経理ミニツールズ

住民税非課税世帯 判定シミュレーター

世帯全員の年金収入・給与収入と年齢を入れるだけで、住民税非課税世帯にあたるかを判定します。65歳以上は年金155万円まで、65歳未満は105万円まで(1級地・単身)という境界を、公的年金等控除均等割の非課税限度額から条文どおりに計算します。子のアルバイト代で世帯が課税になる境界と、扶養の付け方を変えれば非課税になるケースも出します。

「住民税非課税世帯」とは、世帯全員が住民税の均等割を課されない世帯のことです 給付金・高額療養費の区分・保育料の減免などが使っているのはこの定義で、所得割だけが非課税でも該当しません。世帯のうち1人でも均等割を課される人がいれば、その世帯は非課税世帯ではありません。判定は前年の合計所得金額で行います。

「世帯全員が均等割非課税」でなければ非課税世帯ではない

住民税には均等割(定額)と所得割(所得に比例)の2つがあり、非課税の限度額はそれぞれ別に定められています。給付金や高額療養費の区分が使う「住民税非課税世帯」は、世帯全員が均等割非課税である世帯を指します。

均等割の非課税限度額所得割の非課税限度額
根拠地方税法295条3項+施行令47条の3
(政令の基準に従い条例で定める)
地方税法附則3条の3
法律が直接定める)
基本額35万円 ×(本人+同一生計配偶者+扶養親族)
級地で1.0/0.9/0.8倍される
35万円 ×(同左)
全国一律
加算額10万円 +(扶養等がいれば)21万円10万円 +(扶養等がいれば)32万円
加算額が21万円と32万円で違うため、「所得割は非課税だが均等割は課税される」帯が生まれます。この帯にいる人は住民税を均等割の分(+森林環境税1,000円)だけ払うことになり、住民税非課税世帯には該当しません。「住民税がほとんどかかっていないから非課税世帯だろう」という感覚は、この帯でずれます。

65歳以上と65歳未満で、境界が50万円違う

年金暮らしの世帯の判定を左右するのは公的年金等控除です。所得税法35条4項が定める最低保障額は60万円ですが、65歳以上はこれが110万円に読み替えられます(租税特別措置法41条の15の3第1項)。住民税の所得計算は「所得税法その他の所得税に関する法令の規定による…計算の例による」と定められているため(地方税法313条2項)、この特例は住民税にも及びます

年金収入から住民税非課税の境界が決まる仕組み(1級地・単身) 1級地・単身(扶養なし)の場合 年金収入 155万円 65歳以上 公的年金等控除 110万円 措法41条の15の3 = 合計所得 45万円 =限度額ちょうど → 非課税 年金収入 105万円 65歳未満 公的年金等控除 60万円 所法35条4項1号(本則) = 合計所得 45万円 =限度額ちょうど → 非課税 均等割の非課税限度額(1級地・扶養なし)= 35万円 + 10万円 = 45万円 同じ「合計所得45万円」でも、そこに届く年金収入は50万円ちがう(=控除の差そのもの) ★65歳以上かどうかは「その年12月31日」の年齢で判定する(措法41条の15の3第4項) 誕生日を迎えた月からではない。1歳ずれると、年金155万円の人の答えが「非課税」と「課税」で反転する
65歳以上と65歳未満で公的年金等控除の最低保障額が50万円違うため、非課税でいられる年金収入の境界も50万円ずれる

同じ収入でも、住んでいる市区町村で境界が変わる

均等割の非課税限度額は「政令で定める基準に従い条例で定める」もので(地方税法295条3項)、その基準となる基本額と加算額が生活保護法の級地区分によって1.0倍・0.9倍・0.8倍されます(同法施行規則9条の21第2項)。所得割の限度額が法律で全国一律なのとは対照的です。

級地基本額加算額単身の限度額年金だけなら(65歳以上)
1級地(東京23区・政令指定都市など)35万円21万円45万円155万円
2級地(中規模の市など)31万5千円18万9千円41万5千円151万5千円
3級地(町村など)28万円16万8千円38万円148万円

政令の額はあくまで参酌基準で、最終的に決めるのは各市区町村の条例です。境界に近いときは、お住まいの市区町村の住民税担当窓口で確認してください。

子のアルバイト代が、世帯の非課税を壊すことがある

非課税世帯の条件は世帯全員が均等割非課税であることなので、子ども本人が課税されると世帯全体が該当しなくなります。1級地なら子ども自身の限度額も合計所得45万円=給与収入110万円です。

ただし18歳未満の未成年者は、合計所得135万円以下なら非課税です(地方税法295条1項2号)。この規定は人数による限度額の計算より先に効くので、同じ収入でも年齢によって結果が反転します。たとえば給与収入115万円の子は、19歳なら課税・17歳なら非課税です。障害者・寡婦・ひとり親にあたる人も同じ135万円の基準が使えます。

扶養の付け方を変えると、非課税になることがある

均等割の限度額は本人+同一生計配偶者+扶養親族の人数で決まります。したがって共働きで子どもが複数いる世帯では、子どもを誰の扶養に付けるかで世帯の判定が変わることがあります

