税金・経理・補助金ツールズ

投資信託とETFの違い|売買方法・費用と同じ指数の運用実績を比較

ETFは取引所に上場した投資信託で、市場価格で売買します。非上場の投資信託は、販売会社を通じて基準価額で購入・換金します。

違いを見る入口は、売買する価格・購入単位・分配金の扱いです。費用や過去実績を比べるときは、上場かどうかに加えて、連動する指数と比較期間をそろえます。

この記事では、国内上場ETFの市場売買と、非上場の公募株式投資信託を比較します。海外上場ETF、信用取引、ETFの直接の設定・交換は扱いません。

違いは上場の有無と売買方法

ETFにも基準価額はありますが、市場で売買するときに使うのは約定した市場価格です。JPX「他の投資信託との違い」では、取引価格と発注方法を分けて比較しています。

国内ETFの市場売買と、非上場の公募株式投資信託の主な違い
確認項目国内上場ETF非上場投信
売買の窓口証券会社を通じて取引所で売買取り扱いのある証券会社・銀行など
適用される価格注文が成立した市場価格目論見書で定める日の基準価額
注文方法成行・指値適用される基準価額が未確定の状態で申込み
取引の時間取引所の立会時間に約定販売会社が定める受付時間に申込み
購入単位銘柄ごとの売買単位。代金は市場価格×口数販売会社が定める単位。金額指定などの条件を確認
購入・換金時の費用証券会社の売買委託手数料など購入時手数料・信託財産留保額の有無を商品ごとに確認
保有中の費用信託報酬・その他費用信託報酬・その他費用

注文を出す時刻と、代金を決める価格の時点は別です。例えばeMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)の目論見書「お申込みメモ」は、購入申込受付日の基準価額を使うと定めています。他の商品まで同じ扱いとせず、購入価額・換金価額の欄を確認します。

表は通常の取引の整理です。取引停止、購入・換金の受付中止や取消しなどがある場合は、各商品の目論見書と販売会社の案内も確認します。

同じ指数を同じ期間の再投資実績で比較

比較の条件をそろえる例として、配当込みTOPIXへの連動を目指す、iFreeETF TOPIX(年4回決算型)とeMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)を並べます。商品を順位付けするための組み合わせではありません。

以下の再投資NAV(基準価額)は、税引前の分配金を分配時に再投資したとみなす参考系列です。

比較基準日は2026年9月30日、実績の期間は2025年9月30日〜2026年9月30日です。円建て・税引前分配金再投資NAVで、仮想の100万円を一括運用した売却前評価額を計算しました。税・購入換金費用と口数の制約は含めず、騰落率は小数第3位、評価額は円未満を四捨五入しています。

同一指数・同一期間の参考計算。市場で実際に売買した手取額ではありません
商品累積騰落率終了時評価額
国内ETF:iFreeETF TOPIX(年4回決算型)+33.75%1,337,522円
非上場投信:eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)+33.71%1,337,087円

元の系列は、大和アセットマネジメントの時系列CSVと三菱UFJアセットマネジメントの設定来CSVの「分配金再投資基準価額」です。終了時評価額は、仮想の元本×終点の再投資基準価額÷起点の再投資基準価額で計算しています。

この表のETF実績は市場価格の実績ではありません。税引前の分配金を分配時に再投資したとみなす参考系列であり、実際の支払日、購入手数料、売買単位による端数や待機現金を再現していません。

同じ指数でも費用以外の運用・評価の違いが混ざるため、表の実績差をそのまま「手数料の差」とは読めません。開始日を変えれば結果も変わり、過去の実績は将来の運用成果を示しません。

運用実績の比較税引前分配金再投資NAVで条件をそろえる実際の受払の確認ETFは市場の約定価格を使い、投資者の税と売買時の費用を別に確認する
参考の再投資実績と、取引報告書に載る実際の受払は分けて確認します。

信託報酬と売買時の費用を分ける

ETFと非上場投信のどちらにも、保有中の信託報酬やその他費用があります。上場の有無だけで総費用を決めず、同じ指数を追う商品の目論見書の内訳を確認します。

比較基準日2026年9月30日の商品条件を、国内ETFは使用開始日2026年7月4日、非上場投信は使用開始日2026年7月25日の交付目論見書で確認した表です。料率は税込です。純資産比例分は年率、品貸料への報酬は貸付収益に対する割合です。信託報酬の欄はその他費用を含む総費用ではありません。

