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役員報酬の相場|令和7年分の資本金別平均・人数と統計の読み方

役員報酬の相場は、国税庁の資本金階級別の平均年間給与で確認できます。ただし、これは社長個人の適正額や、税務上認められる上限を示す数字ではありません。

資本金別の平均年間給与と人数

株式会社の役員の平均年間給与と人数は、資本金の階級ごとに次のとおりです。令和7年分・通年勤務の役員・男女計・乙欄適用者を含む集計です。資本金は年末現在です。給与は賞与込みの年間額面で、給与所得控除前・非課税分を除く金額です。人数は標本からの復元推計値です。

資本金階級別の役員給与
株式会社の資本金役員の給与所得者数平均年間給与
2,000万円未満1,717,877人690万7,000円
2,000万円以上〜5,000万円未満394,168人992万1,000円
5,000万円以上〜1億円未満182,886人1,271万2,000円
1億円以上〜10億円未満100,013人1,432万1,000円
10億円以上111,712人1,682万5,000円

出典:国税庁・令和7年分の全国計表第6表(Excel)の役員欄。公表値の平均給与は千円単位で、表では円に換算しています。資本金の階級は次の階級と重ならない範囲で表記しました。

この表では、役員の担当職務、常勤・非常勤、会社の業績別の平均までは確認できません。この表から「平均に合わせて増額する」「平均より高いので減額する」とは決められません。

誰の、どの給与を比べているか

集計には社長以外の役員も含まれます。給与は賞与込みの額面で、非課税分を除いた年間額です。

社長だけでなく、取締役・監査役などを含む

この調査の役員は、法人の取締役、監査役、理事、監事などです。したがって、役員の平均をそのまま社長の平均と読み替えることはできません。

令和7年分で「通年勤務」として集計されるのは、その年の年初から年末まで引き続き勤務し、給与の支給を受けた月数が12か月の給与所得者です。年の途中に就任・入社した人や退職した人の給与を、通年勤務の平均と直接比べるのは避けます。

給与は賞与込みの額面、非課税手当は除く

統計の給与は、給料・手当と賞与を合計した給与所得控除前の収入金額です。通勤手当などの非課税分を除きます。役員賞与には、企業会計上の役員賞与のほか、税法上役員の賞与と認められるものも含まれます。

統計の年間給与と月々の報酬の比較範囲 統計の平均年間給与 給料・手当 + 賞与 非課税分を除く額面 自社の年間給与と比較 月例分と賞与をそろえる 手取りとは分けて考える 平均を月割りしても、月例報酬の相場にはならない
年間の支給範囲をそろえてから比較します。賞与を含む年額と、毎月の定額報酬を直接比べないようにします。

乙欄を含む表と、除く表を混ぜない

本記事は乙欄適用者を含む欄を使っています。国税庁の表には、乙欄適用者を除く集計も別にあり、人数も平均給与も異なります。

この調査では、主たる給与以外の給与分を独立した給与所得者とみなして乙欄適用者と呼びます。複数の事業所から給与を受け、それぞれで調査対象になれば、複数の給与所得者として集計されます。表の人数は役員個人を名寄せした実人数ではなく、平均も個人の給与収入全体の平均ではありません。

株式会社以外の法人と全体平均

合同会社や有限会社は、株式会社の資本金階級の行に含まれません。この調査では「その他の法人」に区分されます。

令和7年分・通年勤務の役員・男女計・乙欄適用者を含む集計です。法人区分は年末現在です。給与は賞与込みの年間額面で、給与所得控除前・非課税分を除く金額です。人数は標本からの復元推計値です。

株式会社とその他の法人の役員給与
法人区分役員の給与所得者数平均年間給与
株式会社計2,506,657人854万2,000円
その他の法人1,464,782人670万円
法人合計3,971,439人786万3,000円

「その他の法人」には合同会社、有限会社、医療法人、特定非営利活動法人など、株式会社以外の法人が含まれます。公務員に準じる職員がいる公庫・事業団・公社・特定独立行政法人・特定地方独立行政法人は調査対象外です。出典:国税庁・令和7年分の全国計表第6表(Excel)、用語の解説。

その他の法人には異なる法人形態が含まれるため、この平均を合同会社だけの相場とは扱えません。全体平均も、株式会社とその他の法人が混ざった値です。自社に近い行から読む方が、比較対象を取り違えにくくなります。

