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借用書の書き方|記載例・印紙税の早見表と返済記録の残し方

借用書には、誰から誰へ、いくらを渡し、いつ・どう返すかを残します。借入額や返済期日だけでなく、実際の受領日と利息の合意も確認すると、貸した記録と返した記録をつなげやすくなります。

ここでは、個人間でこれから行う私的な金銭貸借を扱います。まず無利息・一括返済の記載例と確認表を示し、その後に紙の借用書の印紙税、契約成立との違い、返済から完済までの記録を整理します。

借用書の記載例と記入する事項

受領後に作る借用書なら、受け取った事実と返済の約束が読める形にします。次の見本は、架空の当事者による無利息・一括返済・保証人なしの貸借です。

記載例は、貸主を甲・借主を乙とし、乙が2026年10月28日に300,000円を振込で受領し、2027年4月28日までに元本を一括返済する合意を想定します。実際の住所・氏名・口座は双方で確認して記入します。

借用書の欄記載例
表題・宛先金銭借用書/貸主 甲 様
借入額と受領乙は、甲から2026年10月28日に金300,000円を振込により受領し、借り受けました。
返済期日・方法乙は、2027年4月28日までに元本全額を、双方が確認した甲名義の口座へ振り込み返済します。
振込手数料返済時の振込手数料は乙が負担します。
利息返済期日までの利息は付けません。
作成日・借主2026年10月28日/借主乙の住所・氏名と本人の署名

これは記載内容の見本です。利息なしという合意と、返済が遅れた場合の遅延損害金なしという合意は別です。保証・担保・期限の利益喪失などの条項はこの見本に含めていません。

受領前の書面に「確かに受領しました」と書くと、実際の送金と食い違います。受領前に契約する場合は、貸主の引渡予定と借主の返還の約束を定め、送金後に受領した事実を別に残す形で整理します。

書き落としを防ぐ確認表

次の表は証拠を残すための実務上の確認事項です。各項目が欠けると直ちに契約が無効になる、という一覧ではありません。

確認する事項残す内容見直す点
当事者貸主・借主の住所と氏名通称だけで相手を特定しにくくしていないか
借入額借りた元本の額振込額や別の貸付と混ざっていないか
受領受領日と現金・振込の別作成日と受領日を混同していないか
返済期日・方法・振込先・手数料負担金融機関の休業日に当たる場合の扱いも合意したか
利息有無、有利息なら年率・計算方法・支払時期無利息かどうかを曖昧にしていないか
作成・保管作成日、本人が内容を確認した署名、保管方法修正後の文面を双方で確認したか

分割返済にするなら、「毎月返す」だけでなく各回の期日と金額を別表にします。元本と利息を分け、最終回に残額が生じる設計ならその精算方法も合意します。本稿の一括返済の見本を、そのまま分割返済の契約として使わないでください。

紙の借用書の印紙税早見表

紙の金銭借用証書は、消費貸借に関する契約書として印紙税を判定します。貸借の当事者が個人であることだけで非課税になるわけではありません。税額は実際に渡した金額だけで決めず、文書の記載内容を確認します。

次は、紙の金銭借用証書が単独の第1号文書に当たる場合の、記載された契約金額別の通常の印紙税額です。2026年10月28日時点で確認した国税庁No.7101によります。災害等の特別な非課税措置はこの表の対象外です。

紙の借用書に記載された契約金額印紙税額(文書ごと)
1万円未満非課税
1万円以上10万円以下200円
10万円を超え50万円以下400円
50万円を超え100万円以下1,000円
100万円を超え500万円以下2,000円
500万円を超え1,000万円以下10,000円
契約金額の記載なし200円

他の種類の課税文書にも当たる内容を含む場合は、文書の所属の判定が必要です。第1号と第3号から第17号に該当して第1号に所属する文書は、低額でも非課税にならない場合があります。災害等の特例と全額帯は国税庁No.7140で確認できます。

不動産売買などの軽減税額を、金銭の借用書に当てはめないでください。また、受取書についての「営業に関しない場合の非課税」と、借用書の判定を混ぜないことも大切です。

印紙税の判定機で文書の種類と記載金額を確認する

原本と単なるコピーを分けて保管する

同じ貸借について契約成立を証明する目的で紙の文書を双方に作るなら、それぞれが課税対象になり得ます。「写し」と表題を付けただけで課税対象外になるわけではありません。

一方、正本を複写しただけで、相手方の署名・押印や契約当事者の証明を加えていない単なるコピーは課税対象外です。保管用のコピーに相手方の署名を加える場合は、その文書の役割を改めて確認します(国税庁No.7120)。

収入印紙を貼って納める方法では、課税文書の作成時までに相当額の印紙を貼り、文書と印紙にまたがる消印をします。双方の印鑑をそろえる必要はなく、作成者などの印章又は署名で消します(印紙税法8条・国税庁No.7129)。

借用書の記載事項と契約の成立は別

借用書の確認表は、合意や受領を後でたどれるようにするためのものです。表を埋める作業と、貸借契約がいつ成立するかの判断は分けます。

通常の消費貸借は、同じ種類・品質・数量の物を返す約束をして金銭などを受け取ることで効力を生じます。書面で行う消費貸借には別の規定があり、これから締結する書面契約では、引渡しと返還の双方の約束により、受領前でも効力が生じ得ます(民法587条・587条の2)。

