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法人住民税とは|均等割・法人税割と申告先の早見表

法人住民税は、会社の規模などで決まる均等割と、法人税額を基に計算する法人税割からなる地方税です。事務所等を有する普通法人は、赤字でも均等割の申告・納付が必要です。

申告準備では、事務所の所在地、所在期間、従業者数を先にそろえます。この記事は株式会社・合同会社などの普通法人の確定申告を中心に、標準税率と新設・廃止・分割の確認点を整理します。

均等割と法人税割・申告先の違い

法人住民税には、都道府県に納める法人都道府県民税と、市町村に納める法人市町村民税があります。国に納める法人税とは申告先が異なります。

次は、事務所等を有する普通法人の通常の確定申告での比較です。予定申告と、寮等だけを有する場合などは含めません。

法人住民税の内訳
項目均等割法人税割
計算の基準資本金等の額、所在期間。市町村民税では従業者数も使う課税標準となる法人税額
普通法人が赤字の場合事務所等があれば課税される課税標準となる法人税額がなければ生じない
複数の自治体に事務所がある場合所在地ごとに所在期間などを確認する課税標準となる法人税額を分割して計算する

東京23区内では、市町村民税相当分も含めて東京都が法人都民税として課税します。都内の市町村部では、都民税と市町村民税を分けて確認します(地方税法734条)。

申告先は登記上の本店住所だけで決めず、実際の事務所等の所在地を確認します。千葉市は事務所等を、事業のための人的・物的設備があり、継続して事業を行う場所と説明しています。

主な別区分は、寮等だけがある法人、公共法人・公益法人等、法人課税信託の受託者です。本記事の普通法人向けの表を、そのまま当てはめないでください。

均等割の標準年額表

均等割は、所得や売上に一定率を掛ける税金ではありません。資本金等の額などで税率区分を選び、事務所等の所在期間に応じて計算します。

次は2026年10月確認の地方税法による、資本金等の額を有する普通法人の確定申告に使う均等割の標準年額です。通年所在する場合の額で、超過課税は含みません。資本金等の額は地方税法の調整と下限を反映した額です。市町村民税の人数は、算定期間末日現在の市町村内の事務所・事業所・寮等の従業者の合計です(政令所定の役員を含む)。政令指定都市は区内で判定します。

普通法人の均等割・標準年額
資本金等の額道府県民税市町村民税
50人以下
市町村民税
50人超
1,000万円以下2万円5万円12万円
1,000万円超・1億円以下5万円13万円15万円
1億円超・10億円以下13万円16万円40万円
10億円超・50億円以下54万円41万円175万円
50億円超80万円41万円300万円

実際の申告には所在地の税率表を使います。政令指定都市の市民税均等割は区内の従業者数で判定し、区ごとに計算します。東京特別区にも特例があるため、上の額を単純に合計しないでください。

資本金等の額は、登記された資本金と同じとは限りません。株式会社の均等割では、地方税法による調整後の資本金等の額が資本金と資本準備金の合計額を下回るとき、その合計額を使います。

確定申告では事業年度末の資本金等の額等と従業者数を確認します。減資や欠損填補を行った場合の調整は、減資の記事と東京都主税局の均等割Q&Aで確認できます。

年額の根拠は地方税法52条・312条です。

法人税割の計算で確認する税額

法人税割は、所得金額ではなく、課税標準となる法人税額を基に計算します。法人税の納付書の金額をそのまま転記せず、地方税申告書の課税標準欄を確認します。

令和元年10月1日以後に開始する事業年度の法人税割の標準税率は、道府県民税が1.0%、市町村民税が6.0%です。適用税率は、算定期間末日時点の所在地の税率表で、該当法人・事業年度の区分を確認します。

通常の確定申告で分割が不要な場合は、課税標準となる法人税額に自治体の法人税割税率を掛けます。複数自治体に事務所等がある法人の通常の確定申告では、分割後の課税標準に各自治体の税率を掛けます。