1級地で、夫の合計所得100万円・妻60万円・子2人の場合 — 子2人を夫にまとめると夫の限度額は136万円になりますが、妻は扶養なしで限度額45万円のため課税になり、世帯は非課税世帯になりません。 子を1人ずつ分けると、夫も妻も限度額101万円になって2人とも非課税=世帯非課税になります。

本ツールは扶養の付け方を全通り試し、非課税になる付け方があればそれを使って判定します。「所得が多い人にまとめる」という思い込みで計算すると、この差を取りこぼします。なお夫婦が互いを扶養に数えることはできないものとして計算しています(同じ人を二重に数えないための安全側の扱いです)。

16歳未満の子どもも人数に入ります。年少扶養控除は平成24年に廃止されたので所得控除には1円も効きませんが、非課税限度額の「扶養親族の数」には入ります(地方税法施行令47条の3第1号が「年齢十六歳未満の者及び…控除対象扶養親族に限る」と明記)。小さな子どもを数え落とすと、1級地なら限度額を35万円過小に出します。

よくある質問

Q. 住民税非課税世帯とはどういう世帯ですか?

A. 世帯全員が住民税の均等割を課されない世帯のことです。給付金・高額療養費の自己負担限度額の区分・保育料の減免・大学の修学支援などが使っている定義はこれで、所得割だけが非課税でも該当しません。世帯のうち1人でも均等割を課される人がいれば、その世帯は住民税非課税世帯ではありません。判定は前年の合計所得金額で行い、令和8年度(2026年度)の判定なら令和7年(2025年)1年間の所得を使います。

Q. 年金収入がいくらまでなら住民税非課税ですか?

A. 1級地に住む単身の人なら、65歳以上は年金収入155万円まで、65歳未満は105万円までです。差が出るのは公的年金等控除の最低保障額で、65歳以上は110万円、65歳未満は60万円だからです(租税特別措置法41条の15の3)。65歳以上かどうかはその年の12月31日の年齢で判定します。2級地は151万5千円まで、3級地は148万円までと、お住まいの市区町村の級地によって境界が変わります。

Q. 給与収入だけの単身者はいくらまで非課税ですか?

A. 1級地なら給与収入110万円までです。均等割の非課税限度額が合計所得45万円(35万円+10万円)で、給与所得控除の最低保障額が65万円なので、45万円+65万円=110万円が境界になります。令和7年分から給与所得控除の最低保障額が55万円から65万円に引き上げられたため、この境界は100万円から110万円に上がりました。所得税がかからない範囲(いわゆる160万円の壁)とは別の基準です。

Q. 子どものアルバイト代で世帯が課税になることはありますか?

A. あります。住民税非課税世帯は世帯全員が均等割非課税であることが条件なので、子ども本人が均等割を課されると世帯全体が非課税世帯でなくなります。1級地なら子ども自身の限度額は合計所得45万円(給与収入110万円)です。ただし18歳未満の未成年者は合計所得135万円以下なら非課税になるため(地方税法295条1項2号)、同じ収入でも年齢によって結果が反転します。19歳の子の給与収入115万円は課税、17歳なら非課税です。

Q. 級地とは何ですか。自分の市区町村の級地はどこで分かりますか?

A. 生活保護法8条1項の保護の基準における地域の級地区分のことで、均等割の非課税限度額の基本額がこれによって1.0倍・0.9倍・0.8倍されます(地方税法施行令47条の3、同法施行規則9条の21第2項)。おおよそ東京23区・政令指定都市・県庁所在地などが1級地、中規模の市が2級地、町村が3級地です。政令の額はあくまで参酌基準で、最終的には各市区町村の条例が定めるため、境界に近い場合はお住まいの市区町村の住民税担当窓口でご確認ください。

Q. 扶養の付け方で判定が変わることがあるのはなぜですか?

A. 均等割の非課税限度額が本人+同一生計配偶者+扶養親族の人数で決まるからです。共働きで子どもが複数いる場合、子どもを1人にまとめて扶養させるより1人ずつ分けたほうが、両親それぞれの限度額が上がって世帯全体が非課税になることがあります。たとえば1級地で夫の合計所得100万円・妻60万円・子2人なら、子2人を夫にまとめると妻が課税になりますが、1人ずつ分ければ2人とも非課税になります。本ツールは付け方を全通り試し、非課税になる付け方があればそれを表示します。

Q. 障害者や寡婦・ひとり親には別の基準がありますか?

A. あります。障害者・未成年者・寡婦・ひとり親にあたる人は、前年の合計所得金額が135万円以下であれば均等割も所得割も課されません(地方税法295条1項2号)。この判定は人数による限度額の計算より先に効くので、限度額を超えていてもこちらで非課税になることがあります。給与収入だけなら約204万円、65歳以上の年金収入だけなら245万円までが合計所得135万円の目安です。

出典

条文は e-Gov 法令検索の法令APIから取得して逐語で確認しています。均等割の非課税限度額は各市区町村の条例で定まるため、境界に近い場合はお住まいの市区町村にご確認ください。このページは一般的な情報提供であり、個別の判定を保証するものではありません。

関連ツール