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インベスコ世界のベスト vs eMAXIS Slimオルカン|費用・分配方針を比較

税引前の分配金を再投資したと仮定して2023年9月11日から2026年9月10日までを比べると、100万円の終了時評価額は世界のベストが1,681,312円、オルカンが1,850,650円でした。毎月受け取る分配金の多さと、資産全体が増えた割合は別の指標です。

インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)、愛称「世界のベスト」と、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は、どちらも世界の株式に投資します。ただし世界のベストは先進国の株式を選ぶアクティブ型、オルカンは新興国も含む指数に連動する型です。

費用と分配方針も違います。

楽天証券の週間買付金額8位の世界のベストと1位のeMAXIS Slimオルカンを、世界株式というテーマで比較しました。同じ指数の商品ではなく、地域・銘柄・分配方針の違いも比較対象です。世界のベストのヘッジあり型や年1回決算型には、この数字を流用できません。

比較の前提となるアクティブ運用とパッシブ運用の違いは、インデックス投資の基礎解説で確認できます。

同じ期間の100万円を、税引前の分配金再投資で並べる

世界のベストは毎月分配金を支払うため、基準価額の騰落だけではオルカンと比べられません。下表は2本とも、税引前の分配金を決算日の基準価額で再投資したと仮定した値です。世界のベストの値は、日次の基準価額と課税前分配金の履歴から計算しました。同じ計算で出した2026年8月31日までの騰落率は、月次運用レポートの「騰落率(課税前分配金再投資ベース)」の6つの値と小数第2位まで一致します。

項目世界のベスト(ヘッジなし・毎月)eMAXIS Slimオルカン
比較期間2023-09-11〜2026-09-102023-09-11〜2026-09-10
累積騰落率+68.13%+85.06%
年率換算(複利)+18.92%+22.79%
100万円の終了時評価額(売却前)1,681,312円1,850,650円
比較期間内の最大下落率-17.64%-20.51%
直近1年の騰落率+16.65%+25.52%
期間内の分配金(課税前・1万口当たり)36回・合計5,400円0円
この行の基になるデータインベスコ公式サイトのファンドページに組み込まれた、ウエルスアドバイザー配信の日次の基準価額と課税前分配金の履歴(出典のリンク先)。再投資ベースはこの2つから計算三菱UFJアセットマネジメントの設定来データCSV(基準価額と分配金再投資基準価額)
データの取得日2026年10月2日2026年10月2日

直近1年は2025-09-11〜2026-09-10。最大下落率は比較期間内のそれまでの高値から、その後の安値までの下落を日次で測定。設定来の最悪値や将来の損失上限ではありません。年率は複利換算であり、毎年同率だったという意味ではありません。

表の値は2本とも税引前で、購入時手数料・信託財産留保額・投資者の税金を引いていません。表の差は、2本の手取り額の差とは一致しません。

2001000オルカン世界のベスト開始日終了日
2023年9月11日を100とし、2026年9月10日までを表示しています。実線はeMAXIS Slimオルカン、破線は世界のベスト(ヘッジなし・毎月)。2本とも税引前の分配金を再投資したと仮定した推移で、期間と数値は上の表のとおりです。

表の値が手取り額と一致しない理由

分配金から税金が引かれる場合や、分配金を再投資せずに受け取る場合は、表の値にはなりません。世界のベストの交付目論見書は、税金と分配金について次のように書いています。

オルカンはこの期間の分配金が0円でした。

目論見書の料率と、運用報告書の実績を分けて見る

項目世界のベスト(ヘッジなし・毎月)eMAXIS Slimオルカン
信託報酬(税込年率)1.903%基本料率0.05775%以内(段階制・貸株時の追加報酬は別)
総経費率(実績・年率)1.91%0.07061%
総経費率の対象期間2025/12/24〜2026/6/232025/4/26〜2026/4/27
投資地域日本を含む先進国(新興国を除く)日本・先進国・新興国
為替ヘッジ原則として行わない原則として行わない
決算頻度毎月年1回
信託財産留保額換金時0.30%なし
購入時手数料3.30%(税抜3.00%)以内で販売会社が定めるありません
実質信託報酬率の例記載なし0.05755%(純資産10兆9,000億〜11兆9,000億円のとき)
料率の出所交付目論見書(2026年9月17日)交付目論見書(使用開始日 2026年7月25日)
総経費率の出所運用報告書(全体版)第145〜150期の<為替ヘッジなし>の欄。交付目論見書の参考情報も同じ1.91%交付目論見書の参考情報の詳細欄。交付運用報告書(第8期・2026年4月27日決算)の表示は0.07%

