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国民年金基金とは — 掛金の原則の上限は月68,000円、2026年12月分から75,000円に上がる

結論から言うと、国民年金基金は国民年金の第1号被保険者(89条1項・90条1項・90条の2第1項〜3項・90条の3第1項による保険料の免除を受けている人と農業者年金の被保険者を除き、産前産後期間・2026年10月分以後の保険料の育児期間の免除はこの除外に入らない)と任意加入被保険者のうち日本国内に住む60歳以上65歳未満の人と海外に住む20歳以上65歳未満の日本国籍を有する人など(日本国内に住む20歳以上60歳未満で厚生年金保険法に基づく老齢給付等を受けられる任意加入被保険者は除く、附則5条1項・11項)が、他の基金の加入員でなければ、住所のある地区の地域型基金か、その地区内で同種の事業・業務に従事している職能型基金(海外に住む任意加入被保険者は、住所を有していた地区の地域型基金か加入していた職能型基金)に自分で申し出て入る、老齢の年金と遺族一時金の上乗せ制度です。根拠は国民年金法の第10章第1節(115条以下)で、国が運営する国民年金そのものではなく、法律で作られた法人(基金)が運営します。会社員が厚生年金で2階部分を持っているのに対し、自営業・フリーランスには2階が無い——その2階を自分で作る制度です。

いちばん実務に効く数字は掛金の上限です。原則の上限として、国民年金基金令34条は「掛金の額は、一月につき六万八千円を超えてはならない」と定めていますが、この条文は2026年12月1日に「七万五千円」へ書き換わります(令和7年12月24日公布の政令第442号)。同じ政令で、基金令35条が定める特例の上限額(35条の対象者が同条の定める期間に限って使える上限で、対象者と使える期間は下の「上限の特例」の節)も、102,000円から112,500円へ改められます(2026年11月分までの掛金は102,000円、2026年12月分以後の掛金は112,500円)。しかも経過措置により、上限が切り替わるのは「掛金の月」単位で、2026年11月分までは従前の額が生き続けます。

この記事では、加入できる人・できない人、資格喪失の事由とその日付、掛金の上限と特例、iDeCoや付加保険料との関係、そして掛金が社会保険料控除(居住者が自分や生計を一にする親族の掛金をその年に払えば、その全額)になる一方で遺族一時金だけが非課税になる条文の筋道までを、国民年金法・国民年金基金令の原文と国税庁のタックスアンサーで確かめて整理します。従業員を採用したときに会社側で何が起きるかも最後に書きます。

国民年金基金とは — 老齢の年金と遺族一時金の「2階」

国民年金法115条は、基金の目的を1行で定めています。

国民年金基金(以下「基金」という。)は、第一条の目的を達成するため、加入員の老齢に関して必要な給付を行なうものとする。

読みどころは「老齢に関して」です。国民年金本体の基礎年金は老齢・障害・遺族の3種類で(法15条は、ほかに付加年金・寡婦年金・死亡一時金を定めています)、基金が行うのは老齢の年金と、加入員・加入員であった者の死亡に関する一時金だけです(法128条1項)。障害になったときの給付は基金にはありません。この一点だけでも、民間の保険と並べて考えるときの前提が変わります。

項目国民年金基金
根拠法国民年金法 第10章第1節(115条〜137条の3の16)、国民年金基金令
運営基金(法人。法117条1項)。名称に「国民年金基金」の文字が必要(法118条1項)
種類地域型国民年金基金・職能型国民年金基金の2つ(法115条の2)
給付老齢の年金と、死亡に関する一時金(法128条1項)。障害給付は無い
加入本人の申出(法127条1項)。会社が入れる制度ではない
掛金の上限原則は2026年11月分まで月68,000円(基金令34条)。2026年12月分から月75,000円。35条の要件を満たす人は、同条の定める期間に限り特例の上限あり

基金は2種類あります。基金の地区内に住所を有する人で組織する地域型と、基金の地区内で同種の事業・業務に従事する人で組織する職能型で、どちらも対象は次の節で見る除外に当たらない第1号被保険者で、附則5条11項により第1号被保険者とみなされる任意加入被保険者(日本国内に住む60歳以上65歳未満の人と海外に住む20歳以上65歳未満の人で、海外の人の申出先は附則5条12項)も含みます(法115条の2、116条1項・2項、附則5条11項・12項)。地域型は2019年(平成31年)4月1日に全国47都道府県の地域型基金と22の職能型基金が合併して「全国国民年金基金」1つになり、職能型として従来どおり存続しているのは歯科医師国民年金基金・司法書士国民年金基金・日本弁護士国民年金基金の3つです。同時に2つの基金の加入員になることはできません(法127条1項ただし書)。

加入できる人・できない人

加入の資格は法116条が決めており、除外される人は1項のかっこ書きに列挙されています(このかっこ書きは「次項及び第百二十七条第一項において同じ」とされ、2項の職能型と127条1項の申出にも及びます)。

地域型基金は、第一号被保険者(第八十九条第一項、第九十条第一項又は第九十条の三第一項の規定により保険料を納付することを要しないものとされている者、第九十条の二第一項から第三項までの規定によりその一部の額につき保険料を納付することを要しないものとされている者及び農業者年金の被保険者を除く。次項及び第百二十七条第一項において同じ。)であつて、基金の地区内に住所を有する者をもつて組織する。

