開業届をe-Taxで提出する方法|作成・送信から受付確認と保存まで
開業届は、パソコンに入れるe-Taxソフトで作成・送信し、メッセージボックスで受付結果を確認します。送信後は、受信通知と提出したデータを手元に保存すると、何をいつ出したか確認しやすくなります。
WEB版の作成メニューで開業届を探し続ける必要はありません。公式のパソコン用WEB版の作成可能手続一覧に、個人事業の開業届は掲載されていません。この記事では、ダウンロード版を使い、本人がマイナンバーカードとICカードリーダライタで送信する手順を扱います。
使うソフトと端末を確認する
公式のe-Taxソフトで開業届を新規作成する場合は、ダウンロード版を使います。作成するソフトと、送信後の通知を確認する画面を分けて考えると、入口を間違えにくくなります。
| 画面・ソフト | 開業届の新規作成 | この記事での使い方 |
|---|---|---|
| e-Taxソフト(ダウンロード版) | 公式手続案内で案内される作成経路 | 帳票入力・電子署名・送信・受付結果の確認 |
| e-Taxソフト(WEB版) | パソコン用の作成可能手続一覧に開業届の掲載なし | 電子証明書で認証した個人が、受信通知の詳細を確認 |
青色申告承認申請がWEB版で作成できても、開業届まで同じ画面で作れるとは限りません。利用前にWEB版で作成可能な手続を確認します。
ダウンロード版e-Taxソフトの推奨OSは日本語版のWindows 11です。Mac OSでは、このダウンロード版e-Taxソフトは利用できません。
ダウンロード版は、OSへの最新のサービスパック等の適用、Microsoft Edgeの搭載、インストール時等の管理者権限も確認します。ブラウザ・PDF閲覧ソフトを含む組合せは、公式の利用環境とダウンロード案内で確認できます。
対応するパソコンを用意できない場合は、国税庁の様式を使った書面の持参・送付も選べます。民間ソフトを使う場合は、そのソフトが開業届の電子送信に対応するかを提供元で確認します。
送信前に準備するもの
利用者識別番号、電子証明書、作成する届出の内容を揃えてからソフトを設定します。ここでは個人本人がマイナンバーカードで送る場合を示します。
| 用意・確認するもの | 確認する内容 |
|---|---|
| 利用者識別番号 | 確定申告などで既に取得済みなら、その番号を確認する |
| マイナンバーカード | 電子署名に使う電子証明書と、そのパスワードを確認する |
| ICカードリーダライタ | カードの読み取りと必要なソフトの設定を確認する |
| 届出内容 | 氏名・納税地・屋号・事業内容・開業日など、帳票に入れる内容を整理する |
「開始届出書」と「開業届」は別の手続
e-Taxの開始届出書は、e-Taxの利用を始めるための届出です。事業を始めたことを届ける開業届とは別なので、利用者識別番号を取得しただけで開業届の提出が済むわけではありません。
既に利用者識別番号を持っている場合は、開始届出書を再提出しません。再提出すると、これまでe-Taxで提出した申告等の内容を確認できなくなるためです。番号を忘れた場合は、公式の変更等届出の案内を確認します。
利用者識別番号をまだ持っていない場合は、e-Taxの利用開始の公式案内に沿って先に取得します。初めて利用する場合でも、マイナンバーカード方式を利用するための手続をする場合は開始届出書の提出は不要です。自分が既存利用者か初回利用者かを分けて、同じ番号を使い続けます。
ソフトと必要な帳票を準備する
e-Taxソフトのダウンロード案内に沿って、ルート証明書等、信頼済みサイト等の設定、共通プログラム、必要な税目プログラムを準備します。所得税関係の必要な帳票を導入し、起動時のバージョンアップも確認します。
初めてダウンロード版を使う場合は、利用者ファイルを作成・保存します。利用者情報では、電子証明書、提出先税務署、納税用確認番号等の登録状況を確認します。