これから締結する書面の消費貸借では、借主は金銭等を受け取るまで解除できますが、貸主に損害があれば賠償を請求されることがあります。また、受領前に当事者の一方が破産手続開始の決定を受けると、その書面の消費貸借は効力を失います。内容を記録した電磁的記録による消費貸借にも同じ規定が適用されます。

ここでは新たに行う契約を扱い、改正法の施行前に締結された貸借や予約の判定は扱いません。手書き・パソコン作成・押印の有無だけで貸借全体の有効・無効を決めず、合意と受領の記録を確認します。

本人が内容を確認して署名し、修正後の最終版を双方が保管する方法なら、後でどの文面に合意したかを確かめやすくなります。ただし、署名や借用書の存在だけで返済が確実になるという意味ではありません。

公正証書にする場合の効力や手続は、公正証書の解説で扱っています。本稿の記載例には、公正証書の執行力についての条項は含めていません。

利息を付ける場合の確認点

この記載例のような私的な金銭貸借では、利息の特約がなければ貸主は利息を請求できません。利息の特約がある場合、請求できるのは金銭等を受け取った日以後の利息です(民法589条)。

個人間の非営業的な金銭貸借で合意する利息には、次の元本額別の年利上限があります。利息のうち上限を超える部分が無効になります。これは約定利息の上限で、遅延損害金の率や、合意がなくても請求できる率を示す表ではありません(利息制限法1条)。

元本の額約定利息の年利上限
10万円未満20%
10万円以上100万円未満18%
100万円以上15%

個人間の非営業的な金銭貸借では、契約締結・弁済費用を除き、手数料などの名目でも元本以外に貸主が受ける金銭は利息に含めて判定します。利息を天引きした場合は、借主の実際の受領額を元本として上限を計算する規定があります。本稿の見本は天引き・手数料収受なしです(同法2条・3条)。

利息を付ける契約に変える場合は、年率に加えて、利息を計算する期間・返済後の残元本・支払日・端数処理を合意して記録します。営業としての貸付や保証付きの取引、家族間貸付の贈与税の判断は、この記載例の範囲外です。

振込履歴・返済・完済の記録

貸したときの借用書だけで終えず、送金・返済・完済の記録を同じ貸借に結び付けます。振込明細は資金移動の記録として残し、その振込がどの貸借に対応するかを借用書や受領確認と照合します。

貸したとき:借用書 + 送金・受領の記録当事者・金額・受領日を照合 返したとき:受取証書 + 返済の記録返済日・返済額・残額を双方で確認 完済したとき:全部弁済の確認 + 証書の返還残る債務がないかを確認して記録をまとめる
借用書・送金履歴・返済記録を、同じ貸借の資料として整理する流れ。

返済の都度、受取証書と残額を確認する

弁済をする者は、弁済と引換えに、受領者に受取証書の交付を請求できます。電子記録の提供を求めることもできますが、受領者に不相当な負担を課する場合は除かれます(民法486条)。

実務の記録には、どの貸借の返済か、返済日、支払額、元本・利息等の内訳、返済後の残額を残します。これは照合をしやすくする記載例で、受取証書の法定様式を示すものではありません。口頭で残額を確認した場合も、双方で確認した文面を保存します。

全部返済したら原本の返還を確認する

債権に関する証書があり、全部の弁済をした場合は、弁済した者が証書の返還を請求できます(民法487条)。分割返済の途中と、利息等も含めた完済とは分けて扱います。

原本を返す場面では、返済記録と残額を突き合わせ、返還した事実も残します。原本が見つからない場合は、返還されたことにはせず、何を完済したのかと証書が見つからない事実を別の記録にします。紛失した証書の効力や争いについては弁護士等への確認が必要です。

物品を渡す場合は代物弁済の合意も確認する

金銭の代わりに物品を渡す場合、債権者と別の給付で債務を消滅させる合意をし、その給付を実行したときに弁済と同じ効力が生じます。借主が一方的に物を渡しただけで返済済みと扱わないでください(民法482条)。

記録では、どの物品を、どの貸借のどの範囲の返済に充てたのかを確認します。評価額や残額について争いがある場合の判断は、本稿の見本では扱いません。

まとめ

借用書は、貸付の合意と受領した事実を記録する書面です。記載例を使う際は当事者・元本・受領日・返済条件・利息を照合し、紙の文書の印紙税も確認します。返済時は受取証書などの記録を残し、証書がある貸借を完済したら返還を確認します。

よくある質問

借用書は手書きでなければいけませんか?

手書きであることだけが貸借の成立条件ではありません。パソコンで作った書面でも、合意と実際の受領などを確認します。受領前に行う書面の消費貸借は引渡しと返還の双方の約束により効力が生じ得るため、受領後の借用書と分けて考えます。

無利息の場合も利息の欄を残しますか?

無利息という合意を明記すると確認しやすくなります。本稿のような私的な貸借では、利息の特約がなければ貸主は利息を請求できません。ただし、返済が遅れた場合の遅延損害金は別に確認します。

原本のコピーにも印紙を貼りますか?

相手方の署名・押印や契約当事者の証明を加えていない、正本を複写しただけのコピーは課税対象外です。契約成立を証明する目的で作る副本などは、表題が「写し」でも課税対象になり得ます。

完済した借用書はどうしますか?

債権に関する証書がある貸借を全部弁済した場合、弁済した者は証書の返還を請求できます。元本のほかに利息等の残りがないか確認し、返済記録と原本の返還を結び付けて残します。

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出典

本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。個別の税務・労務相談には応じられません。実際の税務の判断は税務署・税理士へ、契約や紛争については弁護士等へご確認ください。

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