つまり第1号被保険者が原則で、そこから89条1項・90条1項・90条の2第1項〜3項・90条の3第1項による保険料の免除を受けている人(法定免除・申請免除・一部免除・学生納付特例で、全国国民年金基金の案内では納付猶予もここに含めています)と農業者年金の被保険者が除かれます。これらの条項による免除を受けている間は入れません(産前産後期間の免除と2026年10月分以後の保険料の育児期間の免除は、次の囲みのとおりこの除外に入りません)。

産前産後期間・育児期間の免除は、この「免除」に入らない 法116条1項が除外しているのは89条1項・90条1項・90条の2第1項〜3項・90条の3第1項の免除です。産前産後期間の保険料免除は法88条の2、2026年10月分以後の保険料に適用される育児期間の保険料免除は法88条の3で、どちらもこの列挙に入っていません。全国国民年金基金も資格喪失事由から産前産後期間の免除を明示的に除いています。同じ「免除」という言葉でも、どの条文の免除かで結論が逆になります。

第1号被保険者でなくても入れる人がいます。法附則5条11項が、任意加入被保険者(附則5条1項1号に掲げる者を除く)を116条1項・2項と127条1項の適用について第1号被保険者とみなしているためです。

第一項の規定による被保険者(同項第一号に掲げる者を除く。第十三項において同じ。)は、第百十六条第一項及び第二項並びに第百二十七条第一項の規定の適用については、第一号被保険者とみなす。

これにより、日本国内に住所がある60歳以上65歳未満で国民年金に任意加入している人(附則5条1項2号)と、日本国籍を有する者などで海外に住む20歳以上65歳未満の任意加入被保険者(同項3号)も、116条1項かっこ書きの除外(農業者年金の被保険者など)に当たらず、他の基金の加入員でもなければ(127条1項ただし書)、加入員になれます(申し出る先は、国内の人は住所のある地区の地域型基金か、その地区内で同種の事業・業務に従事している職能型基金、海外の人は附則5条12項により住所を有していた地区の地域型基金か加入していた職能型基金)。海外の任意加入被保険者(同項3号の人に限る)については、さらに附則5条12項が「住所を有していた地区に係る地域型基金」または「加入していた職能型基金」に申し出る道を開いています(日本に住所が無いので、そのままでは地域型の要件を満たせないため)。

一方、附則5条11項のかっこ書きが除いている「同項第一号に掲げる者」——附則5条1項1号は日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の人で、厚生年金保険法に基づく老齢給付等を受けることができる人(この法律の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者を除く)です——は、みなし規定の外です。日本国内に住所がある20歳以上60歳未満で、厚生年金保険法に基づく老齢給付等を受けられるようになって任意加入した人が、ここに当たります(海外に住む20歳以上65歳未満の任意加入被保険者は、老齢給付等を受けられても同項3号なので、ここには当たりません)。60歳以上65歳未満の任意加入(同項2号)と海外居住の任意加入(同項3号)は、除外されていません。

国民年金基金に加入できる人の判定の流れ 国民年金の第1号被保険者か いいえ 国内に住む60歳以上65歳未満か、 海外に住む20歳以上65歳未満で 国民年金に任意加入しているか いいえ 加入できない はい はい(附則5条11項・12項) 国民年金の保険料を免除されていないか(産前産後・2026年10月分以後の育児期間の免除は除外事由でない) 免除されている 加入できない 免除されていない 農業者年金の被保険者ではないか 被保険者である 加入できない 被保険者でない 基金の地区内に住所があるか(地域型)、 地区内で同種の事業・業務に従事しているか(職能型) 海外の人は、住所があった地区か加入していた職能型基金 どちらでもない 加入できない はい その基金の加入員たる資格を有する(法116条) 他の基金の加入員でなければ、申し出た日に資格を取得(法127条1項・2項) 海外の人の申出先は附則5条12項(住所があった地区の地域型か、加入していた職能型) 取得した月に喪失したら、取得日にさかのぼり加入員でなかったとみなす(127条4項)
加入資格の判定。除外されるのは89条1項・90条1項・90条の2第1項〜3項・90条の3第1項の保険料免除を受けている人と農業者年金の被保険者で、産前産後期間(88条の2)と2026年10月分以後の育児期間(88条の3)の免除は除外事由に入らない。任意加入で対象になるのは附則5条1項2号・3号の人。そのうえで、地域型は基金の地区内に住所を有する人、職能型は基金の地区内で同種の事業・業務に従事する人が対象で(海外の任意加入被保険者は住所を有していた地区の地域型基金か加入していた職能型基金)、他の基金の加入員である間は申し出られない。申し出た日に資格を取得するが、資格を取得した月に喪失した人は取得日にさかのぼって加入員でなかったものとみなされる(法116条1項・2項、127条1項・2項・4項、附則5条1項・11項・12項)。

掛金の上限 — 原則の68,000円は2026年11月分まで

掛金の額そのものは、各基金の規約で決まります(基金令33条)。ただし上限は政令が直接決めています(原則は34条、特例は35条)。

現行の国民年金基金令34条は「掛金の額は、一月につき六万八千円を超えてはならない」と定めており、これが2026年11月分までの掛金に適用される原則の上限です。

2026年12月1日施行の改正後の同条は「掛金の額は、一月につき七万五千円を超えてはならない」となり、これが2026年12月分以後の掛金に適用される原則の上限になります(月単位で切り替わる理由は下の囲みの経過措置)。

