上の計算機の式と、月給を時給に直すときの決まりをまとめます(入力した数字による計算で、個別の雇用契約が最低賃金を満たすかどうかの判断ではありません)。
使い方
- 給料を出す: 上のカードに時給と1日に働く時間を入れます。週の日数も入れると、1週・1か月・1年の目安も出します。
- 時給に換算する: 下のカードで給与の形(月給・日給・年収)を選び、金額・1日の所定労働時間・年間休日を入れます。
- 最低賃金と比べる: 都道府県と比べる日を選ぶと、その日に有効な地域別最低賃金と比べます。最低賃金に入らない手当(通勤手当・残業代など)がある場合は、その額も入れてください。
時給から給料を出す式
1日の給料 = 時給 ×(時間 + 分 ÷ 60)
時給1,200円で7時間30分働くと、1,200円 × 7.5時間 = 9,000円です。1週の給料は1日の給料に週の日数を掛け、1年は52週分、1か月は1年分を12で割った目安です(月によって働く日数は変わるので、実際の月の給料とは一致しません)。
残業(1日8時間・1週40時間を超える時間)や深夜(午後10時〜午前5時)、法定休日に働いた分は割増賃金がつきます。この計算機は割増を足しません。残業代計算ツールで計算してください。
月給・日給・年収を時給に換算する式
月給を時給に直すときは、月給を1か月の所定労働時間で割ります。月によって所定労働時間が違う会社では、1年間の1か月平均所定労働時間で割ります(最低賃金法施行規則2条1項3号・労働基準法施行規則19条1項4号)。日給は1日の所定労働時間で割ります(同2条1項1号)。
- 1か月平均所定労働時間 =(365日 − 年間休日)× 1日の所定労働時間 ÷ 12
- 月給の時給換算 = 月給 × 12 ÷(年間所定労働日数 × 1日の所定労働時間)
- 日給の時給換算 = 日給 ÷ 1日の所定労働時間
- 年収の時給換算 = 年収 ÷(年間所定労働日数 × 1日の所定労働時間)
割るのは所定労働時間(雇用契約や就業規則で決まっている時間)で、実際に残業した時間は含めません。1日の所定労働時間が日によって違う場合は、1週間の1日平均を入れてください。うるう年を含む1年で数える会社は「1年を366日で数える」にチェックを入れます。
最低賃金と比べるときに除く賃金
最低賃金と比べる賃金は、毎月決まって支払われる基本的な賃金です。次の賃金は除いてから比べます。
- 臨時に支払われる賃金(結婚手当など)
- 1か月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
- 所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金(時間外労働の賃金。割増部分だけではなく通常賃金部分も除く)
- 所定労働日以外の日の労働に対して支払われる賃金(所定休日の労働の賃金。割増部分だけではなく通常賃金部分も除く)
- 通常賃金を超える深夜割増部分は、原則午後10時〜午前5時、厚生労働大臣の指定地域・期間は午後11時〜午前6時の労働分を除きます。
- 精皆勤手当
- 通勤手当
- 家族手当
職務手当のように毎月決まって支払われる手当は除きません。除く額を「そのうち最低賃金に入らない額」に入れると、計算機は支給額から除いた額を時給に直して最低賃金と比べます。年収で比べるときは、賞与も除いてください。根拠: 最低賃金法4条3項、最低賃金法施行規則1条、厚生労働省「最低賃金の対象となる賃金」。
この計算機が比べるのは地域別最低賃金だけです。特定の産業に決められた特定最低賃金は含めていません。各都道府県の額と発効日は最低賃金の計算ツールにもまとめています。
厚生労働省の計算例
厚生労働省「最低賃金額以上かどうかを確認する方法」の例を、この計算機で再現できます。
| 例 | 条件 | 計算 | 結果 |
|---|---|---|---|
| Aさん(月給) | 支給額220,000円のうち通勤手当5,000円・時間外手当35,000円。年間所定労働日数250日・1日8時間。最低賃金1,000円 | (180,000円 × 12)÷(250日 × 8時間) | 1,080円で最低賃金以上 |
