法人税申告書の提出実務 — 期限の数え方、延長の特例の申請期限、e-Taxが義務になる法人、施行規則35条1項の添付書類
結論から言うと、内国法人の法人税の確定申告書は、法人税法74条1項により、各事業年度終了の日の翌日から2か月以内に、確定した決算に基づいて税務署長へ提出します。期限の日が日曜日・祝日などの休日や、土曜日・12月29日から年末まで(国税通則法施行令2条2項が定める日)に当たるときは、国税通則法10条2項と国税庁の案内(C1-1)のとおり、その翌日が期限です。主な例外は、清算中の法人が残余財産を確定させた事業年度(74条2項で1か月以内。その間に残余財産の最後の分配又は引渡しが行われる場合はその前日まで。通算法人で通算親法人の事業年度終了の日に終了する事業年度を除く)と、延長の特例・災害等の延長を受けている場合です。
実務で差がつくのは、期限そのものよりその前後の手続きです。定款等の定めなどにより定時総会が2か月以内に招集されない常況にある会社が使う延長の特例(75条の2)は、延長を受けたい事業年度の終了の日までに申請しなければなりません(通算法人は、75条の2第11項により通算親法人が事業年度終了の日の翌日から45日以内)。延長を受けても、2か月を経過した日から延長後の期限までの期間の未納の法人税には、75条7項(75条の2第8項で準用)の利子税がかかります。また、事業年度開始の時の資本金の額又は出資金の額が1億円を超える法人などは、申告書をe-Taxで出す義務があります(75条の4。添付書類は光ディスクなどの記録用の媒体で出すこともでき、75条の5の承認を受けた期間は書面で出せます)。
この記事は、申告書の出し方に絞ります。別表一・別表四・別表五(一)の役割や書き方の流れは法人税とはの記事の「法人税申告書の構成」で扱っているので、そちらをご覧ください。
提出期限 — 事業年度終了の日の翌日から2か月以内の数え方と休日
確定申告の義務と期限は、法人税法74条1項に書かれています。
内国法人は、各事業年度終了の日の翌日から二月以内に、税務署長に対し、確定した決算に基づき次に掲げる事項を記載した申告書を提出しなければならない。
期間の数え方は国税通則法10条1項です。事業年度終了の日の翌日から数え(74条1項)、月で定めた期間は暦に従います(2号)。事業年度終了の日の翌日が起算日なので、月末に終わる事業年度は起算日が月の初日になり、2か月目の月の末日に満了します。たとえば3月31日に終わる事業年度は、起算日が4月1日で、5月31日が期限です。月の途中に終わる事業年度は、3号により最後の月の起算日に応当する日の前日に満了するので、3月20日に終わる事業年度なら起算日3月21日、応当日5月21日の前日の5月20日が期限です(休日の扱いは次の段落)。提出先は、国税庁の手続案内(C1-1)のとおり、納税地を所轄する税務署長です。
期限の日が休日に当たるときは、国税通則法10条2項が期限を翌日にずらします。
国税に関する法律に定める申告、申請、請求、届出その他書類の提出、通知、納付又は徴収に関する期限(時をもつて定める期限その他の政令で定める期限を除く。)が日曜日、国民の祝日に関する法律(昭和二十三年法律第百七十八号)に規定する休日その他一般の休日又は政令で定める日に当たるときは、これらの日の翌日をもつてその期限とみなす。
国税庁の案内(C1-1)も「提出期限が土・日曜日・祝日等に当たる場合は、これらの日の翌日が期限となります」と書いています。曜日を計算した例を表にします(延長の特例・災害等の延長を受けていない内国法人の確定申告書の場合。清算中の法人の残余財産の確定の日の属する事業年度を除く)。
| 事業年度終了の日 | 74条1項の2か月の満了日 | 曜日 | 確定申告書の提出期限(延長なしの場合) |
|---|---|---|---|
| 2026年9月30日 | 2026年11月30日 | 月曜日 | 2026年11月30日 |
| 2026年12月31日 | 2027年2月28日 | 日曜日 | 翌日の2027年3月1日(月曜日) |
| 2027年3月31日 | 2027年5月31日 | 月曜日 | 2027年5月31日 |
法人税の納付の期限も同じ日です。法人税法77条は、確定申告書に記載した納付すべき法人税を「当該申告書の提出期限までに」納付すると定めています。
