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確定申告の還付金はいつ振り込まれる?e-Tax3週間・書面1〜1.5か月の目安

結論から言うと、確定申告の還付金が振り込まれるまでの目安は、自宅や税理士事務所からe-Taxで出した還付申告なら3週間程度2月・3月の繁忙期に書面で出した申告ならおおむね1か月から1か月半程度です。これは国税庁が「確定申告期に多いお問合せ事項Q&A」Q41で示している処理の目安を、提出の手段ごとに読み替えたものです(Q41自体の書き方は後述)。申告した日から必ずその日数で入金されるという約束ではありません。令和8年分の申告なら、還付申告は令和9年1月1日から出せます(e-Taxは12月29日から1月3日まで利用できないので、送信できるのは年始の運転再開日である1月4日以降です)。1月中にe-Taxで送れば2月のうちに振り込まれるのが通常の姿です。

振り込まれるまでの間に何が起きているかは、e-Taxソフト(WEB版)のマイページにある「還付金処理状況」で3段階の表示から確認でき、書面で出した人も利用者識別番号があれば同じ画面で見られます。

申告内容や提出方法によっては、この目安を外れることがあります。屋号の入った口座名義、ゆうちょ銀行の記号番号の書き間違い、公金受取口座の「登録」と「利用」の丸印の取り違えは、いずれも振込先の確認で止まります。なお、12月の給与で戻ってくる年末調整の還付金は会社が精算するもので、この記事が扱う税務署からの還付とは別物です。年末調整では処理できない医療費控除や寄附金控除、住宅ローン控除の1年目がある場合に、年末調整を受けた人も確定申告で還付を受けます。

目安はe-Tax3週間・書面1〜1.5か月。ただし「約束」ではない

還付の期限を定めた条文はありません。国税通則法56条1項は、還付金があるときの税務署長の義務を次のように定めているだけです。

国税局長、税務署長又は税関長は、還付金又は国税に係る過誤納金(以下「還付金等」という。)があるときは、遅滞なく、金銭で還付しなければならない。

「遅滞なく」の中身を具体的な日数にしているのが、国税庁の「確定申告期に多いお問合せ事項Q&A【税金の還付】」のQ41です。そこでは、申告書の記載内容や添付書類の審査など、支払手続を適正に行うための処理が必要なので支払手続にはある程度の日数が必要だと断ったうえで、次の2つの目安を示しています。

提出のしかた国税庁が示す目安目安から外れる場合
自宅や税理士事務所等からe-Taxで提出した還付申告3週間程度で処理訂正申告など同一人について複数回の申告がある、書類不備、書面による別送書類の提出がある場合は、e-Taxでも対象外
2月・3月の確定申告期間中の申告(所得税等・消費税等)支払手続におおむね1か月から1か月半程度大量の申告書が提出される時期のため。書面提出はこちらの目安で見る

実務で見落としやすいのは、この2つの目安が「提出の手段」と「提出の時期」という別の軸で書かれていることです。e-Taxの3週間は、自宅などから送信した還付申告で、かつ同じ人の申告が1回きりで不備も別送もない場合に限られます。一方で1か月から1か月半は、2月・3月の繁忙期に出した申告の全体に対する目安です。したがって、たとえば1月にe-Taxで出した還付申告は3週間程度、3月10日に書面で出した申告は4月中旬から下旬、というのが素直な読み方になります。

「3週間」は3週間で振り込むという意味ではない

国税庁の表現は「3週間程度で処理しています」であり、処理が終わってから金融機関の口座に反映されるまでの日数は別です。後述の「還付金処理状況」で「還付金の支払手続を下記の日程にて行います。」と表示された日程が、税務署側の支払手続の日です。口座への入金はその日程を目印に確認します。

