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こどもNISAは2027年から:年間枠・払出し要件・贈与税を適用日別に整理

結論から言うと、こどもNISA(条文上は「未成年者特定累積投資勘定」)で買えるのは2027年1月1日からです。改正法は2026年3月31日に公布済みですが、この部分の施行は2027年1月1日で、2026年中に申し込んでも買付けは2027年以後になります。

2027年以後、国内に住む子(居住者等)は、その年1月1日に18歳未満の年と生まれた年に、つみたて投資枠で年60万円まで買えます(前年12月31日に勘定に残っている分の購入の代価との合計600万円が上限)。

払出しは2段階です。3月31日に12歳である年の前年までは、災害などでこどもNISA口座と特定課税未成年者口座の資産を全部払い出す場合などに限られます。3月31日に12歳である年から3月31日に18歳である年の前年12月31日までは、子の教育費・生活費に充てるため、親権者等が子の同意を示す書面を添えて申出書を出せば払い出せます。制限は3月31日に18歳である年の前年12月31日までです。

親や祖父母が子に贈与した資金で買う場合、暦年課税の贈与税は、子がその年に受けた課税対象の贈与の合計で判定します。その年に受けた暦年課税の課税対象の贈与の合計が110万円以下なら、贈与税はかかりません。

適用日の整理:公布・受付・施行・12歳・18歳

決まっている日付と、金融機関の運用で決まる日付を分けると次のとおりです。

下の表は、2026年10月16日時点の改正後の租税特別措置法37条の14(2027年1月1日施行の版)と、財務省・金融庁・金融機関の公表資料によります。

時期起きること根拠
2026年3月31日改正法(令和8年法律第12号)の成立・公布。こどもNISAの部分はまだ施行されていない財務省、附則1条5号
2026年10月〜一部の金融機関が口座開設の申込みを受付(法令の日付ではない)各金融機関の発表
2027年1月1日施行。未成年者特定累積投資勘定を設けられる最初の日附則1条5号ロ、5項1号ハ
3月31日に12歳である年教育費・生活費に充てる払出し(親権者等の申出書と子の同意書面)が始まる5項6号ホ
3月31日に18歳である年(基準年)の1月1日払出しの制限がなくなる(前年12月31日までは制限が続く)5項6号ホ
1月1日に18歳以上である年未成年者用の勘定は設けられず、成人と同じつみたて投資枠になる5項7号イ

改正法の附則1条5号ロは、措置法37条の14の改正規定を「令和九年一月一日」から施行するとしています。口座を開ける期間も、未成年者特定累積投資勘定については2027年1月1日以後と定められています(5項1号ハ)。

2026年10月から申込みを受け付ける金融機関の例は、三菱UFJフィナンシャル・グループの2026年8月14日の発表です。受付の開始日や方法は金融機関ごとに違い、法令で決まる日付ではありません。

年60万円と保有上限の数え方

2027年以後、その年1月1日に18歳未満の年と生まれた年に設けられる勘定では、1年に買える額は買付けの代価の合計で60万円まで、かつ前年12月31日に勘定に残っている分の購入の代価との合計で600万円までです(5項6号ロ(1))。使わなかった枠を翌年に繰り越す規定はありません。

保有の上限600万円は、前年12月31日に勘定に残っている分の購入の代価と、その年の買付けの合計で判定します。時価が上がっても、上限の計算は買った時の代価のままです。

買えるのは、つみたて投資枠の対象となる投資信託だけです。成長投資枠は使えず、こどもNISAの金融機関は変更できません(5項7号ニ、金融庁)。

下の表は、2027年から各年60万円ちょうどを買い(買付けの代価の合計が上限の600万円に達した後は買わない)、売却しない場合の例です。年齢は各年1月1日で判定し、生まれた年も含めています。

子の生年月日(例)未成年者用の勘定が設けられる年年数買付けの代価の合計
2014年6月1日2027〜2032年6年360万円
2015年1月10日2027〜2033年7年420万円
2020年9月15日2027〜2038年12年600万円(2036年で上限)
2027年5月20日2027〜2045年19年600万円(2036年で上限)

2014年6月1日生まれと2015年1月10日生まれは、下の特定基準年・基準年は同じですが、1月1日の年齢が違うため、勘定が設けられる年数が1年違います。

払出しは3月31日の年齢で2段階に区切る

こどもNISAの投資信託を口座の外へ移す・返還を受けることは、基準年(その年3月31日に18歳である年)の前年12月31日まで、次の場合に限られます(5項6号ホ(1))。

金融庁の説明では、この書類は親権者等(口座管理者)が出す申出書で、子が払出しに同意したことを示す書面を添えます。口座が続いている場合、これらの制限は基準年の前年12月31日で終わります。

基準年の前年12月31日までは、売った代金や分配金(政令で除くものを除く)は、受け取った後直ちに、こどもNISA口座と同時に設ける子名義の特定課税未成年者口座(預金などの口座)に入れます(5項6号ホ(3)・9号)。この口座からの引出しにも基準年の前年12月31日まで同じ制限がかかり、こどもNISAで投資信託を買う資金に充てることはできます(財務省の法律案要綱)。

下の表は、上の生年月日の例で、3月31日時点の年齢から特定基準年と基準年を数えたものです。

子の生年月日(例)特定基準年基準年払出しの制限の終わり
2014年6月1日2027年2033年2032年12月31日
2015年1月10日2027年2033年2032年12月31日
2020年9月15日2033年2039年2038年12月31日
2027年5月20日2040年2046年2045年12月31日

2015年1月10日生まれの子は、払出しの制限が2032年12月31日に終わった後の2033年も、1月1日には17歳なので未成年者用の勘定(年60万円)が続きます。払出しは3月31日、勘定は1月1日で区切るため、誕生日によって区切りが1年ずれます。