2か月以内という期限には次の例外があります。清算中の内国法人の残余財産の確定の日の属する事業年度は、74条2項の読替えで「一月以内(当該翌日から一月以内に残余財産の最後の分配又は引渡しが行われる場合には、その行われる日の前日まで)」になります(通算法人で、通算親法人の事業年度終了の日に終了するものは、この読替えの対象から除かれています)。このうち「残余財産の最後の分配又は引渡しが行われる日の前日」までという期限は、国税通則法施行令2条1項4号により、10条2項の休日の繰り下げの対象から除かれています。また、次の節の延長の特例と、その次の節の災害等による延長を受けた場合は、延長後の日が期限です。
延長の特例(75条の2)— 申請は事業年度終了の日まで
株主総会で決算を承認してから申告する(74条1項の「確定した決算に基づき」)ため、定時総会が事業年度終了の日の翌日から2か月以内に開かれない会社は、2か月の期限に間に合いません。この会社のための制度が75条の2の延長の特例です。
第七十四条第一項(確定申告)の規定による申告書を提出すべき内国法人が、定款、寄附行為、規則、規約その他これらに準ずるもの(以下この条において「定款等」という。)の定めにより、又は当該内国法人に特別の事情があることにより、当該事業年度以後の各事業年度終了の日の翌日から二月以内に当該各事業年度の決算についての定時総会が招集されない常況にあると認められる場合には、納税地の所轄税務署長は、当該内国法人の申請に基づき、当該事業年度以後の各事業年度(残余財産の確定の日の属する事業年度を除く。以下この項及び次項において同じ。)の当該申告書の提出期限を一月間(次の各号に掲げる場合に該当する場合には、当該各号に定める期間)延長することができる。
| 場合(75条の2第1項) | 延長される期間 |
|---|---|
| 本文:定款等の定めまたは特別の事情により、定時総会が事業年度終了の日の翌日から2か月以内に招集されない常況にある | 1か月間 |
| 1号:会計監査人を置いていて、かつ定款等の定めにより、定時総会が事業年度終了の日の翌日から3か月以内に招集されない常況にある(2号の場合を除く) | 定めの内容を勘案して4か月を超えない範囲内で税務署長が指定する月数 |
| 2号:特別の事情により、定時総会が事業年度終了の日の翌日から3か月以内に招集されない常況にある、その他やむを得ない事情がある | 税務署長が指定する月数 |
通算法人は、75条の2第11項の読替えで、本文の「一月」が「二月」に、1号・2号の「三月」が「四月」になります(上の表は通算法人でない内国法人の場合です)。
手続きで外しやすいのは次の4点です。
- 申請の期限:75条の2第3項により、申請書は「第一項に規定する申告書に係る事業年度終了の日までに」出します。決算日を過ぎてから気づいても、その事業年度には使えません(通算法人の場合は第11項の読替えで、通算親法人が事業年度終了の日の翌日から45日以内に申請し、通算子法人は申請書を出せません。通算親法人への処分は他の通算法人の全てに及びます)。
- 定款の写し:定款等の定めで定時総会が2か月以内に招集されないことを申請の理由にする場合は、75条の2第4項により申請書に定款等の写しを添付します。
- 効果は翌期以後も続く:第1項の文言のとおり、延長は「当該事業年度以後の各事業年度」に及びます。ただし、残余財産の確定の日の属する事業年度は第1項のかっこ書で除かれており、税務署長が第5項により延長の処分を取り消した場合や、第11項5号・6号により通算承認を受けた場合・通算承認が効力を失った場合は、延長の処分は続きません。やめるときは、75条の2第7項により、やめようとする事業年度の終了の日までに届出書を出します(通算子法人は第11項3号によりこの届出書を出せず、同項4号により通算親法人が出せば他の通算法人の全てが出したものとみなされます)。
- 延長期間には利子税:法人税の納付は77条により「当該申告書の提出期限まで」なので、延長後の期限まで延滞税はかかりませんが、75条の2第8項が75条7項を準用し、2か月を経過した日から延長後の期限までの日数に応じて、未納の法人税の額に年7.3%の割合で計算した利子税がかかります(国税通則法64条3項が準用する同法62条により、法人税の一部を納付したときは、その納付の日の翌日以後の期間の利子税の計算の基礎から、納付した税額が控除されます)。この年7.3%の割合は、租税特別措置法93条1項2号により、各年の利子税特例基準割合が年7.3%に満たない場合はその割合になるため、実際の割合は年ごとに変わります(本記事では数値を書きません)。