総経費率には、購入時手数料、売買委託手数料、有価証券取引税は原則として含まれません。対象期間、年率表示、含まれる費用の範囲をそろえて読む必要があります。

投資対象の異なる2商品に加え、同じ指数に連動する全世界株式ファンド同士の費用と実績の差も確認できます。

毎月150円の分配金は、その月の利益150円を意味しない

世界のベストの2026年6月23日までの6期では、1万口あたり毎期150円、合計900円の分配が行われました。報告書の分配原資を見ると、2026年2月24日決算の150円のうち当期の収益は4円、当期の収益以外は146円です。3月23日決算では当期の収益の欄は「―」、当期の収益以外は150円と記載されています。

分配金の全額が、その期の収益から出たわけではありません。ただし、報告書の「当期の収益以外」と投資者ごとの税務上の元本払戻金は同義ではありません。後者は各投資者の個別元本などによって変わります。

分配金を支払うと、その分だけファンドの資産が減ります。基準価額だけを比べれば毎月分配型の実績を過小評価し、受取分配金だけを足せば資産の減少を見落とすことがあります。再投資成績を比較するときは、税引前分配金の扱いをそろえる必要があります。

年1.84ポイントほどの経費率差は、実績差そのものではない

表の総経費率を単純に引くと約1.84ポイントです。ただし世界のベスト側は半年の作成期間を年率換算した値で、オルカン側とは対象期間も違います。半年分の費用として1.91%をそのまま引く計算は誤りです。

2本は投資地域と銘柄の選び方も違います。世界のベストの直近報告書は、銘柄選択やセクター配分などの運用要因を説明しています。費用の差だけでは、運用成果の差は決まりません。この期間の年率換算の差は3.87ポイント(+22.79%と+18.92%)で、総経費率の差の約1.84ポイントとは一致しません。

また、上の終価は売却前の評価額です。世界のベストには換金時に0.30%の信託財産留保額があり、100万円分を換金する単純な例なら3,000円に相当します。購入時手数料も目論見書では3.30%以内で販売会社が定めます。購入手数料や投資者の税金は基準価額に入らないため、手取り額の比較には別計算が必要です。

この期間は、累積騰落率はオルカンの方が高く、期間内の最大下落率は世界のベストの方が小さい結果でした。別の期間で同じ結果になるとは限りません。収益率、途中の下落、分配方針のどれに意味を置くかを、ひとつの「得」という順位にまとめていません。

表の数字を、資料のどこから引き直すか

費用と2本の実績は次の資料で確認しました。世界のベストの再投資ベースの値は、日次の基準価額と課税前分配金の履歴から計算し、月次運用レポートの騰落率で検算しています。資料名と、その資料がいつ時点のものかを書いておけば、読者が同じ値を引き直せます。今回の世界のベストの運用報告書は第145〜150期の6決算をまとめた資料です。目論見書の使用開始日と運用報告書の対象期間を分けて確認してください。

資料時点この記事で使った数字
インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)交付目論見書2026年9月17日(総経費率の対象期間は2025年12月24日〜2026年6月23日)信託報酬1.903%、購入時手数料3.30%以内、信託財産留保額0.30%、総経費率1.91%
同 運用報告書(全体版)第145〜150期作成期間 2025年12月24日〜2026年6月23日総経費率1.91%、1万口当たりの費用明細、作成期間の平均基準価額8,800円
同 公式サイトのファンドページに組み込まれた日次の基準価額と課税前分配金の履歴(ウエルスアドバイザー配信・出典のリンク先)2026年10月2日取得世界のベストの累積騰落率、年率換算、終了時評価額、最大下落率、直近1年、期間内の分配金
同 月次運用レポート2026年8月31日現在騰落率(課税前分配金再投資ベース)の6つの値。再投資ベースの計算の検算に使用
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)交付目論見書使用開始日 2026年7月25日信託報酬の基本料率0.05775%以内と段階制・貸株時の追加報酬、実質信託報酬率0.05755%の例、購入時手数料と信託財産留保額、総経費率0.07061%とその内訳
同 交付運用報告書 第8期2026年4月27日決算総経費率の表示0.07%
同 設定来データCSV2026年10月2日取得オルカンの累積騰落率、年率換算、終了時評価額、最大下落率、直近1年