開業届を作成する
「作成」から「申告・申請等」を開き、新規作成で申請・届出の手続と所得税の税目を選びます。次の帳票選択で「個人事業の開業・廃業等届出書」を選択します。
- ダウンロード版の「申告・申請等名」を30文字以内で既存と重ならない名前にし、基本情報を登録する。
- 帳票一覧で対象を選び、「帳票編集」を開く。
- 開業の届出として必要事項を入力し、入力済みの氏名や納税地も確かめる。
- 「作成完了」を押し、エラーが出たら該当欄を修正する。
帳票や税目が見つからない場合は、必要な税目がインストールされているかを先に確認します。電子申告の利用開始を扱う「開始届出」だけを探すと、事業開始の開業届とは別の手続へ進んでしまいます。
「作成完了」は帳票の入力チェックが終わった状態です。まだ税務署への送信や受付が済んだ状態ではありません。
提出期限の確認は開業届はいつまでに出すか、青色申告の承認申請は青色申告承認申請書の提出と承認で扱っています。開業届と別の申請を、ひとつの届出だと考えないようにします。
電子署名を付けて送信する
署名可能一覧で開業届を選び、「署名」を押します。ここでは、受付システムに登録したものと同一の電子証明書が入ったマイナンバーカードを読み取り、電子署名を付けます。
署名を付けてから送信するまでに電子証明書を更新した場合は、付与済みの電子署名を削除し、更新後の電子証明書で署名し直します。
署名後は「送信」から送信可能一覧を開き、対象の開業届を選んで送信します。受付システムへのログイン画面が出た場合は、案内に従って本人認証を行います。
送信直後は即時通知の内容を確認し、保存または印刷します。ダウンロード版の即時通知結果は後で再表示できないため、画面を閉じる前に残します。その後、メッセージボックスでも受信通知を確認します。
受付結果を確認する
メッセージボックスで、手続名と受付日時から送った開業届を探します。受付結果が「受付完了」なら受付が正常に完了しています。「エラー情報あり」なら、内容を確認して訂正等を行い、再送信します。
個人が利用者識別番号と暗証番号だけでログインした場合は、一部を除きメッセージの詳細を確認できません。詳細を開けないときは、マイナンバーカード等の電子証明書による認証を行います。
エラー内容の確認には電子証明書による認証は不要です。鍵の付いた詳細を開けないことと、エラーが発生していることを混同しないようにします。
例えば、帳票一覧が「作成完了」でも送信していなければ、受付結果の確認まで進んでいません。逆に、受信通知にエラーが表示されている場合は、通知が届いたことだけを理由に提出作業を終えないようにします。
受信通知と提出データを保存する
受付の記録と、提出した内容を分けて残します。次の表は、個人本人が電子証明書で認証して受信通知の詳細を開いた場合の保存操作です。
| 保存するもの | 保存操作と形式 |
|---|---|
| 受信通知(受付の記録) | ダウンロード版のメッセージ詳細で「保存」。拡張子は.xml。 |
| 送信したデータ(提出内容) | ダウンロード版のメッセージ詳細の申告等内容から「ダウンロード」。拡張子は.xtx。 |
| 閲覧用の帳票 | WEB版で「帳票を表示する」→帳票を選択→「帳票作成」→「はい」→「表示」。PDF保存(対応帳票のみ)。 |
「帳票を表示する」で対象が出ない場合に、未提出だと決めつけないようにします。帳票の表示可否と受付結果は分け、送信したデータのダウンロードや、ダウンロード版の帳票印刷も確認します。
整理例として、手続名を付けたフォルダに受信通知・送信データ・閲覧用帳票をまとめ、訂正して再送信した分は別のフォルダに分ける方法があります。保存後にファイルを開き、空のファイルや別の届出でないかを確かめます。
銀行などへ提出する資料として使う場合は、先方が必要とする書類を確認します。帳票と受付の記録を揃えて保存しておくと、提出を求められたときに探し直す手間を減らせます。
進めないときの確認表