申請書を出したのに税務署長から処分の通知が来ない場合について、75条の2第8項は75条5項を読み替えて準用しており、通算法人でない内国法人の場合、事業年度終了の日の翌日から15日以内に延長または却下の処分がなかったときは、1か月間(各号の指定を申請した場合はその月数の期間、各号の指定に係る月数の変更を申請した場合は変更後の月数の期間)の延長がされたものとみなされます(通算法人は第11項の読替えで期間・月数が変わります)。
災害などで決算が確定しないとき(75条・通則法11条)
定時総会の時期のような毎期の事情ではなく、災害その他やむを得ない理由で決算が確定しない場合は、75条の延長を使います。延長の特例を受けていない内国法人の場合、75条2項により、申請は事業年度終了の日の翌日から45日以内に、決算が確定しない理由と指定を受けようとする期日などを書いた申請書で行います(通算子法人は75条8項3号により申請書を出せません。延長の特例を受けている法人が延長後の期限に間に合わない場合は、75条の2第10項の読替えで「申告書の提出期限の到来する日の十五日前まで」に申請します)。延長の特例を受けていない内国法人の場合、75条5項により、事業年度終了の日の翌日から2か月以内に延長または却下の処分がなかったときは、申請した期日まで延長されたものとみなされます(延長の特例を受けている法人は、75条の2第10項の読替えで「二月以内」が「申告書の提出期限まで」になります)。この延長でも75条7項の利子税がかかります。
なお、75条1項は「次条第一項の規定の適用を受けることができる理由」を除いているので、定時総会が2か月以内に招集されない常況にあるという理由は75条ではなく75条の2で申請します。また、地域全体が被災した場合などに国税庁長官・税務署長などが行う国税通則法11条の延長は、同条により「その理由のやんだ日から二月以内に限り」期限が延びる別の制度で、75条1項もその延長がされた場合を除いています。
添付書類 — 施行規則35条1項の各号
法人税法74条3項は、確定申告書に「当該事業年度の貸借対照表、損益計算書その他の財務省令で定める書類」を添付すると定め、法人税法施行規則35条1項がその書類を7つの号で挙げています。該当しない号の書類(たとえば通算法人でない会社の4号、組織再編成をしていない会社の6号・7号)は要りません。
| 号 | 書類(施行規則35条1項の要約) | 実務での呼び方・補足 |
|---|---|---|
| 1号 | 当該事業年度の貸借対照表及び損益計算書 | 決算書 |
| 2号 | 当該事業年度の株主資本等変動計算書若しくは社員資本等変動計算書又は損益金の処分表(決算確定日までの剰余金の処分の内容・過年度事項の修正の内容の記載がなければ、その記載をした書類を含む) | 株主資本等変動計算書 |
| 3号 | 1号の書類に係る勘定科目内訳明細書 | 勘定科目内訳明細書 |
| 4号 | 通算法人である場合の、損益通算・欠損金の通算などに係る金額の計算の基礎となる明細を記載した書類 | 通算法人だけ(35条2項により、通算親法人の申告書に添付があれば、他の通算法人の申告書のうち通算親法人の事業年度終了の日に終了する事業年度に係るものの全てにも添付があったものとみなされる) |
| 5号 | 当該内国法人の事業等の概況に関する書類(完全支配関係がある法人との関係を系統的に示した図を含む) | 法人事業概況説明書(調査課所管法人は会社事業概況書)と出資関係図 |
| 6号 | 組織再編成に係る合併契約書・分割契約書・分割計画書・株式交換契約書・株式移転計画書・株式交付計画書その他これらに類するものの写し | 組織再編成をした事業年度 |
| 7号 | 組織再編成(株式交換・株式移転・株式交付を除く)により合併法人・分割承継法人・被現物出資法人・被現物分配法人その他の株主等に移転した資産・負債の種類その他の主要な事項、又は組織再編成(現物分配は適格現物分配に限る)により被合併法人・分割法人・現物出資法人・現物分配法人・株式交換完全子法人の株主・株式移転完全子法人の株主・株式交付子会社の株主から移転を受けた資産・負債の種類その他の主要な事項に関する明細書(株式交付子会社の株主から資産の移転を受けた場合は、その株主に交付した株式その他の資産の数又は価額の算定の根拠を明らかにする事項を記載した書類を含む) | 組織再編成をした事業年度。資産・負債を移転した側だけでなく、移転を受けた側(合併法人・分割承継法人など)も対象 |
