オルカンとS&P500、下落から戻るまで何日かかったか
各商品の設定来で10%以上下げた局面は、最高値以上に戻るまでにオルカンが83〜265日、S&P500が83〜390日かかりました。最も深い2020年の下落は、S&P500が195日、オルカンが265日で戻りました。S&P500で最も長くかかったのは、より浅い2018年の局面(-22.42%)の390日です。深い下落ほど戻りが遅いとは限りません。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)と eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の基準価額を設定日から2026年9月11日まで並べ、「それまでの最高値から下がり、再びその値以上に戻るまで」を1件ずつ数えました。日数は暦日です。2026年8月14日の最高値からの下落は9月11日時点で戻っていないので、表には載せていません。
設定来で10%以上下げた局面
各商品の設定日から数えて、10%以上下げた局面だけを抜き出すと、オルカンは7回、S&P500は8回ありました。2商品で設定日が違うので、表は商品ごとの設定来です。同じ期間に揃えた数字は後の節で示します。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)、設定日2018年10月31日〜2026年9月11日
| 直前の最高値の日 | 底の日 | 下落率 | 100万円が底でいくら | 最高値以上に戻った日 | 最高値から戻るまで |
|---|---|---|---|---|---|
| 2018-11-08 | 2018-12-25 | -15.40% | 846,007円 | 2019-03-04 | 116日 |
| 2020-02-21 | 2020-03-24 | -33.81% | 661,874円 | 2020-11-12 | 265日 |
| 2022-01-05 | 2022-03-09 | -13.63% | 863,732円 | 2022-03-29 | 83日 |
| 2022-04-20 | 2022-06-17 | -12.87% | 871,293円 | 2022-09-13 | 146日 |
| 2022-09-13 | 2023-01-04 | -11.49% | 885,125円 | 2023-05-01 | 230日 |
| 2024-07-11 | 2024-08-06 | -16.84% | 831,611円 | 2024-11-14 | 126日 |
| 2025-01-24 | 2025-04-09 | -20.51% | 794,904円 | 2025-07-11 | 168日 |
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)、設定日2018年7月3日〜2026年9月11日
| 直前の最高値の日 | 底の日 | 下落率 | 100万円が底でいくら | 最高値以上に戻った日 | 最高値から戻るまで |
|---|---|---|---|---|---|
| 2018-10-04 | 2018-12-25 | -22.42% | 775,823円 | 2019-10-29 | 390日 |
| 2020-02-21 | 2020-03-24 | -34.44% | 655,626円 | 2020-09-03 | 195日 |
| 2020-09-03 | 2020-09-24 | -10.20% | 898,030円 | 2020-11-25 | 83日 |
| 2022-01-05 | 2022-03-09 | -13.05% | 869,538円 | 2022-03-29 | 83日 |
| 2022-04-20 | 2022-06-17 | -15.18% | 848,150円 | 2022-08-17 | 119日 |
| 2022-09-13 | 2023-01-04 | -14.13% | 858,738円 | 2023-05-19 | 248日 |
| 2024-07-11 | 2024-08-06 | -17.44% | 825,618円 | 2024-11-07 | 119日 |
| 2025-01-24 | 2025-04-09 | -24.08% | 759,166円 | 2025-08-01 | 189日 |
日数は暦日。100万円の欄は最高値の日に100万円分を買った人の底の日の評価額で、税金や売買時の負担は含みません。