改正したのは令和7年政令第442号「国民年金基金令等の一部を改正する政令」(2025年12月24日公布)で、施行日は2026年12月1日です。同じ政令が確定拠出年金法施行令36条1号も書き換えており、iDeCoの第1号加入者・第4号加入者の拠出限度額の基本の額も68,000円から75,000円になります(基金の掛金や付加保険料を納める月はそこから控除し、控除する額は基本の額が上限なので残りは零円より下にならず、国民年金保険料納付月以外の月は零円で、詳しくは下のiDeCoの節)。

切り替わるのは「掛金の月」で、引落日ではない 改正政令の附則2項は「この政令の施行の日前の国民年金法第百三十四条第二項の年金の額の計算の基礎となる各月に係る同条第一項の掛金の額の上限については、第一条の規定による改正後の国民年金基金令第三十四条及び第三十五条の規定にかかわらず、なお従前の例による」と定めています。法134条2項は「掛金は、年金の額の計算の基礎となる各月につき、徴収する」と定めているので、2026年11月分までの掛金は原則の上限68,000円、2026年12月分からが75,000円という読み方になります(附則2項は35条も対象にしているので、特例の102,000円→112,500円も同じく月単位)。前納している場合も、対象の月で判断します。
国民年金基金の掛金上限と特例上限の新旧 2026年12月分 2026年11月分まで 68,000円 原則の上限 102,000円 追納等の特例 75,000円 原則の上限 112,500円 追納等の特例 国民年金基金令34条(原則)と35条(特例。対象者の限られた期間だけ)の上限。月額。
原則の上限と特例の上限は、どちらも2026年12月分から上がる(国民年金基金令34条・35条、令和7年政令第442号による改正)。

上限より下の実際の掛金額は、加入時の年齢・性別と、選んだ年金の型・口数で決まります。全国国民年金基金の案内では、1口目は終身年金のA型かB型から選び、2口目以降はA型・B型に加えて受給期間の定まった確定年金I型〜V型も含む7種類から選べますが、同じ案内の注記により加入時年齢が50歳1月以上の人はIV型・V型、60歳0月以上の人はII型〜V型への新規加入と増口ができません(加入時年齢は加入した日の属する月の末日の年齢で数え、誕生月に加入すると△△歳0月、翌月なら△△歳1月で、1日生まれの人は誕生日の属する月の前月が誕生月になります)。全国国民年金基金の案内では、途中で口数を変更しない場合、加入時の掛金額は払込期間の終了まで変わらず、掛金額に応じて将来受け取る年金額が確定します。

上限の特例(国民年金基金令35条)の対象・期間・金額

68,000円という原則の上限には例外があります。国民年金基金令35条1項は、国民年金法94条1項の保険料の全部を追納した加入員(または、全部を追納した国民年金の被保険者が後から加入員になった人)で、追納した月のうち直近の月より後、基準日の属する月の前月までの被保険者期間がすべて保険料納付済期間である人について、追納が行われた日(後から加入員になった人は、その後初めて資格を取得した日)=基準日の属する月以後、特定追納期間(基準日の属する月の前月までの被保険者期間のうち、追納した月で平成3年(1991年)4月1日以後のもの)に相当する期間(60月が上限)に限り、掛金の上限を月102,000円以下(2026年11月分までの掛金で、2026年12月分以後の掛金は月112,500円以下)にできると定めています。一部だけ追納した人や、直近の追納月より後、基準日の属する月の前月までの被保険者期間に保険料納付済期間でない月がある人は、この1項の特例を使えません(次の2項の中高齢加入者の特例には、全部追納の要件はありません)。

同条2項には、基金の成立の日から2年以内に加入員の資格を取得し、初めて加入員の資格を取得した日に46歳以上だった人(中高齢加入者)の特例もあり、資格取得日の属する月以後、資格取得日の属する月の前月までの第1号被保険者としての保険料納付済期間に相当する期間(資格取得日の年齢が46歳なら12月、47歳なら24月、48歳なら36月、49歳なら48月、50歳以上55歳未満なら60月、55歳以上60歳未満なら60歳に達する日の属する月の前月までが上限)に限り、掛金の上限が102,000円以下(2026年12月分以後の掛金は112,500円以下)になります。使える期間は、資格取得日の属する月以後、資格取得日の属する月の前月までの第1号被保険者としての保険料納付済期間(特定第一号被保険者期間)に相当する期間で、年齢ごとの表はその頭打ちです。表は46歳なら12月、47歳なら24月、48歳なら36月、49歳なら48月、50歳以上55歳未満なら60月、55歳以上60歳未満なら60歳に達する日の属する月の前月までで、納付済期間がそれより短ければ短い方になります。

どちらの特例も、それぞれの対象期間に限り、2026年12月分以後の掛金については112,500円以下になります(2026年11月分以前の掛金は改正政令附則2項により102,000円以下のまま)。