通算法人でなく、その事業年度に組織再編成もしていない会社が添付するのは、1号から3号と5号の書類です。5号のかっこ書の「完全支配関係がある法人との関係を系統的に示した図」は、完全支配関係がある法人がある会社だけが関係します。
e-Taxで出す場合の注意として、国税庁の案内(C1-1)は、出資関係図のように別途書面で出す必要がある添付書類はイメージデータで出せる一方、「財務諸表や勘定科目内訳明細書などは、法令上、イメージデータによる送信はできません」としています。決算書と内訳書はデータとして作って送る前提で準備します。
提出の方法 — e-Tax・持参・郵送
国税庁の手続案内(C1-1)は、e-Taxで作成・提出する方法を案内したうえで、「書面で申告書を作成の上、持参又は送付により提出することもできます」としています(次の節のe-Tax義務の対象法人を除きます)。e-Taxを初めて使う場合は、C1-1のとおり利用者識別番号を取得する必要があります。
| 方法 | いつ提出したことになるか | 注意点 |
|---|---|---|
| e-Tax | 電子申告義務の対象法人の申告は、75条の4第4項により国税庁の電子計算機のファイルに記録された時に到達したものとみなす(対象法人でない会社がe-Taxで出す場合の到達時期は本記事では扱わない) | 利用者識別番号が必要(C1-1) |
| 郵便・信書便 | 国税通則法22条により、郵便物・信書便物の通信日付印に表示された日に提出したものとみなす | 表示がない・不明瞭なときは、通常要する送付日数を基準とした日 |
| 税務署へ持参 | 窓口に出した日 | 受付時間は下記 |
持参する場合の受付時間について、C1-1は「令和8年10月1日から、全ての税務署で総合窓口の受付時間を原則として午前9時から午後3時まで」としており、受付時間外でも開庁時間内(8時30分から17時まで)であれば手続きを利用できると書いています。土曜日・日曜日・祝日と年末年始(12月29日から1月3日)は、C1-1のとおり税務署は執務を行っていません。
e-Taxが義務になる法人(75条の4)
法人税法75条の4は、「特定法人である内国法人」の中間申告書・確定申告書・修正申告書(国税通則法18条の期限後申告によるものを含みます)と、その添付書類を、e-Taxで提出しなければならないと定めています(同項ただし書により、添付書類の部分は光ディスクその他の記録用の媒体を提出する方法でも行えます)。特定法人は同条2項の5区分です。
一当該事業年度開始の時における資本金の額又は出資金の額が一億円を超える法人
二通算法人(前号に掲げる法人を除く。)
三保険業法に規定する相互会社(前号に掲げる法人を除く。)
四投資法人(第一号に掲げる法人を除く。)
五特定目的会社(第一号に掲げる法人を除く。)
判定は「当該事業年度開始の時」の資本金の額又は出資金の額で行うので、期中に増資して1億円を超えても、その事業年度の申告は1号の対象になりません(翌事業年度の開始の時に1億円を超えていれば対象です)。人格のない社団等は法人税法3条で75条の4の適用から除かれており、国税庁のe-Taxの案内も「義務化対象法人には、人格のない社団等及び外国法人は含まれません」としています。同じ案内は、地方税の法人住民税と法人事業税についても電子申告が義務化されていること、義務の対象になった法人は適用開始事業年度などを書いた届出書を所轄税務署長に出すことも案内しています(届出の期限は、増資で資本金の額等が1億円超となった場合はその日から1か月以内など、場合ごとに分かれています)。
義務の対象法人でも、75条の5により、電気通信回線の故障、災害その他の理由でe-Taxを使うことが困難で、書面なら提出できると認められる場合に、所轄税務署長の承認を受ければ、税務署長が指定する期間内の申告は書面で出せます。75条の5第2項により、申請書は指定を受けようとする期間の開始の日の15日前までに出すのが原則で、理由が生じた日が確定申告書の提出期限の15日前の日以後で、その提出期限が指定を受けようとする期間内の日である場合は、その期間の開始の日までに出します。
赤字のとき・期限に遅れたとき
