VIGの費用・運用実績:分配金再投資と年別の確定分配額
VIGの運用成績は分配金を再投資した公表リターンで、受取分配金は確定した単価で確認します。VIGは、増配実績のある米国企業の株式で構成する指数への連動を目指すETFです。名前に「増配」とあっても、将来の分配額や元本は保証されません。
この記事ではVIG単体の実績・確定分配額・費用を表にしています。年別の分配額は公式資料の会計年度に合わせ、暦年の合計や国内口座の入金額と区別します。
分配金再投資の運用実績
公表リターンは、分配金の再投資を仮定した運用実績です。株価の上昇率や受け取った分配金の利回りとは異なり、NAVと市場価格の実績を分けて見ます。
下表はVIGの2026年9月30日基準の平均年率です。米ドル建て・税引前・ファンド費用控除後で、配当とキャピタルゲイン分配の再投資を仮定しています。投資家の売買手数料等や円換算は含めません。
| 価格の区分 | 直前1年・平均年率 | 直前3年・平均年率 | 直前5年・平均年率 |
|---|---|---|---|
| NAV(純資産価額) | 9.77% | 16.51% | 10.72% |
| 市場価格 | 9.88% | 16.55% | 10.73% |
VIGの市場価格実績は、2024年7月15日以降は主上場取引所の公式終値で算定されています。それ以前はニューヨーク証券取引所の引け時点の売買気配の中間値で算定されています。市場価格実績と任意時刻の約定実績は異なり、過去の成績と将来の成績は一致するとは限りません。
出典:VIG公式ファクトシート「Performance history」と注記(p.1)。
長期欄の平均年率は、保有期間全体で何%増減したかを示す累積リターンではありません。年率を単純に年数倍しても、複利で計算する累積リターンにはなりません。
NAVはファンドの純資産に基づく価額、市場価格は取引所での価格です。実際の売買ではNAVより高く買う場合や、低く売る場合もあり、自分の取得価格と一致するとは限りません。
会計年度別の確定分配額
下表は暦年ではなく、公式資料の会計年度の分配額です。年末までの分配金を合計した別サイトの表と照合するときは、金額より先に集計期間をそろえます。
下表はVIG ETF Sharesの、各年1月末に終了する会計年度の、税引前・1株当たり米ドルの確定分配額です。前の年の2月から始まる期間を集計しています。口座の税引後入金額や暦年合計ではありません。
| 会計年度の終了日 | 税引前の年間分配額(米ドル/株) |
|---|---|
| 2026年1月31日 | 3.558 |
| 2025年1月31日 | 3.379 |
| 2024年1月31日 | 3.208 |
| 2023年1月31日 | 2.973 |
| 2022年1月31日 | 2.660 |
出典はVIG目論見書「Financial Highlights」(p.32)のTotal Distributionsです。同表の純投資収益とは別の欄で、分配額の括弧は純資産価額から差し引く表示を意味します。
この表を延長して将来の分配額は予想できません。構成企業の増配実績と、ETFの投資家が次回受け取る分配額が増えることは、同じではありません。
直近の分配履歴と現地支払日
個別の受取回を確認する場合は、年次合計より先に現地支払日と単価を照合します。
下表はVIGの公式履歴にある配当分配(Dividend)の確定分です。現地支払日ごとに、税引前・1株当たり米ドルの単価を掲載しています。日付は国内証券口座への入金日を示していません。
| 現地支払日 | 税引前の配当分配額(米ドル/株) |
|---|---|
| 2026年9月30日 | 0.9295 |
| 2026年6月30日 | 0.9988 |
| 2026年3月31日 | 0.8334 |
出典:VIG公式商品ページ「Distributions」のPayable dateとDividend per share。
上表はその年の途中までの支払履歴で、通年の確定分配額ではありません。直近回の単価を年換算して、将来の年間受取額として扱うこともできません。
VIGの目論見書「Fund Distributions」(p.29)では、所得配当は通常四半期ごと、キャピタルゲイン分配は発生する場合に通常12月としています。追加分配が別の時期に行われる場合や、元本払戻しとして扱われる分配もあります。
