オルカンとS&P500、下落から戻るまで何日かかったか
# オルカンとS&P500、下落から戻るまで何日かかったか — 設定来の全エピソードを数える
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)と eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の基準価額を設定日から2026年9月11日まで並べ、「それまでの最高値から下がり、再びその値以上に戻るまで」を1件ずつ数えました。最大下落率の記事はよくありますが、そこから何日で戻ったのかは別の数字です。しかも「いちばん深く下げた局面」と「いちばん長く水面下にいた局面」は、S&P500では別の局面でした。
設定来で10%以上下げた局面
各商品の設定日から数えて、10%以上下げた局面だけを抜き出すと、オルカンは7回、S&P500は8回ありました。2商品で設定日が違うので、表は商品ごとの設定来です。同じ期間に揃えた数字は後の節で示します。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)、設定日2018年10月31日〜2026年9月11日
| 直前の最高値の日 | 底の日 | 下落率 | 100万円が底でいくら | 最高値以上に戻った日 | 最高値から戻るまで |
|---|---|---|---|---|---|
| 2018-11-08 | 2018-12-25 | -15.40% | 846,007円 | 2019-03-04 | 116日 |
| 2020-02-21 | 2020-03-24 | -33.81% | 661,874円 | 2020-11-12 | 265日 |
| 2022-01-05 | 2022-03-09 | -13.63% | 863,732円 | 2022-03-29 | 83日 |
| 2022-04-20 | 2022-06-17 | -12.87% | 871,293円 | 2022-09-13 | 146日 |
| 2022-09-13 | 2023-01-04 | -11.49% | 885,125円 | 2023-05-01 | 230日 |
| 2024-07-11 | 2024-08-06 | -16.84% | 831,611円 | 2024-11-14 | 126日 |
| 2025-01-24 | 2025-04-09 | -20.51% | 794,904円 | 2025-07-11 | 168日 |
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)、設定日2018年7月3日〜2026年9月11日
| 直前の最高値の日 | 底の日 | 下落率 | 100万円が底でいくら | 最高値以上に戻った日 | 最高値から戻るまで |
|---|---|---|---|---|---|
| 2018-10-04 | 2018-12-25 | -22.42% | 775,823円 | 2019-10-29 | 390日 |
| 2020-02-21 | 2020-03-24 | -34.44% | 655,626円 | 2020-09-03 | 195日 |
| 2020-09-03 | 2020-09-24 | -10.20% | 898,030円 | 2020-11-25 | 83日 |
| 2022-01-05 | 2022-03-09 | -13.05% | 869,538円 | 2022-03-29 | 83日 |
| 2022-04-20 | 2022-06-17 | -15.18% | 848,150円 | 2022-08-17 | 119日 |
| 2022-09-13 | 2023-01-04 | -14.13% | 858,738円 | 2023-05-19 | 248日 |
| 2024-07-11 | 2024-08-06 | -17.44% | 825,618円 | 2024-11-07 | 119日 |
| 2025-01-24 | 2025-04-09 | -24.08% | 759,166円 | 2025-08-01 | 189日 |
日数は暦日。100万円の欄は最高値の日に100万円分を買った人の底の日の評価額で、税金や売買時の負担は含みません。
2026年9月11日時点では、両商品とも2026年8月14日の最高値からまだ戻っていません。9月11日の基準価額は最高値に対してオルカンが-4.86%、S&P500が-5.48%です。局面の中での最安はオルカンが9月11日(-4.86%)、S&P500が9月10日(-5.49%)で、最高値から28日が経過しています。終わっていない局面なので表には載せず、日数も確定させていません。
最も深い下落と、最も長い下落は別
2商品とも最も深い下落は2020年2月21日から3月24日にかけての局面で、オルカンが-33.81%、S&P500が-34.44%でした。ここから最高値以上に戻ったのは、S&P500が2020年9月3日(195日)、オルカンが2020年11月12日(265日)です。同じ日に同じくらい下げて、戻るのは全世界株のほうが70日遅い結果でした。
一方でS&P500が最も長く水面下にいたのは、この局面ではありません。設定から3か月後の2018年10月4日の最高値から12月25日に-22.42%まで下げ、その値以上に戻ったのは2019年10月29日、390日後でした。深さは2020年の6割程度なのに、戻るまでの日数は2倍です。深い下落ほど戻りが遅いとは限りません。
オルカンでは、最も深い2020年の局面が最も長い局面でもありました(265日)。次に長いのは2022年9月13日からの局面で、下落率は-11.49%と表の中では最も浅いのに、戻るまで230日かかっています。
「設定来」と「同じ期間」で答えが変わる
