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入社承諾書の書き方|記載例と提出・受領時の確認表

入社承諾書は、会社から示された採用内容に対し、本人が入社の意思を伝える書類です。作成時は、誰に、どの採用通知・労働条件を承諾し、いつ入社する予定なのかが分かるようにします。

このページでは、会社が渡す書式の記載例、本人が提出する前の確認、採用担当が受け取った後の照合をまとめます。入社承諾書と内定承諾書は同様の目的で使われることがありますが、法的効果は名称だけでなく、個別の採用経緯・意思表示・書面の内容によります。

対象は民間企業の採用実務です。公務員や同居親族のみを使用する場合は扱いません。取消し・辞退の詳細は内定取消と内定辞退、条件の明示方法は労働条件通知書と雇用契約書で説明しています。

作成する前の確認表

まず、採用通知・労働条件・入社予定日を手元で照合します。承諾書を先に回収してから条件を詰めるのではなく、何を承諾してもらうのかを説明できる状態にするための確認です。

次の表は、会社が入社承諾書の書式を準備する際の実務例です。法定の様式や必須項目の一覧ではありません。本人が記入する場合も、会社から渡された書式と案内を確認してください。

確認項目書式に反映する内容食い違うときの確認先
宛先雇用主となる会社名と、案内された提出先採用窓口。紹介会社やグループ会社の名称と取り違えていないか
入社予定日採用通知・条件書で確認した入社予定日採用担当。入社式の日や最初の出勤日と区別する
承諾対象の通知採用通知書の名称・発行日・文書番号など採用担当。再発行や訂正版があるか
承諾対象の条件労働条件通知書など、確認した文書の名称と日付採用担当。面接時の説明と異なる項目がないか
署名日本人が内容を確認して署名する日提出案内。発送日や会社の受領日とは別に記録する
本人の情報氏名と、連絡に必要な住所・連絡先の欄採用窓口。指定欄や変更の連絡方法を確かめる

たとえば、面接では本社勤務と説明され、届いた条件書には別の事業所が書かれていた場合です。承諾書の空欄を埋めて返す前に、「雇入れ直後の勤務先はどちらか」を問い合わせます。回答が文書で届いたら、承諾書が参照する条件書も合わせて確認します。

承諾対象を「貴社の条件」とだけ書くと、後からどの説明を指していたか分かりにくくなります。通知書と条件書が別々なら、それぞれを特定できる欄を設けると照合しやすくなります。

入社承諾書の記載例

以下は、会社指定の条件を確認済みの人が入社の意思を示す場合の、この記事独自の記載例です。架空の会社・氏名・日付を使っています。署名する前に条件が未確定なら、その点を採用担当に確認し、下の文面をそのまま提出しないでください。

入社承諾書

株式会社あおば 代表取締役 青葉太郎 様

私は、貴社から受領した採用通知書および労働条件通知書の内容を確認し、下記の入社予定日に入社することを承諾します。

  • この記載例の採用通知書:2026年10月20日付「採用通知書」
  • この記載例の労働条件通知書:2026年10月20日付「労働条件通知書」
  • この記載例の入社予定日:2026年12月1日
  • この記載例の署名日:2026年10月29日
  • 氏名:青葉花子

会社の書式に住所・連絡先・押印の欄があれば、提出案内とともに確認します。上の文面は、身元保証や秘密保持の内容まで一緒に承諾する例ではありません。別の誓約書が添付されているときは、題名だけで判断せず、約束する内容を分けて読みます。

採用通知と条件書の日付が違う場合

日付をそろえるために書き換えず、実際に確認した文書ごとに記載します。条件書が後から訂正されているなら、訂正版の発行日や版名など、区別できる情報を残す運用が考えられます。

たとえば採用通知の後に基本給を訂正した条件書が届いた場合、古い条件書を参照したままの承諾書では対応関係が曖昧になります。会社側は訂正内容を説明し、どの条件に対する回答を受け取るのかを本人と確認します。

記入ミスや記入漏れがあった場合

会社指定の直し方を確認します。本人が会社の記載事項を無断で修正したり、受領した会社が本人の署名日を補記したりせず、訂正する人と方法を決めて再提出や確認の記録を残す進め方が考えられます。

内定承諾書・条件通知書との違い

名称よりも、誰が何を伝える書類なのかを見ると整理できます。入社承諾書と内定承諾書の使い分けは会社により異なるため、別の名称なら法的効果も違うと決めつけないことが大切です。