還付は3段階で進み、e-Taxの「還付金処理状況」に同じ3つの表示が出る

還付金が振り込まれるまでに税務署の中で起きていることは、e-Taxのサイトにある「還付金処理状況確認について」がそのまま公開しています。処理は次の3段階で進み、それぞれの段階でe-Taxソフト(WEB版)のマイページに表示されるメッセージが決まっています。

e-Taxで提出(自宅・税理士事務所等から) 提出 2週間程度 処理状況が見える 3週間程度 処理の目安 書面で提出(2月・3月の確定申告期間中) 提出 1か月程度 処理状況が見える 1か月 1か月半 支払手続の目安 ①申告書の確認 「申告書の内容を確認しています。」 ②振込先の確認 「還付金額や振込先の金融機関情報などの確認を行っています。」 ③支払手続完了 「還付金の支払手続を下記の日程にて行います。」 国税庁Q&A Q41 と e-Tax の案内にある目安・表示文言を時系列に並べたもの
上2本の線が国税庁の示す処理の目安、下の3つの箱がe-Taxソフト(WEB版)の「還付金処理状況」に出る表示です。②は3段階の2番目で、ここに表示が出ていること自体は異常ではありません。申告時に指定したものと違う過去の金融機関が表示されるときは、入力内容を確認します。

確認の手順は、e-Taxソフト(WEB版)にログインし、「マイページ」から「本人情報設定」の「還付・納税関係」を開き、「還付先金融機関」の「還付金処理状況を確認する」ボタンを選ぶ順です。ここで注意したい点が3つあります。

メールアドレスを登録している人には、処理状況の確認が可能になったときと、処理の状況が更新されたときに「税務署からのお知らせ(****様)【還付金の処理状況に関するお知らせ】」というメールが届きます。メールの本文に処理内容は書かれておらず、ログインして確認する形です。

②で「過去の金融機関」が表示されることがある

e-Taxのページは、申告の際に受取金融機関が未入力か入力に誤りがある場合、受取金融機関の確認が完了するまで、過去に支払事績等のある金融機関の情報が表示されることがあると案内しています。表示が古い口座になっていても、直ちに古い口座へ振り込まれるという意味ではありませんが、入力誤りのサインとして受け取るべき表示です。よくある誤り例として挙げられているのは、「銀行」「支店」「出張所」などプルダウンで選ぶ文字まで入力してしまった例と、漢字の金融機関名を平仮名で入力した例です。

いつ出すと、いつ入るか — 提出時期別の見込み

令和8年分の所得税の確定申告期限は令和9年3月15日(月曜日)です。還付申告はその年の翌年1月1日から出せるので(詳しくは後述)、提出の時期は1月から選べます。ただしe-Taxは12月29日から1月3日まで利用できないため、送信は年始の運転再開日(1月4日以降)からになります。国税庁の目安を提出時期に当てはめると、見込みは次のようになります。日付は目安の日数を機械的に足したもので、税務署の処理を保証するものではありません。

提出の時期と手段当てはまる目安振込の見込み備考
令和9年1月中旬にe-Taxで還付申告3週間程度2月上旬から中旬繁忙期の前。処理状況は1月末ごろから見える
令和9年2月中旬にe-Taxで還付申告3週間程度3月上旬期限内提出。支払決定が3月15日以前なら還付加算金の期間は生じない(後述
令和9年3月上旬に書面で提出1か月から1か月半程度4月上旬から中旬繁忙期の書面。処理状況が見えるのは4月に入ってから
令和9年3月15日に書面で提出1か月から1か月半程度4月中旬から4月末期限ぎりぎり。処理状況が見えるのは4月中旬以降
令和9年4月以降にe-Taxで還付申告(期限後)3週間程度提出から3週間程度還付申告に期限後のペナルティはない。還付加算金の起算日は提出日の翌日になる
12月に過去年分をe-Taxで還付申告3週間程度目安の3週間を足すと年をまたぐことがあるe-Taxは12月29日から1月3日まで利用できない

