源泉徴収票の書き方
給与所得の源泉徴収票の①支払金額から②給与所得控除後の金額を出し、③④の書き方をチェックします。令和8年分・令和9年分は、支払金額220万円未満の人の②欄を別表第五で引きません(措置法29条の4)。
去年と同じ気持ちで別表第五を引くと、この帯の人だけ②欄が狂います。措置法29条の4第4項は、所得税法190条2号(別表第五を含む)にかかわらず同条2項を適用した金額を使うと書いています。支払金額170万円なら②欄は960,000円で、別表第五だと1,050,000円。90,000円違います。
年調後の年税額(100円未満切捨)。
③欄には基礎控除も入ります。
このページは源泉徴収票を作る側(会社・経理担当者)向けに、各欄に何を書くかを扱います。受け取った票の見方(どの数字が年収か、何を確かめればよいか)は源泉徴収票の見方にあります。
②欄は令和8年分・令和9年分だけ計算が違う
租税特別措置法29条の4は、令和8年または令和9年について、給与等の収入金額が220万円以下の場合の給与所得控除額を74万円(収入が74万円に満たない場合は収入相当額)としています。第4項で、年末調整(所得税法190条2号)にもこれを使うと定めています。
| 支払金額 | ②欄(令和8年分・令和9年分) | 別表第五で引いた場合 |
|---|---|---|
| 70万円 | 0円 | 50,000円 |
| 170万円 | 960,000円(収入−74万円) | 1,050,000円 |
| 219.2万円 | 1,451,000円(量子化の帯) | — |
| 220万円以上 | 別表第五(両者は一致します) | |
下限はありません。条文は「収入金額が二百二十万円以下である場合」と書いており、低いほうに区切りはありません。「69.1万円以上から」と覚えると、それ未満の人の②欄を別表第五で引いてしまいます。
空欄にする欄がある
年末調整をしなかった人(乙欄の人、年の中途で退職した人など)の源泉徴収票は、②③欄を空欄にします。0円と書くのとは意味が違います。
②欄に0と書くと「給与所得が0だった」という別の主張になり、受け取った側が確定申告で誤ります。空欄なら「年末調整をしていないので、自分で計算してください」という意味になります。この場合の④欄には毎月徴収した税額の合計を書きます。
③欄には基礎控除も入る
③は「所得控除の額の合計額」なので、社会保険料等・生命保険料・地震保険料・配偶者控除・扶養控除に加えて基礎控除も合算します。基礎控除を落とすと③欄が小さくなり、税額を過大に見せます。
社会保険料等の金額・生命保険料の控除額・地震保険料の控除額は、それぞれ別に欄があるので二重に確認できます。合計が合わないときは、その3つと人的控除・基礎控除の積み上げを見直してください。
④欄は毎月の合計ではない
年末調整をした人の④欄は年調後の年税額(復興特別所得税を含む・100円未満切捨)です。過不足は12月または翌1月の給与で精算されるので、毎月天引きした額の合計とは一致しません。
このツールが計算しないこと
このツールは②欄の金額と③④欄の書き方のチェックだけを行います。次はしていません。
- 年税額そのもの — 税額表・住宅借入金等特別控除・定額減税は扱いません。月々の源泉徴収税額は源泉徴収税額 計算機をご覧ください
- 所得金額調整控除 — 子育て世帯等の調整控除がある場合、②欄は「(調整控除後)」の欄との使い分けが要ります
- 各控除額そのものの計算 — 生命保険料控除・扶養控除の額は入力された値を合算するだけです
- 摘要欄・支払を受ける者の情報・マイナンバーの書き方
- 提出義務の判定(税務署に提出するか、本人交付だけか)
当サイトは税理士ではありません。実際の作成は顧問の税理士または所轄の税務署にご確認ください。
よくある質問
Q. ②「給与所得控除後の金額」は別表第五で引けばよいのですか?
A. 令和8年分・令和9年分は違います。支払金額が220万円未満なら、租税特別措置法29条の4により給与所得控除は74万円(収入が74万円未満なら収入相当額)で計算します。同条4項が、年末調整(所得税法190条2号・別表第五を含む)にかかわらずこれを使うと定めています。220万円以上は別表第五のままです。
Q. 支払金額170万円だと②欄はいくらですか?
A. 960,000円です(1,700,000 − 740,000)。別表第五で引くと1,050,000円になり、90,000円違います。
Q. 年末調整をしていない人の②③欄はどう書きますか?
A. 空欄にします。0円と書くと「給与所得が0だった」という別の意味になり、受け取った側が確定申告で誤ります。この場合の④欄には毎月徴収した税額の合計を書きます。
Q. ③「所得控除の額の合計額」に基礎控除は入りますか?
A. 入ります。社会保険料等・生命保険料・地震保険料・配偶者控除・扶養控除に加えて基礎控除も合算した額です。基礎控除を落とすと③欄が小さくなり、税額を過大に見せることになります。
Q. ④欄は毎月天引きした税額の合計ですか?
A. 年末調整をした人は違います。年調後の年税額(復興特別所得税を含む・100円未満切捨)です。過不足は12月または翌1月の給与で精算されるため、月々の合計とは一致しません。年末調整をしていない人は、毎月徴収した合計になります。
Q. 支払金額が70万円の人の②欄は?
A. 0円です。措置法29条の4により、収入が74万円に満たない場合の給与所得控除は収入相当額になるためです。別表第五で引くと50,000円になってしまいます。この特例に下限はありません。
Q. 令和10年分以降はどうなりますか?
A. 措置法29条の4は令和8年または令和9年についての特例です。令和10年分以降は所得税法28条3項(収入190万円以下は65万円)に戻ります。
出典
租税特別措置法 29条の4(給与所得控除の最低控除額等の特例。1項=収入220万円以下は74万円、2項=69.1万〜220万円未満の給与所得の金額、4項=年末調整にも適用)。令和8年法律第12号で新設され令和8年12月1日施行のため、e-Gov の将来施行版(law_revision_id 332AC0000000026_20261201_508AC0000000012)で逐語確認しています。所得税法 28条(給与所得)・190条(年末調整)・226条(源泉徴収票)・別表第五。国税通則法119条1項(100円未満切捨)。条文は 2026-08-08 に確認しています。
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