積立NISAは今どうなった?旧つみたてNISAと現行制度の違い・設定確認
今から積立NISAを始める場合は、現行NISAの「つみたて投資枠」を使います。旧つみたてNISAでの新規購入は終了し、2024年1月から新しいNISAが始まりました。
国内に住み続ける人は、旧つみたてNISAの商品を元の非課税期間内ならそのまま保有できます。現行NISAへ商品を移すことはできないので、旧保有分の管理と、新たな積立の設定は分けて確認します。
旧制度と現行制度の比較表
現行制度の列は、2026年の成人枠(その年の1月1日現在18歳以上の居住者等)のつみたて投資枠です。金額は時価ではなく取得金額(購入手数料等を除く)で数え、総枠は成長投資枠との合計です。旧つみたてNISAの列は、新規購入が終了した旧制度の条件です。
| 確認する項目 | 旧つみたてNISA | 現行のつみたて投資枠 |
|---|---|---|
| 新たな購入 | 終了 | 積立投資で購入できる |
| 年間投資枠 | 年40万円 | 年120万円 |
| 非課税保有期間 | 勘定設定年の年初から最長20年間 | 無期限 |
| 保有額の管理 | 現行NISAの総枠とは別 | 両枠合計1,800万円まで |
| 積立の対象 | 長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託 | 基準を満たす投資信託・ETF等。現在の届出一覧で確認 |
成長投資枠の内数上限や売却後の再利用も含めた管理は、NISA残り枠計算機で確認できます。未成年者向けの制度はこどもNISAの開始時期・年間枠・手続きに分けています。
旧保有分はどうなるか
制度が変わっただけで、旧つみたてNISAの商品を売る必要はありません。旧制度の保有分には元の非課税期間が適用され、現行NISAの非課税保有限度額とは別に管理されます。
旧つみたてNISAで2023年に購入した分は、売却・払出しをしなければ2042年まで非課税で保有できます。購入した日から数えるのではなく、勘定設定年の年初から数えます。
非課税期間が終わった旧保有分は、現行NISAへロールオーバーできません。課税口座へ移った後の取得価額と税額は、旧NISAの非課税期間満了の記事で確認できます。
海外転勤などで出国する場合は別途確認が必要です。転任の命令等による一時出国では、事前の手続きにより一定期間非課税を続けられる場合がありますが、出国中の新たな買付はできません。取扱いは金融機関へ確認してください。
対象商品の要件と確認先
投資信託なら何でもつみたて投資枠で買えるわけではありません。長期の積立・分散投資に適した告示の要件を満たす公募株式投資信託・ETF等が対象です。
以下は、現行のつみたて投資枠の対象商品の主な要件です。指数や手数料水準などの要件もあり、この表だけで適格性を判定せず、金融庁の届出一覧で商品名を照合します。
| 主な確認項目 | 対象商品の要件 |
|---|---|
| 信託契約期間 | 無期限または20年以上 |
| 分配の頻度 | 毎月分配型ではない |
| デリバティブ取引 | ヘッジ等の一定の場合を除いて運用を行わない |
指定指数に連動しない公募株式投資信託では、2026年4月1日から、主たる投資対象の要件が「主に株式」から「主に株式又は公社債」に変わりました。公社債そのものや公社債投資信託が対象になったという意味ではありません。
金融庁のつみたて投資枠対象商品届出一覧に載っていることと、利用する金融機関で取り扱っていることは別の確認です。商品名を照合した後、取扱いと費用を金融機関の案内・交付目論見書で確認します。
対象商品であっても元本が保証されるわけではありません。投資信託等には値動きがあり、元本割れのおそれがあります。
積立設定の確認表
口座が開いていることと、積立の買付が実行されていることは別です。移行前の設定を使っている場合も、現在の積立設定と取引履歴を照らし合わせます。
つみたて投資枠で新たに購入するときは、累積投資契約に基づく積立投資で買い付けます。買付頻度の取扱いは下の注も確認してください。
| 確認する場所 | 確認する内容 |
|---|---|