証明書の金額が68,000円を超えていても、誤りとは限らない 年末調整や確定申告で社会保険料控除証明書を受け取る側から見ると、月68,000円・年816,000円が天井だと思い込みやすい箇所です。実際には基金令35条の特例があり、2026年12月分以降は原則の上限自体も上がります。金額だけで差し戻さず、どの月分の掛金かと特例の適用があるかを本人に確認するのが実務の線です。

iDeCo・付加保険料との関係

国民年金基金とiDeCo(個人型確定拠出年金)は両方に加入できますが、拠出の枠は共通で、iDeCoの第1号加入者・第4号加入者が拠出できるのは国民年金保険料納付月(産前産後期間・2026年10月分以後の育児期間の免除などで納付を要しないとされた月を含む)だけ、その月の限度額は基本の額(現行68,000円、2026年12月1日施行版75,000円)から基金の掛金を控除した額なので、基金の掛金が基本の額以上の月はiDeCoの枠が零円になります。2026年12月1日施行版になる前の現行の確定拠出年金法施行令36条1号は、第1号加入者・第4号加入者のiDeCoの拠出限度額を「法第六十九条に規定する第一号加入者及び第四号加入者六万八千円(国民年金法第八十七条の二第一項の規定による保険料又は国民年金基金の掛金の納付に係る月にあっては、六万八千円から当該保険料又は掛金の額(その額が六万八千円を上回るときは、六万八千円)を控除した額)(国民年金保険料納付月以外の月にあっては、零円)」と定めています。

控除されるのは国民年金基金の掛金と法87条の2第1項の保険料(付加保険料)です。国民年金保険料納付月(保険料を納付した月のほか、88条の2の産前産後期間・88条の3の育児期間(2026年10月分以後の保険料)の免除などで納付を要しないとされた月を含む)に基金に月50,000円を掛けている人のiDeCoの枠は、現行なら68,000円−50,000円=18,000円になります。2026年12月1日施行版では同じ号の「六万八千円」が「七万五千円」に置き換わるので、施行後に同じく国民年金保険料納付月で基金に月50,000円を掛けている場合は、75,000円−50,000円=25,000円です。基金の掛金が基本の額を上回る月(35条の特例を使う月など)は、控除する額が基本の額で頭打ちになり、iDeCoの枠は零円です。iDeCo側の限度額の全体像はiDeCo節税シミュレーターの解説と、確定拠出年金とはにまとめてあります。

一方、付加保険料(月400円)と国民年金基金は併用できません。法87条の2第1項のかっこ書きが、付加保険料を納付できる人から「国民年金基金の加入員」を除いているためです。

第一号被保険者(第八十九条第一項、第九十条第一項又は第九十条の三第一項の規定により保険料を納付することを要しないものとされている者、第九十条の二第一項から第三項までの規定によりその一部の額につき保険料を納付することを要しないものとされている者及び国民年金基金の加入員を除く。)は、厚生労働大臣に申し出て、その申出をした日の属する月以後の各月につき、前条第三項に定める額の保険料のほか、四百円の保険料を納付する者となることができる。

既に付加保険料を納めている人が基金に入った場合は、本人が手続きをしなくても自動的に止まります。法87条の2第4項が「第一項の規定により保険料を納付する者となつたものが、国民年金基金の加入員となつたときは、その加入員となつた日に、前項の申出をしたものとみなす」と定めているためです。基金の1口目が終身年金で、付加年金に相当する給付を含んでいることが背景にあります。

iDeCoと併用するときの残り枠と節税額を試算する(国民年金基金・付加保険料の月額を入れる欄があります)

資格喪失の事由と、その日付

加入は、加入資格のある人が他の基金の加入員でないときに法127条1項の申出をした場合、その申出をした日に成立します(法127条2項)が、資格を取得した月に喪失すると、同条4項により取得日にさかのぼって加入員でなかったものとみなされます。やめ方は違います。任意にやめることはできず、法127条3項が列挙する事由に該当したときに自動的に資格を喪失します(ただし、海外に住む国民年金の任意加入被保険者で附則5条12項により加入した人には、同項の読替えにより127条3項2号(地区内に住所を有する者でなくなった・事業や業務に従事する者でなくなった)は適用されず、資格を取得した月に喪失した場合は、法127条4項により取得日にさかのぼって加入員でなかったものとみなされます)。条文の号は5つです。全国国民年金基金の案内は、これを「60歳になったとき(海外に居住し、国民年金に任意加入している場合を除く)」「65歳になったとき(60歳以上で加入した場合)」「国民年金の第1号被保険者でなくなったとき(海外に転居したときを含む)」「国民年金の任意加入被保険者でなくなったとき(国民年金に任意加入している場合)」「国民年金の保険料を免除されたとき(一部免除・学生納付特例・納付猶予を含み、産前産後期間の免除は除く)」「農業者年金に加入したとき」「加入員本人が死亡したとき」の7つで示しています。次の表は、案内の7つと条文にしかない場面(地区・業務の変更、基金の解散)を、条文の号に沿って並べたものです。

