残しておくと、後から提出の事実を示せます。受信通知から電子申請等証明書の交付を請求することもできます。

作成コーナーから所得税の申告書をe-Taxで送信するときは、添付書類を同時に送信できません。送信票の別途提出欄に○印がある書類は、申告書を送った後にPDFのイメージデータを追加で送信する(追加送信方式)か、郵送等で提出します。この追加送信を忘れると書類不備の扱いになり、次の節の還付処理の目安からも外れます。

還付が早いのはe-Taxの3週間。別送書類があると対象外

国税庁は、2月・3月の確定申告期間中は大量の申告書が提出されるため、還付金の支払手続におおむね1か月から1か月半程度を要すると案内しています。一方、自宅や税理士事務所等からe-Taxで提出された還付申告は3週間程度で処理しているとしています。差が出る理由を国税庁は明示していませんが、対象外の条件を読むと、書面の処理を含まない申告が早いという整理になります。

提出の形国税庁が示す処理の目安目安の対象外となる例
書面提出(申告期間中)おおむね1か月から1か月半程度
自宅等からe-Taxで提出した還付申告3週間程度訂正申告など同一人の複数回の申告、書類不備、書面による別送書類の提出がある場合

3週間は約束ではなく処理の目安で、還付が遅いという理由で同じ申告書を再送すると、同一人の複数回の申告として目安の対象外になります。順序としては、受信通知で受け付けられたことを確認し、次に還付金の処理状況を確認します。処理状況は、e-Taxソフト(WEB版)にログインした「還付金処理状況確認」で見られます。マイナポータルとe-Taxを連携している人は、還付金の支払が確定したとき、未納の国税に充当されたとき、振込ができなかったときに、マイナポータルの「お知らせ」にも連携されます。

受取口座は、申告する氏名と同じ名義の預貯金口座を指定します。作成コーナーでは、還付口座として入力した口座を公金受取口座として登録する選択と、還付金振込通知書等を書面に代えて電子的に受け取る「電子交付」の選択があります。電子交付を選ぶと通知はメッセージボックスに届くため、ここでもマイナンバーカードでの閲覧が前提になります。

還付申告は確定申告期間を待たずに提出でき、申告義務のない人は翌年1月1日から5年間提出できます。令和7年分について医療費控除やふるさと納税の申告をまだしていない人は、2026年9月8日時点で公開されている令和7年分の作成コーナーからスマホで作成し、マイナンバーカード方式で送るか、書面で提出できます。令和8年分の申告に向けては、カードの取得、電子証明書の有効期限の確認、国民年金保険料の控除証明書を連携で取るならねんきんネットの電子送付の登録(申告する前年の10月中旬まで)を、年内に済ませておくと、期限間際に提出方法で止まることがなくなります。

スマホ申告の確認順序:カード(実物またはスマホ)があるか → なければID・パスワード方式の届出済みか → どちらもなければ期限までにカードを取れるか、取れなければ書面提出。作成は作成コーナーで共通、提出後はe-Taxなら受信通知、書面なら通信日付印の記録を残し、還付は処理状況で追う。

よくある質問

Q. マイナンバーカードがなくても、スマホからe-Taxで送信できますか?

A. 既にID・パスワード方式の届出を済ませている人は、確定申告書等作成コーナーからID・パスワード方式で送信できます。新規のID・パスワードの発行は令和7年10月1日に停止されたため、届出をしていない人がカードなしで送信する道は、一般にはありません。スマホで作成して印刷し、書面で提出する方法は残っています。

Q. ID・パスワード方式は、令和8年分の申告でも使えますか?

A. 国税庁は、既に届出をしている人は引き続き利用できること、令和9年分の確定申告からは利用できなくなる予定であることを案内しています。令和8年分の扱いは、令和8年分の作成コーナーの公開時に確認する必要があります。

Q. スマホのマイナンバーカードがあれば、実物のカードは要りませんか?

A. 追加するときに実物のカードと券面事項入力補助用暗証番号、署名用パスワードが必要です。追加した後は、カードをスマホにかざさずに申告書の作成と送信ができます。カードを持っていない人がカードなしで使える仕組みではありません。

Q. 源泉徴収票をスマホのカメラで読み取れば、入力は不要ですか?

A. 読み取った情報が入力欄に反映されますが、内容を確認して必要に応じて補正する手順が案内されています。年末調整済みと未済で入口のボタンが分かれているため、どちらの源泉徴収票かを先に確認します。

Q. 送信ボタンを押した後、何を保存すればよいですか?

A. 送信結果の画面と、メッセージボックスに格納される受信通知、申告書の控えのPDFです。受信通知には提出先税務署、受付日時、受付番号、税目が表示されます。ID・パスワード方式でログインした個人は、鍵マークの付いたメッセージの詳細を開けないため、送信直後の画面で受付結果を確かめて保存します。

Q. e-Taxで送ると還付は必ず3週間で振り込まれますか?

A. 3週間程度は国税庁が示す処理の目安で、期日の約束ではありません。訂正申告など同一人の複数回申告、書類不備、書面による別送書類がある場合は、e-Taxで提出しても3週間程度での処理の対象外と案内されています。

出典

本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。個別の判断は税務署・税理士にご確認ください。

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