2020年9月15日生まれの子のこどもNISAの区切り 災害等で両口座の全部を払い出す場合など +教育費・生活費の申出書で払出し 制限なし 2027年1月1日 施行 2033年(特定基準年) 2038年12月31日まで 2039年(基準年) 2039年1月1日に18歳なので、2039年からは成人と同じつみたて投資枠
2020年9月15日生まれの子の例。12歳・18歳の区切りは3月31日時点の年齢、勘定の区切りは1月1日時点の年齢で決まる。教育費・生活費の払出しには、親権者等の申出書と子の同意書面が要る。両口座は、こどもNISA口座と特定課税未成年者口座。

制限に反して払い出したときの扱い

基準年の前年12月31日までに制限に反する払出しがあると、こどもNISA口座と特定課税未成年者口座は廃止されます(5項6号ヘ)。災害等で全部を払い出したときも口座は廃止されますが、災害等と出国による廃止には次の課税がありません(6項)。

基準年の前年12月31日までに、制限に反する払出しや自分での口座の廃止(災害等・出国を除く)があると、非課税でなくなり、開設以来の売却益のほか、政令の事由以外で払い出した分と口座に残る投資信託も売ったものとみなして課税されます(6項)。このみなし売却の計算で損失が出ても、その損失はないものとみなされます(7項)。

基準年の前年12月31日までの違反や廃止(災害等・出国を除く)で口座を廃止する際は、金融機関が所得税を源泉徴収しますが、売却代金を特定課税未成年者口座に入れなかった分などは、代金も取得費等もその計算から除きます(8項)。

2024年以降のジュニアNISAは、年齢を問わず口座を廃止して全額を非課税で払い出せます。こどもNISAの条文には、この扱いはありません。

親・祖父母の資金と贈与税の合算

親や祖父母が子に資金を贈与してこどもNISAで買う場合、暦年課税の贈与税は、贈与した人ごとではなく、受けた子1人ごとに、その年の課税対象の贈与の合計で判定します。相続時精算課税を選んだ贈与者からの分は別に計算します。

暦年課税では、その年1月1日〜12月31日に受けた贈与の合計から基礎控除110万円を引いた残りに税率をかけます(国税庁 No.4408)。

扶養義務者からの生活費・教育費で通常必要と認められ、必要な都度直接充てるものは贈与税がかかりませんが、その名目でも預金や株式などの買入資金に充てた分には贈与税がかかります(No.4405)。暦年課税なら、投資信託を買うこどもNISAの資金は、110万円の基礎控除の中で考えることになります。

下の設例は、2027年に17歳以下の子が受けた贈与を暦年課税で計算し、親から未成年の子への贈与に使う一般税率(No.4408)を当てたものです。相続時精算課税は使わず、表の贈与はどれも課税対象(生活費・教育費の非課税や祝物に当たらない現金)とします。

その年に子が受けた課税対象の贈与合計基礎控除後贈与税
親からこどもNISAの資金60万円だけ60万円0円0円
父から60万円、母から50万円110万円0円0円
親から60万円、祖父から60万円120万円10万円1万円
親から60万円、祖父母から80万円140万円30万円3万円

贈与税がかかる行は、基礎控除後の金額が200万円以下なので、一般税率の10%です(140万円の行なら30万円×10%=3万円)。暦年課税の課税対象の贈与の合計が110万円を超えた年は、贈与を受けた子が翌年2月1日〜3月15日に申告と納税をします(No.4402)。

その年の贈与の合計から、贈与税を計算する

ジュニアNISA・成人のNISAとの関係

ジュニアNISAとこどもNISAは別の制度です。ジュニアNISAの非課税期間と払出しはジュニアNISAの記事で整理しています。

1月1日に18歳以上である年からは、未成年者用の勘定ではなく成人と同じつみたて投資枠(年120万円)になります。金融庁は、18歳に達した際に特段の手続きなく成人後のつみたて投資枠へ移行する仕組みと説明しています。

成人のNISAの年間枠と生涯枠の残りを計算する

よくある質問

2026年中に申し込めば、2026年から買えますか?

買えません。未成年者特定累積投資勘定は2027年以後の各年に設けられ、口座を開ける期間も2027年1月1日以後です。2026年10月から申込みを受け付ける金融機関がありますが、買付けは2027年1月1日以後です。

12歳になれば自由に引き出せますか?

自由ではありません。3月31日に12歳である年以後も、3月31日に18歳である年の前年12月31日までは払出しが制限されます。払い出せるのは、子の教育費・生活費に充てる申出書(親権者等が出し、子の同意書面を添える)を出した場合と、災害等でこどもNISA口座と特定課税未成年者口座の資産を全部払い出す場合などです。

年60万円の枠を使い切らなかった分は、翌年に繰り越せますか?

繰り越せません。こどもNISAの年60万円は、勘定を設けた年の12月31日までに買った代価の合計で数えます。保有上限600万円の残りは、前年末に残っている分の購入の代価で数えます。

親がこどもNISAに年60万円を入れると、贈与税はかかりますか?

暦年課税なら、その年に子が受けた贈与が60万円だけなら基礎控除110万円以下なのでかかりません。祖父母からの贈与などと合わせてその年の課税対象の贈与の合計が110万円を超えると、超えた分に贈与税がかかります。

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出典

租税特別措置法をe-Gov法令検索で、改正法と制度説明を財務省・金融庁・国税庁のページで確認して作成。

この記事は一般的な情報提供であり、個別の税務相談や、口座の開設・拠出額・特定の金融商品を勧めるものではありません。実際の手続きや判断は、口座のある金融機関・税務署・税理士にご確認ください。

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