喪失する場面条文資格を喪失する日(資格を取得した月に喪失した場合は、127条4項により取得日にさかのぼって加入員でなかったものとみなす)
国民年金の被保険者でなくなった、または第2号被保険者・第3号被保険者になった(就職・結婚による扶養など)法127条3項1号該当するに至った日(翌日ではない)
60歳になった(海外居住で国民年金に任意加入している場合を除く)法127条3項1号(第1号被保険者の資格喪失)該当するに至った日
60歳以上で加入した人が65歳になった法127条3項1号(任意加入被保険者の資格喪失)該当するに至った日
国民年金の任意加入被保険者でなくなった(任意加入している場合)法127条3項1号(被保険者の資格喪失)該当するに至った日
加入員本人が死亡した法127条3項1号(被保険者の資格喪失。法9条1号)被保険者の資格を喪失した日(法9条により死亡した日の翌日)
地域型基金の地区内に住所を有する者でなくなった/職能型基金の事業・業務に従事する者でなくなった(附則5条12項で海外から加入した人は除く)法127条3項2号該当するに至った日の翌日
国民年金の保険料を免除された(一部免除・学生納付特例・納付猶予を含み、産前産後期間の免除(88条の2)と2026年10月分以後の保険料に適用される育児期間の免除(88条の3)は除く)法127条3項3号保険料を納付することを要しないものとされた月の初日
農業者年金の被保険者になった法127条3項4号該当するに至った日
基金が解散した法127条3項5号該当するに至った日の翌日

日付の扱いが号ごとに違うのが、この条文のいちばん厄介なところです。原則は「該当するに至った日の翌日」ですが、1号と4号は当日、3号は免除された月の初日にさかのぼり、資格を取得した月に喪失した場合は、どの号でも同条4項により資格を取得した日にさかのぼって加入員でなかったものとみなされます(下の囲み)。

資格を取得した月に喪失したら、加入員でなかったものとみなされる 法127条4項は「加入員の資格を取得した月にその資格を喪失した者は、その資格を取得した日にさかのぼつて、加入員でなかつたものとみなす」と定めています。月初に基金へ申し出た人が同じ月に就職して厚生年金保険の被保険者(第2号被保険者)になった場合などが該当し、その月の掛金は発生しません。

加入員期間(国民年金基金令45条2項により、元の基金に再び加入した人は前後の加入員期間を合算し、附則5条11項の規定により被保険者とみなされた場合に係る加入員期間は除いて数える)が15年に満たないまま資格を喪失した人は、資格を喪失した日にその基金が支給する年金の受給権を持っている人を除き、中途脱退者になります(法137条の17第1項とそのかっこ書き、国民年金基金令45条1項が「十五年」と定めています)。中途脱退者については、国民年金基金連合会の会員である基金が、資格を喪失した日の属する月の翌月から起算して3月以内に限り(天災その他やむを得ない理由があるときは、その理由がやんだ日の属する月の翌月の末日まで)、年金の現価相当額の交付を連合会に申し出ることができ、連合会はその交付を受けたときに、それを原資として年金・一時金を支給します(法137条の17第1項・4項、基金令46条1項・2項)。交付した基金は、その中途脱退者の年金・一時金の支給の義務を免れます(同条6項)。

払った掛金が戻ってくる制度ではありません(ただし、資格喪失月分以後の掛金が引き落とされた場合のその掛金(掛金は2か月遅れの引落しなので、たとえば4月に資格を喪失しても5月1日に引き落とされる3月分は返ってきません)や、同じ月の国民年金保険料が未納で年金額に反映されない掛金は、還付の手続きで返ってくると全国国民年金基金は案内しています)。脱退一時金という形の返還はなく、上記の還付の対象を除き、年金額に反映される掛金に基づく給付は、本人は将来の年金として連合会または基金から受け取り、加入員であった人が死亡したときは、その死亡に関する一時金の給付もあります(法128条1項)。

税金の扱い — 掛金は社会保険料控除(居住者が自分や生計を一にする親族の掛金をその年に払った全額)、非課税は一時金だけ

税の扱いは3か所に分かれます。

場面扱い根拠
払った掛金社会保険料控除(居住者が自分または生計を一にする親族の負担すべき掛金をその年に支払った場合、その全額)国税庁タックスアンサーNo.1130の6「国民年金基金の加入員として負担する掛金」
受け取る年金公的年金等に係る雑所得(公的年金等控除の対象)国税庁タックスアンサーNo.1600(1)「国民年金法、厚生年金保険法、公務員等の共済組合法などの規定による年金」
遺族一時金非課税法133条が25条本文を基金の支給する一時金に準用

掛金が社会保険料控除(iDeCoの小規模企業共済等掛金控除ではない)という点には実務上の意味があります。所得税法74条1項の社会保険料控除は、居住者が各年において「自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族の負担すべき社会保険料を支払つた場合又は給与から控除される場合」に、その支払った金額をその居住者のその年分の所得から控除する仕組みなので、居住者が生計を一にする配偶者や子の掛金をその年に払ったときは、払った人の控除になります。小規模企業共済等掛金控除は本人名義の掛金だけなので、ここが分かれ目です。

非課税の筋道は少し込み入っています。国民年金法25条は次のように定めています。

租税その他の公課は、給付として支給を受けた金銭を標準として、課することができない。ただし、老齢基礎年金及び付加年金については、この限りでない。

そして法133条は、この25条を「基金が支給する一時金について」準用しています。準用されているのは一時金だけで、基金が支給する年金は25条の対象外です。だから遺族一時金は非課税、老齢の年金は課税(公的年金等)という組み合わせになります。

