ZEDIとは|全銀EDIの情報項目と入金消込の準備・確認表
ZEDI(ゼディ)は、総合振込に請求書番号などの金融EDI情報を添付し、受取側の入金消込に活用する全銀EDIシステムです。
消込を自動化するには、銀行・会計システムのXMLデータへの対応と、取引先との照合項目の合意が必要です。受取側の設定だけでは、支払側が添付していない情報を取得できません。
まず支払側・受取側の確認表で準備を分担し、利用する情報標準の項目を照合します。合算入金や手数料控除の例では、どの情報を消込に使うかまで確認できます。
支払側・受取側の準備を分ける
最初に確認するのは、銀行の対応サービス、社内システムとの連携、取引先と共有する項目です。次の表は、導入相談の回答を記録するための社内確認表の例です。
| 確認対象 | 支払側の準備 | 受取側の準備 |
|---|---|---|
| 銀行サービス | ZEDI対応の総合振込を利用できるか確認 | 金融EDI情報付きの振込入金通知・入出金取引明細を取得できるか確認 |
| 社内システム | 金融EDI情報を含むXML振込データの作成・送信方法を確認 | XML明細の取得・表示・会計システムへの読込方法を確認 |
| 照合する情報 | 請求データから渡せる項目を取引先に示す | 消込に使う項目を示し、双方が持つ情報で合意する |
| 費用・契約 | 銀行サービス料金、データ作成・連携の費用を確認 | 明細取得、読込・消込機能の費用と契約範囲を確認 |
| 利用開始 | 金融EDI情報を添付して支払うことを連絡 | 金融EDI情報付きの振込を希望することを連絡 |
全銀ネットの導入までのステップも、費用の検討、取引先との相談、会計ソフト等との連携確認、開始連絡を挙げています。取引銀行がZEDIに接続していても、自社の契約サービスで使える機能は銀行に確認します。
検討時の記録には、対象の取引先、使う口座・サービス、情報標準、ソフトの対応版、確認した担当者を残すと、開始後の問い合わせ先を揃えられます。
ZEDIの対象と入金消込までの流れ
ZEDIが扱うのは国内の内国為替取引です。支払側は一括ファイル伝送のFBやインターネットバンキングのIBによる総合振込、受取側は振込入金通知・入出金取引明細を利用します。給与・賞与振込、口座振替とその結果照会、外国送金は対象外です。
金融EDI情報は、振込と請求を結び付ける手掛かりです。XMLはデータの項目や構造を表す形式であり、XMLファイルを取得できることと、自社ソフトがその項目を読み取って消し込めることは別の確認です。
受取企業がZEDIに対応していない場合でも、従来どおり口座へ振込送金されます。ただし、その受取企業は金融EDI情報を確認できません。送金できたという結果だけで、取引先が情報も受領できたとは判断しません。
DI-ZEDIの情報項目を確認する
DI-ZEDIは、受発注企業の双方が持つデジタルインボイスデータと突合するためのキー情報等に絞った標準です。総合振込依頼ファイルの「金融EDI情報」欄に設定する内容を定めており、振込ファイル全体の仕様とは区別します。
全銀ネットの金融EDI情報標準「DI-ZEDI」の項目を整理した表です。「必須」は同資料の繰返し欄で省略不可の項目を示します。利用ソフトの入力画面・対応仕様も確認してください。
| 情報項目 | 入れる内容 | 仕様上の扱い |
|---|---|---|
| 請求書タイプコード | 適格請求書か仕入明細書かを表すコード | 必須 |
| 請求書番号 | 対象の請求書に付された番号 | 必須 |
| 請求書発行日 | 対象の請求書が発行された年月日 | 必須 |
| 請求金額(税込) | 請求書単位の税込合計額。差引後の振込額と混同しない | 任意・入力推奨 |
| 売手企業の登録番号 | 売手の適格請求書発行事業者の登録番号 | 必須 |
| 買手企業の登録番号 | 買手の適格請求書発行事業者の登録番号 | 任意・入力推奨 |