グループ通算や税額控除などがある場合は、法人税割の課税標準の調整も確認します。予定申告は前期の税額を基にする別の計算で、上の確定申告の式とは分けます。

税率は地方税法51条・314条の4、課税標準と申告は53条・321条の8を参照してください。

国税の法人税を概算する

国税の所得計算・税率の全体像は法人税とは、法人事業税の外形標準課税は外形標準課税の記事に分けています。

事務所等のある普通法人は赤字でも申告が必要

事務所等を有する普通法人は、赤字という理由だけで法人住民税の申告を省略できません。事務所等を有する普通法人の均等割は、法人税割の課税標準となる法人税額がなくても残ります。

会計上の赤字と、税務上の所得・法人税額は別です。決算書の当期純損失だけで法人税割も生じないと判断せず、税務調整後の課税標準を確認します。

収益事業を行わない公益法人等に対する非課税・課税免除・減免は、普通法人の赤字とは異なる扱いです。該当する法人は所在地の制度と必要な申請を確認します。

事務所を新設・廃止した場合

2026年10月現在、普通法人の均等割は、年額に所在月数を掛けて12で割り、税額の100円未満を切り捨てて計算します。均等割の月数は暦に従い、端数月は切り捨てますが、所在期間全体が1か月未満なら1か月とします。

次は千葉市内の単一区に事務所がある普通法人の、均等割だけの架空の設例です。資本金等の判定額は1,000万円以下、区内従業者は期末50人以下、均等割の所在月数は6か月、千葉市の均等割年額は5万円とします。県民税は含めず、計算結果に税額の端数はありません。

千葉市の市民税均等割の月割設例
計算するもの計算式設例の税額
市民税均等割5万円 × 6か月 ÷ 1225,000円

新設日・廃止日と、申告に使う月数を別の欄で管理すると、日付をそのまま月数に読み替える誤りを防ぎやすくなります。法人税割の分割用の存在月数は、次の節のとおり端数処理が異なります。

所在期間と月数の扱いは千葉市「法人市民税Q&A」でも確認できます。

複数自治体への分割と従業者数

通常の確定申告で複数の都道府県・市町村に事務所等がある法人は、課税標準となる法人税額を従業者数で分割します。均等割そのものを会社全体で計算して分配する方法ではありません。

新設・廃止や著しい人数変動がある事務所等では、分割に使う人数の補正が必要です。

次は普通法人の確定申告で、法人税割の分割基準に使う従業者数の確認表です。予定申告は対象外です。新設・廃止・著しい変動の補正で人数に端数が出た場合は切り上げ、分割用の存在月数の端数も切り上げます。

法人税割の分割に使う人数
事務所等の状況分割用の従業者数用意する記録
期中の新設・廃止や著しい人数変動がない算定期間末日の人数期末の従業者一覧
期中に新設期末人数 × 新設後の存在月数 ÷ 算定期間月数新設日、期末人数
期中に廃止廃止前月末人数 × 期中の存在月数 ÷ 算定期間月数廃止日、廃止前月末の人数
政令に定める著しい人数変動がある各月末人数の合計 ÷ 算定期間月数各月末の従業者一覧

分割の根拠は地方税法57条・321条の13です。

均等割の人数を分割用に流用しない

均等割の税率区分と、法人税割の分割では、同じ従業者一覧から異なる人数を使う場合があります。千葉市の案内が挙げる主な違いは、次のとおりです。

千葉市の案内による従業者数の主な違い
確認点均等割の税率区分法人税割の分割
寮等の従業者含める含めない
期中の新設・廃止に伴う人数補正分割用の補正は使わない上の表の補正を使う
アルバイト等の時間換算自治体案内の条件に従う別の数え方がある均等割用の時間換算は使えない