「年内に振り込まれない」典型は、12月に入ってから過去の年分の還付申告を出す場合です。目安の3週間を足すと、12月中旬以降の提出は年をまたぎます。なお、e-Taxは12月29日から1月3日まで利用できないため、この期間は新たに申告を送信できません。休止前に提出済みの申告がいつ支払われるかは、e-Taxの「還付金処理状況」で確認します。所得税の還付そのものは年をまたいでも消えません(請求権の時効は5年です)が、その年のうちに入金が要るなら、目安から逆算して11月中に出しておくのが無難だというのが筆者の判断です。

もう一つの典型は、申告書に不備があって補正のやり取りに時間がかかる場合で、目安の外に出ます。次の節から、口座の指定と申告書の不備という2つの原因を分けて見ます。

還付先の口座は「本人の氏名だけ」の口座。屋号・ネット銀行・ゆうちょの記号番号で戻る

還付金の受け取り方は、預貯金口座への振込みと、最寄りのゆうちょ銀行各店舗または郵便局に出向いて受け取る方法の2つです。国税庁は振込みの利用を勧めており、受取方法の指定がない場合は、税務署で必要な確認をとったうえで過去に指定された振込先等に振り込むことがあるとしています。振込みを希望するときは、確定申告書の「還付される税金の受取場所」欄に、金融機関名・預貯金の種別・口座番号を記載します。ここで戻ってくる例を、国税庁のQ&A(Q43・Q44)から整理します。

戻る例国税庁の案内正しい書き方
口座名義に屋号が入っている店名、事務所名などの名称(屋号)が含まれる口座には振込みできない申告者本人の氏名のみの口座を使う。個人事業主は屋号付き口座を避ける
納税管理人を指定している納税管理人名義の預貯金口座になる本人ではなく納税管理人の口座を書く
インターネット専用銀行一部のインターネット専用銀行には振込みができない振込みの可否を事前にその銀行へ確認する。原則として振込み可能なのは銀行・信用金庫・信用組合・労働金庫・農業協同組合・漁業協同組合・ゆうちょ銀行
ゆうちょ銀行の口座に「店名(店番)」「口座番号」を書いた他の金融機関との間で使う振込用の店名・口座番号は記載しない通帳の5桁の「記号」と2から8桁の「番号」をつなげた7から13桁の記号番号だけを書く
ゆうちょ銀行の記号番号に「-2」などの枝番を含めた通帳等の再発行番号(記号と番号の間の枝番)は記載しない枝番を外して記号・番号だけを書く

個人事業主が特に引っかかるのは屋号の行です。事業用の口座を「屋号+氏名」で作っている場合、その口座は還付先に指定できません。振込先の確認で止まり、税務署から連絡が来て口座を指定し直すことになるので、その分だけ入金が遅れます。還付申告のときだけは、氏名のみのプライベートな口座を書くのが安全です。

公金受取口座は「利用」と「登録」の丸印を両方付けると通らない

マイナポータルで登録した公金受取口座は、令和5年1月から還付金の振込先に指定できるようになりました。確定申告書には、公金受取口座に関する丸印の欄が2つあります。意味が違うので、どちらに丸を付けるかを取り違えると振込先の確認で止まります。

意味「還付される税金の受取場所」欄通らない例
「公金受取口座の利用」に丸すでに登録済みの公金受取口座へ振り込んでほしい記載不要登録していないのに丸を付けた。マイナンバーの記載誤りや本人確認書類の不備で本人確認ができない
「公金受取口座登録の同意」に丸受取場所欄に書いた口座を、公金受取口座として新たに登録してほしい登録したい口座を記載する「利用」と「登録の同意」の両方に丸を付けた(同時にはできない)

国税庁のQ45は、「利用」に丸を付ける前にマイナポータルで登録状況を確認するよう案内しています。また、注意書きとして、受取場所欄に口座の記載があるときは記載された振込先へ振り込むこと、納税管理人名義の口座は公金受取口座として登録・利用できないことを挙げています。つまり、「利用」に丸を付けたうえで念のため受取場所欄にも口座を書くと、書いた口座が優先されます。

