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督促状の書き方・例文|売掛金の記載項目と送付前後の確認表

売掛金の督促状は、未入金の請求を特定し、支払期限と振込先を伝えて支払いを求める文書です。当初の支払期日と今回求める期限を分けて書くと、取引先も社内も経緯を確認できます。

この記事は、民間取引の売掛金を請求する会社の経理担当者向けです。記載項目・文例・記録表は、本稿で使う実務用の提案です。税金や社会保険料の督促状は扱いません。

督促状に書く項目

相手が「どの請求を、いつまでに、どこへ支払うか」を確認できるようにします。元の請求書を特定できる番号や取引内容も添えます。

項目書く内容・確認先
宛先・差出人・発行日取引先の正式名称、部署・担当者、自社の名称・連絡先、作成日
請求の根拠契約・発注内容、納品や役務の内容、請求書番号・請求日
請求残額入金・返品・値引きを照合した未入金額。元の請求総額と混同しない
当初の支払期日契約や合意した支払条件で決まった期日
今回求める支払期限督促状で求める振込期限。回答を求める場合は回答期限も区別
振込先銀行・支店・預金種別・口座番号・口座名義。請求書の記載とも照合
行き違い時の案内支払済みなら振込日・名義・金額を連絡してもらう旨と連絡先

今回の期限を書くだけで、当初の期日や遅滞の扱いを変更したつもりにならないようにします。支払猶予や分割払いに合意する場合は、通常の督促状の送付と分けて社内承認・合意内容を記録してください。

売掛金の督促状の記載例

次は、商品代金の入金が確認できない場合の架空の記載例です。振込手数料や遅延損害金は含めていません。実際の請求残額と契約内容に置き換えて使います。

商品代金のお支払いのお願い

青葉商事株式会社 経理部 ご担当者様
差出人:若葉販売株式会社 経理担当
連絡先:keiri@example.com

平素よりお世話になっております。下記の商品代金につきまして、当初の支払期日を過ぎましたが、記載の入金確認日時点では入金を確認できておりません。内容をご確認のうえ、今回の支払期限までに下記口座へお振込みくださいますようお願いいたします。

以下の名称・日付・金額は架空の例です。架空の例は事務用品の代金で、一部入金・返品・値引きはないものとします。

項目記載例
発行日・入金確認日2026年10月28日
請求書・取引内容請求書番号 W-A、事務用品納入代金
今回の請求残額税込88,000円
当初の支払期日2026年10月23日
今回の支払期限2026年11月6日までのお振込みをお願いいたします
振込先若葉銀行 本店営業部 普通預金 1234567、口座名義 ワカバハンバイ(カ

本状と行き違いでお支払い済みの場合は、ご容赦ください。照合のため、振込日・振込名義・金額を経理窓口までお知らせいただけますと幸いです。請求内容に相違がある場合や、お支払いの予定についても同窓口へご連絡ください。

実際の差出人欄には、自社の住所・担当者名と、取引先が連絡できる電話番号やメールアドレスを記載します。

再送するときの差替え文

再送時は、前回の連絡日と、そこから確認できた入金・回答を追記します。請求書の写しを付ける場合は「写し」と表示し、新たな取引の請求と混同させないようにします。

先にご案内した上記の請求について、現在も入金が確認できておりません。今回の支払期限までのお支払いと、支払予定日のご連絡をお願いいたします。すでにお手続き済みの場合は、振込内容をご連絡ください。

法的措置の予告は、社内で方針を決めた場合に、その内容に合わせて記載します。「この文書だけで差押えができる」と受け取られる文面は使いません。未確認の再請求手数料などを付け足すのも避けます。

送付前に請求と入金を照合する

確認対象確認すること
契約・請求書取引内容、合意した期日、請求書の送付先・送付履歴に誤りがないか
銀行明細・入金消込振込名義の違い、合算振込、一部入金、未消込の入金がないか
返品・値引き・相殺営業担当や取引先と調整中の事項がないか。確定した請求残額を照合
連絡履歴支払猶予や分割払いの合意、先方の回答、請求内容の争いがないか