例1 世界のベストの総経費率1.91%を、費用明細から引き直す

運用報告書(全体版)の<為替ヘッジなし>の「1万口当たりの費用明細」に、作成期間の実額が載っています。作成期間の平均基準価額は8,800円です。

項目1万口当たり比率(作成期間)
(a) 信託報酬84円0.949%
 うち投信会社40円0.455%
 うち販売会社39円0.439%
 うち受託会社5円0.055%
(b) 売買委託手数料8円0.087%
(c) その他費用0円0.003%
合計92円1.039%

作成期間は2025年12月24日から2026年6月23日までの182日なので、年率にするにはおよそ2倍します。総経費率に入るのは(a)と(c)で、(b)は入りません。

足すと1.91%になり、交付目論見書の参考情報が載せている<為替ヘッジなし>の1.91%(①運用管理費用1.90%+②その他費用0.01%)と一致します。

作成期間は182日なので、年率の係数を365÷182=2.0055として表示済み比率の合計0.952%(0.949%+0.003%)を換算しても1.909%で、小数第2位は同じ1.91%になります。

費用明細は、消費税等を含む費用を、追加・解約による口数の変動を考慮した簡便法で算出したものです。金額は円未満を四捨五入し、比率は端数を含む費用額を平均基準価額で割って100を乗じ、小数点以下第4位を四捨五入しています。売買委託手数料とその他費用には、親投資信託が支払った費用のうち当ファンドに対応する分も含みます。総経費率もこの簡便法による年率の参考値で、実際に発生した費用の比率とは異なります。

総経費率から除かれた費用が、この明細では約0.17ポイント合計1.039%を年率にすると約2.08%で、総経費率1.91%より約0.17ポイント大きくなります。差は(b)売買委託手数料0.087%を年率にした分です。報告書は総経費率の費用から「原則として、募集手数料、売買委託手数料および有価証券取引税を除く」と書いています。総経費率から除外される費目のうち、この明細に独立した行があるのは(b)売買委託手数料で、1万口当たり8円、年率で約0.17ポイントです。募集手数料と有価証券取引税はこの表に行がありません。

合冊の運用報告書なので、<為替ヘッジあり>の欄を読むと別の数字になります。あり側は(c)その他費用が0.057%(年率0.11%)で、総経費率は2.01%です。この記事が比較しているのはヘッジなし・毎月決算型なので、1.91%の側を使っています。

例2 オルカンの0.07061%は、運用報告書ではなく目論見書の参考情報にある

交付運用報告書(第8期)の総経費率の表示は小数2桁で0.07%です。5桁の0.07061%は交付目論見書の参考情報の詳細欄にあり、内訳は①運用管理費用0.05746%、②その他費用0.01315%です。対象期間はどちらも2025年4月26日から2026年4月27日までです。報告書の2桁だけを見ると、0.07061%は確かめられません。

①の0.05746%は、表に載せた基本料率の上限0.05775%より低い値です。この商品の信託報酬は、純資産総額に応じた段階制です。交付目論見書の料率は次のとおりです。

さらに同じ目論見書が、純資産総額10兆9,000億円から11兆9,000億円のときの実質信託報酬率を0.05755%と例示しています。基本料率の上限だけでは、この段階制を反映できません。

有価証券の貸付を指図した場合は、ファンドの品貸料とマザーファンドの品貸料のうちファンドに属するとみなした額の49.5%(税込)以内が、運用管理費用に追加されます。世界のベストの交付目論見書には、品貸料についての記載がありません。

例3 終了時評価額を、データ2行から引き直す

オルカンは設定来データCSVの「基準価額(分配金再投資)」の列を2行見れば引き直せます。2023年9月11日が20,087円、2026年9月10日が37,174円です。100万円×37,174÷20,087で1,850,650円、累積騰落率は+85.06%になります。倍率はおよそ1.8506倍ですが、円の額は丸める前の比から出してください(1.8506倍で止めると1,850,600円になります)。

この期間の決算3回(2024年4月25日・2025年4月25日・2026年4月27日)はいずれも分配金が0円で、基準価額と分配金再投資基準価額は全営業日で同じ値でした。

世界のベストは同じ引き方ができません。この期間の基準価額は9,098円から8,452円へ下がり、この2行の比だけでは−7.10%になります。この間に決算は36回あり、毎回1万口あたり150円、合計5,400円の分配金(課税前)が支払われました。

再投資ベースでは、次の日次の倍率を、起点の翌営業日から終点まで732個掛け合わせます。

積は1.6813倍で、丸める前の比から+68.13%・1,681,312円になります。

この計算が運用会社の数字と合うかは、月次運用レポート(2026年8月31日現在)で確かめられます。同じ計算で2026年8月31日までの騰落率を出すと、1ヵ月0.80%・3ヵ月5.47%・6ヵ月12.14%・1年24.37%・3年76.96%・設定来555.14%です。レポートの「騰落率(課税前分配金再投資ベース)」の<為替ヘッジなし>の値と、小数第2位まで一致します。設定来は設定時の10,000円が起点です。