以下は採用書類の役割を整理した表です。個別の書面の法的効果は、題名ではなく、採用経緯・意思表示と内容を踏まえて確認します。

書類主に伝えること承諾書と合わせて見る点
入社承諾書・内定承諾書本人の入社・内定受諾の意思どの通知・条件を承諾しているか
採用通知書・内定通知書会社の採用に関する通知入社予定日、条件書、返送案内の対応関係
労働条件通知書会社から本人への労働条件の明示賃金・労働時間などの条件を確認できるか
雇用契約書労使が合意する契約内容の確認承諾書が参照する条件と食い違わないか

労働条件通知書と雇用契約書を兼ねる書式もあります。兼用かどうかの題名だけで済ませず、通知する事項と、双方が合意する内容を確認します。

労働基準法15条は、使用者に労働契約の締結に際して労働条件を明示する義務を課しています。入社承諾書に「条件を承諾します」と書いても、その一文を回収しただけで会社の明示義務を済ませた扱いにはしません。

明示事項や交付方法の詳細は労働条件通知書と雇用契約書の違いを確認してください。本記事では、承諾対象の条件書と回答を結び付ける実務に絞っています。

提出・返送時の確認と送付例

返送するときは、会社が指定した提出先・方法・期限を確認します。紙を郵送するのか、署名した書面のデータを送るのか、専用画面で回答するのかによって準備が変わります。

提出期限の読み方

案内に期日があっても、必着なのか、発送・消印を基準にするのかが不明なら、採用窓口へ確認します。会社の休業日に当たる場合の扱いも、自己判断で翌営業日に延ばさず、指定先に問い合わせます。

条件の確認が終わらない、会社指定の書類をそろえられないなどの場合は、理由と回答できる見込みを伝え、期限や提出方法を相談します。相談した内容と会社の回答は、承諾書と一緒に追えるように残す運用が考えられます。

返送日程の準備に営業日計算ツールを使う

営業日計算は日程の検討用です。会社が指定する期限の扱いや郵便の到着日は、提出案内・送付先・配送サービスで確認してください。

郵送する場合

宛先は会社の正式名称と、指定された部署・担当者を確認します。返信用封筒がある場合も、送付先や差出人欄、切手の扱いを見直します。同封物は送る前に控えを残し、書類名が分かる送付状を添えると受領側が照合しやすくなります。

送付状の独自例:「入社承諾書を同封いたします。ご確認のほどよろしくお願いいたします。差出人:青葉花子」。同封を求められた別書類があれば、その名称も記載します。送付状は、承諾内容を追加したり変更したりするための書面にしない運用が考えられます。

封筒の色や添え状の有無を、労働契約の成立要件と混同しないようにします。会社の案内があるときはその内容を確認し、到着状況を確認したい場合は追跡できる送付方法を検討します。

メールや専用画面で提出する場合

会社が指定した提出手段を確認し、宛先・添付ファイル・本人の氏名・対象書類を送信前に見直します。電子提出にしただけで、承諾対象の条件を特定する必要がなくなるわけではありません。

会社がメール添付を指定した場合の送付例

件名:入社承諾書の提出(青葉花子)

採用ご担当者様
ご案内いただいた入社承諾書を添付いたします。添付書類:入社承諾書。ご確認をお願いいたします。
青葉花子

送信履歴や提出完了画面は、送った書類の控えと対応付けて保存します。会社側は、送信されたことと内容確認が終わったことを区別し、不備があれば本人へ連絡する進め方が考えられます。

会社が受領してからの照合と引継ぎ

受け取ったら、署名の有無だけで完了にせず、通知した条件との対応を確かめます。採用担当から総務・経理へは、入社予定日と確定した条件、確認が残っている事項を分けて引き継ぐと、給与準備の取り違えを防ぎやすくなります。

入社承諾書の受領後の確認例受領した書類と本人を確認通知書・条件書・入社予定日を照合不一致を照会し、確認状況を引き継ぐ
会社が受領した後の実務例。書式がそろっていることと、契約内容の確認が済んでいることを分けて管理します。