平均・中央値・社長の適正額は別

平均給与だけでは分布の中央は分からず、社長の適正額も決められません。平均給与は、給与支給総額を給与所得者数で割った値です。中央値は金額順に並べたときの中央を表す値で、個数が偶数なら中央の両側の値を平均します。高額の給与を受ける人の存在は平均を押し上げるため、平均だけでは分布の中央が分かりません(総務省統計局「中心的な傾向を捉える」)。

本記事が使う役員の企業規模別集計表には、給与階級別の人数・給与総額・平均給与が載っていますが、中央値の欄はありません。階級別人数から中央の人が属する階級を調べることと、その人の給与額を特定することは別です。ここでは階級内の分布を仮定した中央値を載せていません。

また、この表に社長・会長・専務・常務といった役職別の金額はありません。社長の報酬だけを知りたい場合でも、役員全体の平均から役職別の金額を推定することはできません。

統計表で同じ欄を確認する手順

統計表では、調査年分と集計条件をそろえて確認します。資料を社内で共有するときは、平均額だけを転記せず、これらの条件も残します。公表年と給与が支払われた年分は区別してください。

  1. 令和7年分の調査結果から、企業規模別・給与階級別の総括表を開きます。
  2. 役員のシート「06_05_役員」を選び、通年勤務・性別「計」・給与階級「計」の行を確認します。
  3. 自社の法人形態と資本金の行を選び、給与所得者数と平均給与の単位を確認します。元表では人数がE列、平均給与がG列です。
  4. 比較する年度を変えるときも、役員・通年勤務・男女計・乙欄を含むかどうかをそろえます。

公表表の値は表示単位未満を四捨五入しているため、内訳を足しても「計」や「合計」に一致しない場合があります。平均給与も、表示済みの給与総額と人数から計算し直すと端数が合わない場合があります。引用には公表された平均給与を使います。

この調査は標本から全体を推計した統計です。国税庁は、役員などの区分で標本事業所数が非常に少ない箇所は、計数の精度が低くなると説明しています。少額の差を個々の会社の報酬水準の優劣と結び付ける読み方は避けます。

自社の報酬と比べるときの確認事項

まず年間の額面と支給範囲をそろえ、その後に会社の資金繰りや本人の生活費を確認します。比較資料には、次の項目を並べると取り違えを防げます。

手取りを試算する場合は、統計平均を月割りして入力するのではなく、実際に予定している月例の課税給与額を使います。手取り計算ツールは月給用で、賞与や非課税手当のある給与、乙欄の給与などは対象外です。加入保険や役員としての適用関係も、ツールの対象範囲と照らして確認してください。

予定する月給から手取りを試算する

金額を決定・改定するときの決議、定期同額給与、賞与の届出については、役員報酬の決め方へ進んでください。統計の平均との比較と、損金算入の要件の確認は分けて行います。

まとめ

  • 資本金階級・法人形態を合わせ、役員の平均年間給与を相場の参考にする。
  • 本記事の表は通年勤務・男女計・乙欄適用者を含む集計。給与は非課税分を除く賞与込みの額面。
  • 中央値や社長個人の適正額は、この平均表から決められない。

よくある質問

役員報酬の平均は、社長の年収の平均ですか?

違います。本記事の統計は、取締役、監査役、理事、監事などを含む役員の給与を集計しています。社長の給与だけを取り出した平均ではなく、個人が複数の事業所から受ける給与の総額を名寄せした平均でもありません。

平均年間給与を月割りすれば、毎月の役員報酬の相場になりますか?

なりません。統計の給与には賞与が含まれるため、月割りした金額は、毎月同額で支払う報酬の平均を示しません。自社と比較するときは、非課税分を除いた月例給与と賞与の年間合計に範囲をそろえます。

中央値も国税庁が公表していますか?

本記事で使う役員の企業規模別集計表には、中央値は掲載されていません。給与階級別の人数から中央値を概算する場合も、階級内の分布について仮定が必要で、公表された平均給与とは区別が必要です。

合同会社も株式会社の資本金別平均を使えますか?

同じ区分としては使えません。この調査では合同会社は「その他の法人」に入ります。ただし、その他の法人には有限会社や医療法人なども含まれるため、その平均も合同会社だけの相場ではありません。

平均より低ければ、報酬を引き上げる必要がありますか?

統計平均だけで引上げの必要性は決まりません。役員全体の集計値であり、職務の内容や会社の業績などをそろえた個別の適正額ではないためです。

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出典

国税庁「令和7年分民間給与実態統計調査」の全国計表と調査概要を使用しています。

本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。個別の判断は税理士または所轄の税務署にご確認ください。

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