Q46は登録側の注意です。確定申告で登録の手続をした場合、登録までに時間がかかることがあるので、急ぐ人はマイナポータルで登録するよう案内しています。還付を急ぐなら、申告書で登録と振込を一度に済ませようとせず、先にマイナポータルで登録してから「利用」に丸を付けるか、いっそ通常の口座を受取場所欄に書く方が早い場合があります。

目安を外れるのはどんなときか — 複数回申告・不備・別送・未納の源泉税

目安から外れる原因を、国税庁の案内と条文から集めると次のようになります。口座の問題は前の2つの節で扱ったので、ここではそれ以外を見ます。

原因根拠何が起きるか
訂正申告など、同じ人について複数回の申告がある国税庁Q&A Q41e-Taxで出していても3週間程度の対象外。前の申告と後の申告のどちらを正とするかの確認が入る
書類の不備(添付書類の不足、記載の矛盾)同上税務署から連絡があり、補正まで処理が止まる
書面による別送書類がある同上e-Taxで送信した本体と、郵送した書類の突合を待つ
源泉徴収された所得税のうち、支払者がまだ納付していないものがある所得税法138条2項その未納部分に相当する還付金は、納付があるまで還付されない
同じ年分の所得税に未納がある所得税法138条4項・139条4項還付金は未納分に充当され、その部分は振り込まれない。充当部分には還付加算金が付かず、延滞税は免除される

4行目は経理担当者が知っておきたい行です。所得税法138条2項は、還付の対象になる源泉徴収税額のうちにまだ納付されていないものがあるときは、その部分は納付があるまで還付しないと定めています。給与や報酬から天引きされた所得税は、支払者が翌月10日(納期の特例なら7月10日・1月20日)までに納めることで初めて国庫に入ります。支払者側の納付が遅れていると、受け取る側の還付も止まる仕組みです。退職した会社の源泉徴収票をもとに還付申告をしたのに処理が止まっている場合、この行が原因のことがあります。

5行目の充当は、還付が「遅い」のではなく「来ない」ケースです。同じ年分の所得税に未納があれば、税務署は還付金をその未納分に充てます。振込通知書には充当後の金額が載るので、申告書に書いた還付額と入金額が違うときは、まず充当の有無を疑います。

還付が遅いときに、同じ申告書をもう一度送らない

「届いていないのでは」と考えて同じ内容をe-Taxで再送すると、それ自体が「同一人について複数回の申告」になり、3週間程度の対象から外れます。順番は、受信通知で受け付けられていることを確認し、次に還付金処理状況を見て、それでも分からなければ所轄の税務署に問い合わせる、です。

還付加算金は令和8年で年1.3%。ただし1,000円未満は付かず、起算日は期限内と期限後で変わる

還付金には、利息にあたる還付加算金が付きます。根拠は国税通則法58条1項で、本則の割合は年7.3%ですが、租税特別措置法95条により、各年の「還付加算金特例基準割合」(平均貸付割合に年0.5%を加えた割合)が7.3%に満たない年はその割合になります。国税庁が「延滞税の割合」のページで公表している割合は次のとおりです。

期間還付加算金特例基準割合
令和3年1月1日〜令和3年12月31日1.0%
令和4年1月1日〜令和7年12月31日(4年間)0.9%
令和8年1月1日〜令和8年12月31日1.3%

割合は各年の前々年9月から前年8月までの銀行の新規短期貸出約定平均金利をもとに、前年の11月30日までに財務大臣が告示します。したがって令和8年分の申告の還付加算金の大半が計算される令和9年の割合は、令和8年11月30日までに告示されるまで分かりません。この記事の計算例は、公表済みの令和8年の1.3%(および令和7年の0.9%)で行います。