2026年9月11日時点では、両商品とも2026年8月14日の最高値からまだ戻っていません。9月11日の基準価額は最高値に対してオルカンが-4.86%、S&P500が-5.48%です。局面の中での最安はオルカンが9月11日(-4.86%)、S&P500が9月10日(-5.49%)で、最高値から28日が経過しています。終わっていない局面なので表には載せず、日数も確定させていません。
最も深い下落と、最も長い下落は別
2商品とも最も深い下落は2020年2月21日から3月24日にかけての局面で、オルカンが-33.81%、S&P500が-34.44%でした。ここから最高値以上に戻ったのは、S&P500が2020年9月3日(195日)、オルカンが2020年11月12日(265日)です。同じ日に同じくらい下げて、戻るのは全世界株のほうが70日遅い結果でした。
一方でS&P500が最も長く水面下にいたのは、この局面ではありません。設定から3か月後の2018年10月4日の最高値から12月25日に-22.42%まで下げ、その値以上に戻ったのは2019年10月29日、390日後でした。深さは2020年の6割程度なのに、戻るまでの日数は2倍です。深い下落ほど戻りが遅いとは限りません。
オルカンでは、最も深い2020年の局面が最も長い局面でもありました(265日)。次に長いのは2022年9月13日からの局面で、下落率は-11.49%と表の中では最も浅いのに、戻るまで230日かかっています。
「設定来」と「同じ期間」で答えが変わる
S&P500の390日という数字は、オルカンの設定日(2018年10月31日)より前の最高値から数えたものです。オルカンと同じ期間、つまり2018年10月31日を起点にして数え直すと、S&P500の2018年の局面は「2018年11月9日の最高値から-18.96%、2019年4月2日に回復、144日」に変わります。10月4日の最高値が期間の外に出るからです。
この場合、S&P500の最長は2022年9月13日からの248日になります。同じ商品、同じデータでも、起点しだいで「最長」は390日にも248日にもなります。この記事の表は各商品の設定来なので、2商品の「最長」を横に並べて優劣は言いません。
なお、商品名比較の記事で使っている直近3年(2023年9月11日〜2026年9月11日)に限ると、10%以上の下落は両商品とも2回です。
- 2024年7月11日からの局面: オルカン126日、S&P500 119日
- 2025年1月24日からの局面: オルカン168日、S&P500 189日
最高値以上にいた日は、営業日の16.2%と15.8%
設定来の営業日のうち、基準価額がそれまでの最高値以上だった日は、オルカンが1,918日中311日(16.2%)、S&P500が2,000日中315日(15.8%)でした。残りの日は、直前の最高値を下回っていたことになります。
値下がりし続けたという意味ではありません。両商品とも設定来で基準価額は3.7倍と4.3倍になっています(設定日の基準価額から、オルカン10,000円→37,123円、S&P500 10,038円→43,223円)。上がる局面でも最高値を更新する日はまばらで、ほとんどの日は「少し前の高値より下」で過ごします。長期で持つ人が「まだ戻っていない」と感じるのは、記録の上では普通の状態です。
数え方
- データ: 三菱UFJアセットマネジメントが公開している設定来の基準価額CSVの「基準価額(分配金再投資)」列。両商品は設定来の各決算日で分配金が0なので、基準価額と同じ値です。
- 最高値: 設定日を最初の最高値として、それまでの最高値を更新した日。
- 底: 最高値から回復までの間で最も安い日(同じ値が続く場合は最初の日)。
- 回復: 基準価額が直前の最高値の値「以上」になった最初の日。同じ値に戻った日も回復に数えます。
- 未回復: 2026年9月11日までに回復していない局面は、日数を確定させず「経過日数」として別に示します。
- 日数: 暦日です。
- 表は下落率10%以上の局面だけです。設定来の全局面はオルカン128件、S&P500が132件で、ほとんどは数%の短い局面です。
この計算で言えないこと
- 将来の下落の深さや回復日数は分かりません。設定来8年ほどの間に起きた局面の記録です。
- 定義を変えると件数と日数が変わります。 ここでは直前の最高値を回復した日で局面を区切り、底から一定割合上昇した日では区切りません。
- 例: 2022年の10%以上の下落は両商品とも1月、4月、9月の3局面です。1月5日の山は両商品とも3月29日に回復しました。4月20日の山の回復日は、オルカンが9月13日、S&P500が8月17日です。
- 積立の損益とは違います。 表の100万円は最高値の日に一括で買った場合です。積立は買った日ごとに取得価格が違うので、元本を下回る期間は別の計算になります。