赤字でも確定申告書の提出は必要です。74条1項1号は記載事項を「当該事業年度の課税標準である所得の金額又は欠損金額」としており、所得がない事業年度も欠損金額を記載して申告することが前提になっています。欠損金を翌期以後に繰り越して控除する場合の要件は、法人税とはの記事の「赤字の場合」で扱っています。
期限を過ぎて出した申告書は、国税通則法18条2項の期限後申告書になります。青色申告の法人について、法人税法127条1項4号は、承認を取り消すことができる事実として次を挙げています。
第七十四条第一項(確定申告)の規定による申告書をその提出期限までに提出しなかつたこと
条文は「取り消すことができる」と定めており、期限後に1回出しただけで必ず取り消されるとまでは書いていません。それでも取消しの対象になる事実であることに変わりはありません。通算法人でも通算法人であった法人でもない内国法人の場合、4号の取消しは期限までに提出しなかった申告書に係る事業年度まで遡ってでき、取り消されると、その事業年度開始の日以後に提出した青色申告書(納付すべき義務が同日前に成立した法人税に係るものを除く)は青色申告書以外の申告書とみなされます(127条1項)。通算法人と通算法人であった内国法人は、127条3項・4項の読替えにより、遡る範囲や承認が効力を失う時期が変わります。期限後申告で生じる附帯税(無申告加算税・延滞税)は、修正申告と更正の請求の記事と租税公課の記事で扱っています。
- 内国法人の確定申告書は、法人税法74条1項により事業年度終了の日の翌日から2か月以内に、納税地の所轄税務署長へ提出する。期限が土日祝日などなら翌日(国税通則法10条2項)。清算中の法人の残余財産確定の事業年度などの例外がある
- 延長の特例(75条の2)は、延長を受けたい事業年度の終了の日までに申請し(通算法人は通算親法人が事業年度終了の日の翌日から45日以内)、定款等の定めが理由なら定款等の写しを添付する。2か月を経過した日から延長後の期限までの期間の未納の法人税には利子税がかかる
- 添付書類は施行規則35条1項の1号〜7号。通算法人でなく組織再編成もしていない会社は、1号〜3号と5号(決算書・株主資本等変動計算書・勘定科目内訳明細書・事業等の概況に関する書類)を添付する
- e-Tax義務は、事業年度開始の時の資本金の額又は出資金の額が1億円を超える法人、通算法人、相互会社、投資法人、特定目的会社の5区分(75条の4第2項。75条の5の承認を受けた期間を除く)
- 期限後の提出は、青色申告の承認の取消事由(127条1項4号)になる
よくある質問
3月決算の会社の法人税申告書は、いつまでに出せばよいですか?
延長の特例や災害等の延長を受けていない内国法人(清算中の法人の残余財産の確定の日の属する事業年度を除く)なら、法人税法74条1項により事業年度終了の日の翌日から2か月以内なので、3月31日に終わる事業年度は5月31日が期限です。その日が土曜日・日曜日・祝日などに当たる場合は、国税通則法10条2項によりその翌日が期限になります。たとえば2027年3月31日に終わる事業年度は、2027年5月31日が月曜日なので同日が期限です。延長の特例(75条の2第1項本文の1か月)を受けていれば申告期限は6月30日(休日なら翌日)になり、法人税法77条により納付の期限も延長後の申告期限と同じ日です。ただし、延長の特例を受けている場合、2か月を経過した日から延長後の期限までの期間の未納の法人税には、75条7項(75条の2第8項で準用)の利子税がかかります。
延長の特例は、決算が終わってから申請しても間に合いますか?
間に合いません。法人税法75条の2第3項により、申請書は延長を受けたい申告書に係る事業年度の終了の日までに出す必要があります(通算法人の場合は、同条11項により通算親法人が事業年度終了の日の翌日から45日以内に申請します)。延長の特例は75条の2第1項により当該事業年度以後の各事業年度(残余財産の確定の日の属する事業年度を除く)に及ぶので、税務署長による取消し(同条5項)や通算承認を受けた場合・通算承認が効力を失った場合の失効(同条11項5号・6号)がない限り、毎期申請し直す必要はありません。延長の特例をやめるときは、75条の2第7項により、やめようとする事業年度の終了の日までに届出書を出します(通算子法人は同条11項3号によりこの届出書を出せず、通算親法人が出します)。
事業年度開始の時の資本金が1億円以下の会社でも、e-Taxで出さなければなりませんか?
