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オルカンとS&P500、始めた月で結果は変わる?保有12か月を84通りで比較

オルカンとS&P500を同じ日に買い、12か月後に比べると、どちらが上回るかは開始月によって変わりました。保存済みの実績で84通りを調べたところ、S&P500の騰落率からオルカンの騰落率を引いた差は、−6.76〜+11.27ポイントです。一つの期間の比較だけでは、この幅は見えません。

対象は「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」と「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」です。以下ではオルカン、S&P500と略します。指数そのものではなく、この2商品の円建ての実績を比べています。利用した保存データの最終日は2026年9月11日で、最新の価格を随時反映する記事ではありません。

12か月の差は、オルカン優位にもS&P500優位にも振れた

表の騰落率は、開始時から終了時までの増減率です。「差」はS&P500からオルカンを引いているため、プラスならS&P500、マイナスならオルカンが上回ったことを表します。

12か月・84通り最小中央値最大
オルカンの騰落率−14.16%+20.50%+59.46%
S&P500の騰落率−10.33%+20.72%+60.62%
S&P500−オルカンの差−6.76ポイント+2.24ポイント+11.27ポイント

騰落率の行の最小・最大と、差の行の最小・最大は、別の開始月から出ています。また、差の中央値は「開始月ごとの騰落率の差」を並べた中央の値です。両商品の中央値を引いた値とは一致しません。

0 オルカンが上回った側 S&P500が上回った側 −6.76pt 中央値 +2.24pt +11.27pt 保有12か月・84通り(2018年10月〜2025年9月開始)。差=S&P500の騰落率−オルカンの騰落率
同じ12か月でも、開始月によって符号が入れ替わった。ひとつの期間だけでは、この幅は見えない。

差が両端になった期間を見ると、逆転を具体的に確認できます。

開始日→終了日オルカンS&P500差
2021/1/4→2022/1/4+33.35%+44.62%+11.27ポイント
2025/3/3→2026/3/3+28.91%+22.15%−6.76ポイント

最初の例では両方が上昇し、S&P500がより大きく伸びました。次の例も両方が上昇していますが、オルカンの伸びが上回っています。「比較相手を下回った」と「投資額が減った」は別の話です。一方、全84通りの最小値には両商品ともマイナスがあり、12か月持てば利益が出たわけでもありません。

S&P500が上回った開始月は59、オルカンが上回った開始月は25でした。この件数は保存期間の説明用です。翌月に始めた比較は前の比較と大部分の相場を共有するため、将来の勝率には読み替えられません。

開始日だけでなく、終了日も12か月先へ動かす

終了日を今日にそろえて買った日を変えると、保有期間も変わります。今回は「同じ長さだけ持ったら」という問いに合わせ、開始月ごとに終了日も動かしました。積立ではなく、各開始日に一括で投資する比較です。

各月で両商品のデータがそろう最初の日を開始日とします。終了日は12か月後の同じ月日、その日のデータがなければ、その後で両商品のデータが最初にそろう日です。そのため、休日などによって厳密な12か月より数日長くなる場合があります。実際の申込日や約定日を再現したものではありません。

共通の履歴は2018年10月31日から2026年9月11日まで。最初の2018年10月は月末の1日しかないため、10月31日を採用しています。開始候補96か月のうち、12か月後を観測できる2018年10月〜2025年9月の84通りを集計しました。残る12通りは終了日のデータがなく、短い保有期間で代用せず除外しています。

36か月でも比べられるが、長期の保証にはならない

同じ方法で36か月後まで追えるのは、2018年10月〜2023年9月開始の60通りです。終了日を観測できない36通りは除外しました。保存した元の履歴を使っているため、既存記事の約3年分の比較表より前にさかのぼれます。

36か月・60通りの参考集計(重複する期間・累積)最小中央値最大
S&P500−オルカンの累積騰落率の差+0.73ポイント+14.93ポイント+27.72ポイント

この60通りでは、すべてS&P500が上回りました。ただし、3年間の比較同士が重なり、全体でも約8年弱の実績です。異なる時代を60回経験したデータではありません。36か月持つことで優位が確定する、という結論は出せません。