- 為替の影響は分けていません。 両商品は円建ての基準価額なので、米ドル建ての指数の回復日数とは一致しません。
オルカンでは、海外株の値上がりを円高が打ち消し、基準価額が下がることがあります。海外株が値下がりしても、円安の影響で基準価額が上がる場合もあります。米ドル/円以外の通貨も影響するため、海外株の反発だけでは円建て評価額が回復したとは判断できません。
- 費用や税金は、基準価額に反映済みの運用費用以外は含みません。売買時の負担や投資家の税金は別です。
よくある質問
Q. 最大下落率が大きい商品ほど、戻るのに時間がかかりますか? この2商品の記録では、そうとは限りません。S&P500の最も深い局面(-34.44%)は195日で戻り、より浅い2018年の局面(-22.42%)は390日かかりました。
Q. 今(2026年9月)の下落は、過去と比べてどうですか? 2026年8月14日の最高値に対して、9月11日の基準価額はオルカンが-4.86%、S&P500が-5.48%(局面中の最安は9月10日の-5.49%)、経過28日です。表の局面はいずれも10%以上、最短でも83日なので、現時点では表に入る規模ではありません。局面が終わっていないので、深さも日数も確定していません。
Q. 「回復」は元本が戻ったという意味ですか? 違います。直前の最高値の日に買った人の評価額が買値以上に戻った、という意味です。購入時の基準価額が低ければ、その購入価額を回復する日は表の最高値の回復日より早い場合があります(購入・換金時の費用と税金を除く)。
基準価額の更新と、注文から購入までの違い
オルカンの基準価額は営業日ごとに更新され、保有株式の直近の終値と、海外株式を円に換算するための為替レートを使って計算されます。海外株式の円換算には、計算日に資産運用業協会が発表する仲値(TTM)が使われます。米国株価のリアルタイム表示と同時に動く値ではありません。この記事で数えた高値回復までの日数と、画面の価額が更新されるまでの時間は別の話です。
購入注文では、申込受付日は注文を受け付ける日、約定日は取引が成立して購入価格が決まる日、受渡日は代金を精算する日を指し、同じ日とは限りません。eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の交付目論見書(使用開始日2026年7月25日)では、購入価額は購入申込受付日の翌営業日の基準価額とされているため、注文時に画面に出ている価額で買えるとは限りません。
申込受付日は、注文を入力した日と一致しない場合があります。主な注意点は、販売会社の受付締切と、目論見書に記載された申込不可日です。
- ニューヨーク・ロンドン・香港の各取引所または銀行の休業日には購入・換金の申込みができません。
- 営業日・申込不可日と受付締切は、目論見書と利用する販売会社の案内で確認してください。
- 購入代金の支払期日は販売会社が指定するため、購入の受渡日も販売会社の案内で確認してください。
関連記事・ツール
- オルカンとS&P500を併用すると米国比率は何%? — 月次レポートを使い、併用時の米国比率を計算しています。
- ドルコスト平均法のデメリット — 積立と一括で下落局面の損益がどう違うか。
- 積立シミュレーター — 利回りと費用を変えて積立の結果を試せます。
出典
公開資料を保存して計算。
- 三菱UFJアセットマネジメント オルカンの基準価額と為替に関するFAQ
- 三菱UFJアセットマネジメント「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」ファンドページ https://emaxis.am.mufg.jp/fund/253425.html (2026年9月13日確認)
- 三菱UFJアセットマネジメント「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」ファンドページ https://emaxis.am.mufg.jp/fund/253266.html (2026年9月13日確認)
- 設定来の基準価額CSV(2026年9月13日取得、終点2026年9月11日)
- 各商品の交付目論見書(使用開始日2026年7月25日)と交付運用報告書(作成対象期間2025年4月26日〜2026年4月27日)。設定日はそれぞれ2018年10月31日、2018年7月3日。上記ファンドページから入手。
- 三菱UFJアセットマネジメント オルカンをもっと知りたい!Q&A(基準価額の計算・取引の流れ)
- 三菱UFJアセットマネジメント eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)交付目論見書(使用開始日2026年7月25日、購入価額・申込不可日・申込締切・購入代金)