| 振込手数料負担 | 振込依頼人負担か、受取人負担で請求額から減額するか | 任意 |
| 備考 | 振込に関する買手企業の連絡先など | 任意 |
請求書番号が相手の受信後もそのまま残り、双方の請求データに結び付くかを確認します。DI-ZEDIの請求書番号欄には、対象の請求書に付された番号を入れます。社内の伝票番号が異なる場合は、請求書番号との対応を自社システム側で管理します。
DI-ZEDIはJP PINT・JP BISに対応した金融EDI情報標準です。PeppolとJP PINTの解説が扱う請求データの送受信と、本記事の振込・入金明細の連携を繋ぐ接点になります。Peppol側の接続とZEDI側の連携は、それぞれ提供者に確認します。
S-ZEDIとの違いは項目の意味まで見る
S-ZEDIには、ブラウザ上で金融EDI情報付きの総合振込XMLファイルを簡易作成する機能があります。この作成機能は無料ですが、銀行サービスや会計ソフトの利用費用まで無料という意味ではありません。
全銀ネットの金融EDI情報標準の案内には、DI-ZEDIのほかS-ZEDIの項目一覧とサンプルもあります。利用先がどちらを扱えるかを確認し、異なる標準の欄を名前の近さだけで対応付けないことが大切です。
次は、S-ZEDIの手引きとDI-ZEDIの公表資料を比べた注意点です。項目の抜粋であり、S-ZEDIの全項目一覧ではありません。
| 比べる点 | S-ZEDIの扱い | DI-ZEDIで注意すること |
|---|---|---|
| 金額の意味 | 「支払金額(明細)」は請求書単位。相殺・一部払いでは実際の支払額 | 「請求金額(税込)」は請求書単位の税込合計額 |
| 企業の番号 | 企業法人コードには法人番号。代行振込では実際の支払人と請求先を区別 | 売手・買手の登録番号は適格請求書発行事業者の登録番号 |
| 請求書番号 | 入力推奨。合算振込の内訳の確認に活用 | 仕様上の必須項目 |
| 差額の情報 | 金額相殺理由と相殺金額の欄がある | 振込手数料負担の欄がある。ほかの差額の伝達方法は双方で確認 |
S-ZEDIの支払通知番号・支払通知発行日は、支払通知書がない場合には入力不要とされています。どの欄も埋めればよいと考えず、資料の定義と実際の請求・支払の関係に合わせます。
合算・一部払い・差額をどう確認するか
請求書番号が届けば、合算入金がどの請求を含むかを確認しやすくなります。ただし、内訳が分かることと、請求残高をどこまで消すかは別です。次はS-ZEDIの手引きの活用例を踏まえた、受取側の確認例です。
| 入金の場面 | 確認する金融EDI情報の例 | 受取側に残す確認 |
|---|---|---|
| 複数請求の合算 | 合算対象の個々の請求書番号 | 番号ごとに請求を特定し、入金の配分を確認 |
| 当月分と翌月分の合算 | 備考の対象期間・合算の説明 | どの期間の請求に対応するかを分ける |
| 請求額の一部払い | 請求書番号、支払金額、備考の一部払いの説明 | 今回の支払対象と残額を確認。完済として処理しない |
| 代行会社による振込 | 実際の支払人と請求先の企業情報 | 振込名義と請求先が異なる理由を照合 |
| 手数料控除・返品による減額 | 金額相殺理由、相殺金額 | 差額の理由を契約・返品記録などと照合 |
S-ZEDIの手引きの手数料控除例では、受取企業負担の振込手数料を請求額から差し引きます。次の金額は同資料の設例であり、銀行の現在の料金を示すものではありません。
| 設例の項目 | 金額・内容 |
|---|---|
| 請求金額 | 10,000円 |
| 相殺金額 | 220円 |
| 実際の入金額 | 9,780円 |
| 金額相殺理由 | 振込手数料 |
受取側は、差額が手数料だと確認できた後、負担の合意や社内の処理方針と照合します。備考や相殺理由が届いたというだけで、相手の減額を承認したことにはしません。税務上の処理までZEDIの情報だけで決めることも避けます。