従業者数の算定方法を変更した場合は、均等割用と法人税割用の一覧を分けて残すと、翌期の確認が容易になります。

事務所・従業者・所在期間自治体別の一覧を作る 均等割の区分・月数法人税割の分割用人数 自治体別に税額を確認申告と納付の完了を確認する
均等割と法人税割では、人数・月数の扱いを分けて確認します。

申告期限・届出と提出方法

通常の普通法人の確定申告・納付期限は、事業年度終了の日の翌日から2か月以内です。期限が土日祝日・年末年始などに当たる場合は翌開庁日となり、申告期限の延長等がある場合はその適用を確認します。

主な別扱いは、法人税の申告期限延長の適用、災害等による延長、解散・清算などです。申告期限の延長だけを見て納付も同じように遅らせず、納付期限と延滞金等の扱いを自治体に確認します。

新設・廃止・移転では、税額の計算に加え、自治体への設立・設置届や異動届も確認します。国税の届出だけで地方税の届出も完了したとは扱いません。

千葉市の法人設立・事務所等の設置届の期限は30日以内で、土日祝日・年末年始などに当たる場合は翌開庁日です。市内に初めて設置する場合は、登記事項証明書と定款等の写しを添付します。所在地・事業年度などの変更は、異動・変更届出書で届け出ます。

届出の期限と添付書類は自治体ごとに確認します。千葉市は、市内に事務所等を新設したとき、市と県の両方への届出が必要と案内しています。

申告書の提出方法は、所在地の窓口・郵送・電子申告の案内で確認します。千葉市は電子申告も案内しています。電子申告の送信後も、納付の完了を別に確認する段取りで管理します。

申告期限と様式への入口は千葉市「法人市民税」、期限の休日特例は地方税法20条の5を参照してください。中間申告の判定は中間申告の記事で扱っています。

申告前に集める資料

新設・廃止があった期は、前年の申告書を写す前に、事務所一覧を更新するところから始めると確認漏れを減らせます。次は申告準備に使う資料の例です。

法人住民税の申告準備表
用意する資料の例確認すること
前期の地方税申告書・当期の自治体の税率表申告先、税率区分、前期からの変更
当期の法人税申告書・資本に関する明細法人税割の課税標準、均等割の資本金等の判定額
事務所の開設・廃止・移転の記録均等割の所在月数と分割用の存在月数
期末・各月末の従業者一覧均等割の人数、分割用人数、新設・廃止等の補正
届出書・申告期限延長の関係資料所在地・事業年度の変更、延長の適用と申告期限
申告受付と納付の記録自治体ごとの申告・納付の完了状況

計算の根拠として残す人数・月数と、届出済みの情報が一致しているかを照らし合わせます。資料に矛盾があれば、提出先自治体や税理士に確認してから申告書を整えます。

よくある質問

Q. 法人住民税は赤字でも払いますか?

A. 普通法人が事務所等を有する場合の確定申告では、赤字でも均等割の申告・納付が必要です。法人税割は課税標準となる法人税額がなければ生じませんが、会計上の赤字だけで法人税額の有無は決まりません。

Q. 株式会社の均等割は登記上の資本金で決まりますか?

A. 登記上の資本金だけでは決まりません。株式会社では、地方税法の調整を反映した資本金等の額と、資本金・資本準備金の合計額による下限を確認します。市町村民税では従業者数も税率区分に関係します。

Q. 支店を廃止した期も申告が必要ですか?

A. 算定期間中に事務所等があった自治体について申告を確認します。普通法人の確定申告での計算は、均等割の月割と法人税割の分割用従業者数を確認してください。期末に支店がないという理由だけで申告先から外さないようにします。

Q. 東京の特別区では区役所に申告しますか?

A. 東京特別区内の法人住民税は、市町村民税相当分を含めて東京都の法人都民税として申告します。都内の市町村部は、市町村民税と都民税を分けて確認します。

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出典

本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の税務相談ではありません。実際の申告・納付については、所在地の自治体または税理士にご確認ください。

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