起算日は「いつ出したか」で変わる

国税通則法58条1項は起算日を還付金の種類ごとに定めていますが、「他の国税に関する法律に別段の定めがある場合には、その定める期間」という括弧書きがあり、所得税の還付はその別段の定めである所得税法138条3項(源泉徴収税額の還付)と139条3項(予納税額の還付)で計算します。138条3項は次のとおりです。

第一項の規定による還付金について還付加算金を計算する場合には、その計算の基礎となる国税通則法第五十八条第一項(還付加算金)の期間は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に掲げる日(同日後に納付された前項に規定する源泉徴収税額に係る還付金については、その納付の日)の翌日からその還付のための支払決定をする日又はその還付金につき充当をする日(同日前に充当をするのに適することとなつた日がある場合には、その適することとなつた日)までの期間とする。

「各号に掲げる日」は、1号が確定申告書を確定申告期限までに提出した場合の「その確定申告期限」、2号が期限後に提出した場合の「その提出の日」です。つまり源泉徴収税額の還付では、次のように起算日が分かれます。

提出の時期起算日(この日の翌日から数える)終わり意味
確定申告期限まで(令和8年分なら令和9年3月15日まで)確定申告期限支払決定の日(充当ならその日)期限前に振り込まれれば期間はゼロ。早く出しても加算金は増えない
確定申告期限の後提出の日同上5年遡って還付申告しても、待っていた年数分の利息は付かない

予定納税額の還付を定める139条3項は考え方が違い、起算日は「還付をすべき予納税額の納付の日(その予納税額がその納期限前に納付された場合には、その納期限)」です。ただし書きで、確定申告書を期限後に提出した場合には「その確定申告期限の翌日からその提出された日までの日数は、当該期間に算入しない」とされています。予定納税は前年の実績で先に納めたお金なので、納めた日から利息が付く代わりに、申告を遅らせた日数は差し引かれる構造です。

端数処理で、ほとんどの還付には加算金が付かない

国税通則法120条は端数処理を定めており、3項と4項が還付加算金に関する部分です。

還付加算金の確定金額に百円未満の端数があるとき、又はその全額が千円未満であるときは、その端数金額又はその全額を切り捨てる。
還付加算金の額を計算する場合において、その計算の基礎となる還付金等の額に一万円未満の端数があるとき、又はその還付金等の額の全額が一万円未満であるときは、その端数金額又はその全額を切り捨てる。

年1.3%で計算した加算金が1,000円に届くには、還付金と日数の積が大きくなければなりません。給与所得者の医療費控除やふるさと納税による還付は数千円から数万円のことが多く、期限内に出して1か月半で支払決定されれば、加算金は計算上ほぼ確実に1,000円未満になり、切り捨てられて0円です。「還付加算金が付いていない」のは、計算漏れではなく端数処理の結果であることがほとんどです。

計算例(令和8年の割合1.3%で)

以下の計算例は、端数処理の単位をそろえて書いています。期間ごとの金額は円未満を切り捨てずに計算し、期間が2つ以上あるときは合計してから円未満を切り捨て、最後に国税通則法120条3項で100円未満(全額が1,000円未満ならその全額)を切り捨てます。

還付金期間の数え方日数計算加算金
A. 令和7年分をe-Taxで2月10日に提出、3月3日に支払決定(期限内)84,000円起算日は確定申告期限(令和8年3月16日)。支払決定がその前なので期間なし0日0円
B. 令和7年分を書面で3月10日に提出、4月24日に支払決定(期限内)120,000円3月17日から4月24日まで39日120,000円×1.3%×39/365=166円0円(1,000円未満)
C. 令和7年分の予定納税第1期150,000円(令和7年7月31日納付)が全額還付。期限内提出、4月20日に支払決定150,000円令和7年8月1日から12月31日まで0.9%、令和8年1月1日から4月20日まで1.3%153日+110日150,000円×0.9%×153/365=565.9円、150,000円×1.3%×110/365=587.7円、計1,153円(合計後に円未満切捨て)1,100円(100円未満切捨て)
D. 令和3年分の還付申告を令和8年9月8日にe-Taxで提出、9月30日に支払決定(期限後)60,000円起算日は提出日。9月9日から9月30日まで22日60,000円×1.3%×22/365=47円0円(1,000円未満)
E. Bと同じ日程で還付金が100万円の場合1,000,000円3月17日から4月24日まで39日1,000,000円×1.3%×39/365=1,389円1,300円(100円未満切捨て)