次は、採用担当が総務・経理へ引き継ぐ際の確認表の例です。法定の帳簿・保存期間・届出期限を定める表ではありません。

受領後の確認残す記録の例確認が必要な例
本人と書類の対応本人氏名、提出された書類名、受領日別の応募者の書類や添付漏れ
承諾対象の版採用通知と条件書の発行日・版名訂正前の条件書を参照している
入社予定日通知した日と本人が回答した日の照合結果予定日変更の相談が併記されている
署名・記入内容記入済み項目と不足事項への連絡履歴日付が空欄、会社記載欄への加筆
総務・経理への引継ぎ確定した条件と未確認事項、確認担当者承諾書だけ届き条件書を参照できない

同名の条件書が再送されていたとき

ファイル名が同じでも内容が同じとは限りません。たとえば、基本給の訂正後に同じ名前で再送した場合です。送付履歴から訂正前後の内容を確認し、本人がどちらを見て回答したのかを採用担当が確かめます。

古い書類を黙って新しいものに置き換えると、本人の承諾対象が追えなくなります。訂正前の文書、訂正を伝えた記録、本人の回答を結び付け、給与計算に使う条件が確認できる形で引き継ぐ運用が考えられます。

入社日の変更希望や未提出があるとき

変更希望が届いた場合は、承諾書の日付を会社側で書き換えて終わらせず、採用担当へ確認します。入社予定日、入社式の日、初出勤日のどれを変更したいのかを整理すると、その後の連絡が具体的になります。

未提出の場合も、提出状況と労働契約の成立判断を分けます。書面が届いていなくても、既に労使の合意により労働契約が成立している場合があるためです。通知・メール・面談記録を確認し、未提出だけを理由に取消しが可能と扱わないようにします。

法的効果と避けたい条項

法的効果は、承諾書という名称や押印の有無だけでは決まりません。労働契約法6条では、労働して賃金を支払うことについての労働者と使用者の合意によって労働契約が成立します。

厚生労働省の「適切な労務管理のポイント」の採用内定に関する裁判例も、採用内定の実態は多様と説明しています。通知のほかに契約締結のための特段の意思表示が予定されていない事案を扱っており、承諾書を出す日がどの採用でも契約成立日になる、という説明ではありません。

辞退時の違約金をあらかじめ決めない

労働基準法16条は、労働契約の不履行について違約金を定め、または損害賠償額を予定する契約を禁止しています。入社を確実にしたいという理由で、辞退時の違約金や賠償額をあらかじめ承諾書に定める運用は避けます。

この禁止と、実際に生じた損害について請求が成り立つかどうかは別の問題です。この記事では個別の賠償責任を判断しません。承諾書に署名したから辞退できない、または辞退しても損害賠償の問題が生じない、と書面だけで決めつけないでください。

取消し・辞退については内定取消と内定辞退の記事を参照してください。個別の取消しの有効性や契約終了の扱いは、採用の経緯と契約内容を整理して、労働局の相談窓口や弁護士などへ確認します。

よくある質問

入社承諾書と内定承諾書は違う書類ですか?

同様の入社意思を確認するために使われることがありますが、会社によって名称や内容が異なります。法的効果は題名だけで区別せず、承諾する通知・条件と、個別の採用経緯や意思表示を確認します。

入社承諾書に何を書けばよいですか?

このページの書式例では、宛先、承諾対象の採用通知・条件書、入社予定日、署名日、氏名を記載します。法定の項目一覧ではありません。会社指定の書式がある場合は、住所・連絡先・押印などの欄と提出案内も確認してください。

提出期限に間に合わないときはどうしますか?

採用窓口へ、理由と提出できる見込みを伝えて相談します。必着か消印基準か、休業日に当たる場合の扱いも確認し、期限を自分で延ばした扱いにはしません。

押印がなければ労働契約は成立しませんか?

押印の有無だけでは判断できません。労働契約法の適用を受ける労使では、労働と賃金についての合意により労働契約が成立します。会社指定の記入・押印方法の確認と、個別の採用経緯に基づく契約成立の判断は分けて考えます。

提出後は内定を辞退できませんか?

承諾書を提出したことだけで、辞退できないと決まるわけではありません。契約の成立状況や契約期間、個別の採用経緯により確認する内容が変わるため、意思が変わったときは採用窓口へ連絡し、契約終了の扱いを確認します。

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出典

書式・送付文・確認表は、この記事独自の実務例です。公的な指定様式や、個別の契約の有効性を保証するものではありません。

この記事は一般的な情報提供であり、個別の事案についての助言ではありません。個別の税務・労務相談には応じられません。実際の書面作成や判断は、所轄の労働基準監督署、労働局の相談窓口、弁護士・社会保険労務士などへご確認ください。

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