控除証明書は添付か提示が必要。明細書で代えられるのは確定申告だけ 国税庁タックスアンサーNo.1130は、国民年金の保険料と国民年金基金の掛金について、金額を証する書類または電磁的記録印刷書面を確定申告書・保険料控除申告書に添付するか、提出の際に提示することを求めています。2026年分以後の所得税に係る確定申告書を2027年1月1日以後に提出するときは、一定の事項の記載がある明細書で代えられますが、この代替が認められているのは確定申告書で、年末調整の保険料控除申告書については同ページに同じ記載がありません。詳細は給与所得者の保険料控除申告書に整理してあります。

会社の経理が関わる場面

国民年金基金は、加入員本人が基金に申し出て入る制度です(法127条1項)。それでも、会社側で動きが出る場面が3つあります。

1つ目は採用したとき。自営業やフリーランスだった人を採用し、その人が厚生年金保険の被保険者(第2号被保険者)になった場合は、法127条3項1号によりその日に基金の加入員資格を喪失し、基金の資格を取得した月と同じ月に厚生年金保険の被保険者になったときは、同条4項により資格を取得した日にさかのぼって加入員でなかったものとみなされます(採用しても厚生年金保険の被保険者にならない働き方なら、この号には当たりません)。本人は基金へ資格喪失届を出す必要があり(法127条の2が準用する12条2項により、加入員の属する世帯の世帯主が本人に代わって届け出ることもできます)、全国国民年金基金の案内では添付書類として、健康保険被保険者証(国民健康保険組合の場合は最後の1つ)、健康保険資格確認書、資格情報のお知らせ(資格取得年月が明記されているもの)、健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得確認および標準報酬決定通知書、健康保険被保険者適用除外承認証(国民健康保険組合被保険者)のいずれかの写し1点が挙げられています。このうち④の資格取得確認および標準報酬決定通知書は、会社が資格取得の届出をしたあとに受け取る書類なので、写しを入社手続きの中で本人に渡しておくと二度手間になりません。

2つ目は中途入社者の年末調整。入社前に本人がその年に払った掛金は、本人が居住者であれば、その年の社会保険料控除の対象になります。年末調整では給与所得者の保険料控除申告書に書き、基金が発行する社会保険料控除証明書または電磁的記録印刷書面を添付または提示してもらいます。前職の給与分とは別に、第1号被保険者だった期間の国民年金保険料・基金掛金を本人に確認するのが抜けやすい手順です。

3つ目は退職して独立する人への案内。退職して第1号被保険者になると、89条1項・90条1項・90条の2第1項〜3項・90条の3第1項による保険料の免除を受けておらず(産前産後期間・2026年10月分以後の保険料の育児期間の免除は妨げにならない)、農業者年金の被保険者でも他の基金の加入員でもなければ、住所のある地区の地域型基金か、その地区内で同種の事業・業務に従事している職能型基金に申し出て加入できる立場に戻ります(以前に加入員だった人の再加入もあります)。ここで実務として意味があるのは、iDeCoとの枠が共通であること(確定拠出年金法施行令36条1号)と、基金は任意にやめられないことです。企業型DCの移換とあわせて説明すると、本人が選びやすくなります。

海外転勤・海外転出には3か月の特例がある 海外に転出すると第1号被保険者でなくなるため加入員資格を喪失しますが、全国国民年金基金は、転出と同日から国民年金の任意加入の手続きを行い、転出後3か月以内に加入申出書を提出すれば従前の掛金で加入できる特例を案内しています。★転出年月日と任意加入年月日がずれると使えません(同じ案内の注記。再加入時の年齢の掛金になります)。海外から国内に転入したときも、帰国後に国民年金へ加入して3か月以内に加入申出書を出せば従前と同じ掛金で加入できますが、こちらには同日の条件は書かれていません。掛金は加入時の年齢で決まるため、入り直すと額が上がる——その不利益を避けるための窓です。
まとめ
  • 国民年金基金は第1号被保険者(89条1項・90条1項・90条の2・90条の3による保険料の免除を受けている人と農業者年金の被保険者を除き、産前産後期間・2026年10月分以後の保険料の育児期間の免除は除外に入らない)と任意加入被保険者のうち日本国内に住む60歳以上65歳未満の人と海外に住む20歳以上65歳未満の日本国籍を有する人など(日本国内に住む20歳以上60歳未満で厚生年金保険法に基づく老齢給付等を受けられる任意加入被保険者は除く、附則5条1項・11項)が、他の基金の加入員でなければ、住所のある地区の地域型基金か、その地区内で同種の事業・業務に従事している職能型基金(海外に住む任意加入被保険者は、住所を有していた地区の地域型基金か加入していた職能型基金)に申し出て入る上乗せ年金で、給付は老齢の年金と死亡の一時金だけ(法115条・116条・128条1項)。障害給付は無い
  • 掛金の原則の上限は2026年11月分まで月68,000円(基金令34条)。2026年12月分から75,000円(令和7年政令第442号。経過措置により月単位で切り替わる)
  • 基金令35条の特例上限(102,000円、2026年12月分から112,500円)を使えるのは、国民年金保険料の全部を追納し、直近の追納月より後(基準日の属する月の前月まで)の被保険者期間がすべて保険料納付済期間である人が基準日(全部を追納した日、追納後に加入員になった人はその後初めて資格を取得した日)の属する月以後の1991年4月以後の追納月数に相当する期間(最大60月)と、基金の成立の日から2年以内に初めて加入員になりその日に46歳以上だった中高齢加入者が資格取得日の属する月以後の、資格取得日の属する月の前月までの第1号被保険者としての保険料納付済期間に相当する期間(資格取得日の年齢が46歳なら12月、47歳なら24月、48歳なら36月、49歳なら48月、50歳以上55歳未満なら60月、55歳以上60歳未満なら60歳に達する日の属する月の前月までが上限で、納付済期間がそれより短ければ短い方)に限られる
  • iDeCoとは両方に加入できるが枠は共通で、iDeCoの限度額は国民年金保険料納付月(産前産後期間・2026年10月分以後の育児期間の免除などで納付を要しないとされた月を含む)に限り基本の額(現行68,000円、2026年12月1日施行版75,000円)から基金の掛金を控除した額、基金の掛金が基本の額以上の月は零円(確定拠出年金法施行令36条1号)。付加保険料とは併用できない(法87条の2第1項)
  • 任意にやめられない。資格喪失は法127条3項の5つの号に該当したときで、日付が号ごとに違う(1号・4号は当日、2号・5号は翌日、3号は免除された月の初日)で、附則5条12項で加入した海外の任意加入被保険者には2号(地区外への転居・事業や業務をやめたこと)は適用されず、資格を取得した月に喪失した人は、取得日にさかのぼって加入員でなかったものとみなされる(同条4項)
  • 掛金は社会保険料控除。居住者が自分や生計を一にする親族の掛金をその年に払えば、払った人が控除できる。年金は公的年金等として課税、遺族一時金は非課税(法133条・25条)