令和7年分の確定申告期限が3月16日なのは、令和8年3月15日が日曜日で、国税通則法10条2項によって翌日にずれたためです。Aの例が示すように、期限内に早く出して期限前に振り込まれると、そもそも加算金の期間が生じません。Dの例は5年遡りの還付申告で、4年以上待っていた期間には利息が付かず、出してから支払決定までの22日分しか計算されないことを示しています。「還付申告は5年以内ならいつでもよい」は期限の話としては正しいのですが、利息の面では早く出す方が有利です。Cは予定納税の還付で、納付日の翌日から数えるので、令和7年と令和8年で割合が変わる2つの期間に分けて計算します。

還付申告は翌年1月1日から5年間。確定申告期間を待たなくてよい

還付を受けるための申告は所得税法122条1項が定めており、確定所得申告の120条1項と違って「第三期において」という時期の指定がなく、語尾も「提出することができる」です。したがって2月16日を待つ必要はなく、翌年1月1日から提出できます。国税庁タックスアンサーNo.2030も、還付申告書は確定申告期間とは関係なく、その年の翌年1月1日から5年間提出することができるとしています。5年の根拠は所得税法ではなく国税通則法74条1項です。

還付金等に係る国に対する請求権は、その請求をすることができる日から五年間行使しないことによつて、時効により消滅する。

この5年は期限であって、還付が「いつ入るか」とは別の話です。前の節で見たとおり、期限後に出した還付申告の還付加算金は提出日の翌日からしか付かないので、遡れる年数があるからといって寝かせておく理由はありません。期限の数え方、期限内提出が要件になっている特例(青色申告特別控除など)が絡む場合の注意は、確定申告はいつまで?の還付申告の節で扱っています。

還付申告になる典型は、年の途中で退職して年末調整を受けていない、医療費控除やふるさと納税(寄附金控除)を受ける、住宅ローン控除の1年目、といった場合です。いくら戻るかの見当を付けるには、控除額から所得税率を掛けた概算が要ります。医療費控除であれば、次の計算機で「戻ってくる税金の目安」まで出せます。

医療費控除 計算機で、いくら戻るかの目安を先に確かめる

住宅ローン控除の1年目も還付申告の代表例で、控除額の目安は住宅ローン控除 計算機で確かめられます。2年目以降は年末調整で処理されるので、会社員なら還付申告は初年度だけです。

振り込まれたかは「国税還付金振込通知書」かe-Taxの「通知書等一覧」で分かる

税務署が支払手続を終えると、「国税還付金振込通知書」が届きます。従来は書面(はがき)で送られてきましたが、令和5年6月以降、e-Taxで還付申告を送信した人のうち希望する人は、はがきの代わりにe-Taxの「通知書等一覧」で振込通知を受け取れるようになりました。国税庁のQ&A(Q47・Q48)とe-Taxの「還付金の振込に係る電子通知について」を整理すると、次のとおりです。

項目電子通知(e-Tax)書面(はがき)
対象e-Taxで還付申告を送信し、電子通知を希望した人それ以外。電子通知を希望しても、利用者識別番号の変更などで通知できないときは書面で送られる
希望のしかた送信時の「通知方法の選択」で「電子交付」を選ぶ。確定申告書等作成コーナー(マイナンバーカード方式)では「はい」と「還付金の振込通知」が初期選択作成コーナーで書面を希望するなら、電子通知の希望欄で「いいえ」を選ぶ
使えない人ID・パスワード方式で還付申告した人
確認方法e-Taxソフト(WEB版)の「通知書等」メニューから「通知書等一覧」の「国税還付金振込通知書」を開く。電子証明書の認証が要るはがきを見る
税理士が代理送信した場合納税者本人の「通知書等一覧」にだけ通知される