事業年度開始の時の資本金の額又は出資金の額が1億円以下の会社でも、通算法人・相互会社・投資法人・特定目的会社に当たれば、法人税法75条の4第2項によりe-Taxで出す義務があります。これらに当たらない会社には義務はなく、国税庁の手続案内(C1-1)のとおり書面を持参または送付して提出することもできます。ただし、期中に増資して資本金の額が1億円を超えた会社は、翌事業年度の開始の時に1億円を超えていればその事業年度から義務の対象になります。
郵送で出す場合、期限の日に税務署に届いていないといけませんか?
届いている必要はありません。国税通則法22条により、郵便または信書便で出した申告書(添付書類を含む)は、郵便物・信書便物の通信日付印に表示された日に提出されたものとみなされます。期限の日の消印があれば期限内の提出です。通信日付印の表示がないときや不明瞭なときは、通常要する送付日数を基準としてその日に相当すると認められる日が提出日になるので、期限が近いときは窓口で消印を確認できる方法で出すと確実です。
赤字で法人税がゼロでも、申告書は出す必要がありますか?
出す必要があります。法人税法74条1項は内国法人に確定申告書の提出を求めており、記載事項の1号は「所得の金額又は欠損金額」なので、赤字の事業年度は欠損金額を記載して申告します。期限までに出さなかった場合は、青色申告の法人なら127条1項4号の承認の取消事由になります。
出典
e-Gov法令検索の条文と、国税庁・e-Taxの手続案内の生テキストを読んで確認。
- e-Gov法令検索「法人税法」(昭和四十年法律第三十四号)第3条(人格のない社団等に対するこの法律の適用)・第74条(確定申告。第1項・第2項・第3項)・第75条(確定申告書の提出期限の延長。第1項・第2項・第5項・第7項・第8項)・第75条の2(確定申告書の提出期限の延長の特例。第1項・第3項・第4項・第5項・第7項・第8項・第10項・第11項)・第75条の4(電子情報処理組織による申告。第1項・第2項・第4項)・第75条の5(電子情報処理組織による申告が困難である場合の特例。第1項・第2項)・第77条(確定申告による納付)・第127条(青色申告の承認の取消し。第1項第4号・第3項・第4項)
- e-Gov法令検索「法人税法施行規則」(昭和四十年大蔵省令第十二号)第35条(確定申告書の添付書類。第1項第1号〜第7号・第2項)
- e-Gov法令検索「国税通則法」(昭和三十七年法律第六十六号)第10条(期間の計算及び期限の特例。第1項・第2項)・第11条(災害等による期限の延長)・第18条(期限後申告)・第22条(郵送等に係る納税申告書等の提出時期)・第62条(一部納付が行なわれた場合の延滞税の額の計算等)・第64条(利子税。第3項)
- e-Gov法令検索「国税通則法施行令」(昭和三十七年政令第百三十五号)第2条(期限の特例。第1項第4号・第2項)
- e-Gov法令検索「租税特別措置法」(昭和三十二年法律第二十六号)第93条(利子税の割合の特例。第1項第2号)
- 国税庁「C1-1 法人税、地方法人税及び防衛特別法人税の申告(法人税申告書別表等)」(
nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/shinkoku/01.htm)。提出時期・提出方法・提出先・受付時間(令和8年10月1日からの総合窓口の受付時間)・e-Taxで送る添付書類のイメージデータの扱いを確認 - 国税庁 e-Tax「大法人の電子申告の義務化について」(
e-tax.nta.go.jp/hojin/gimuka/index.htm・令和8年1月5日最終改正)。対象法人の範囲・対象手続・地方税の電子申告の義務化・適用開始届出とその提出期限を確認 - 本記事の提出期限の表の曜日は、各日付から計算したものです(延長の特例・災害等の延長を受けていない内国法人の確定申告書の場合)。本記事で扱っていない事項として、提出部数、利子税特例基準割合の数値、延滞税・無申告加算税の割合、地方税(法人住民税・法人事業税)の申告期限と延長、中間申告の要否は、一次資料をこの記事で確かめていないか別記事の主題であるため記載していません
この記事は一般的な情報提供であり、個別の事案に対する助言ではありません。自社が延長の特例やe-Tax義務の対象に当たるか、申告書の記載内容や期限後の取扱いについては、税理士または所轄の税務署にご確認ください。