再投資の取扱いも証券会社によって異なります。同目論見書「Reinvestment of Distributions」(p.29)では、ETFの分配金再投資には対応する仲介業者のサービスが必要で、サービスがなければ現金受取になると説明しています。
経費率と別にかかる費用
経費率はファンドの運営費用の指標で、口座で支払う総費用の上限ではありません。売買や外貨交換の費用は、利用する金融機関の条件を別に確認します。
下表はVIGの2026年5月28日版目論見書(p.1–2)に記載された、投資価額に対する年率経費率です。仲介業者の売買手数料等とファンド内の証券売買費用は含まれません。
| 費用区分 | 投資価額に対する年率 |
|---|---|
| 管理費用 | 0.03% |
| その他費用 | 0.01% |
| 合計 | 0.04% |
| 販売報酬 | なし |
この表は現行費用を反映して修正された目論見書記載値です。実際の経費率は記載値と異なることがあると、公式ファクトシートの経費率注記(p.1)にも記載されています。
ファンド内の証券売買費用は経費率の表には含まれませんが、運用成績には影響します。また、上の運用実績表はファンド費用控除後のため、経費率をもう一度引くと費用の二重控除になります。
VIGの年次株主報告書の費用実績は、2025年2月1日から2026年1月31日までの期間を対象にしています。過去の会計年度の実績費用と、後に発行された目論見書の経費率は、同じ期間の数値ではありません。
費用指標の基本は、信託報酬と総経費率の違いで確認できます。
投資対象と主なリスク
VIGは増配実績のある米国企業の普通株で構成される指数への連動を目指しますが、安全な資産だけを持つことを意味しません。目論見書「Principal Investment Strategies」(p.2)によると、対象のS&P U.S. Dividend Growers IndexからはREITが除かれます。
同目論見書「Principal Risks」(pp.3–4)が挙げる主なリスクには、次のものがあります。
- 株式市場の下落により、保有資産の価値が減少すること。
- 配当を支払う株式を重視するため、配当実績を考慮しない運用に成績が劣ること。
- 指数の銘柄や比率を完全には再現できず、指数とファンドの成績がずれること。
- 構成の偏りや市場の変化で、特定の銘柄・業種の影響を強く受けること。
- 取引所の市場価格とNAVが大きく離れること。
このため、過去の分配額の推移から、今後の増配率や市場平均に対する優劣を断定することはできません。
口座の実績と照合する順番
公表値と口座の実績を照合するときは、期間と通貨をそろえ、分配額と再投資成績を分けます。そのうえで、税・費用・約定価格を確認します。
- 運用成績は基準日・米ドル建て・再投資・税引前・費用控除後という条件を確認する。
- 年間分配額は会計年度の終了日、個別回は現地支払日でそろえる。
- 口座の損益は、自分の約定価格、売買費用、税、実際の換算レートを別に確認する。
税務上の円換算は米国株の税金と円換算の解説で扱っています。このページの表から税引後の入金額や申告額は求められません。
資産形成の計算ツール一覧を見るよくある質問
VIGなら将来も分配金が増えますか?
保証はありません。VIGは増配実績のある企業の株式で構成する指数への連動を目指しますが、企業の過去の配当実績と、ETFの将来の分配額は区別する必要があります。
公表リターンに受取分配金を足してよいですか?
このページの公表リターンには足しません。配当とキャピタルゲイン分配の再投資を仮定した、税引前・ファンド費用控除後の実績だからです。実際の口座での現金受取や税引後損益とは異なります。
年別分配額はその年の年末までの合計ですか?
このページの年次表は暦年合計ではありません。VIGの公式資料に合わせた会計年度の確定額です。個別回を確認する場合は、現地支払日の履歴表を使います。
出典
- Vanguard「VIG公式ファクトシート」:運用実績と算定注記。
- Vanguard「Vanguard Dividend Appreciation ETF Prospectus」:費用、投資方針、分配、会計年度別実績。
- Vanguard「Annual Shareholder Report」:対象会計年度と過去の費用実績。
- Vanguard「VIG公式商品ページ」:確定分配履歴。
この記事は一般的な情報提供であり、個別の税務・投資判断への助言ではありません。個別の税務・労務相談には応じられません。税務上の取扱いは税務署・税理士へ、口座の取扱いは金融機関へご確認ください。