実務で気を付けたいのは、作成コーナーをマイナンバーカード方式で使うと電子通知が初期選択になっていることです。はがきが来ないので「まだ振り込まれていない」と誤解しやすくなります。電子通知を選んだ場合は書面での通知はされないので、通帳の入金と「通知書等一覧」の両方で確認する運用にしておきます。メールアドレスを登録しておけば、通知を受信したことをメールで知らせてもらえます。なお、e-Taxの案内によると、令和8年9月24日からマイページで通知書の受領方法を選択できるようになりますが、還付申告については受領方法の選択にかかわらず、申告上の「還付金振込」の選択状況に応じて電子交付されます。

よくある質問

Q. e-Taxで出したのに3週間たっても振り込まれません。どうすればよいですか?

A. まず受信通知で申告書が受け付けられているかを確認し、次にe-Taxソフト(WEB版)のマイページで「還付金処理状況」を見ます。「還付金額や振込先の金融機関情報などの確認を行っています。」は3段階の2番目の表示なので、この表示が出ていること自体は誤りの証拠ではありません。申告時に指定した金融機関ではなく、過去に使った金融機関が表示されている場合は、入力内容を確認します。同じ人が複数回申告している、書類の不備がある、別送の書面があるときは、e-Taxでも3週間程度の対象外です。同じ申告書を再送すると複数回申告になるので避けます。

Q. 書面で出した場合も、還付金の処理状況は確認できますか?

A. できます。e-Taxの利用者識別番号を持っていれば、書面で提出した還付申告の処理状況もe-Taxソフト(WEB版)のマイページで確認できます。表示されるようになるのは書面で提出してから1か月程度たった日からで、提出内容や利用者識別番号の状態によっては確認できない場合があります。

Q. 個人事業主です。屋号付きの事業用口座を還付先にできますか?

A. できません。国税庁は、口座名義に店名や事務所名などの屋号が含まれる口座には振込みできないと案内しています。申告者本人の氏名のみの口座を指定します。納税管理人を指定している場合はその納税管理人名義の口座になります。

Q. 還付申告を早く出せば、還付加算金は多くもらえますか?

A. 増えません。源泉徴収税額の還付では、期限内に出した申告の還付加算金は確定申告期限の翌日から数えるので(所得税法138条3項1号)、1月に出しても3月に出しても起算日は同じです。むしろ早く出して期限前に振り込まれると期間がゼロになります。期限後に出した場合は提出日の翌日からで、遡って申告した年数分の利息は付きません。

Q. 還付金が申告書に書いた金額より少なかったのはなぜですか?

A. 同じ年分の所得税に未納があると、還付金はその未納分に充当され、残りだけが振り込まれます(所得税法138条4項・139条4項)。また、源泉徴収された所得税のうち支払者がまだ納めていない部分は、納付があるまで還付されません(同138条2項)。振込通知書に記載された内訳と、申告書の還付額を突き合わせて確認します。

Q. 令和8年分の還付申告は、いつから出せますか?

A. 令和9年1月1日から出せます。ただしe-Taxは12月29日から1月3日まで利用できないので、送信は運転再開日の1月4日以降です。還付申告には「第三期において」という時期の指定がないので、2月16日を待つ必要はありません。出せる期間は国税通則法74条1項により5年間です。令和8年分の確定申告期限は令和9年3月15日(月曜日)で、この日までに出せば還付加算金の起算日は期限の翌日、この日を過ぎて出せば提出日の翌日になります。

出典

本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。個別の判断は税務署・税理士にご確認ください。

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