当初の支払期日は、当時の契約書・請求書で確認します。締め日や支払条件の読み方は、支払サイト・支払日計算ツールの解説も参照できます。

確定期限のある債務では、その期限が到来した時から債務者は遅滞の責任を負います(民法412条)。期限が不確定の場合や、期限を定めなかった場合は別の定めがあるため、この文例の期日の扱いをそのまま当てはめません。

送付後は内容・発送・到達を分けて残す

請求を照合残額と期日を確定送付控えを保存内容と発送を記録到達・回答を記録次の対応へ引継ぎ
経理の確認の流れ。発送した事実と、相手への到達の確認は分けて管理します。
記録欄残すものの例
送った内容督促状の確定版、同封した請求書の写し、社内承認の記録
発送送付日、宛先、送付方法、担当者、郵便の受領証や送信履歴
配達・到達の確認配達記録、返送の有無、受信・受領に関する相手の回答
入金・回答・次の対応回答日、支払予定日、実際の入金、請求への異議、社内の対応担当

意思表示は相手方への通知の到達時から効力を生じ、相手方が正当な理由なく到達を妨げた場合は、通常到達すべき時に到達したものとみなされます(民法97条)。発送した控えだけで、個別の事案の到達を断定しないようにします。

郵便でどの事実を証明できるかは、内容証明と配達証明の違いで確認できます。メールを使う場合も送信内容を保存し、送信済み表示だけで法的な到達が確認できたとは扱わず、届いたか不明な場合は送付先や連絡手段を確かめます。

催告による完成猶予と更新は別の効果

督促状を送るだけで、時効が最初から進み直すわけではありません。時効完成前の催告から6か月を経過するまで時効は完成しませんが、催告や書面・電磁的記録による協議合意で猶予中の催告には、この効力はありません(民法150条・151条)。

催告による猶予中に、書面・電磁的記録で協議を行う旨を合意しても、合意による完成猶予の効力はありません(民法151条)。

権利の承認があった場合は、承認の時から時効が新たに進行します(民法152条)。債権者が文書を出すことと、相手が権利を承認することは分けて考えます。承認の有無を判断する際は、相手の回答と入金記録を弁護士に見せて確認します。

催告による完成猶予と承認による更新は、事由が生じた当事者とその承継人の間に効力が及びます(民法153条)。売掛金の起算点・旧契約の経過措置は消滅時効・時効援用の解説を参照し、この文例から時効完成日を算定しないでください。

時効が近い場合や、取引先が請求内容を争っている場合は、再送を繰り返す前に弁護士へ相談し、次の対応を確認します。裁判所を通す手続きは支払督促の解説に分けています。

送付前後の要点

  • 送る前に入金と請求残額を照合する。
  • 当初の支払期日と今回求める期限を分ける。
  • 文書の控え・発送・到達の確認・相手の回答を残す。

よくある質問

督促状と催促状・催告書はどう使い分けますか?

この記載例では、最初の確認は「お支払いのお願い」、再送は前回の連絡経緯を加える形で使い分けます。時効については表題だけで判断せず、支払いを求める催告の内容と到達を確認します。裁判所を通す支払督促とは別の文書です。

送った後に入金が見つかったらどうしますか?

該当の請求への入金かを消込で確認し、送付済みの督促状と対応づけて記録します。すでに連絡した相手には、確認できたことを伝えます。一部入金なら、残額と次の連絡内容を見直します。

何度も督促状を送れば時効は更新されますか?

発送を繰り返すだけで時効が更新されるわけではありません。催告による完成猶予中の再度の催告には完成猶予の効力もありません。権利の承認などとは効果が異なるため、再送だけに頼らず、時効が近い場合は弁護士へ対応を確認してください。

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出典

本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。個別の法的判断は弁護士に、税務上の処理は税理士にご確認ください。

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