| Bさん(日給+月給の手当) | 日給6,000円・職務手当月25,000円(通勤手当は除く)。年間所定労働日数250日・1日8時間。最低賃金950円 | 6,000円 ÷ 8時間 +(25,000円 × 12)÷(250日 × 8時間) | 750円 + 150円 = 900円で下回る |
Aさんは、下のカードで「月給・220000・入らない額40000・8時間・年間休日115日」と入れると1,080円になります。Bさんのように日給と月給の手当が組み合わさっているときは、日給と手当をそれぞれ時給に直して足します(日給6000・8時間で750円、月給25000・8時間・年間休日115日で150円)。
端数の扱い
- 給料・時給換算: 計算の途中では丸めず、小数第2位までを四捨五入して表示します(1円未満も表示します)。実際の支払額の端数処理は会社の賃金規程によります。
- 最低賃金との比較: 丸めずに比べます。換算した時給が最低賃金とちょうど同じなら満たしています。1,279.998円のように1円未満だけ足りない場合も「下回る」と表示します。
- 1円単位にした時給: 参考として、50銭未満を切り捨て・50銭以上を1円に切り上げた額も出します。鹿児島労働局のQ&Aは、割増賃金の計算で「1時間当たりの賃金額および割増賃金額に円未満の端数が生じた場合、50銭未満の端数を切り捨て、それ以上を1円に切り上げること」を、労働基準法24条・37条違反として取り扱わない方法として挙げています。最低賃金と比べるときにこの丸めた額を使うと、わずかに足りない場合を見逃すので使いません。
残業代・深夜手当は別に計算する
時給換算は残業代の計算の出発点ですが、残業代の基礎になる賃金から除く手当(家族手当・通勤手当・住宅手当など)は、最低賃金で除く賃金と同じではありません。割増率(25%・50%など)の判定もあるので、残業代計算ツールで計算してください。有給休暇の日数は有給休暇の計算ツール、給料から引かれる税金・社会保険料は手取り計算ツールで確かめられます。
よくある質問
月給を時給に直すとき、何時間で割ればよいですか?
1か月の所定労働時間で割ります。月によって違う場合は、1年間の所定労働時間を12で割った1か月平均所定労働時間で割ります。年間休日115日・1日8時間なら(365日 − 115日)× 8時間 ÷ 12で約166.67時間です。
通勤手当や残業代も含めて最低賃金と比べてよいですか?
含めません。通勤手当・家族手当・精皆勤手当・時間外や休日の労働の賃金・深夜割増部分・賞与・臨時の賃金は除いてから比べます。計算機では「そのうち最低賃金に入らない額」に入れてください。
換算した時給が最低賃金とちょうど同じ場合は違反ですか?
最低賃金法は最低賃金額以上の支払いを求めているので、同額なら満たしています。この計算機は円未満を丸めずに比べ、同額なら「最低賃金と同額」と表示します。
最低賃金が上がる日の前後はどちらの額で比べますか?
発効日の前日までは改定前の額、発効日からは改定後の額です。都道府県ごとに発効日が違うので、計算機は「比べる日」に有効な額を選び、改定前の額で比べたときは改定後の額と発効日も表示します。
出典
厚生労働省の計算例(Aさん1,080円・Bさん900円など)をこの計算機で再現し、換算の割り方は労働基準法施行規則19条・最低賃金法施行規則2条、端数の扱いは鹿児島労働局のQ&Aで確認。最低賃金の額と発効日は厚生労働省の全国一覧から(収録年度と確認日は計算機の下に表示)。
- 厚生労働省「最低賃金額以上かどうかを確認する方法」
- e-Gov法令検索「最低賃金法施行規則」(1条・2条)
- e-Gov法令検索「労働基準法施行規則」(19条)
- e-Gov法令検索「最低賃金法」(4条)
- 厚生労働省「最低賃金の対象となる賃金」
- 厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」
- 鹿児島労働局「Q10 残業手当の端数処理は、どのようにしたらよいですか。」
このページは入力した数字による計算です。個別の雇用契約・賃金が最低賃金を満たすかどうかの判断は、所轄の労働基準監督署にご確認ください。