止まった画面とエラーメッセージを確認してから対処します。送信できたか分からないときに、受付結果を見ず送信を繰り返さないようにします。
| 止まったところ | 先に確認すること |
|---|---|
| 開業届の帳票が見つからない | ダウンロード版を使っているか、所得税の必要帳票を追加したか |
| 署名時にエラーが出る | エラーが示す入力欄、証明書の登録・有効性、カードの読み取り設定 |
| スキーマチェックエラー | 半角カタカナや利用可能文字一覧にない文字を入力していないか |
| 受信通知が格納処理中 | しばらく時間を置いてから再度確認する |
| 受付結果がエラー情報あり | エラー内容を読み、訂正等をした上で再送信する |
| 通知の詳細に鍵が付く | 個人の詳細確認に必要な電子証明書の認証を済ませたか |
スキーマチェックエラーで半角カタカナが原因の場合は、全角カタカナに直します。これは原因の例なので、同じエラー名でも表示された内容を確認し、該当する箇所を修正します。
- 送った手続が開業届で、対象の受信通知の受付結果が「受付完了」になっている。
- 受信通知と、提出内容を確認できるデータ・帳票を保存した。
青色申告の控除要件と控除額は、提出手続とは分けて確認できます。
青色申告特別控除シミュレーターで要件を確認するよくある質問
e-TaxのWEB版に開業届が見つかりません。どこで作りますか?
公式のパソコン用WEB版の作成可能手続一覧には、個人事業の開業届は掲載されていません。国税庁の手続案内に沿い、Windows用のダウンロード版e-Taxソフトで作成・送信する方法があります(Mac OSには非対応)。
確定申告でe-Taxを使っています。利用者識別番号を取り直しますか?
既に番号を持っている場合は取り直しません。開始届出書を再提出すると、過去にe-Taxで提出した申告等の内容を確認できなくなります。番号を忘れた場合は変更等届出の案内を確認します。
マイナンバーカードの写しを添付しますか?
開業届をe-Taxで提出する場合は、本人確認書類の提示や写しの添付は不要です。電子署名に使う電子証明書の準備とは別の取扱いです。
送信したのに受信通知の詳細が開けません。提出できていないのですか?
詳細が開けないことだけでは未提出と判断できません。個人が番号と暗証番号だけでログインした場合は、一部を除き詳細を確認できないため、電子証明書で認証して受付結果を確認します。「エラー情報あり」なら訂正等を行い再送信します。
出典
- 国税庁「個人事業の開業届出・廃業届出等手続」
- e-Gov法令検索「所得税法」229条
- 国税庁「e-Taxソフト(WEB版)で作成可能な手続【パソコン】」
- 国税庁「e-Taxソフトダウンロードコーナー」
- 国税庁「e-Taxの開始(変更等)届出書作成・提出コーナーについて」
- 国税庁「e-Taxソフトについて」
- 国税庁「利用可能手続一覧・申告所得税関係」
- 国税庁「e-Taxソフトで受付結果(受信通知)を確認するには」
- 国税庁「e-Taxソフト(WEB版)で送信した申告・申請データを表示・印刷するには」
- 国税庁「申告書等の確認方法」
- 国税庁 e-Taxソフト操作マニュアル「利用者ファイルを作成する」
- 国税庁 e-Taxソフト操作マニュアル「利用者情報を登録する」
- 国税庁 e-Taxソフト操作マニュアル「申告・申請等を作成する」
- 国税庁 e-Taxソフト操作マニュアル「帳票を作成する」
- 国税庁 e-Taxソフト操作マニュアル「申告・申請等に電子署名を付与する」
- 国税庁 e-Taxソフト操作マニュアル「申告・申請等を送信する」
- 国税庁 e-Taxソフト操作マニュアル「受付結果を確認する」
この記事は一般的な情報提供であり、個別の事案に対する助言ではありません。個別の税務・労務相談には応じられません。実際の届出内容や提出期限の判断は、所轄の税務署または税理士にご確認ください。