よくある質問

国民年金基金は途中でやめられますか?

任意にやめることはできません。国民年金法127条3項が列挙する事由(被保険者資格の喪失や第2号・第3号被保険者になること、地域型の地区外への転居や職能型の事業・業務をやめたこと(附則5条12項で加入した海外の任意加入被保険者には適用されない)、89条1項・90条1項・90条の2・90条の3による保険料の免除(産前産後期間・2026年10月分以後の保険料の育児期間の免除は含まない)、農業者年金への加入、基金の解散)に該当したとき、号ごとに決まった日(1号・4号は該当した日、2号・5号は翌日、3号は免除された月の初日)に自動的に資格を喪失する仕組みで、資格を取得した月に喪失した場合は同条4項により取得日にさかのぼって加入員でなかったものとみなされます。払った掛金が返ってくる脱退一時金の制度もありません。加入員期間(元の基金に再び加入した人は前後の加入員期間を合算し、附則5条11項の規定により被保険者とみなされた場合に係る加入員期間は除く、国民年金基金令45条2項)が15年に満たないまま資格を喪失した中途脱退者(資格を喪失した日に基金の年金の受給権を持つ人を除く)については、国民年金基金連合会の会員である基金が、資格喪失月の翌月から3月以内(やむを得ない理由があるときはその理由がやんだ月の翌月末日まで)に申し出て現価相当額を連合会に交付したときに、連合会が年金・一時金を支給します。全国国民年金基金の案内では、60歳まで加入した場合と、60歳以上で加入した場合・海外居住時に加入した場合は、連合会による給付の対象から外れています。ただし口数を減らす減口の申出はできるため、負担を軽くしたいときは減口の申出をするのが実務上の対応になります(逆に増口は、加入時年齢が50歳1月以上の人はIV型・V型、60歳0月以上の人はII型〜V型ではできず、この加入時年齢は加入した日の属する月の末日の年齢で数え、誕生月に加入すると△△歳0月、翌月なら△△歳1月で、1日生まれの人は誕生日の属する月の前月が誕生月になります)。

掛金の上限は月68,000円ですか、75,000円ですか?

原則の上限は、2026年11月分までの掛金が68,000円、2026年12月分からは75,000円です。国民年金基金令34条の額が令和7年政令第442号により2026年12月1日から「七万五千円」に改められ、同政令の附則2項が、施行日前の月に係る掛金の上限はなお従前の例によると定めているためです。基金の案内や解説が68,000円のままになっている時期があるので、どの月分の掛金かで判断してください。なお基金令35条の要件を満たす人には、次の期間に限って102,000円(2026年12月分からは112,500円)の上限の特例があり、対象は、国民年金保険料の全部を追納し、直近の追納月より後(基準日の属する月の前月まで)の被保険者期間がすべて保険料納付済期間である人(基準日=全部を追納した日、追納後に加入員になった人はその後初めて資格を取得した日の属する月以後、1991年4月以後の追納月数に相当する期間で最大60月)と、基金の成立の日から2年以内に初めて加入員になりその日に46歳以上だった中高齢加入者(資格取得日の属する月以後、資格取得日の属する月の前月までの第1号被保険者としての保険料納付済期間に相当する期間で、資格取得日の年齢が46歳なら12月、47歳なら24月、48歳なら36月、49歳なら48月、50歳以上55歳未満なら60月、55歳以上60歳未満なら60歳に達する日の属する月の前月までが上限で、納付済期間がそれより短ければ短い方)です。1項の追納の特例は一部だけ追納した人には使えず、どちらの特例も上の期間を過ぎた月には使えません。

iDeCoと国民年金基金は両方できますか?

