エアコンの耐用年数|ルームエアコン・建物附属設備の区分表
新品のルームエアコンは、器具及び備品の「冷房用又は暖房用機器」に該当するものなら、法定耐用年数は6年です。ダクトで広範囲を冷房する空調設備などは、建物附属設備として別の年数を使います。
まず設置形態で区分を決め、次に設備の仕様を確認します。この記事は法人が事務所・店舗用に購入する新品を対象とし、リースや製造工程の機械設備は扱いません。
エアコンの法定耐用年数の早見表
新品の法定耐用年数は、資産区分と設備の条件によって異なります。次の表は、器具及び備品のルームエアコンと、建物附属設備の冷房、暖房、通風又はボイラー設備を分けたものです。後者の冷暖房設備には冷房専用も含みます。中古資産の年数は別の扱いです。
| 資産区分と条件 | 法定耐用年数 |
|---|---|
| 器具及び備品:ルームエアコンなどの冷房用又は暖房用機器 | 6年 |
| 建物附属設備:冷暖房設備のうち冷凍機の出力が22kW以下のもの | 13年 |
| 建物附属設備:冷房、暖房、通風又はボイラー設備のうち、冷凍機出力22kW以下の冷暖房設備を除くもの | 15年 |
年数は耐用年数省令・別表第一によります。これは減価償却を計算するための期間で、製品が故障する時期や買替えの期限ではありません。
設置形態と出力を確認する
「業務用」「天井埋め込み」という呼び名だけで区分を決めず、設置図や工事見積書を確認します。国税庁の耐用年数通達・器具及び備品の節では、ダクトを通じて相当広範囲を冷房するパッケージドタイプを建物附属設備としています。
区分が建物附属設備なら、次に冷凍機に直結する電動機の出力を確認します。国税庁の耐用年数通達・建物附属設備の節による判定で、カタログの冷房能力をそのまま使うものではありません。仕様書で読み取れなければ、設置業者に電動機出力が分かる資料を依頼します。
工事の担当者から設置図・仕様書を受け取り、経理側で該当する区分と根拠を固定資産台帳に残すと、次の交換時にも確認できます。分類に迷うときは、資料をそろえて税務署や税理士に確認してください。
取得価額と少額資産の扱い
取得価額には、購入代価・購入付随費用と、事業で使うために直接要した設置工事費等を含めますが、対象は圧縮記帳等の特例・評価換えによる調整がない購入資産です(法人税法施行令・減価償却資産の取得価額)。
次の表は、法人が購入した資産の取得価額から確認する制度の入口です。通常の取引単位ごとに判定し、リースと主要な事業ではない貸付用資産は対象に含めません。ここでは適用を決めず、各制度の申告要件まで確認してください。
| 取得価額の条件 | 確認する制度 | 主な確認事項 |
|---|---|---|
| 取得価額10万円未満 | 少額の減価償却資産の損金算入 | 事業で使い始めた年度に全額を損金経理しているか |
| 取得価額20万円未満 | 一括償却資産 | 対象資産の選定、損金経理、申告書の記載・明細添付、計算書類の保存 |
| 青色申告の対象中小企業者等が令和8年4月1日以後に取得等した資産は、取得価額40万円未満 | 中小企業者等の少額資産の特例 | 対象法人・資産、取得と供用の期限、合計額の限度、損金経理、明細添付、重複適用の制限 |
少額特例の取得価額基準は、改正前の取得等には30万円未満が使われます。新基準を過去の取得分へ当てはめません。対象者・取得時期別の要件や一括償却の計算は、少額減価償却資産と一括償却資産の比較で確認できます。
通常の償却を行うときは、確定した耐用年数と取得価額を使います。償却方法・供用月からの計算は減価償却の基本と計算方法で確認できます。
減価償却費の計算機で試算する賃貸オフィスに自社で設置した場合
借りたオフィスでも、独立した機器として自社が購入・設置したルームエアコンと、建物附属設備への造作を分けて確認します。建物を借りているという理由だけで、設備を建物本体と同じ年数にはしません。
法人の賃借建物への附属設備の造作は、賃借期間を耐用年数として償却できます(賃借期間の定めがあり更新できず、有益費の請求または買取請求もできない場合)。それ以外は、その附属設備の耐用年数で償却します(国税庁「他人の建物に対する造作の耐用年数」)。
賃貸借契約書の更新条項と、退去時の設備の扱いを確認してください。壁や床など建物そのものへの造作と空調設備への造作を混ぜず、工事の内訳を残しておくことが実務上の確認点です。
まとめ
エアコンの年数は、設置形態による資産区分を決めてから選びます。建物附属設備なら冷凍機の仕様を、少額処理を検討するなら設置費等を含む取得価額と制度の適用要件を確認してください。
耐用年数表の見方や中古資産の扱いは、減価償却の耐用年数の調べ方にまとめています。
よくある質問
業務用や天井埋め込みなら建物附属設備ですか?
名称だけでは決めません。ダクトを通じて相当広範囲を冷房するパッケージドタイプは建物附属設備に該当するため、設置図・仕様書で実際の設備構成を確認します。
出力はカタログの冷房能力を見ればよいですか?
建物附属設備の冷暖房設備では、冷凍機に直結する電動機の出力を確認します。冷房能力の数値で区分を決めず、仕様書で分からなければ設置業者に該当資料を依頼してください。
設置工事費もエアコンの取得価額に含めますか?
圧縮記帳等の特例・評価換えによる調整がない購入資産では、事業で使うために直接要した設置工事費等も含めます。本体の購入代価と購入付随費用も合わせて取得価額を整理します。
出典
- e-Gov法令検索「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」別表第一
- 国税庁「耐用年数の適用等に関する取扱通達」器具及び備品・冷房用又は暖房用機器
- 国税庁「耐用年数の適用等に関する取扱通達」建物附属設備・冷房、暖房、通風又はボイラー設備
- e-Gov法令検索「法人税法施行令」取得価額の規定
- 国税庁「少額の減価償却資産になるかどうかの判定の例示」
- e-Gov法令検索「法人税法施行令」一括償却資産の損金算入
- 国税庁「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」
- 国税庁「他人の建物に対する造作の耐用年数」
本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の税務・労務相談には応じられません。具体的な判断は税務署・税理士等の専門家にご確認ください。