信託報酬の仕組みと、別に確認する費用
商品信託報酬別に確認するもの
国内ETF:iFreeETF TOPIX(年4回決算型)純資産比例分は0.066%。株式貸付時は品貸料の55%を加算市場売買の委託手数料、監査報酬、商標使用料・上場費用など
非上場投信:eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)0.143%以内。純資産の部分別の段階制有価証券売買等の費用・監査費用など。購入時手数料・信託財産留保額はなし

ETFの株式貸付に対する報酬は、貸付で得た品貸料にかかるものです。純資産に対する年率へ、その割合を直接足す計算ではありません。料率の根拠は国内ETFの目論見書「ファンドの費用・税金」と非上場投信の目論見書「ファンドの費用」にあります。

市場売買の手数料が無料になる場合も、信託財産から差し引かれる費用とは別の話です。証券会社・料金プランの条件と、商品の目論見書の条件を分けて確認します。大和アセットマネジメント「ETFの手数料には何がある?」でも、直接支払う売買手数料と、間接負担の信託報酬を区別しています。

実績表の再投資NAVから、信託報酬をもう一度引きません。基準価額へ反映済みの費用を再び引くと二重控除になります。費目別の概算方法はETFの手数料の計算例にまとめています。

分配金の受取と再投資を区別する

分配金が現金で支払われることと、運用実績を再投資ベースで表示することは別です。ETFの参考実績に「分配金再投資」とあっても、保有者の口座で自動的に買い増されるという意味ではありません。

今回の国内ETFは、計算期間に生じた配当・受取利息等から費用を控除した額を分配する方針です。将来の分配金の支払いや金額を保証するものではありません。

今回の非上場投信は、成長を優先して分配を抑制する方針ですが、基準価額水準や市況動向等によって変更される場合があります。収益分配金の再投資は販売会社との契約によって可能とされており、「非上場投信なら必ず自動再投資」とは限りません。

比較するときは、現金で受け取った分配金を含むか、税引前か税引後かを先に決めます。分配で基準価額が下がった部分を、分配金を含まない価格だけで見て運用損失と判定しないようにします。

比較表を読むときの確認順

  1. まず連動対象を確認します。指数名が異なる商品の実績差を、ETFと非上場投信の仕組みの差だけで説明しません。
  2. 期間と通貨をそろえます。片方の設定来実績と、もう片方の直近実績を並べません。
  3. 価格の系列を確認します。ETFの市場価格と、投信の再投資基準価額を混ぜないようにします。
  4. 費用の範囲を確認します。信託報酬の年率、その他費用、投資者の売買時負担を区別し、基準価額へ反映済みの費用を再控除しません。

指数が異なる例はTOPIX型と日経平均型の比較へ、保有期間を使った費用の概算はETFの手数料の計算例へ進めます。この記事の実績表だけから、購入する商品や時期は決めません。

仮定の積立額・年率で計算する

ツールの年率は仮定です。この記事の過去実績を将来の年率として扱うものではありません。

よくある質問

ETFと投資信託は別の金融商品ですか?

ETFは上場した投資信託です。この記事では、国内上場ETFを市場で売買する場合と、非上場の公募株式投資信託を販売会社で購入・換金する場合を比較しています。

ETFなら費用は安くなりますか?

上場の有無だけでは総費用は決まりません。信託報酬に加え、その他費用と投資者が別に支払う売買時の費用を商品・取引条件ごとに確認します。

ETFの再投資実績は、そのまま口座の残高になりますか?

そのまま口座残高になるとは限りません。公式の税引前分配金再投資NAVは参考系列で、実際の市場価格、投資者の税、売買費用、買い直しまでの時間や売買単位による制約は別に確認します。

実績から信託報酬を引いて比較しますか?

基準価額へ反映済みの信託報酬は再び引きません。投資者が別に支払う費用と税は、口座の実際の受払を確認するときに区別します。

次に読む

出典

資料取得日: 2026年10月28日。実績は比較基準日までのデータで計算しています。料率・分配方針は資料改訂時、実績表は四半期ごとに確認する対象です。

本記事は一般的な情報提供を目的とし、特定の金融商品の取得・売買を勧めるものではありません。個別の税務・労務相談には応じられません。数値は記載した期間の過去の実績であり、将来の運用成果を示しません。最新の交付目論見書と取引条件をご確認ください。

この内容をXで共有