両方に加入できますが、iDeCoに拠出できるのは国民年金保険料納付月だけで、枠は基金の掛金を差し引いた残りです(基金の掛金が基本の額以上の月は零円)。具体的には、2026年12月1日施行の改正前の確定拠出年金法施行令36条1号により、iDeCoの第1号加入者・第4号加入者の拠出限度額は、国民年金保険料納付月(産前産後期間・2026年10月分以後の保険料の育児期間の免除などで納付を要しないとされた月を含む)以外の月は零円で、納付月のうち基金の掛金を納付する月は68,000円から国民年金基金の掛金または付加保険料の額(68,000円を上回るときは68,000円)を控除した額になるため、そうした月は基金の掛金が68,000円以下なら基金とiDeCoの合計が68,000円に収まり、基金令35条の特例で基金の掛金が68,000円を超えるならiDeCoに回せる額が零円になります。2026年12月1日施行版では同号の額が75,000円になります。控除の種類は分かれており、国民年金基金の掛金は社会保険料控除、iDeCoの掛金は小規模企業共済等掛金控除です。居住者が生計を一にする配偶者や子の掛金をその年に払った場合、社会保険料控除は払った人の控除になりますが、小規模企業共済等掛金控除は本人名義の掛金に限られます。

付加保険料を納めています。国民年金基金にも入れますか?

同時に両方を納めることはできません。国民年金法87条の2第1項が、付加保険料を納付する者となることができる第1号被保険者から「国民年金基金の加入員」を除いているためです。すでに付加保険料を納めている人が基金の加入員になった場合は、同条4項により、その加入員となった日に納付をやめる申出をしたものとみなされます。本人が別に手続きをする必要はありません。基金の1口目が終身年金で付加年金に相当する給付を含んでいることが、この排他の背景にあります。

従業員を採用しました。その人の国民年金基金はどうなりますか?

採用に伴い厚生年金保険の被保険者になった場合は、その日に、国民年金法127条3項1号により基金の加入員資格を喪失します。この号は「該当するに至つた日の翌日」ではなく当日に喪失する扱いです。本人が基金へ資格喪失届を提出する必要があり(法127条の2が準用する12条2項により、加入員の属する世帯の世帯主が本人に代わって届け出ることもできます)、全国国民年金基金の案内では、健康保険被保険者証(国民健康保険組合の場合は健康保険被保険者適用除外承認証)、健康保険資格確認書、資格情報のお知らせ(資格取得年月が明記されているもの)、健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得確認および標準報酬決定通知書、健康保険被保険者適用除外承認証(国民健康保険組合被保険者)のいずれかの写し1点の添付が求められています。このうち資格取得確認および標準報酬決定通知書は会社が資格取得の届出をしたあとに受け取る書類なので、写しを入社手続きの際に本人へ渡しておくと手戻りがありません。また加入員の資格を取得した月に喪失した場合は、同条4項により資格を取得した日にさかのぼって加入員でなかったものとみなされます。

保険料の免除を受けていると加入できないと聞きました。産休中もだめですか?

産前産後期間の保険料免除は、加入資格から除外される免除には含まれません。国民年金法116条1項が除いているのは89条1項(法定免除)、90条1項(申請免除)、90条の3第1項(学生納付特例)、90条の2第1項から3項(一部免除)による免除で、産前産後期間の免除は88条の2であり、この列挙の外にあります。2026年10月分以後の保険料に適用される育児期間の免除(88条の3)も、同じくこの列挙の外です。全国国民年金基金の案内も、資格喪失事由の「国民年金の保険料を免除されたとき」から産前産後期間の免除を明示的に除いています。なお納付猶予や学生納付特例を受けている間は加入できません。

国内に住む60歳以上65歳未満の国民年金の任意加入被保険者が基金に加入するには、どんな条件がありますか?

日本国内に住所がある60歳以上65歳未満で国民年金に任意加入している人(附則5条1項2号)は、農業者年金の被保険者でなく、他の基金の加入員でもなければ、住所のある地区の地域型基金か、その地区内で同種の事業・業務に従事している職能型基金に申し出て加入できます。国民年金法附則5条11項が、任意加入被保険者(附則5条1項1号に掲げる者を除く)を116条1項・2項および127条1項の適用について第1号被保険者とみなしているためです。除かれる1号は、日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の人で厚生年金保険法に基づく老齢給付等を受けることができる人(この法律の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者を除く)です。60歳以上65歳未満の任意加入は同項2号、海外居住の任意加入は同項3号で、どちらも除外されていません。海外に住んで任意加入している20歳以上65歳未満の人(同項3号)は、116条1項かっこ書きの除外(農業者年金の被保険者など)に当たらず、他の基金の加入員でもなければ、附則5条12項により、住所を有していた地区に係る地域型基金または加入していた職能型基金に申し出て加入できます。

出典

国民年金法・国民年金基金令・確定拠出年金法施行令の条文(e-Gov法令検索。現行版と2026年12月1日施行版の双方)と、国税庁タックスアンサー、全国国民年金基金の公表資料で確認して作成。2026年10月4日時点。

条文はe-Gov法令検索で全文を取得し、引用は原文と逐語で照合しています。2026年12月1日施行の内容は同日施行のリビジョンを取得して現行版と条単位で突き合わせたものです。

本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。個別の判断は顧問税理士・社会保険労務士、および加入する国民年金基金にご確認ください。

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