世界のベスト1本の中で、測り方だけで75ポイント以上ちがう基準価額の2点だけで見た−7.10%と、税引前の分配金を再投資した+68.13%の差です。2商品の差(+85.06%と+68.13%で16.93ポイント)とは別の話です。受け取った分配金だけを足して見ると、分配で減った基準価額の側を見落とします。

年率換算は、累積の倍率を期間の暦日数(1,095日)で複利に直したものです。1年を365.25日とすると世界のベストが+18.92%、オルカンが+22.79%、365日とすると+18.91%と+22.77%です。小数第2位は1年の日数の取り方で動くので、他の資料の年率と並べるときは換算の定義をそろえてください。

計算条件と、この比較からは分からないこと

2026年10月2日取得の保存データで、2023年9月11日から2026年9月10日までの2本の実績を再計算しました。この期間は両商品の基準価額データがそろう733営業日で、暦日では1,095日です。データの取得日に合わせて終点を延ばしてはいません。

オルカンの実績は、運用会社の設定来データの「基準価額(分配金再投資)」を使いました。世界のベストは、日次の基準価額と課税前分配金の履歴から、決算日の基準価額で分配金を再投資したとみなして計算しました。2本の起点・終点、年率換算の日数(1年=365.25日)、最大下落率の測り方は同じです。日次の表示精度に伴う端数があるため、小さな金額差は概算として読んでください。

終了時評価額は100万円×終点の再投資ベースの値÷起点の再投資ベースの値で計算しています。運用中に基準価額から差し引かれた信託報酬等を、もう一度引いていません。

オルカンには購入時手数料と信託財産留保額はありません。世界のベストの購入時手数料(3.30%以内)と換金時の信託財産留保額0.30%は、表の値に入れていません。

課税口座の換金益には課税される一方、オルカンはNISAの要件を満たす場合は非課税となるため(世界のベストはNISAの対象ではありません)、この税引前の評価額が実際の手取り額と一致するとは限りません。

掲載した2本の実績は、2023年9月11日から2026年9月10日までの期間に限ります。期間が変われば差の大きさも変わります(直近1年では+16.65%と+25.52%)。費用、投資対象、下落率を示すところまでとし、総合順位や購入判断にはまとめていません。総経費率は次の運用報告書が公表された時点で、実績比較は四半期ごとに期間を更新する対象です。

積立額と仮定の年率から将来額を計算する

シミュレーターに入れる年率は仮定です。過去の実績が将来も続く前提にはしないでください。

よくある質問

世界のベストの分配金利回りとオルカンのリターンを比べられますか?

そのままでは比べられません。分配金利回りは支払った分配金に関する比率で、基準価額の増減を含む資産全体の増減率とは違います。本記事は、2本とも税引前の分配金を再投資したと仮定した値で、同じ期間(2023年9月11日〜2026年9月10日)を比べています。

表の世界のベストの実績は、分配金を受け取った場合の手取りと同じですか?

同じではありません。表の値は、税引前の分配金を決算日の基準価額で再投資したと仮定したものです。交付目論見書は分配時に普通分配金に対して20.315%が課税されるとしており(個人投資家の源泉徴収時の税率)、分配金を再投資せず受け取る場合や税金が引かれる場合は、表の値にはなりません。

信託財産留保額0.30%は毎年かかりますか?

この商品の信託財産留保額は換金時に控除されるものです。毎年の信託報酬に0.30%を足す扱いではありません。

世界のベストはオルカンと同じ国に投資しますか?

同じではありません。世界のベストは新興国を除く世界の株式が主要対象です。オルカンは日本を含む先進国と新興国の株式市場を対象にします。

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出典

本記事は一般的な情報提供を目的とし、特定の金融商品の取得・売買を勧めるものではありません。当サイトは金融商品取引業者ではなく、投資助言を行うものでもありません。数値は記載した期間の過去の実績であり、将来の運用成果を示しません。費用・運用方針は変更されるため、最新の交付目論見書をご確認ください。

資料取得日: 交付目論見書・運用報告書は2026年9月30日、基準価額と分配金のデータ・月次運用レポートは2026年10月2日。基準価額データは、世界のベストがウエルスアドバイザー配信、オルカンが運用会社公表。

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