S&P500の390日という数字は、オルカンの設定日(2018年10月31日)より前の最高値から数えたものです。オルカンと同じ期間、つまり2018年10月31日を起点にして数え直すと、S&P500の2018年の局面は「2018年11月9日の最高値から-18.96%、2019年4月2日に回復、144日」に変わります。10月4日の最高値が期間の外に出るからです。
この場合、S&P500の最長は2022年9月13日からの248日になります。同じ商品、同じデータでも、起点しだいで「最長」は390日にも248日にもなります。この記事の表は各商品の設定来なので、2商品の「最長」を横に並べて優劣は言いません。
なお、商品名比較の記事で使っている直近3年(2023年9月11日〜2026年9月11日)に限ると、10%以上の下落は両商品とも2回で、2024年7月11日からの局面(オルカン126日、S&P500 119日)と2025年1月24日からの局面(オルカン168日、S&P500 189日)です。
最高値以上にいた日は、営業日の16.2%と15.8%
設定来の営業日のうち、基準価額がそれまでの最高値以上だった日は、オルカンが1,918日中311日(16.2%)、S&P500が2,000日中315日(15.8%)でした。残りの日は、直前の最高値を下回っていたことになります。
値下がりし続けたという意味ではありません。両商品とも設定来で基準価額は3.7倍と4.3倍になっています(設定日の基準価額から、オルカン10,000円→37,123円、S&P500 10,038円→43,223円)。上がる局面でも最高値を更新する日はまばらで、ほとんどの日は「少し前の高値より下」で過ごします。長期で持つ人が「まだ戻っていない」と感じるのは、記録の上では普通の状態です。
数え方
- データ: 三菱UFJアセットマネジメントが公開している設定来の基準価額CSVの「基準価額(分配金再投資)」列。両商品は設定来の各決算日で分配金が0なので、基準価額と同じ値です。
- 最高値: 設定日を最初の最高値として、それまでの最高値を更新した日。
- 底: 最高値から回復までの間で最も安い日(同じ値が続く場合は最初の日)。
- 回復: 基準価額が直前の最高値の値「以上」になった最初の日。同じ値に戻った日も回復に数えます。
- 未回復: 2026年9月11日までに回復していない局面は、日数を確定させず「経過日数」として別に示します。
- 日数: 暦日です。
- 表は下落率10%以上の局面だけです。設定来の全局面はオルカン128件、S&P500が132件で、ほとんどは数%の短い局面です。
この計算で言えないこと
- 将来の下落の深さや回復日数は分かりません。設定来8年ほどの間に起きた局面の記録です。
- 定義を変えると件数と日数が変わります。 2022年は1月、4月、9月の3局面に分かれていますが、3月29日と9月13日に一度最高値を上回ったためです。「5%戻すまでは同じ局面」と定義すれば、2022年全体を1つの長い局面と数えることもできます。
- 積立の損益とは違います。 表の100万円は最高値の日に一括で買った場合です。積立は買った日ごとに取得価格が違うので、元本を下回る期間は別の計算になります。
- 為替の影響は分けていません。 両商品は円建ての基準価額なので、米ドル建ての指数の回復日数とは一致しません。
- 費用や税金は、基準価額に反映済みの運用費用以外は含みません。売買時の負担や投資家の税金は別です。
よくある質問
Q. 最大下落率が大きい商品ほど、戻るのに時間がかかりますか? この2商品の記録では、そうとは限りません。S&P500の最も深い局面(-34.44%)は195日で戻り、より浅い2018年の局面(-22.42%)は390日かかりました。
Q. 今(2026年9月)の下落は、過去と比べてどうですか? 2026年8月14日の最高値に対して、9月11日の基準価額はオルカンが-4.86%、S&P500が-5.48%(局面中の最安は9月10日の-5.49%)、経過28日です。表の局面はいずれも10%以上、最短でも83日なので、現時点では表に入る規模ではありません。局面が終わっていないので、深さも日数も確定していません。
Q. 「回復」は元本が戻ったという意味ですか? 違います。直前の最高値の日に買った人の評価額が買値以上に戻った、という意味です。底に近い日に買った人はずっと早く元本を回復しています。
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出典
- 三菱UFJアセットマネジメント「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」ファンドページ https://emaxis.am.mufg.jp/fund/253425.html (2026年9月13日確認)
- 三菱UFJアセットマネジメント「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」ファンドページ https://emaxis.am.mufg.jp/fund/253266.html (2026年9月13日確認)
- 設定来の基準価額CSV https://www.am.mufg.jp/fund_file/setteirai/253425.csv および https://www.am.mufg.jp/fund_file/setteirai/253266.csv (2026年9月13日取得、終点2026年9月11日)
- 各商品の交付目論見書(使用開始日2026年7月25日)と交付運用報告書(作成対象期間2025年4月26日〜2026年4月27日)。設定日はそれぞれ2018年10月31日、2018年7月3日。上記ファンドページから入手。
よくある質問
Q. この数字は将来も同じですか?
A. 過去データの集計であり、将来の結果を保証しません。
出典
運用会社の公開資料と保存した基準価額データを使用しました。