開始前の試験と情報が見えないときの確認
開始前には、振込データの作成から受取側の明細読込までを通して確認します。次は社内の試験記録の例です。試験環境の有無や、実際の送金を伴う確認方法は、銀行・提供者と調整してください。
| 確認する場面 | 試す内容 | 残す記録の例 |
|---|---|---|
| 支払データ作成 | 合意した請求書番号などをXMLに入れる | 入力元、項目対応、作成時のエラー |
| 送信・受付 | 銀行サービスの手順に沿って送信・受付結果を確認 | 送信記録、受付結果、振込処理の結果 |
| 受取・読込 | 金融EDI情報付きXML明細を取得し、ソフトに読み込む | 番号や金額が欠落せず表示されたか |
| 請求との照合 | 合算・一部払い・差額のある入金を確認 | 消込対象、配分、残額、確認担当者 |
| 例外時の運用 | 番号不足や不一致を確認担当へ回す | 問い合わせ先、確認結果を残す場所 |
金融EDI情報が見えない場合は、支払側が添付したか、受取側が対応サービスでXML明細を取得したか、ソフトが該当項目を表示・読込できるかの順に切り分けます。通常の入金明細画面を見ただけで、情報が送られていないとは判断しません。
固定長データの作成・取込で困っている場合は、全銀フォーマットの作り方を参照してください。振込名義の整形には次のツールを使えますが、金融EDI情報の作成やXMLの検証は対象外です。
振込名義カナ変換ツールを使う導入の確認は、銀行・ソフトの対応、取引先と合意した照合項目、受取後の消込の順に進めます。送金の結果と情報の受領を分け、差額や一部払いを含む明細で運用を確かめてから対象を広げます。
よくある質問
ZEDIを使えば消込は自動化されますか?
自動化には銀行・会計システムのXMLデータへの対応と、取引先との照合項目の合意が必要です。情報の受領から読込・突合・消込まで、利用するソフトでどこまで処理できるかを確認します。
取引先がZEDIに対応していないと振り込めませんか?
受取企業が未対応でも従来どおり口座へ振込送金されます。ただし、その受取企業は金融EDI情報を確認できないため、消込に活用するには対応が必要です。
給与振込や外国送金にも利用できますか?
利用できません。ZEDIは国内の総合振込と、それに関する振込入金通知・入出金取引明細が対象です。給与・賞与振込、口座振替とその結果照会、外国送金は対象外です。
DI-ZEDIとS-ZEDIでは金額欄は同じですか?
意味が異なります。DI-ZEDIの「請求金額(税込)」は請求書単位の税込合計額です。S-ZEDIの「支払金額(明細)」は請求書単位の支払額で、相殺・一部払いでは実際の支払額を入れます。
S-ZEDIは無料で使えますか?
ブラウザ上で振込用XMLファイルを簡易作成するS-ZEDIの機能は無料です。銀行サービスや会計ソフトなどの費用・契約は別に確認します。
出典
情報標準と利用条件は、全銀ネットの公表資料などを参照しています。導入確認表と試験記録は、経理作業を整理するための例です。
- 全銀ネット「全銀EDIシステムとは」:導入手順、対象業務、未対応の受取企業の扱い。
- 全銀ネット「金融EDI情報標準について」:DI-ZEDI・S-ZEDIの資料案内。
- 全銀ネット「金融EDI情報標準 DI-ZEDIについて」:情報項目とその定義。
- 全国銀行協会掲載・全銀ネット「S-ZEDI利用に向けた留意事項」:情報項目、合算・一部払い・差額の活用例、対応サービスの確認。
仕様とサービスの対応範囲は更新されるため、利用開始・変更時には全銀ネットの公表資料と利用銀行・提供者の案内を確認してください。
この記事は一般的な情報提供であり、個別の事案への助言や適法性の判断を行うものではありません。実際の税務上の判断は、税務署・税理士などにご確認ください。個別の税務・労務相談には応じられません。