たとえば2023年9月1日〜2026年9月1日は、オルカンが+92.33%、S&P500が+93.06%で、差は+0.73ポイントでした。表の最大差だけを見て、どの開始月でも大差がついたと考えるのは早計です。なお、この表は3年間の累積差で、年率の差ではありません。

実績差を、そのまま費用差とは呼べない

オルカンは日本・先進国・新興国を含む世界株式、S&P500は米国株式を対象にする商品です。投資範囲が異なり、オルカンにも米国株が含まれます。実績差には市場や構成銘柄、為替などの影響が重なるため、信託報酬だけが原因とは特定できません。

計算には運用会社の保存CSVにある「基準価額(分配金再投資)」を使い、終了値÷開始値−1で騰落率を求めました。今回の保存範囲では両商品とも分配金の非ゼロ記録がなく、通常の基準価額と再投資基準価額は一致しています。

基準価額に反映されている運用費用は、ここからもう一度引いていません。投資家が負担する税金や購入・換金時の費用は計算に含めておらず、口座の手取り額を示す表ではありません。

自分の比較でも、保有期間と差の向きをそろえる

この実験で確認できたのは、同じ12か月保有でも、開始月によって両商品の差が逆転したことです。自分が見た比較表を読むときも、商品名に加えて開始日・終了日・保有期間を確かめると、数字の意味を取り違えにくくなります。ここで扱っていない10年・20年保有の結果や、今から買った場合の利益は、この表だけでは判断できません。

投資範囲や費用の基本はオルカンとeMAXIS Slim S&P500の比較、同じ指数の商品を選ぶ際の違いはオルカンの商品比較とS&P500の商品比較で確認できます。ほかの組み合わせは既存32比較を含む資産形成記事一覧から読めます。

積立シミュレーターで期間と金額を変えて試算する

よくある質問

結局どちらを買えばよいのですか?

この記事は商品の優劣を判断するものではありません。示したのは、同じ日に買って同じ長さだけ持った場合でも、どちらが上回るかは開始月によって入れ替わったという事実です。84通りのうち差は −6.76ポイントから +11.27ポイントまで振れ、中央値は +2.24ポイントでした。ひとつの期間だけを見て優劣を決めると、この幅が見えません。過去にどちらが上回ったかは、次の期間にどちらが上回るかを示すものでもありません。

差が出る理由は費用の違いですか?

費用だけでは説明できません。この2商品は投資対象そのものが違います。全世界株式には米国以外の先進国・新興国・日本の株式が含まれ、S&P500は米国の大型株が中心です。したがって実績の差には、国・地域の配分と銘柄構成の違いが大きく効きます。信託報酬の差は年あたり0.1ポイントに満たない水準ですが、ここで観測された差は最大11.27ポイントでした。桁が違うので、差を費用差と呼ぶことはできません。

なぜ84通りなのですか?

両商品のデータがそろう共通の履歴が2018年10月31日から2026年9月11日までで、この間の開始候補は96か月あります。そのうち12か月後の終了日を観測できるのは2018年10月から2025年9月までの84通りです。残る12通りは終了日のデータがまだ無いため、短い保有期間で代用せずに除外しました。期間を短く代用すると、保有期間の違う結果を同じ表に混ぜることになります。

積立で買った場合も同じ結果になりますか?

なりません。この比較は各開始日に一括で投資した場合の計算です。積立では買付が複数の時点に分かれるため、取得価格の平均が変わり、結果も変わります。積立の場合にどうなるかは、この集計からは分かりません。

12か月より長く持てば差は縮みますか?

本文のとおり36か月でも比較できますが、保有期間を延ばせば差が縮むという関係は確認できていません。長期にすると観測できる組み合わせの数が減り、期間どうしの重なりも大きくなるため、独立した事例として数えられる数は少なくなります。長期の保証を示すデータではない、という限界は残ります。

出典

根拠: 公開資料をもとに計算しています。

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