| 口座の開設状況 | NISA口座の開設先と利用可能な状態。既存口座がある場合は新規申込みを重ねない |
| 積立の口座区分 | NISAのつみたて投資枠になっているか。課税口座の設定と取り違えていないか |
| 商品名 | 金融庁の届出一覧と金融機関の取扱商品を照合 |
| 金額・買付頻度 | 設定額と実行予定、当年に使った年間枠・総枠の残りを確認 |
| 決済方法 | 引落口座・決済日・入金の要否・設定変更の締切を金融機関の案内で確認 |
| 買付後の履歴 | 買付の実行、口座区分、金額を確認。実行されなかった場合は資金不足等の通知を確認 |
つみたて投資枠の買付頻度は原則毎月で、収入状況等を踏まえ、あらかじめ時期を定めた隔月・四半期ごとの買付も認められますが、年1回の買付は認められません。ETFは設定額と市場価格により買付できない場合もあります。最低積立額・選べる頻度・決済方法・締切は金融機関ごとに確認してください。
初めて開設するときは、金融機関の案内で本人確認とマイナンバーの告知の要否・方法を確認します。既存のNISA口座から別の金融機関へ変える場合は、金融機関変更の期間と書類を確認してください。
枠の再利用と損失の注意点
現行NISAの成人枠で保有商品を売却すると、翌年以降、減った非課税保有額を年間投資枠の範囲内で再利用できます。売却代金や値上がり益がそのまま戻る仕組みではなく、売った年の年間枠も復活しません。
旧つみたてNISAの保有分は、もともと現行NISAの総枠に含まれていません。旧保有分を売っても、現行NISAの利用可能額が増えるわけではありません。
現行NISAの残り枠と、売却後に再利用できる額を計算するNISA口座で買った商品を売って出た損失は、課税口座の利益との損益通算や繰越控除に使えません。配当の受取方法や申告の扱いは、NISAと確定申告にまとめています。
確認を終える順番
旧保有分と新たな買付を分ける → 旧保有分の非課税終了年を確認 → 現行口座の商品・積立設定を確認 → 買付後の履歴と残り枠を照合、の順で進めます。
旧商品を現行NISAへ移管する手続きはありません。制度の切替えだけを理由に旧保有分を売る必要もありません。
よくある質問
今から旧つみたてNISAを始められますか?
旧つみたてNISAでは新規購入できません。今から積立を始める場合は、現行NISAのつみたて投資枠を利用します。
旧つみたてNISAの商品は現行NISAへ移せますか?
移せません。旧つみたてNISAの保有分は現行NISAの外枠で、元の非課税期間が適用されます。期間が終わってから現行NISAへロールオーバーすることもできません。
旧保有分を売ると現行NISAの枠が増えますか?
増えません。旧つみたてNISAの保有分は現行NISAの総枠に含まれていないため、その売却で現行NISAの枠が復活することはありません。
口座を開いたのに積立が始まらないのはなぜですか?
積立設定の有無と買付予定日、決済方法、取引履歴を確認します。口座開設だけでは商品や積立金額の指定は済んでいません。設定があっても買付されていなければ、資金不足などの通知と金融機関の案内を確認してください。
出典
- 国税庁「No.1535 NISA制度」:現行枠と旧つみたてNISAの年間投資額・非課税期間、損失の扱い。
- 金融庁「NISAを知る」:制度開始、非課税保有期間、取得金額による総枠管理と再利用。
- 金融庁「2023年までのNISA」:旧保有分の外枠管理と移管不可。
- 金融庁「つみたて投資枠対象商品」:対象商品届出一覧。
- 金融庁「非課税口座に受け入れることができる上場株式等の範囲に関する基準」の一部改正:公募株式投資信託の投資対象要件の変更。
- 日本証券業協会「2024年以降のNISAに関するQ&A」(2026年9月):対象商品、累積投資契約、口座開設の手続き。
- 金融庁「よくある質問」:旧保有分、海外転勤時の手続き。
- 金融庁「資産形成の基本」:運用商品の元本割れリスク。
本記事は一般的な情報提供を目的とし、特定の金融機関・金融商品の利用や取得を勧めるものではありません。当サイトは金融商品取引業者ではなく、投資助言を行うものでもありません。個別の税務相談には応じられません。実際の手続きは各金融機関の案内で確認してください。